血小板凝集抑制薬 > プロスタグランジンE1 (PGE1) 誘導体 末梢血管拡張薬 > プロスタグランジンE1 (PGE1) 誘導体 皮膚潰瘍治療薬 > プロスタグランジンE1 (PGE1) 誘導体
薬効分類 | 血小板凝集抑制薬 > プロスタグランジンE1 (PGE1) 誘導体 末梢血管拡張薬 > プロスタグランジンE1 (PGE1) 誘導体 皮膚潰瘍治療薬 > プロスタグランジンE1 (PGE1) 誘導体 |
一般名 | アルプロスタジルアルファデクス注射用 |
薬価 | 632円 |
メーカー | 丸石製薬 |
最終更新 | 2022年02月改訂(第2版) |
1.動脈内投与;慢性動脈閉塞症(バージャー病、閉塞性動脈硬化症)における四肢潰瘍ならびに安静時疼痛の改善:
1).アルプロスタジル20μgを生理食塩液5mLに溶かし、1日量アルプロスタジルとして10〜15μg(およそ0.1〜0.15ng/kg/分)をシリンジポンプを用い持続的に動脈内へ注射投与する。
2).症状により0.05〜0.2ng/kg/分の間で適宜増減する。
2.静脈内投与:
1).振動病における末梢血行障害に伴う自覚症状の改善ならびに末梢循環・神経・運動機能障害の回復、血行再建術後の血流維持、動脈内投与が不適と判断される慢性動脈閉塞症(バージャー病、閉塞性動脈硬化症)における四肢潰瘍ならびに安静時疼痛の改善:
(1).1回量アルプロスタジル40〜60μgを輸液500mLに溶解し、2時間かけて点滴静注する(5〜10ng/kg/分)。なお、投与速度は体重1kg2時間あたり1.2μgを超えない。
(2).投与回数は1日1〜2回。
(3).症状により適宜増減する。
2).動脈管依存性先天性心疾患における動脈管の開存:アルプロスタジルとして50〜100ng/kg/分の速度で静脈内投与を開始し、症状に応じて適宜増減し、有効最小量で持続投与する。
3.陰茎海綿体内投与;勃起障害の診断:アルプロスタジル20μgを生理食塩液1mLに溶かし、1回量アルプロスタジルとして20μgを陰茎海綿体へ注射する。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
動脈管依存性先天性心疾患に対し投与する場合は、観察を十分行い慎重に投与量の調整を行い、効果が得られた場合には減量し、有効最小量で投与を持続する(動脈管開存の維持には10ng/kg/分でも有効な場合がある)。
1.動脈内投与:慢性動脈閉塞症(バージャー病、閉塞性動脈硬化症)における四肢潰瘍ならびに安静時疼痛の改善。
2.静脈内投与:
1).振動病における末梢血行障害に伴う自覚症状の改善ならびに振動病における末梢循環障害・神経障害・運動機能障害の回復。
2).血行再建術後の血流維持。
3).動脈内投与が不適と判断される慢性動脈閉塞症(バージャー病、閉塞性動脈硬化症)における四肢潰瘍ならびに安静時疼痛の改善。
4).動脈管依存性先天性心疾患における動脈管の開存。
3.陰茎海綿体内投与:勃起障害の診断。
<動脈内投与>
承認時の臨床試験及び市販後調査において副作用集計の対象となった465例中220例(47.3%)に408件の副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主なものは注射部位では浮腫・腫脹145件(31.2%)、鈍痛・疼痛115件(24.7%)、発赤57件(12.3%)、熱感・発熱51件(11.0%)、及び注射部位以外では発熱11件(2.4%)等であった(承認時及び1982年10月までの副作用頻度報告結果)。
<静脈内投与>
1.振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症:承認時の臨床試験及び市販後調査において副作用集計の対象となった2,200例中221例(10.0%)に318件の副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主なものは注射部位では血管痛77件(3.5%)、静脈炎13件(0.6%)、疼痛16件(0.7%)、発赤97件(4.4%)、及び注射部位以外では悪心・嘔吐16件(0.7%)、頭痛・頭重11件(0.5%)等であった(再審査終了時)。
2.動脈管依存性先天性心疾患:承認時までの調査及び市販後調査において無呼吸発作は23.0%(53/230例)に認められた。無呼吸発作以外では、副作用集計の対象となった343例中75例(21.9%)に114件の副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められ、主なものは発熱31件(9.0%)、低ナトリウム血症9件(2.6%)、CRP上昇6件(1.7%)、頻脈4件(1.2%)等であった(承認時及び2007年9月の特別調査報告結果)。
<陰茎海綿体内投与>
本対象疾患については、副作用発現頻度が明確となる調査を実施していないため、海外からの自発報告、国内及び海外の文献等を参考にした(承認時)。
1.重大な副作用
1).ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、血圧低下、意識障害、呼吸困難、発疹等が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2).心不全、肺水腫:心不全、肺水腫、胸水(いずれも頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、動悸、胸苦しさ、呼吸困難、浮腫等の症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
3).脳出血、消化管出血:脳出血(頻度不明)、消化管出血(0.05%)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止する。
4).心筋梗塞:心筋梗塞(頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、胸痛、胸部圧迫感、心電図異常等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
5).無顆粒球症、白血球減少:無顆粒球症、白血球減少(いずれも頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
6).肝機能障害、黄疸:AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、γ−GTP上昇等を伴う肝機能障害や黄疸(いずれも頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行う。
7).間質性肺炎:間質性肺炎(頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、発熱、咳嗽、呼吸困難等が現れた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う。
8).無呼吸発作:動脈管依存性先天性心疾患に投与した場合、無呼吸発作(23.0%)が現れることがあるので、観察を十分に行い、なお、発現した場合は、人工呼吸器の装着、皮膚への刺激等、適切な処置を行う(動脈管依存性先天性心疾患への投与において、前記等の副作用が発現した場合には、患者の状態を観察し、本剤の投与継続の必要性について考慮した上で、適切な処置を行う)。
9).持続勃起症:勃起障害の診断で投与した場合、持続勃起症(頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、発現した場合にはα刺激剤の投与、脱血と生理食塩水による洗浄等、適切な処置を行う。
2.その他の副作用
1).動脈内投与:
(1).注射部(動脈内投与):(10〜35%未満)疼痛、腫脹、発赤、発熱、(3%未満)脱力感、そう痒。
(2).その他(動脈内投与):(3%未満)頭痛、発熱、動悸、(頻度不明)血漿蛋白分画変動。
2).静脈内投与:振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症
(1).過敏症(静脈内投与;振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症):(0.5%未満)そう痒、(頻度不明)発疹、蕁麻疹[発現した場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う]。
(2).循環器(静脈内投与;振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症):(0.5%未満)胸部絞扼感、血圧降下、顔面潮紅、動悸、発赤[発現した場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う]。
(3).出血傾向(静脈内投与;振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症):(頻度不明)眼底出血、皮下出血[発現した場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う]。
(4).注射部(静脈内投与;振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症):(0.5〜5%未満)血管痛、静脈炎、疼痛、発赤、(0.5%未満)腫脹、そう痒。
(5).呼吸器(静脈内投与;振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症):(頻度不明)咳嗽、*喘息[*:発現した場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う](静脈内投与;振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症)。
(6).消化器(静脈内投与;振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症):(0.5〜5%未満)悪心・嘔吐、(0.5%未満)胃部不快感、食欲不振、下痢、腹痛。
(7).精神神経系(静脈内投与;振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症):(0.5%未満)発熱、眩暈、(頻度不明)悪寒。
(8).肝臓(静脈内投与;振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症):(0.5%未満)AST上昇(GOT上昇)・ALT上昇(GPT上昇)等。
(9).腎臓(静脈内投与;振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症):(頻度不明)腎不全増悪[発現した場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う]。
(10).血液(静脈内投与;振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症):(頻度不明)血小板減少、貧血[発現した場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う]。
(11).その他(静脈内投与;振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症):(0.5〜5%未満)頭痛・頭重、(0.5%未満)熱感、浮腫、乳房硬結、四肢疼痛(四肢疼痛増強を含む)、(頻度不明)関節痛、しびれ、CRP上昇、低ナトリウム血症。
3).静脈内投与:動脈管依存性先天性心疾患(本剤の投与により副作用が発現した場合には、患者の状態を観察しながら、適切な処置を行う)。
(1).循環器(静脈内投与;動脈管依存性先天性心疾患):(1〜10%未満)頻脈、浮腫、発赤、(1%未満)低血圧、徐脈、(頻度不明)肺動脈中膜菲薄化。
(2).中枢神経系(静脈内投与;動脈管依存性先天性心疾患):(1〜10%未満)発熱、多呼吸、(頻度不明)痙攣、振戦。
(3).注射部(静脈内投与;動脈管依存性先天性心疾患):(頻度不明)血管痛、静脈炎、疼痛、発赤、腫脹、そう痒。
(4).その他(静脈内投与;動脈管依存性先天性心疾患):(1〜10%未満)低ナトリウム血症、低クロル血症、CRP上昇、(1%未満)胃粘膜肥厚、下痢、骨膜肥厚、低カリウム血症、口腔内分泌液増加・気道分泌液増加、出血傾向、アシドーシス、(頻度不明)脱毛、多毛、腹水。
4).陰茎海綿体内投与:本剤の投与により副作用が発現した場合には、患者の状態を観察しながら、適切な処置を行う。
(1).過敏症(陰茎海綿体内投与):(頻度不明)発疹、そう痒。
(2).泌尿・生殖器(陰茎海綿体内投与):(頻度不明)勃起延長、陰茎痛、陰茎腫脹。
(3).注射部(陰茎海綿体内投与):(頻度不明)疼痛、血腫、出血、腫脹、灼熱感、発赤、そう痒。
(4).循環器(陰茎海綿体内投与):(頻度不明)低血圧、胸部絞扼感、発赤。
(5).消化器(陰茎海綿体内投与):(頻度不明)悪心、嘔吐、腹痛。
(6).その他(陰茎海綿体内投与):(頻度不明)眩暈、発熱、頭痛、悪寒。
1.動脈管依存性先天性心疾患に投与する場合には、本剤投与により無呼吸発作が発現することがあるので、呼吸管理設備の整っている施設で投与する。
2.勃起障害の診断で投与する場合
1).勃起障害の診断で投与する場合、本剤投与により4時間以上の勃起延長又は持続勃起症<6時間以上持続する勃起>が発現することがあるので、勃起障害の診断で投与し、勃起が4時間以上持続する症状がみられた場合、速やかに適切な処置を行う(持続勃起症に対する処置を速やかに行わないと陰茎組織の損傷又は勃起機能を永続的に損なうことがある)。
2).本剤投与により勃起延長又は持続勃起症、不整脈、一過性低血圧等が発現することがあるので、本剤を用いた勃起障害の診断は、勃起障害の診断及び治療に精通し、本剤投与時の副作用への対処が可能な医師が、緊急時の対応が可能な状況で行う。
1.重篤な心不全<動脈管依存性先天性心疾患は除く>、肺水腫<動脈管依存性先天性心疾患は除く>のある患者[心不全、肺水腫を増悪させることがある]。
2.出血(頭蓋内出血、出血性眼疾患、消化管出血、喀血等)している患者[出血を助長する恐れがある]。
3.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人。
4.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
1.心不全のある患者[心不全の増強傾向が現れるとの報告があるので、循環状態に対する観察を十分に行い、慎重に投与する]。
2.重症糖尿病患者[網膜症等、脆弱血管からの出血を助長することがある]。
3.出血傾向のある患者[出血を助長する恐れがある]。
4.胃潰瘍の合併症及び既往歴のある患者[出血を助長する恐れがある]。
5.抗血小板剤投与中、血栓溶解剤投与中、抗凝血剤投与中の患者。
6.緑内障、眼圧亢進のある患者[動物実験(ウサギ)で眼圧上昇が報告されている]。
7.腎不全の患者[腎不全を増悪することがある]。
8.高齢者。
9.勃起障害の診断で投与する場合には、陰茎構造上欠陥(陰茎屈曲、陰茎線維化、Peyronie病等)のある患者[陰茎痛を伴う恐れがある]。
10.勃起障害の診断で投与する場合には、持続勃起症の素因となり得る疾患(鎌状赤血球性貧血、多発性骨髄腫、白血病等)のある患者。
(重要な基本的注意)
1.振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症:
1).(振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症)本剤による治療は対症療法であり投与中止後再燃することがあるので注意する。
2).(振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症)心不全、肺水腫、胸水が現れることがあるので、輸液量に留意するとともに、循環状態(血圧、脈拍等)を十分に観察する。また、振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症で、動悸、胸苦しさ、呼吸困難、浮腫等の症状が現れた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行う。特に振動病の高齢者、血行再建術後の血流維持の高齢者、慢性動脈閉塞症の高齢者は心機能等生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与する。
3).慢性動脈閉塞症における四肢潰瘍の改善を治療目的とする場合、静脈内投与は動脈内投与に比し治療効果がやや劣るので、動脈内投与が非適応と判断される患者(高位血管閉塞例等)又は動脈内投与操作による障害が、期待される治療上の効果を上回ると判断される患者に行う。
2.動脈管依存性先天性心疾患:
1).(動脈管依存性先天性心疾患)本剤による治療は対症療法であり投与中止後症状が悪化することがあるので注意する。
2).(動脈管依存性先天性心疾患)本剤の投与を継続しても、状態の改善がみられない場合、緊急手術等、適切な処置を行う。
3).(動脈管依存性先天性心疾患)本剤の高用量投与により、副作用発現率が高まる恐れがあるため、有効最小量にて使用する。
4).(動脈管依存性先天性心疾患)本剤の長期投与により長管骨膜肥厚、多毛及び脱毛がみられるとの報告があるので観察を十分に行い、必要以上の長期投与は避ける。
併用注意:抗血小板剤(アスピリン、チクロピジン、シロスタゾール)、血栓溶解剤(ウロキナーゼ)、抗凝血剤(ヘパリン、ワルファリン)[これらの薬剤と併用することにより出血傾向の増強を来す恐れがあるので、観察を十分に行い、用量を調節するなど注意する(本剤は血小板凝集能を抑制するため、類似の作用を持つ薬剤を併用することにより作用を増強することが考えられる)]。
(高齢者への投与)
一般に高齢者では、心機能等生理機能が低下しているので減量するなど注意する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない[アルプロスタジルには子宮収縮作用が認められている]。
(小児等への投与)
動脈管依存性先天性心疾患以外の低出生体重児、動脈管依存性先天性心疾患以外の新生児、動脈管依存性先天性心疾患以外の乳児、動脈管依存性先天性心疾患以外の幼児又は動脈管依存性先天性心疾患以外の小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
(適用上の注意)
1.投与速度:本剤投与により、副作用が現れた場合には、すみやかに投与速度を遅くするか又は投与を中止する。
2.調製方法:シリンジポンプ使用に際しては、シリンジ内に気泡が混入しないように注意する。
1.本剤の投与により脳梗塞がみられたとの報告がある。
2.適応外であるが勃起障害の治療目的でPGE1製剤を複数回投与した症例において、陰茎海綿体線維化が生じたとの報告がある。
3.適応外であるが勃起障害の治療目的でPGE1製剤をパパベリン等の勃起不全治療剤と併用投与した症例において、勃起延長又は持続勃起症が現れたとの報告がある。
遮光。
薬効分類 | 血小板凝集抑制薬 > プロスタグランジンE1 (PGE1) 誘導体 末梢血管拡張薬 > プロスタグランジンE1 (PGE1) 誘導体 皮膚潰瘍治療薬 > プロスタグランジンE1 (PGE1) 誘導体 |
一般名 | アルプロスタジルアルファデクス注射用 |
薬価 | 632円 |
メーカー | 丸石製薬 |
最終更新 | 2022年02月改訂(第2版) |
1.動脈内投与;慢性動脈閉塞症(バージャー病、閉塞性動脈硬化症)における四肢潰瘍ならびに安静時疼痛の改善:
1).アルプロスタジル20μgを生理食塩液5mLに溶かし、1日量アルプロスタジルとして10〜15μg(およそ0.1〜0.15ng/kg/分)をシリンジポンプを用い持続的に動脈内へ注射投与する。
2).症状により0.05〜0.2ng/kg/分の間で適宜増減する。
2.静脈内投与:
1).振動病における末梢血行障害に伴う自覚症状の改善ならびに末梢循環・神経・運動機能障害の回復、血行再建術後の血流維持、動脈内投与が不適と判断される慢性動脈閉塞症(バージャー病、閉塞性動脈硬化症)における四肢潰瘍ならびに安静時疼痛の改善:
(1).1回量アルプロスタジル40〜60μgを輸液500mLに溶解し、2時間かけて点滴静注する(5〜10ng/kg/分)。なお、投与速度は体重1kg2時間あたり1.2μgを超えない。
(2).投与回数は1日1〜2回。
(3).症状により適宜増減する。
2).動脈管依存性先天性心疾患における動脈管の開存:アルプロスタジルとして50〜100ng/kg/分の速度で静脈内投与を開始し、症状に応じて適宜増減し、有効最小量で持続投与する。
3.陰茎海綿体内投与;勃起障害の診断:アルプロスタジル20μgを生理食塩液1mLに溶かし、1回量アルプロスタジルとして20μgを陰茎海綿体へ注射する。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
動脈管依存性先天性心疾患に対し投与する場合は、観察を十分行い慎重に投与量の調整を行い、効果が得られた場合には減量し、有効最小量で投与を持続する(動脈管開存の維持には10ng/kg/分でも有効な場合がある)。
1.動脈内投与:慢性動脈閉塞症(バージャー病、閉塞性動脈硬化症)における四肢潰瘍ならびに安静時疼痛の改善。
2.静脈内投与:
1).振動病における末梢血行障害に伴う自覚症状の改善ならびに振動病における末梢循環障害・神経障害・運動機能障害の回復。
2).血行再建術後の血流維持。
3).動脈内投与が不適と判断される慢性動脈閉塞症(バージャー病、閉塞性動脈硬化症)における四肢潰瘍ならびに安静時疼痛の改善。
4).動脈管依存性先天性心疾患における動脈管の開存。
3.陰茎海綿体内投与:勃起障害の診断。
<動脈内投与>
承認時の臨床試験及び市販後調査において副作用集計の対象となった465例中220例(47.3%)に408件の副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主なものは注射部位では浮腫・腫脹145件(31.2%)、鈍痛・疼痛115件(24.7%)、発赤57件(12.3%)、熱感・発熱51件(11.0%)、及び注射部位以外では発熱11件(2.4%)等であった(承認時及び1982年10月までの副作用頻度報告結果)。
<静脈内投与>
1.振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症:承認時の臨床試験及び市販後調査において副作用集計の対象となった2,200例中221例(10.0%)に318件の副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主なものは注射部位では血管痛77件(3.5%)、静脈炎13件(0.6%)、疼痛16件(0.7%)、発赤97件(4.4%)、及び注射部位以外では悪心・嘔吐16件(0.7%)、頭痛・頭重11件(0.5%)等であった(再審査終了時)。
2.動脈管依存性先天性心疾患:承認時までの調査及び市販後調査において無呼吸発作は23.0%(53/230例)に認められた。無呼吸発作以外では、副作用集計の対象となった343例中75例(21.9%)に114件の副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められ、主なものは発熱31件(9.0%)、低ナトリウム血症9件(2.6%)、CRP上昇6件(1.7%)、頻脈4件(1.2%)等であった(承認時及び2007年9月の特別調査報告結果)。
<陰茎海綿体内投与>
本対象疾患については、副作用発現頻度が明確となる調査を実施していないため、海外からの自発報告、国内及び海外の文献等を参考にした(承認時)。
1.重大な副作用
1).ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、血圧低下、意識障害、呼吸困難、発疹等が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2).心不全、肺水腫:心不全、肺水腫、胸水(いずれも頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、動悸、胸苦しさ、呼吸困難、浮腫等の症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
3).脳出血、消化管出血:脳出血(頻度不明)、消化管出血(0.05%)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止する。
4).心筋梗塞:心筋梗塞(頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、胸痛、胸部圧迫感、心電図異常等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
5).無顆粒球症、白血球減少:無顆粒球症、白血球減少(いずれも頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
6).肝機能障害、黄疸:AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、γ−GTP上昇等を伴う肝機能障害や黄疸(いずれも頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行う。
7).間質性肺炎:間質性肺炎(頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、発熱、咳嗽、呼吸困難等が現れた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う。
8).無呼吸発作:動脈管依存性先天性心疾患に投与した場合、無呼吸発作(23.0%)が現れることがあるので、観察を十分に行い、なお、発現した場合は、人工呼吸器の装着、皮膚への刺激等、適切な処置を行う(動脈管依存性先天性心疾患への投与において、前記等の副作用が発現した場合には、患者の状態を観察し、本剤の投与継続の必要性について考慮した上で、適切な処置を行う)。
9).持続勃起症:勃起障害の診断で投与した場合、持続勃起症(頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、発現した場合にはα刺激剤の投与、脱血と生理食塩水による洗浄等、適切な処置を行う。
2.その他の副作用
1).動脈内投与:
(1).注射部(動脈内投与):(10〜35%未満)疼痛、腫脹、発赤、発熱、(3%未満)脱力感、そう痒。
(2).その他(動脈内投与):(3%未満)頭痛、発熱、動悸、(頻度不明)血漿蛋白分画変動。
2).静脈内投与:振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症
(1).過敏症(静脈内投与;振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症):(0.5%未満)そう痒、(頻度不明)発疹、蕁麻疹[発現した場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う]。
(2).循環器(静脈内投与;振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症):(0.5%未満)胸部絞扼感、血圧降下、顔面潮紅、動悸、発赤[発現した場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う]。
(3).出血傾向(静脈内投与;振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症):(頻度不明)眼底出血、皮下出血[発現した場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う]。
(4).注射部(静脈内投与;振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症):(0.5〜5%未満)血管痛、静脈炎、疼痛、発赤、(0.5%未満)腫脹、そう痒。
(5).呼吸器(静脈内投与;振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症):(頻度不明)咳嗽、*喘息[*:発現した場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う](静脈内投与;振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症)。
(6).消化器(静脈内投与;振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症):(0.5〜5%未満)悪心・嘔吐、(0.5%未満)胃部不快感、食欲不振、下痢、腹痛。
(7).精神神経系(静脈内投与;振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症):(0.5%未満)発熱、眩暈、(頻度不明)悪寒。
(8).肝臓(静脈内投与;振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症):(0.5%未満)AST上昇(GOT上昇)・ALT上昇(GPT上昇)等。
(9).腎臓(静脈内投与;振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症):(頻度不明)腎不全増悪[発現した場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う]。
(10).血液(静脈内投与;振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症):(頻度不明)血小板減少、貧血[発現した場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う]。
(11).その他(静脈内投与;振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症):(0.5〜5%未満)頭痛・頭重、(0.5%未満)熱感、浮腫、乳房硬結、四肢疼痛(四肢疼痛増強を含む)、(頻度不明)関節痛、しびれ、CRP上昇、低ナトリウム血症。
3).静脈内投与:動脈管依存性先天性心疾患(本剤の投与により副作用が発現した場合には、患者の状態を観察しながら、適切な処置を行う)。
(1).循環器(静脈内投与;動脈管依存性先天性心疾患):(1〜10%未満)頻脈、浮腫、発赤、(1%未満)低血圧、徐脈、(頻度不明)肺動脈中膜菲薄化。
(2).中枢神経系(静脈内投与;動脈管依存性先天性心疾患):(1〜10%未満)発熱、多呼吸、(頻度不明)痙攣、振戦。
(3).注射部(静脈内投与;動脈管依存性先天性心疾患):(頻度不明)血管痛、静脈炎、疼痛、発赤、腫脹、そう痒。
(4).その他(静脈内投与;動脈管依存性先天性心疾患):(1〜10%未満)低ナトリウム血症、低クロル血症、CRP上昇、(1%未満)胃粘膜肥厚、下痢、骨膜肥厚、低カリウム血症、口腔内分泌液増加・気道分泌液増加、出血傾向、アシドーシス、(頻度不明)脱毛、多毛、腹水。
4).陰茎海綿体内投与:本剤の投与により副作用が発現した場合には、患者の状態を観察しながら、適切な処置を行う。
(1).過敏症(陰茎海綿体内投与):(頻度不明)発疹、そう痒。
(2).泌尿・生殖器(陰茎海綿体内投与):(頻度不明)勃起延長、陰茎痛、陰茎腫脹。
(3).注射部(陰茎海綿体内投与):(頻度不明)疼痛、血腫、出血、腫脹、灼熱感、発赤、そう痒。
(4).循環器(陰茎海綿体内投与):(頻度不明)低血圧、胸部絞扼感、発赤。
(5).消化器(陰茎海綿体内投与):(頻度不明)悪心、嘔吐、腹痛。
(6).その他(陰茎海綿体内投与):(頻度不明)眩暈、発熱、頭痛、悪寒。
1.動脈管依存性先天性心疾患に投与する場合には、本剤投与により無呼吸発作が発現することがあるので、呼吸管理設備の整っている施設で投与する。
2.勃起障害の診断で投与する場合
1).勃起障害の診断で投与する場合、本剤投与により4時間以上の勃起延長又は持続勃起症<6時間以上持続する勃起>が発現することがあるので、勃起障害の診断で投与し、勃起が4時間以上持続する症状がみられた場合、速やかに適切な処置を行う(持続勃起症に対する処置を速やかに行わないと陰茎組織の損傷又は勃起機能を永続的に損なうことがある)。
2).本剤投与により勃起延長又は持続勃起症、不整脈、一過性低血圧等が発現することがあるので、本剤を用いた勃起障害の診断は、勃起障害の診断及び治療に精通し、本剤投与時の副作用への対処が可能な医師が、緊急時の対応が可能な状況で行う。
1.重篤な心不全<動脈管依存性先天性心疾患は除く>、肺水腫<動脈管依存性先天性心疾患は除く>のある患者[心不全、肺水腫を増悪させることがある]。
2.出血(頭蓋内出血、出血性眼疾患、消化管出血、喀血等)している患者[出血を助長する恐れがある]。
3.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人。
4.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
1.心不全のある患者[心不全の増強傾向が現れるとの報告があるので、循環状態に対する観察を十分に行い、慎重に投与する]。
2.重症糖尿病患者[網膜症等、脆弱血管からの出血を助長することがある]。
3.出血傾向のある患者[出血を助長する恐れがある]。
4.胃潰瘍の合併症及び既往歴のある患者[出血を助長する恐れがある]。
5.抗血小板剤投与中、血栓溶解剤投与中、抗凝血剤投与中の患者。
6.緑内障、眼圧亢進のある患者[動物実験(ウサギ)で眼圧上昇が報告されている]。
7.腎不全の患者[腎不全を増悪することがある]。
8.高齢者。
9.勃起障害の診断で投与する場合には、陰茎構造上欠陥(陰茎屈曲、陰茎線維化、Peyronie病等)のある患者[陰茎痛を伴う恐れがある]。
10.勃起障害の診断で投与する場合には、持続勃起症の素因となり得る疾患(鎌状赤血球性貧血、多発性骨髄腫、白血病等)のある患者。
(重要な基本的注意)
1.振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症:
1).(振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症)本剤による治療は対症療法であり投与中止後再燃することがあるので注意する。
2).(振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症)心不全、肺水腫、胸水が現れることがあるので、輸液量に留意するとともに、循環状態(血圧、脈拍等)を十分に観察する。また、振動病、血行再建術後の血流維持、慢性動脈閉塞症で、動悸、胸苦しさ、呼吸困難、浮腫等の症状が現れた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行う。特に振動病の高齢者、血行再建術後の血流維持の高齢者、慢性動脈閉塞症の高齢者は心機能等生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与する。
3).慢性動脈閉塞症における四肢潰瘍の改善を治療目的とする場合、静脈内投与は動脈内投与に比し治療効果がやや劣るので、動脈内投与が非適応と判断される患者(高位血管閉塞例等)又は動脈内投与操作による障害が、期待される治療上の効果を上回ると判断される患者に行う。
2.動脈管依存性先天性心疾患:
1).(動脈管依存性先天性心疾患)本剤による治療は対症療法であり投与中止後症状が悪化することがあるので注意する。
2).(動脈管依存性先天性心疾患)本剤の投与を継続しても、状態の改善がみられない場合、緊急手術等、適切な処置を行う。
3).(動脈管依存性先天性心疾患)本剤の高用量投与により、副作用発現率が高まる恐れがあるため、有効最小量にて使用する。
4).(動脈管依存性先天性心疾患)本剤の長期投与により長管骨膜肥厚、多毛及び脱毛がみられるとの報告があるので観察を十分に行い、必要以上の長期投与は避ける。
併用注意:抗血小板剤(アスピリン、チクロピジン、シロスタゾール)、血栓溶解剤(ウロキナーゼ)、抗凝血剤(ヘパリン、ワルファリン)[これらの薬剤と併用することにより出血傾向の増強を来す恐れがあるので、観察を十分に行い、用量を調節するなど注意する(本剤は血小板凝集能を抑制するため、類似の作用を持つ薬剤を併用することにより作用を増強することが考えられる)]。
(高齢者への投与)
一般に高齢者では、心機能等生理機能が低下しているので減量するなど注意する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない[アルプロスタジルには子宮収縮作用が認められている]。
(小児等への投与)
動脈管依存性先天性心疾患以外の低出生体重児、動脈管依存性先天性心疾患以外の新生児、動脈管依存性先天性心疾患以外の乳児、動脈管依存性先天性心疾患以外の幼児又は動脈管依存性先天性心疾患以外の小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
(適用上の注意)
1.投与速度:本剤投与により、副作用が現れた場合には、すみやかに投与速度を遅くするか又は投与を中止する。
2.調製方法:シリンジポンプ使用に際しては、シリンジ内に気泡が混入しないように注意する。
1.本剤の投与により脳梗塞がみられたとの報告がある。
2.適応外であるが勃起障害の治療目的でPGE1製剤を複数回投与した症例において、陰茎海綿体線維化が生じたとの報告がある。
3.適応外であるが勃起障害の治療目的でPGE1製剤をパパベリン等の勃起不全治療剤と併用投与した症例において、勃起延長又は持続勃起症が現れたとの報告がある。
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