薬効分類 | 抗悪性腫瘍薬 > ヌクレオチド除去修復機構阻害薬 |
一般名 | トラベクテジン注射用 |
薬価 | 198180円 |
メーカー | 大鵬薬品 |
最終更新 | 2024年06月改訂(第2版) |
通常、成人にはトラベクテジンとして1回1.2mg/u(体表面積)を24時間かけて点滴静注し、少なくとも20日間休薬する。これを1サイクルとして、投与を繰り返す。
なお、患者の状態により適宜減量する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤と他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.2. 薬液が漏出した場合、重度組織障害を起こすおそれがあるので、中心静脈から投与すること〔14.3.1、14.3.2参照〕。
7.3. 本剤の投与にあたっては、次の基準を参考に必要に応じて、休薬又は減量すること〔8.1−8.3参照〕。
・ 本剤投与開始前の臨床検査値が「投与開始基準」の基準値を満たさない場合は、本剤を投与しない又は基準値に回復するまで投与を延期すること。
[投与開始基準]
1). 好中球数:1500/mm3以上。
2). ヘモグロビン:9.0g/dL以上。
3). 血小板数:10×10の4乗/mm3以上。
4). アルブミン:2.5g/dL以上。
5). 総ビリルビン:1.5mg/dL以下。
6). AST、ALT、ALP*、CK:施設基準値上限の2.5倍以下。
7). クレアチニンクリアランス※:30mL/min以上。
*)原疾患に起因する場合を除く。
※)計算値はCockcroft−Gault式を用いて算出。実測した場合は、実測値にて本基準を満たすこと。
・ 「減量基準」に該当する副作用が発現した場合は、1段階ごとに減量すること。ただし、最低投与量は0.8mg/uとする。
[減量基準]
1). 好中球数:好中球数500/mm3未満が6日間以上持続する、又は好中球数500/mm3未満で発熱・感染を伴う場合は、1段階ごとに減量すること(ただし、最低投与量は0.8mg/uとする)。
2). 血小板数:血小板数2.5×10の4乗/mm3未満の場合は、1段階ごとに減量すること(ただし、最低投与量は0.8mg/uとする)。
3). 総ビリルビン:総ビリルビン1.5mg/dLを超える場合は、1段階ごとに減量すること(ただし、最低投与量は0.8mg/uとする)。
4). AST、ALT:投与後21日目以降にASTが施設基準値上限の2.5倍を超える、ALTが施設基準値上限の2.5倍を超える場合は、1段階ごとに減量すること(ただし、最低投与量は0.8mg/uとする)。
5). ALP:ALPが施設基準値上限の2.5倍を超える場合は、1段階ごとに減量すること(ただし、最低投与量は0.8mg/uとする)。
6). 非血液毒性:*非血液毒性<グレード3以上>が発現した場合は、1段階ごとに減量すること(ただし、最低投与量は0.8mg/uとする)。
*)CTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events)version4.0に準じる。
[減量の目安]
1). 通常投与量:1.2mg/u。
2). 1段階減量:1.0mg/u。
3). 2段階減量:0.8mg/u。
悪性軟部腫瘍。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 本剤の化学療法未治療例における有効性及び安全性は確立していない。
5.2. 臨床試験に組み入れられた病理組織型以外の患者における本剤の有効性及び安全性は確立していない。
5.3. 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 肝不全、肝機能障害:肝不全(頻度不明)及びAST上昇(47.2%)、ALT上昇(66.7%)等を伴う肝機能障害があらわれることがある〔8.1参照〕。
11.1.2. 骨髄抑制:好中球減少(83.3%)、白血球減少(55.6%)、血小板減少(36.1%)、貧血(30.6%)、リンパ球減少(22.2%)、発熱性好中球減少症(13.9%)があらわれることがある〔8.2、9.1.1、9.1.2参照〕。
11.1.3. 横紋筋融解症(2.8%):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.3参照〕。
11.1.4. 重篤な過敏症:過敏症(頻度不明)により死亡に至った例も報告されている〔2.1参照〕。
11.1.5. 感染症:肺炎(2.8%)、敗血症性ショック(頻度不明)等があらわれることがある〔8.2、9.1.2参照〕。
11.1.6. 心機能障害:うっ血性心不全(2.8%)及び左室駆出率低下(頻度不明)等の心機能障害があらわれることがある〔8.4、9.1.3参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 消化器:(20%以上)悪心(88.9%)、食欲不振(58.3%)、便秘(47.2%)、嘔吐、(5〜20%未満)口内炎、下痢、味覚異常、消化不良、(5%未満)腹痛、(頻度不明)膵炎。
2). 肝臓:(20%以上)γ−GTP上昇、(5〜20%未満)ALP上昇、ビリルビン上昇。
3). 精神神経系:(5〜20%未満)頭痛、末梢感覚性神経障害、(5%未満)浮動性めまい、(頻度不明)不眠症、錯感覚。
4). 呼吸器:(頻度不明)咳嗽、呼吸困難。
5). 筋骨格系:(5〜20%未満)筋肉痛、CK上昇、(5%未満)関節痛、背部痛。
6). 循環器:(頻度不明)潮紅、低血圧。
7). 皮膚・皮下組織系:(5%未満)脱毛、注射部位反応、(頻度不明)注射部位壊死、注射部位紅斑、注射部位疼痛、皮下溢血。
8). その他:(20%以上)倦怠感(44.4%)、(5〜20%未満)発熱、疲労、浮腫、(5%未満)低カリウム血症、体重減少、(頻度不明)脱水、静脈炎、クレアチニン上昇、アルブミン減少。
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
2.1. 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者〔11.1.4参照〕。
2.2. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
8.1. 肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること〔7.3、11.1.1参照〕。
8.2. 骨髄機能が抑制され、敗血症性ショック等の好中球減少に伴う感染等があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること〔7.3、9.1.1、9.1.2、11.1.2、11.1.5参照〕。
8.3. 横紋筋融解症があらわれることがあるので、筋肉痛、脱力感等の症状を観察するとともに、本剤投与開始前及び投与中は定期的にCKの検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること〔7.3、11.1.3参照〕。
8.4. 心機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に心エコー等の心機能検査(左室駆出率の測定を含む)を行うとともに、心機能障害に関連する臨床的な徴候や症状を十分に観察すること〔9.1.3、11.1.6参照〕。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 骨髄抑制のある患者:骨髄抑制が増強するおそれがある〔8.2、9.1.2、11.1.2参照〕。
9.1.2. 感染症を合併している患者:骨髄抑制により、感染症が悪化するおそれがある〔8.2、9.1.1、11.1.2、11.1.5参照〕。
9.1.3. アントラサイクリン系薬剤による治療歴のある患者又は心機能障害のある患者:心機能障害が発現又は増悪するおそれがある〔8.4、11.1.6参照〕。
(肝機能障害患者)
肝機能障害患者:血中濃度が上昇するおそれがある〔16.6.1参照〕。
(生殖能を有する者)
9.4.1. 生殖可能な年齢の患者に投与する場合には、性腺に対する影響を考慮すること〔15.2.2参照〕。
9.4.2. 妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後7カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること〔9.5妊婦の項、15.2.1参照〕。
9.4.3. 男性:男性には、本剤投与中及び最終投与後4カ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること〔15.2.1参照〕。
本剤は、主にCYP3A4により代謝される〔16.4.1参照〕。
10.2. 併用注意:
1). CYP3A阻害剤(*ケトコナゾール、クラリスロマイシン、アプレピタント等)〔16.7.1参照〕[本剤の血漿中濃度が上昇し副作用の頻度及び重症度が増加するおそれがあるので、CYP3A阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮し、併用が避けられない場合には、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること(これらの薬剤のCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害されると考えられる)]。
2). CYP3A誘導剤(リファンピシン、フェノバルビタール、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)等)〔16.7.2参照〕[本剤の血漿中濃度が低下し本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること(これらの薬剤等のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進されると考えられる)]。
*)ケトコナゾールの注射剤及び経口剤は国内未承認である。
患者の状態を十分に観察し、慎重に投与すること(一般に生理機能が低下していることが多い)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(ラットで本剤の胎盤及び胎仔への移行が確認されており、胎仔への影響又は催奇形性を示す可能性がある)〔2.2、9.4.2参照〕。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤のヒトでの乳汁移行に関するデータはない)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤調製時の注意
14.1.1. 本剤の調製にあたっては、溶解時及び希釈時は生理食塩液を使用すること。また、本剤は他の薬剤<生理食塩液を除く>とは混注しないこと。
14.1.2. 本剤は細胞毒性を有するため、調製時には手袋を着用することが望ましい。皮膚に本剤、溶解液及び希釈液が付着した場合は、直ちに多量の流水及び石けんでよく洗い流すこと。
14.2. 調製方法
14.2.1. 無菌的環境下の安全キャビネット内で、20mLの生理食塩液をシリンジで注入し溶解する(溶解液の使用は、1回のみとする)。
14.2.2. 完全に溶解するまでバイアルを振とうし、溶解液は無色澄明であることを確認する。
14.2.3. 必要な量の溶解液をバイアルから抜き取り、500mL〜1000mLの生理食塩液の入った点滴バッグに注入する。
14.2.4. 溶解液及び希釈液は調製後速やかに使用し、溶解から30時間以内に投与を終了すること。
14.3. 薬剤投与時の注意
14.3.1. 必ず中心静脈からの点滴投与とし、末梢静脈、皮下、筋肉内には投与しないこと〔7.2参照〕。
14.3.2. 静脈内投与に際し、薬液が血管外に漏れると、注射部位に硬結・壊死を起こすことがあるので、薬液が血管外に漏れないように投与すること〔7.2参照〕。
14.3.3. 他の薬剤<生理食塩液を除く>等との配合又は同じ静注ラインでの同時注入は避けること。
15.1. 臨床使用に基づく情報
海外で、本剤投与後に白血病、骨髄異形成症候群等の悪性腫瘍が発生したとの報告がある。
15.2. 非臨床試験に基づく情報
15.2.1. 遺伝毒性に関して、細菌を用いた復帰突然変異試験陽性、哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験陽性及びマウスの骨髄細胞を用いた小核試験陽性の結果が報告されている〔9.4.2、9.4.3参照〕。
15.2.2. ラットにトラベクテジン50μg/kg/日以上(AUCに基づく用量比較で臨床曝露量未満)を3週間ごとに反復投与したところ、精巣精上皮変性、精子巨細胞の出現、精巣上体細胞残屑及び雌において若干の性周期遅延が認められている。また、サルにトラベクテジン70μg/kg/日(AUCに基づく用量比較で臨床曝露量未満)を3週間ごとに反復投与したところ、未熟精巣の発生頻度増加が認められている〔9.4.1参照〕。
15.2.3. サルにトラベクテジン25μg/kg/日以上(AUCに基づく用量比較で臨床曝露量未満)を3週間ごとに反復投与したところ、網膜浮腫が認められている。
(保管上の注意)
2〜8℃保存。
薬効分類 | 抗悪性腫瘍薬 > ヌクレオチド除去修復機構阻害薬 |
一般名 | トラベクテジン注射用 |
薬価 | 198180円 |
メーカー | 大鵬薬品 |
最終更新 | 2024年06月改訂(第2版) |
通常、成人にはトラベクテジンとして1回1.2mg/u(体表面積)を24時間かけて点滴静注し、少なくとも20日間休薬する。これを1サイクルとして、投与を繰り返す。
なお、患者の状態により適宜減量する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤と他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.2. 薬液が漏出した場合、重度組織障害を起こすおそれがあるので、中心静脈から投与すること〔14.3.1、14.3.2参照〕。
7.3. 本剤の投与にあたっては、次の基準を参考に必要に応じて、休薬又は減量すること〔8.1−8.3参照〕。
・ 本剤投与開始前の臨床検査値が「投与開始基準」の基準値を満たさない場合は、本剤を投与しない又は基準値に回復するまで投与を延期すること。
[投与開始基準]
1). 好中球数:1500/mm3以上。
2). ヘモグロビン:9.0g/dL以上。
3). 血小板数:10×10の4乗/mm3以上。
4). アルブミン:2.5g/dL以上。
5). 総ビリルビン:1.5mg/dL以下。
6). AST、ALT、ALP*、CK:施設基準値上限の2.5倍以下。
7). クレアチニンクリアランス※:30mL/min以上。
*)原疾患に起因する場合を除く。
※)計算値はCockcroft−Gault式を用いて算出。実測した場合は、実測値にて本基準を満たすこと。
・ 「減量基準」に該当する副作用が発現した場合は、1段階ごとに減量すること。ただし、最低投与量は0.8mg/uとする。
[減量基準]
1). 好中球数:好中球数500/mm3未満が6日間以上持続する、又は好中球数500/mm3未満で発熱・感染を伴う場合は、1段階ごとに減量すること(ただし、最低投与量は0.8mg/uとする)。
2). 血小板数:血小板数2.5×10の4乗/mm3未満の場合は、1段階ごとに減量すること(ただし、最低投与量は0.8mg/uとする)。
3). 総ビリルビン:総ビリルビン1.5mg/dLを超える場合は、1段階ごとに減量すること(ただし、最低投与量は0.8mg/uとする)。
4). AST、ALT:投与後21日目以降にASTが施設基準値上限の2.5倍を超える、ALTが施設基準値上限の2.5倍を超える場合は、1段階ごとに減量すること(ただし、最低投与量は0.8mg/uとする)。
5). ALP:ALPが施設基準値上限の2.5倍を超える場合は、1段階ごとに減量すること(ただし、最低投与量は0.8mg/uとする)。
6). 非血液毒性:*非血液毒性<グレード3以上>が発現した場合は、1段階ごとに減量すること(ただし、最低投与量は0.8mg/uとする)。
*)CTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events)version4.0に準じる。
[減量の目安]
1). 通常投与量:1.2mg/u。
2). 1段階減量:1.0mg/u。
3). 2段階減量:0.8mg/u。
悪性軟部腫瘍。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 本剤の化学療法未治療例における有効性及び安全性は確立していない。
5.2. 臨床試験に組み入れられた病理組織型以外の患者における本剤の有効性及び安全性は確立していない。
5.3. 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 肝不全、肝機能障害:肝不全(頻度不明)及びAST上昇(47.2%)、ALT上昇(66.7%)等を伴う肝機能障害があらわれることがある〔8.1参照〕。
11.1.2. 骨髄抑制:好中球減少(83.3%)、白血球減少(55.6%)、血小板減少(36.1%)、貧血(30.6%)、リンパ球減少(22.2%)、発熱性好中球減少症(13.9%)があらわれることがある〔8.2、9.1.1、9.1.2参照〕。
11.1.3. 横紋筋融解症(2.8%):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.3参照〕。
11.1.4. 重篤な過敏症:過敏症(頻度不明)により死亡に至った例も報告されている〔2.1参照〕。
11.1.5. 感染症:肺炎(2.8%)、敗血症性ショック(頻度不明)等があらわれることがある〔8.2、9.1.2参照〕。
11.1.6. 心機能障害:うっ血性心不全(2.8%)及び左室駆出率低下(頻度不明)等の心機能障害があらわれることがある〔8.4、9.1.3参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 消化器:(20%以上)悪心(88.9%)、食欲不振(58.3%)、便秘(47.2%)、嘔吐、(5〜20%未満)口内炎、下痢、味覚異常、消化不良、(5%未満)腹痛、(頻度不明)膵炎。
2). 肝臓:(20%以上)γ−GTP上昇、(5〜20%未満)ALP上昇、ビリルビン上昇。
3). 精神神経系:(5〜20%未満)頭痛、末梢感覚性神経障害、(5%未満)浮動性めまい、(頻度不明)不眠症、錯感覚。
4). 呼吸器:(頻度不明)咳嗽、呼吸困難。
5). 筋骨格系:(5〜20%未満)筋肉痛、CK上昇、(5%未満)関節痛、背部痛。
6). 循環器:(頻度不明)潮紅、低血圧。
7). 皮膚・皮下組織系:(5%未満)脱毛、注射部位反応、(頻度不明)注射部位壊死、注射部位紅斑、注射部位疼痛、皮下溢血。
8). その他:(20%以上)倦怠感(44.4%)、(5〜20%未満)発熱、疲労、浮腫、(5%未満)低カリウム血症、体重減少、(頻度不明)脱水、静脈炎、クレアチニン上昇、アルブミン減少。
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
2.1. 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者〔11.1.4参照〕。
2.2. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
8.1. 肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること〔7.3、11.1.1参照〕。
8.2. 骨髄機能が抑制され、敗血症性ショック等の好中球減少に伴う感染等があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること〔7.3、9.1.1、9.1.2、11.1.2、11.1.5参照〕。
8.3. 横紋筋融解症があらわれることがあるので、筋肉痛、脱力感等の症状を観察するとともに、本剤投与開始前及び投与中は定期的にCKの検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること〔7.3、11.1.3参照〕。
8.4. 心機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に心エコー等の心機能検査(左室駆出率の測定を含む)を行うとともに、心機能障害に関連する臨床的な徴候や症状を十分に観察すること〔9.1.3、11.1.6参照〕。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 骨髄抑制のある患者:骨髄抑制が増強するおそれがある〔8.2、9.1.2、11.1.2参照〕。
9.1.2. 感染症を合併している患者:骨髄抑制により、感染症が悪化するおそれがある〔8.2、9.1.1、11.1.2、11.1.5参照〕。
9.1.3. アントラサイクリン系薬剤による治療歴のある患者又は心機能障害のある患者:心機能障害が発現又は増悪するおそれがある〔8.4、11.1.6参照〕。
(肝機能障害患者)
肝機能障害患者:血中濃度が上昇するおそれがある〔16.6.1参照〕。
(生殖能を有する者)
9.4.1. 生殖可能な年齢の患者に投与する場合には、性腺に対する影響を考慮すること〔15.2.2参照〕。
9.4.2. 妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後7カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること〔9.5妊婦の項、15.2.1参照〕。
9.4.3. 男性:男性には、本剤投与中及び最終投与後4カ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること〔15.2.1参照〕。
本剤は、主にCYP3A4により代謝される〔16.4.1参照〕。
10.2. 併用注意:
1). CYP3A阻害剤(*ケトコナゾール、クラリスロマイシン、アプレピタント等)〔16.7.1参照〕[本剤の血漿中濃度が上昇し副作用の頻度及び重症度が増加するおそれがあるので、CYP3A阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮し、併用が避けられない場合には、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること(これらの薬剤のCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害されると考えられる)]。
2). CYP3A誘導剤(リファンピシン、フェノバルビタール、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)等)〔16.7.2参照〕[本剤の血漿中濃度が低下し本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること(これらの薬剤等のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進されると考えられる)]。
*)ケトコナゾールの注射剤及び経口剤は国内未承認である。
患者の状態を十分に観察し、慎重に投与すること(一般に生理機能が低下していることが多い)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(ラットで本剤の胎盤及び胎仔への移行が確認されており、胎仔への影響又は催奇形性を示す可能性がある)〔2.2、9.4.2参照〕。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤のヒトでの乳汁移行に関するデータはない)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤調製時の注意
14.1.1. 本剤の調製にあたっては、溶解時及び希釈時は生理食塩液を使用すること。また、本剤は他の薬剤<生理食塩液を除く>とは混注しないこと。
14.1.2. 本剤は細胞毒性を有するため、調製時には手袋を着用することが望ましい。皮膚に本剤、溶解液及び希釈液が付着した場合は、直ちに多量の流水及び石けんでよく洗い流すこと。
14.2. 調製方法
14.2.1. 無菌的環境下の安全キャビネット内で、20mLの生理食塩液をシリンジで注入し溶解する(溶解液の使用は、1回のみとする)。
14.2.2. 完全に溶解するまでバイアルを振とうし、溶解液は無色澄明であることを確認する。
14.2.3. 必要な量の溶解液をバイアルから抜き取り、500mL〜1000mLの生理食塩液の入った点滴バッグに注入する。
14.2.4. 溶解液及び希釈液は調製後速やかに使用し、溶解から30時間以内に投与を終了すること。
14.3. 薬剤投与時の注意
14.3.1. 必ず中心静脈からの点滴投与とし、末梢静脈、皮下、筋肉内には投与しないこと〔7.2参照〕。
14.3.2. 静脈内投与に際し、薬液が血管外に漏れると、注射部位に硬結・壊死を起こすことがあるので、薬液が血管外に漏れないように投与すること〔7.2参照〕。
14.3.3. 他の薬剤<生理食塩液を除く>等との配合又は同じ静注ラインでの同時注入は避けること。
15.1. 臨床使用に基づく情報
海外で、本剤投与後に白血病、骨髄異形成症候群等の悪性腫瘍が発生したとの報告がある。
15.2. 非臨床試験に基づく情報
15.2.1. 遺伝毒性に関して、細菌を用いた復帰突然変異試験陽性、哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験陽性及びマウスの骨髄細胞を用いた小核試験陽性の結果が報告されている〔9.4.2、9.4.3参照〕。
15.2.2. ラットにトラベクテジン50μg/kg/日以上(AUCに基づく用量比較で臨床曝露量未満)を3週間ごとに反復投与したところ、精巣精上皮変性、精子巨細胞の出現、精巣上体細胞残屑及び雌において若干の性周期遅延が認められている。また、サルにトラベクテジン70μg/kg/日(AUCに基づく用量比較で臨床曝露量未満)を3週間ごとに反復投与したところ、未熟精巣の発生頻度増加が認められている〔9.4.1参照〕。
15.2.3. サルにトラベクテジン25μg/kg/日以上(AUCに基づく用量比較で臨床曝露量未満)を3週間ごとに反復投与したところ、網膜浮腫が認められている。
(保管上の注意)
2〜8℃保存。
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