薬剤情報
後発品
薬効分類抗インフルエンザウイルス薬 > RNAポリメラーゼ阻害薬 抗重症熱性血小板減少症候群 (SFTS) ウイルス薬 > RNAポリメラーゼ阻害薬
一般名ファビピラビル錠
薬価0
メーカー富士フイルム富山化学
最終更新
2024年06月改訂(第2版)

用法・用量

〈新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症〉

通常、成人にはファビピラビルとして1日目は1回1600mgを1日2回、2日目から5日目は1回600mgを1日2回経口投与する。総投与期間は5日間とすること。

〈重症熱性血小板減少症候群ウイルス感染症〉

通常、成人にはファビピラビルとして1日目は1回1800mgを1日2回、2日目から10日目は1回800mgを1日2回経口投与する。総投与期間は10日間とすること。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

7.1. 〈新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症〉インフルエンザ様症状の発現後速やかに投与を開始すること。

7.2. 〈新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症〉承認用法及び用量における本剤の有効性及び安全性が検討された臨床試験は実施されていない。承認用法及び用量は、インフルエンザウイルス感染症患者を対象としたプラセボ対照第1/2相試験成績及び国内外薬物動態データに基づき推定した〔16.1.1、17.1.1参照〕。

7.3. 〈重症熱性血小板減少症候群ウイルス感染症〉重症熱性血小板減少症候群ウイルス感染症の症状の発現後速やかに投与を開始すること。

効能・効果

1). 新型インフルエンザウイルス感染症又は再興型インフルエンザウイルス感染症(ただし、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分なものに限る)。

2). 重症熱性血小板減少症候群ウイルス感染症。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

5.1. 〈新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症〉本剤は、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分な新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症が発生し本剤を当該インフルエンザウイルスへの対策に使用すると国が判断した場合にのみ患者への投与が検討される医薬品である。本剤の使用に際しては、国が示す当該インフルエンザウイルスへの対策の情報を含め、最新の情報を随時参照し、適切な患者に対して使用すること。

5.2. 〈新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症〉本剤は細菌感染症には効果がない〔8.3参照〕。

5.3. 〈効能共通〉小児等に対する投与経験はない〔9.7小児等の項参照〕。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 異常行動(頻度不明):因果関係は不明であるものの、インフルエンザ罹患時には、転落等に至るおそれのある異常行動(急に走り出す、徘徊する等)があらわれることがある〔8.2参照〕。

11.1.2. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)。

11.1.3. 肺炎(頻度不明)。

11.1.4. 劇症肝炎(頻度不明)、肝機能障害(0.2%)、黄疸(頻度不明)〔8.1参照〕。

11.1.5. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)(いずれも頻度不明)。

11.1.6. 急性腎障害(頻度不明)。

11.1.7. 白血球減少、好中球減少、血小板減少(いずれも頻度不明)。

11.1.8. 痙攣(0.2%)、精神神経症状(意識障害、譫妄、幻覚、妄想等)(頻度不明)。

11.1.9. 出血性大腸炎(頻度不明)。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 過敏症:(1%以上)発疹、(0.5%未満)湿疹、そう痒症、紅斑。

2). 肝臓:(1%以上)AST増加、ALT増加、γ−GTP増加、(0.5%未満)血中ALP増加、血中ビリルビン増加。

3). 腎臓:(0.5〜1%未満)尿中ブドウ糖陽性、(0.5%未満)尿中血陽性。

4). 消化器:(1%以上)下痢(4.5%)、(0.5〜1%未満)悪心、腹痛、嘔吐、(0.5%未満)腹部不快感、胃炎、十二指腸潰瘍、血便排泄、口内炎。

5). 血液:(1%以上)好中球数減少、白血球数減少、(0.5%未満)白血球数増加、網状赤血球数減少、単球数増加、リンパ節症。

6). 代謝異常:(1%以上)*血中尿酸増加(7.0%)、血中トリグリセリド増加、(0.5%未満)*痛風、血中カリウム減少。

7). 呼吸器:(0.5%未満)喘息、口腔咽頭痛、鼻炎、鼻咽頭炎、誤嚥性肺炎。

8). その他:(0.5%未満)味覚異常、血中CK増加、心電図QT延長、扁桃腺ポリープ、蜂巣炎、霧視、眼痛、回転性めまい、上室性期外収縮、心室性期外収縮、心電図ST−T部分異常、心電図T波逆転、色素沈着、筋肉痛、挫傷、(頻度不明)発熱。

*)〔9.1.1参照〕。

警告

1.1. 〈重症熱性血小板減少症候群ウイルス感染症〉本剤は重症感染症診療体制が整備され、緊急時に十分な措置が可能な医療機関において、本剤について十分な知識をもつ医師のもと、入院管理下で投与すること。

1.2. 〈効能共通〉動物実験において、本剤は初期胚致死及び催奇形性が確認されていることから、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと〔1.4、2.1、9.5妊婦の項参照〕。

1.3. 〈効能共通〉妊娠する可能性のある女性に投与する場合は、投与開始前に妊娠検査を行い、妊娠検査が陰性であることを確認した上で、投与を開始すること。また、その危険性について十分に説明した上で、投与期間中及び投与終了後10日間はパートナーと共に極めて有効な避妊法の実施を徹底するよう指導すること。なお、本剤の投与期間中に妊娠が疑われる場合には、直ちに投与を中止し、医師等に連絡するよう患者を指導すること〔9.4.1参照〕。

1.4. 〈効能共通〉治療開始に先立ち、患者又はその家族等に有効性及び危険性(胎児への曝露の危険性を含む)を十分に文書にて説明し、同意を得てから投与を開始すること〔1.2、2.1、9.5妊婦の項参照〕。

1.5. 〈新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症〉本剤の投与にあたっては、本剤の必要性を慎重に検討すること。

禁忌

2.1. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔1.2、1.4、9.5妊婦の項参照〕。

2.2. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

重要な基本的注意

8.1. 〈効能共通〉肝機能障害があらわれることがあるので、投与開始前及び投与中は肝機能検査を実施し、観察を十分に行うこと〔9.3.1、9.3.2、11.1.4参照〕。

8.2. 〈新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症〉抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無又は種類にかかわらず、インフルエンザ罹患時には、異常行動を発現した例が報告されている。

異常行動による転落等の万が一の事故を防止するための予防的な対応として、新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症の場合@異常行動発現のおそれがあること、A自宅において療養を行う場合少なくとも発熱から2日間、保護者等は転落等の事故に対する防止対策を講じることについて患者・家族に対し説明を行うこと。

なお、新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症の場合、転落等の事故に至るおそれのある重度の異常行動については、就学以降の小児・未成年者の男性で報告が多いこと、発熱から2日間以内に発現することが多いこと、が知られている〔11.1.1参照〕。

8.3. 〈新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症〉細菌感染症がインフルエンザウイルス感染症に合併したり、インフルエンザ様症状と混同されることがあるので、新型インフルエンザウイルス感染症で細菌感染症又は再興型インフルエンザウイルス感染症で細菌感染症の場合及び細菌感染症が疑われる場合には、抗菌剤を投与するなど適切な処置を行うこと〔5.2参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 痛風又は痛風の既往歴のある患者及び高尿酸血症のある患者:血中尿酸値が上昇し、痛風発作があらわれることがある〔11.2参照〕。

(肝機能障害患者)

9.3.1. 重度肝機能障害患者(Child−Pugh分類クラスC):投与は推奨されない(本剤投与の可否はリスクとベネフィットを考慮して慎重に判断すること(本剤の曝露量が著しく増加し、副作用が強くあらわれるおそれがある))〔8.1、16.6.1参照〕。

9.3.2. 軽度及び中等度肝機能障害患者(Child−Pugh分類クラスA及びB):投与開始前にリスクを十分に検討し、慎重に投与すること(本剤の曝露量が増加し、副作用が強くあらわれるおそれがある)〔8.1、16.6.1参照〕。

(生殖能を有する者)

9.4.1. 妊娠する可能性のある女性:投与開始前に妊娠検査を行い、妊娠検査が陰性であることを確認した上で、投与を開始し、また、妊娠する可能性のある女性には、その危険性について十分に説明した上で、投与期間中及び投与終了後10日間はパートナーと共に極めて有効な避妊法の実施を徹底するよう指導すること。なお、本剤の投与期間中に妊娠が疑われる場合には、直ちに投与を中止し、医師等に連絡するよう患者を指導すること〔1.3、9.5妊婦の項参照〕。

相互作用

本剤は主にアルデヒドオキシダーゼ(AO)、一部はキサンチンオキシダーゼ(XO)により代謝される。また、AO及びチトクロームP−450(CYP)2C8を阻害する〔16.4、16.7.1参照〕。

10.2. 併用注意:

1). ピラジナミド[血中尿酸値が上昇する;ピラジナミド1.5g1日1回、本剤1200mg/400mg1日2回が投与されたとき、血中尿酸値はピラジナミド単独及び本剤併用時で11.6・13.9mg/dLであった(腎尿細管における尿酸の再吸収を相加的に促進させる)]。

2). CYP2C8で代謝される薬剤(レパグリニド等)〔16.7.2参照〕[併用薬剤の血中濃度が上昇し併用薬剤の副作用が発現するおそれがある(CYP2C8を阻害することにより、併用薬剤の血中濃度を上昇させる)]。

3). テオフィリン〔16.7.2参照〕[本剤の血中濃度が上昇し本剤の副作用が発現するおそれがある(XOを介した相互作用により、本剤の血中濃度を上昇させることが考えられる)]。

4). ファムシクロビル、スリンダク[これらの薬剤の効果を減弱させるおそれがある(本剤がAOを阻害することにより、これらの薬剤の活性化体の血中濃度を低下させることが考えられる)]。

高齢者

患者の状態を観察しながら投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物実験において、臨床曝露量と同程度又は下回る用量で初期胚致死(ラット)及び催奇形性(サル、マウス、ラット及びウサギ)が認められている)〔1.2、1.4、2.1、9.4.1参照〕。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤の主代謝物である水酸化体がヒト母乳中へ移行することが認められている)。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない(動物実験において、幼若イヌ[8週齢]に1ヵ月間投与した試験では、若齢イヌ[7〜8ヵ月齢]の致死量より低用量(60mg/kg/日)で投与20日以降に途中死亡例が認められており、幼若動物(ラット[6日齢]及びイヌ[8週齢])では、異常歩行、骨格筋線維萎縮及び骨格筋線維空胞化、心乳頭筋変性/心乳頭筋壊死及び心乳頭筋鉱質沈着などが認められている)〔5.3参照〕。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

その他の注意

15.2. 非臨床試験に基づく情報

動物実験において、ラット[12週齢]及び若齢イヌ[7〜8ヵ月齢]で精巣病理組織学的変化、マウス[11週齢]で精子異常が認められている(なお、いずれも休薬により回復又は回復傾向が認められている)。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

保険給付上の注意、その他上記以外の使用上の注意

(注意)

〈新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症〉本剤は、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分な新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症が発生し、本剤を当該インフルエンザウイルスへの対策に使用すると国が判断した場合にのみ、患者への投与が検討される医薬品である。本剤の使用に際しては、国が示す当該インフルエンザウイルスへの対策の情報を含め、最新の情報を随時参照し、適切な患者に対して使用すること(新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症に対する本剤の投与経験はない)。

電子添文中の副作用、臨床成績等の情報については、承認用法及び用量より低用量で実施した国内臨床試験に加え海外での臨床成績に基づき記載している。

(保険給付上の注意)

本剤は「重症熱性血小板減少症候群ウイルス感染症」に対して使用した場合にのみ保険給付される。

アビガン錠200mg
アビガン錠200mg

アビガン錠200mg

抗インフルエンザウイルス薬 > RNAポリメラーゼ阻害薬 抗重症熱性血小板減少症候群 (SFTS) ウイルス薬 > RNAポリメラーゼ阻害薬
2024年06月改訂(第2版)
薬剤情報
後発品
薬効分類抗インフルエンザウイルス薬 > RNAポリメラーゼ阻害薬 抗重症熱性血小板減少症候群 (SFTS) ウイルス薬 > RNAポリメラーゼ阻害薬
一般名ファビピラビル錠
薬価0
メーカー富士フイルム富山化学
最終更新
2024年06月改訂(第2版)

用法・用量

〈新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症〉

通常、成人にはファビピラビルとして1日目は1回1600mgを1日2回、2日目から5日目は1回600mgを1日2回経口投与する。総投与期間は5日間とすること。

〈重症熱性血小板減少症候群ウイルス感染症〉

通常、成人にはファビピラビルとして1日目は1回1800mgを1日2回、2日目から10日目は1回800mgを1日2回経口投与する。総投与期間は10日間とすること。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

7.1. 〈新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症〉インフルエンザ様症状の発現後速やかに投与を開始すること。

7.2. 〈新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症〉承認用法及び用量における本剤の有効性及び安全性が検討された臨床試験は実施されていない。承認用法及び用量は、インフルエンザウイルス感染症患者を対象としたプラセボ対照第1/2相試験成績及び国内外薬物動態データに基づき推定した〔16.1.1、17.1.1参照〕。

7.3. 〈重症熱性血小板減少症候群ウイルス感染症〉重症熱性血小板減少症候群ウイルス感染症の症状の発現後速やかに投与を開始すること。

効能・効果

1). 新型インフルエンザウイルス感染症又は再興型インフルエンザウイルス感染症(ただし、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分なものに限る)。

2). 重症熱性血小板減少症候群ウイルス感染症。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

5.1. 〈新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症〉本剤は、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分な新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症が発生し本剤を当該インフルエンザウイルスへの対策に使用すると国が判断した場合にのみ患者への投与が検討される医薬品である。本剤の使用に際しては、国が示す当該インフルエンザウイルスへの対策の情報を含め、最新の情報を随時参照し、適切な患者に対して使用すること。

5.2. 〈新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症〉本剤は細菌感染症には効果がない〔8.3参照〕。

5.3. 〈効能共通〉小児等に対する投与経験はない〔9.7小児等の項参照〕。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 異常行動(頻度不明):因果関係は不明であるものの、インフルエンザ罹患時には、転落等に至るおそれのある異常行動(急に走り出す、徘徊する等)があらわれることがある〔8.2参照〕。

11.1.2. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)。

11.1.3. 肺炎(頻度不明)。

11.1.4. 劇症肝炎(頻度不明)、肝機能障害(0.2%)、黄疸(頻度不明)〔8.1参照〕。

11.1.5. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)(いずれも頻度不明)。

11.1.6. 急性腎障害(頻度不明)。

11.1.7. 白血球減少、好中球減少、血小板減少(いずれも頻度不明)。

11.1.8. 痙攣(0.2%)、精神神経症状(意識障害、譫妄、幻覚、妄想等)(頻度不明)。

11.1.9. 出血性大腸炎(頻度不明)。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 過敏症:(1%以上)発疹、(0.5%未満)湿疹、そう痒症、紅斑。

2). 肝臓:(1%以上)AST増加、ALT増加、γ−GTP増加、(0.5%未満)血中ALP増加、血中ビリルビン増加。

3). 腎臓:(0.5〜1%未満)尿中ブドウ糖陽性、(0.5%未満)尿中血陽性。

4). 消化器:(1%以上)下痢(4.5%)、(0.5〜1%未満)悪心、腹痛、嘔吐、(0.5%未満)腹部不快感、胃炎、十二指腸潰瘍、血便排泄、口内炎。

5). 血液:(1%以上)好中球数減少、白血球数減少、(0.5%未満)白血球数増加、網状赤血球数減少、単球数増加、リンパ節症。

6). 代謝異常:(1%以上)*血中尿酸増加(7.0%)、血中トリグリセリド増加、(0.5%未満)*痛風、血中カリウム減少。

7). 呼吸器:(0.5%未満)喘息、口腔咽頭痛、鼻炎、鼻咽頭炎、誤嚥性肺炎。

8). その他:(0.5%未満)味覚異常、血中CK増加、心電図QT延長、扁桃腺ポリープ、蜂巣炎、霧視、眼痛、回転性めまい、上室性期外収縮、心室性期外収縮、心電図ST−T部分異常、心電図T波逆転、色素沈着、筋肉痛、挫傷、(頻度不明)発熱。

*)〔9.1.1参照〕。

警告

1.1. 〈重症熱性血小板減少症候群ウイルス感染症〉本剤は重症感染症診療体制が整備され、緊急時に十分な措置が可能な医療機関において、本剤について十分な知識をもつ医師のもと、入院管理下で投与すること。

1.2. 〈効能共通〉動物実験において、本剤は初期胚致死及び催奇形性が確認されていることから、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと〔1.4、2.1、9.5妊婦の項参照〕。

1.3. 〈効能共通〉妊娠する可能性のある女性に投与する場合は、投与開始前に妊娠検査を行い、妊娠検査が陰性であることを確認した上で、投与を開始すること。また、その危険性について十分に説明した上で、投与期間中及び投与終了後10日間はパートナーと共に極めて有効な避妊法の実施を徹底するよう指導すること。なお、本剤の投与期間中に妊娠が疑われる場合には、直ちに投与を中止し、医師等に連絡するよう患者を指導すること〔9.4.1参照〕。

1.4. 〈効能共通〉治療開始に先立ち、患者又はその家族等に有効性及び危険性(胎児への曝露の危険性を含む)を十分に文書にて説明し、同意を得てから投与を開始すること〔1.2、2.1、9.5妊婦の項参照〕。

1.5. 〈新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症〉本剤の投与にあたっては、本剤の必要性を慎重に検討すること。

禁忌

2.1. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔1.2、1.4、9.5妊婦の項参照〕。

2.2. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

重要な基本的注意

8.1. 〈効能共通〉肝機能障害があらわれることがあるので、投与開始前及び投与中は肝機能検査を実施し、観察を十分に行うこと〔9.3.1、9.3.2、11.1.4参照〕。

8.2. 〈新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症〉抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無又は種類にかかわらず、インフルエンザ罹患時には、異常行動を発現した例が報告されている。

異常行動による転落等の万が一の事故を防止するための予防的な対応として、新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症の場合@異常行動発現のおそれがあること、A自宅において療養を行う場合少なくとも発熱から2日間、保護者等は転落等の事故に対する防止対策を講じることについて患者・家族に対し説明を行うこと。

なお、新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症の場合、転落等の事故に至るおそれのある重度の異常行動については、就学以降の小児・未成年者の男性で報告が多いこと、発熱から2日間以内に発現することが多いこと、が知られている〔11.1.1参照〕。

8.3. 〈新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症〉細菌感染症がインフルエンザウイルス感染症に合併したり、インフルエンザ様症状と混同されることがあるので、新型インフルエンザウイルス感染症で細菌感染症又は再興型インフルエンザウイルス感染症で細菌感染症の場合及び細菌感染症が疑われる場合には、抗菌剤を投与するなど適切な処置を行うこと〔5.2参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 痛風又は痛風の既往歴のある患者及び高尿酸血症のある患者:血中尿酸値が上昇し、痛風発作があらわれることがある〔11.2参照〕。

(肝機能障害患者)

9.3.1. 重度肝機能障害患者(Child−Pugh分類クラスC):投与は推奨されない(本剤投与の可否はリスクとベネフィットを考慮して慎重に判断すること(本剤の曝露量が著しく増加し、副作用が強くあらわれるおそれがある))〔8.1、16.6.1参照〕。

9.3.2. 軽度及び中等度肝機能障害患者(Child−Pugh分類クラスA及びB):投与開始前にリスクを十分に検討し、慎重に投与すること(本剤の曝露量が増加し、副作用が強くあらわれるおそれがある)〔8.1、16.6.1参照〕。

(生殖能を有する者)

9.4.1. 妊娠する可能性のある女性:投与開始前に妊娠検査を行い、妊娠検査が陰性であることを確認した上で、投与を開始し、また、妊娠する可能性のある女性には、その危険性について十分に説明した上で、投与期間中及び投与終了後10日間はパートナーと共に極めて有効な避妊法の実施を徹底するよう指導すること。なお、本剤の投与期間中に妊娠が疑われる場合には、直ちに投与を中止し、医師等に連絡するよう患者を指導すること〔1.3、9.5妊婦の項参照〕。

相互作用

本剤は主にアルデヒドオキシダーゼ(AO)、一部はキサンチンオキシダーゼ(XO)により代謝される。また、AO及びチトクロームP−450(CYP)2C8を阻害する〔16.4、16.7.1参照〕。

10.2. 併用注意:

1). ピラジナミド[血中尿酸値が上昇する;ピラジナミド1.5g1日1回、本剤1200mg/400mg1日2回が投与されたとき、血中尿酸値はピラジナミド単独及び本剤併用時で11.6・13.9mg/dLであった(腎尿細管における尿酸の再吸収を相加的に促進させる)]。

2). CYP2C8で代謝される薬剤(レパグリニド等)〔16.7.2参照〕[併用薬剤の血中濃度が上昇し併用薬剤の副作用が発現するおそれがある(CYP2C8を阻害することにより、併用薬剤の血中濃度を上昇させる)]。

3). テオフィリン〔16.7.2参照〕[本剤の血中濃度が上昇し本剤の副作用が発現するおそれがある(XOを介した相互作用により、本剤の血中濃度を上昇させることが考えられる)]。

4). ファムシクロビル、スリンダク[これらの薬剤の効果を減弱させるおそれがある(本剤がAOを阻害することにより、これらの薬剤の活性化体の血中濃度を低下させることが考えられる)]。

高齢者

患者の状態を観察しながら投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物実験において、臨床曝露量と同程度又は下回る用量で初期胚致死(ラット)及び催奇形性(サル、マウス、ラット及びウサギ)が認められている)〔1.2、1.4、2.1、9.4.1参照〕。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤の主代謝物である水酸化体がヒト母乳中へ移行することが認められている)。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない(動物実験において、幼若イヌ[8週齢]に1ヵ月間投与した試験では、若齢イヌ[7〜8ヵ月齢]の致死量より低用量(60mg/kg/日)で投与20日以降に途中死亡例が認められており、幼若動物(ラット[6日齢]及びイヌ[8週齢])では、異常歩行、骨格筋線維萎縮及び骨格筋線維空胞化、心乳頭筋変性/心乳頭筋壊死及び心乳頭筋鉱質沈着などが認められている)〔5.3参照〕。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

その他の注意

15.2. 非臨床試験に基づく情報

動物実験において、ラット[12週齢]及び若齢イヌ[7〜8ヵ月齢]で精巣病理組織学的変化、マウス[11週齢]で精子異常が認められている(なお、いずれも休薬により回復又は回復傾向が認められている)。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

保険給付上の注意、その他上記以外の使用上の注意

(注意)

〈新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症〉本剤は、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分な新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症が発生し、本剤を当該インフルエンザウイルスへの対策に使用すると国が判断した場合にのみ、患者への投与が検討される医薬品である。本剤の使用に際しては、国が示す当該インフルエンザウイルスへの対策の情報を含め、最新の情報を随時参照し、適切な患者に対して使用すること(新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症に対する本剤の投与経験はない)。

電子添文中の副作用、臨床成績等の情報については、承認用法及び用量より低用量で実施した国内臨床試験に加え海外での臨床成績に基づき記載している。

(保険給付上の注意)

本剤は「重症熱性血小板減少症候群ウイルス感染症」に対して使用した場合にのみ保険給付される。

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