薬効分類 | 血圧降下薬 > 抗アルドステロン薬 利尿薬 > 抗アルドステロン薬 |
一般名 | エプレレノン錠 |
薬価 | 22.8円 |
メーカー | キョーリンリメディオ |
最終更新 | 2024年05月改訂(第5版) 添付文書のPDFはこちら |
〈高血圧症〉
通常、成人にはエプレレノンとして1日1回50mgから投与を開始し、効果不十分な場合は100mgまで増量することができる。
〈慢性心不全〉
通常、成人にはエプレレノンとして1日1回25mgから投与を開始し、血清カリウム値、患者の状態に応じて、投与開始から4週間以降を目安に1日1回50mgへ増量する。
ただし、中等度の腎機能障害のある患者では、1日1回隔日25mgから投与を開始し、最大用量は1日1回25mgとする。
なお、血清カリウム値、患者の状態に応じて適宜減量又は中断する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈効能共通〉CYP3A4阻害薬と併用する場合には、本剤の投与量は1日1回25mgを超えないこと〔10.2、16.7.2参照〕。
7.2. 〈高血圧症〉本剤の投与中に血清カリウム値が5.0mEq/Lを超えた場合には減量を考慮し、高血圧症の場合、血清カリウム値が5.5mEq/Lを超えた場合は減量ないし中止し、高血圧症の場合、血清カリウム値が6.0mEq/L以上の場合には直ちに中止すること。
7.3. 〈慢性心不全〉慢性心不全で中等度腎機能障害(慢性心不全でクレアチニンクリアランス30mL/分以上50mL/分未満)のある患者においては、1日1回隔日25mgから投与を開始し、血清カリウム値、患者の状態に応じて、投与開始から4週間以降を目安に1日1回25mgへ増量し、なお、最大用量は1日1回25mgとすること。
臨床試験で使用されたeGFRに基づく調節については「17.1.13、17.1.14臨床成績」を参照すること。
7.4. 〈慢性心不全〉定期的に血清カリウム測定を行い、次に従って用法・用量を調節すること〔8.1、11.1.1参照〕。
[血清カリウム値による用法・用量調節]
1). 〈慢性心不全〉血清カリウム値5.0mEq/L未満:
@. 〈慢性心不全〉血清カリウム値5.0mEq/L未満:50mg1日1回の場合;維持。
A. 〈慢性心不全〉血清カリウム値5.0mEq/L未満:25mg1日1回の場合;50mg1日1回に増量。
B. 〈慢性心不全〉血清カリウム値5.0mEq/L未満:25mg隔日の場合;25mg1日1回に増量。
2). 〈慢性心不全〉血清カリウム値5.0〜5.4mEq/L:維持。
3). 〈慢性心不全〉血清カリウム値5.5〜5.9mEq/L:
@. 〈慢性心不全〉血清カリウム値5.5〜5.9mEq/L:50mg1日1回の場合;25mg1日1回に減量。
A. 〈慢性心不全〉血清カリウム値5.5〜5.9mEq/L:25mg1日1回の場合;25mg隔日に減量。
B. 〈慢性心不全〉血清カリウム値5.5〜5.9mEq/L:25mg隔日の場合;中断(中断後、血清カリウム値が5.0未満に下がった場合は、25mg隔日にて再開することができる)。
4). 〈慢性心不全〉血清カリウム値6.0mEq/L以上:中断(中断後、血清カリウム値が5.0未満に下がった場合は、25mg隔日にて再開することができる)。
1). 高血圧症。
2). 次記の状態で、アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシン2受容体拮抗薬、β遮断薬、利尿薬等の基礎治療を受けている患者:慢性心不全。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 高カリウム血症(高血圧症の場合(1.7%))、高カリウム血症(慢性心不全の場合(7.3%))〔7.4、8.1参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 〈高血圧症〉
@. 〈高血圧症〉血液およびリンパ系障害:(0.5%未満)貧血、溢血斑。
A. 〈高血圧症〉代謝および栄養障害:(1%以上)高尿酸血症、(0.5〜1%未満)高トリグリセリド血症、(0.5%未満)高血糖、口渇、痛風、高カルシウム血症、脱水、糖尿病悪化、低ナトリウム血症、食欲亢進。
B. 〈高血圧症〉精神障害:(0.5%未満)不眠症、うつ病、神経過敏、不安。
C. 〈高血圧症〉神経系障害:(1%以上)頭痛、めまい、(0.5%未満)異常感覚、起立性低血圧、傾眠、知覚減退、眩暈、片頭痛、失神、健忘。
D. 〈高血圧症〉心臓障害:(0.5〜1%未満)心悸亢進、(0.5%未満)頻脈、期外収縮、不整脈、狭心症。
E. 〈高血圧症〉血管障害:(0.5%未満)低血圧、脳血管障害。
F. 〈高血圧症〉呼吸器、胸郭および縦隔障害:(0.5〜1%未満)咳、感冒症状・上気道感染、(0.5%未満)呼吸困難、咽頭炎、鼻炎、副鼻腔炎、鼻出血、喘息・喘鳴。
G. 〈高血圧症〉胃腸障害:(1%以上)嘔気、消化不良、(0.5〜1%未満)下痢、腹痛、便秘、(0.5%未満)嘔吐、口内乾燥、胃食道逆流、鼓腸放屁、味覚倒錯。
H. 〈高血圧症〉肝胆道系障害:(0.5%未満)脂肪肝、肝機能異常。
I. 〈高血圧症〉皮膚および皮下組織障害:(0.5〜1%未満)発疹、多汗、(0.5%未満)皮膚そう痒症、皮膚疾患、蕁麻疹、皮膚乾燥、血管神経性浮腫。
J. 〈高血圧症〉筋骨格系および結合組織障害:(1%以上)筋痙攣、(0.5%未満)関節痛、筋痛、四肢疼痛、背部痛、筋脱力、攣縮。
K. 〈高血圧症〉腎および尿路障害:(0.5〜1%未満)頻尿、(0.5%未満)多尿、蛋白尿、夜間頻尿、血尿、尿路感染。
L. 〈高血圧症〉一般・全身障害および投与部位の状態:(1%以上)疲労、(0.5〜1%未満)末梢性浮腫、無力症、胸痛、(0.5%未満)潮紅、ほてり、疼痛、倦怠感。
M. 〈高血圧症〉臨床検査:(1%以上)ALT上昇、γ−GTP上昇、AST上昇、(0.5〜1%未満)CK上昇、BUN上昇、(0.5%未満)ECG異常、血中クレアチニン上昇、単球増多、コレステロール増加、尿比重減少、Al−P上昇、好酸球増多、プロトロンビン減少、尿比重増加、リンパ球増多、好塩基球増多、LDH上昇、白血球増多、尿糖、ビリルビン増加、ヘモグロビン増加。
N. 〈高血圧症〉眼障害:(0.5%未満)眼痛、視覚異常、眼球乾燥、霧視。
O. 〈高血圧症〉耳および迷路障害:(0.5%未満)耳鳴。
P. 〈高血圧症〉生殖系および乳房障害:(0.5〜1%未満)勃起障害、(0.5%未満)女性化乳房、リビドー減退、月経異常。
2). 〈慢性心不全〉
@. 〈慢性心不全〉感染症および寄生虫症:(0.5%未満)限局性感染、ウイルス感染、耳感染、上気道感染、(頻度不明)咽頭炎。
A. 〈慢性心不全〉血液およびリンパ系障害:(0.5%未満)貧血、(頻度不明)好酸球増加症。
B. 〈慢性心不全〉内分泌障害:(頻度不明)甲状腺機能低下症。
C. 〈慢性心不全〉代謝および栄養障害:(0.5%未満)脱水、痛風、高尿酸血症、食欲減退、高カルシウム血症、糖尿病、高トリグリセリド血症、低ナトリウム血症、(頻度不明)高コレステロール血症。
D. 〈慢性心不全〉精神障害:(0.5%未満)不眠症、うつ病。
E. 〈慢性心不全〉神経系障害:(1%以上)めまい、(0.5〜1%未満)頭痛、(0.5%未満)失神、感覚鈍麻、末梢性ニューロパチー、記憶障害。
F. 〈慢性心不全〉心臓障害:(0.5〜1%未満)心不全増悪、(0.5%未満)動悸、徐脈、心室細動、心房細動、頻脈、(頻度不明)左室不全。
G. 〈慢性心不全〉血管障害:(1%以上)低血圧、(0.5%未満)起立性低血圧、静脈障害。
H. 〈慢性心不全〉呼吸器、胸郭および縦隔障害:(0.5%未満)呼吸困難、咳嗽。
I. 〈慢性心不全〉胃腸障害:(0.5〜1%未満)腹痛、嘔気、(0.5%未満)下痢、腹部不快感、嘔吐、胃炎、口内炎、便秘、口内乾燥、放屁。
J. 〈慢性心不全〉肝胆道系障害:(0.5%未満)肝機能異常、(頻度不明)胆嚢炎。
K. 〈慢性心不全〉皮膚および皮下組織障害:(0.5〜1%未満)皮膚そう痒症、(0.5%未満)多汗症、発疹、(頻度不明)血管浮腫。
L. 〈慢性心不全〉筋骨格系および結合組織障害:(0.5〜1%未満)筋骨格痛、筋痙縮、(0.5%未満)背部痛。
M. 〈慢性心不全〉腎および尿路障害:(1%以上)腎機能障害、(0.5〜1%未満)腎不全、(0.5%未満)頻尿、慢性腎臓病。
N. 〈慢性心不全〉一般・全身障害および投与部位の状態:(0.5〜1%未満)疲労、(0.5%未満)疼痛、倦怠感、胸痛、発熱、(頻度不明)無力症。
O. 〈慢性心不全〉臨床検査:(0.5〜1%未満)血中クレアチニン増加、BUN上昇、(0.5%未満)上皮成長因子受容体減少、糸球体濾過率減少、体重増加、(頻度不明)血中ブドウ糖増加。
P. 〈慢性心不全〉耳および迷路障害:(0.5%未満)耳鳴。
Q. 〈慢性心不全〉生殖系および乳房障害:(0.5%未満)女性化乳房。
R. 〈慢性心不全〉良性、悪性および詳細不明の新生物(嚢胞およびポリープを含む):(0.5%未満)膀胱新生物。
2.1. 〈効能共通〉本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 〈効能共通〉高カリウム血症の患者もしくは本剤投与開始時に血清カリウム値が5.0mEq/Lを超えている患者[高カリウム血症を増悪させるおそれがある]。
2.3. 〈効能共通〉重度腎機能障害(クレアチニンクリアランス30mL/分未満)のある患者〔9.2.1参照〕。
2.4. 〈効能共通〉重度肝機能障害<Child−Pugh分類クラスCの肝硬変に相当>のある患者〔9.3.1参照〕。
2.5. 〈効能共通〉カリウム保持性利尿薬投与中及びミネラルコルチコイド受容体拮抗薬投与中の患者〔10.1参照〕。
2.6. 〈効能共通〉イトラコナゾール投与中、リトナビル含有製剤投与中及びエンシトレルビル フマル酸投与中の患者〔10.1参照〕。
2.7. 〈高血圧症〉高血圧症で微量アルブミン尿を伴う糖尿病又は高血圧症で蛋白尿を伴う糖尿病患者[高カリウム血症を誘発させるおそれがある]。
2.8. 〈高血圧症〉高血圧症で中等度以上の腎機能障害(高血圧症でクレアチニンクリアランス50mL/分未満)のある患者〔9.2.3参照〕。
2.9. 〈高血圧症〉高血圧症でカリウム製剤投与中の患者〔10.1参照〕。
8.1. 高カリウム血症があらわれることがあるので、血清カリウム値を原則として投与開始前、投与開始後(又は用量調節後)の1週間以内及び1ヵ月後に観察し、その後も定期的に観察すること〔7.4、11.1.1参照〕。
8.2. 肝機能異常がみられることがあるので、投与開始後1ヵ月を目処に肝機能検査値を観察し、その後も定期的に観察すること。
8.3. 低ナトリウム血症があらわれることがあるので、血清ナトリウム値を定期的に観察すること。
8.4. 降圧作用に基づくめまい等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 〈慢性心不全〉慢性心不全で微量アルブミン尿を伴う糖尿病又は慢性心不全で蛋白尿を伴う糖尿病患者:より頻回に血清カリウム値を測定すること(高カリウム血症のリスクが高まるおそれがある)。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 〈効能共通〉重度腎機能障害(クレアチニンクリアランス30mL/分未満)のある患者:投与しないこと(高カリウム血症を誘発させるおそれがある)〔2.3参照〕。
9.2.2. 〈効能共通〉軽度腎機能障害のある患者:より頻回に血清カリウム値を測定すること(高カリウム血症のリスクが高まるおそれがある)。
9.2.3. 〈高血圧症〉高血圧症で中等度以上の腎機能障害(高血圧症でクレアチニンクリアランス50mL/分未満)のある患者:投与しないこと(高カリウム血症を誘発させるおそれがある)〔2.8参照〕。
9.2.4. 〈慢性心不全〉慢性心不全で中等度腎機能障害のある患者:より頻回に血清カリウム値を測定すること(高カリウム血症のリスクが高まるおそれがある)。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 〈効能共通〉重度肝機能障害<Child−Pugh分類クラスCの肝硬変に相当>のある患者:投与しないこと(高カリウム血症等の電解質異常が発現するおそれがある)〔2.4参照〕。
9.3.2. 〈効能共通〉軽度〜中等度肝機能障害のある患者:高カリウム血症等の電解質異常の発現頻度が高まるおそれがある。
本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4で代謝される。
10.1. 併用禁忌:
1). 〈効能共通〉
@. 〈効能共通〉カリウム保持性利尿薬(スピロノラクトン<アルダクトンA>、トリアムテレン<トリテレン>、カンレノ酸カリウム<ソルダクトン>)、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬<フィネレノン以外>(エサキセレノン<ミネブロ>)〔2.5参照〕[血清カリウム値が上昇するおそれがある(カリウム貯留作用が増強するおそれがある)]。
A. 〈効能共通〉イトラコナゾール<イトリゾール>、リトナビル含有製剤<ノービア、パキロビッド>、エンシトレルビル フマル酸<ゾコーバ>〔2.6、16.7.1参照〕[本剤の血漿中濃度が上昇し血清カリウム値の上昇を誘発するおそれがある(強力なCYP3A4阻害薬は本剤の代謝を阻害する)]。
2). 〈高血圧症〉カリウム製剤(塩化カリウム<製剤>、グルコン酸カリウム<製剤><グルコンサンK>、アスパラギン酸カリウム<製剤><アスパラカリウム、アスパラ>、ヨウ化カリウム<製剤>、酢酸カリウム<製剤>)〔2.9参照〕[血清カリウム値が上昇するおそれがある(カリウム貯留作用が増強するおそれがある)]。
10.2. 併用注意:
1). 〈効能共通〉
@. 〈効能共通〉ACE阻害薬(カプトプリル、エナラプリルマレイン酸塩、リシノプリル水和物等)、アンジオテンシン2受容体拮抗薬(ロサルタンカリウム、カンデサルタンシレキセチル、バルサルタン等)、アリスキレンフマル酸塩、シクロスポリン、タクロリムス水和物、ドロスピレノン[血清カリウム値が上昇する可能性があるので、より頻回に血清カリウム値を測定するなど十分に注意すること(カリウム貯留作用が増強するおそれがある)]。
A. 〈効能共通〉フィネレノン[血清カリウム値上昇及び高カリウム血症が発現する危険性が増大するおそれがあるので、治療上必要と判断される場合にのみ併用し、併用する場合には、より頻回に血清カリウム値を測定するなど患者の状態を慎重に観察すること(カリウム貯留作用が増強するおそれがある)]。
B. 〈効能共通〉CYP3A4阻害薬(クラリスロマイシン、エリスロマイシン、フルコナゾール、サキナビルメシル酸塩、ベラパミル塩酸塩等)〔7.1、16.7.2参照〕[本剤の血漿中濃度が上昇し血清カリウム値の上昇を誘発するおそれがあるので、より頻回に血清カリウム値を測定するなど十分に注意すること(CYP3A4阻害薬は本剤の代謝を阻害する)]。
C. 〈効能共通〉CYP3A4誘導薬(デキサメタゾン、フェニトイン、リファンピシン、カルバマゼピン、フェノバルビタール等)、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)〔16.7.4参照〕[本剤の血漿中濃度が減少するおそれがあるので、本剤投与時は、これらの薬剤及びセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないことが望ましい(これらの薬剤及びセイヨウオトギリソウにより誘導された代謝酵素により、本剤の代謝が促進されるおそれがある)]。
D. 〈効能共通〉リチウム製剤(炭酸リチウム)[利尿薬又はACE阻害薬との併用によりリチウム中毒を起こすことが報告されているので、血中リチウム濃度に注意すること(明確な機序は不明であるが、ナトリウムイオン不足はリチウムイオンの貯留を促進するといわれているため、ナトリウム排泄を促進することにより起こると考えられる)]。
E. 〈効能共通〉非ステロイド性消炎鎮痛薬(インドメタシン等)[カリウム保持性利尿薬との併用によりその降圧作用の減弱、腎機能障害患者における重度の高カリウム血症の発現が報告されている(明確な機序は不明であるが、プロスタグランジン産生が抑制されることによって、ナトリウム貯留作用による降圧作用の減弱、カリウム貯留作用による血清カリウム値の上昇が起こると考えられる<危険因子>腎機能障害)]。
F. 〈効能共通〉ミトタン[ミトタンの作用を阻害するおそれがある(ミトタンの薬効を類薬(スピロノラクトン)が阻害するとの報告がある)]。
2). 〈慢性心不全〉カリウム製剤(塩化カリウム<製剤>、グルコン酸カリウム<製剤>、アスパラギン酸カリウム<製剤>、ヨウ化カリウム<製剤>、酢酸カリウム<製剤>等)[血清カリウム値が上昇する可能性があるので、血清カリウム値を定期的に観察するなど十分に注意すること(カリウム貯留作用が増強するおそれがある)]。
9.8.1. 一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こるおそれがある)。
9.8.2. より頻回に血清カリウム値を測定すること(一般的に腎機能が低下していることが多く、高カリウム血症のリスクが高まるおそれがある)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(妊娠ラット及びウサギにエプレレノンを経口投与した試験において、胎仔に移行することが確認され、この時、催奇形性はみられなかったが、ウサギでは早期吸収胚数増加が認められた)。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒトにおける本剤の乳汁中移行性については不明であるが、分娩後の哺育中ラットに14C−エプレレノンを経口投与した後の放射能は乳汁に移行することが報告されている)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
(保管上の注意)
室温保存。
薬効分類 | 血圧降下薬 > 抗アルドステロン薬 利尿薬 > 抗アルドステロン薬 |
一般名 | エプレレノン錠 |
薬価 | 22.8円 |
メーカー | キョーリンリメディオ |
最終更新 | 2024年05月改訂(第5版) 添付文書のPDFはこちら |
〈高血圧症〉
通常、成人にはエプレレノンとして1日1回50mgから投与を開始し、効果不十分な場合は100mgまで増量することができる。
〈慢性心不全〉
通常、成人にはエプレレノンとして1日1回25mgから投与を開始し、血清カリウム値、患者の状態に応じて、投与開始から4週間以降を目安に1日1回50mgへ増量する。
ただし、中等度の腎機能障害のある患者では、1日1回隔日25mgから投与を開始し、最大用量は1日1回25mgとする。
なお、血清カリウム値、患者の状態に応じて適宜減量又は中断する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈効能共通〉CYP3A4阻害薬と併用する場合には、本剤の投与量は1日1回25mgを超えないこと〔10.2、16.7.2参照〕。
7.2. 〈高血圧症〉本剤の投与中に血清カリウム値が5.0mEq/Lを超えた場合には減量を考慮し、高血圧症の場合、血清カリウム値が5.5mEq/Lを超えた場合は減量ないし中止し、高血圧症の場合、血清カリウム値が6.0mEq/L以上の場合には直ちに中止すること。
7.3. 〈慢性心不全〉慢性心不全で中等度腎機能障害(慢性心不全でクレアチニンクリアランス30mL/分以上50mL/分未満)のある患者においては、1日1回隔日25mgから投与を開始し、血清カリウム値、患者の状態に応じて、投与開始から4週間以降を目安に1日1回25mgへ増量し、なお、最大用量は1日1回25mgとすること。
臨床試験で使用されたeGFRに基づく調節については「17.1.13、17.1.14臨床成績」を参照すること。
7.4. 〈慢性心不全〉定期的に血清カリウム測定を行い、次に従って用法・用量を調節すること〔8.1、11.1.1参照〕。
[血清カリウム値による用法・用量調節]
1). 〈慢性心不全〉血清カリウム値5.0mEq/L未満:
@. 〈慢性心不全〉血清カリウム値5.0mEq/L未満:50mg1日1回の場合;維持。
A. 〈慢性心不全〉血清カリウム値5.0mEq/L未満:25mg1日1回の場合;50mg1日1回に増量。
B. 〈慢性心不全〉血清カリウム値5.0mEq/L未満:25mg隔日の場合;25mg1日1回に増量。
2). 〈慢性心不全〉血清カリウム値5.0〜5.4mEq/L:維持。
3). 〈慢性心不全〉血清カリウム値5.5〜5.9mEq/L:
@. 〈慢性心不全〉血清カリウム値5.5〜5.9mEq/L:50mg1日1回の場合;25mg1日1回に減量。
A. 〈慢性心不全〉血清カリウム値5.5〜5.9mEq/L:25mg1日1回の場合;25mg隔日に減量。
B. 〈慢性心不全〉血清カリウム値5.5〜5.9mEq/L:25mg隔日の場合;中断(中断後、血清カリウム値が5.0未満に下がった場合は、25mg隔日にて再開することができる)。
4). 〈慢性心不全〉血清カリウム値6.0mEq/L以上:中断(中断後、血清カリウム値が5.0未満に下がった場合は、25mg隔日にて再開することができる)。
1). 高血圧症。
2). 次記の状態で、アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシン2受容体拮抗薬、β遮断薬、利尿薬等の基礎治療を受けている患者:慢性心不全。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 高カリウム血症(高血圧症の場合(1.7%))、高カリウム血症(慢性心不全の場合(7.3%))〔7.4、8.1参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 〈高血圧症〉
@. 〈高血圧症〉血液およびリンパ系障害:(0.5%未満)貧血、溢血斑。
A. 〈高血圧症〉代謝および栄養障害:(1%以上)高尿酸血症、(0.5〜1%未満)高トリグリセリド血症、(0.5%未満)高血糖、口渇、痛風、高カルシウム血症、脱水、糖尿病悪化、低ナトリウム血症、食欲亢進。
B. 〈高血圧症〉精神障害:(0.5%未満)不眠症、うつ病、神経過敏、不安。
C. 〈高血圧症〉神経系障害:(1%以上)頭痛、めまい、(0.5%未満)異常感覚、起立性低血圧、傾眠、知覚減退、眩暈、片頭痛、失神、健忘。
D. 〈高血圧症〉心臓障害:(0.5〜1%未満)心悸亢進、(0.5%未満)頻脈、期外収縮、不整脈、狭心症。
E. 〈高血圧症〉血管障害:(0.5%未満)低血圧、脳血管障害。
F. 〈高血圧症〉呼吸器、胸郭および縦隔障害:(0.5〜1%未満)咳、感冒症状・上気道感染、(0.5%未満)呼吸困難、咽頭炎、鼻炎、副鼻腔炎、鼻出血、喘息・喘鳴。
G. 〈高血圧症〉胃腸障害:(1%以上)嘔気、消化不良、(0.5〜1%未満)下痢、腹痛、便秘、(0.5%未満)嘔吐、口内乾燥、胃食道逆流、鼓腸放屁、味覚倒錯。
H. 〈高血圧症〉肝胆道系障害:(0.5%未満)脂肪肝、肝機能異常。
I. 〈高血圧症〉皮膚および皮下組織障害:(0.5〜1%未満)発疹、多汗、(0.5%未満)皮膚そう痒症、皮膚疾患、蕁麻疹、皮膚乾燥、血管神経性浮腫。
J. 〈高血圧症〉筋骨格系および結合組織障害:(1%以上)筋痙攣、(0.5%未満)関節痛、筋痛、四肢疼痛、背部痛、筋脱力、攣縮。
K. 〈高血圧症〉腎および尿路障害:(0.5〜1%未満)頻尿、(0.5%未満)多尿、蛋白尿、夜間頻尿、血尿、尿路感染。
L. 〈高血圧症〉一般・全身障害および投与部位の状態:(1%以上)疲労、(0.5〜1%未満)末梢性浮腫、無力症、胸痛、(0.5%未満)潮紅、ほてり、疼痛、倦怠感。
M. 〈高血圧症〉臨床検査:(1%以上)ALT上昇、γ−GTP上昇、AST上昇、(0.5〜1%未満)CK上昇、BUN上昇、(0.5%未満)ECG異常、血中クレアチニン上昇、単球増多、コレステロール増加、尿比重減少、Al−P上昇、好酸球増多、プロトロンビン減少、尿比重増加、リンパ球増多、好塩基球増多、LDH上昇、白血球増多、尿糖、ビリルビン増加、ヘモグロビン増加。
N. 〈高血圧症〉眼障害:(0.5%未満)眼痛、視覚異常、眼球乾燥、霧視。
O. 〈高血圧症〉耳および迷路障害:(0.5%未満)耳鳴。
P. 〈高血圧症〉生殖系および乳房障害:(0.5〜1%未満)勃起障害、(0.5%未満)女性化乳房、リビドー減退、月経異常。
2). 〈慢性心不全〉
@. 〈慢性心不全〉感染症および寄生虫症:(0.5%未満)限局性感染、ウイルス感染、耳感染、上気道感染、(頻度不明)咽頭炎。
A. 〈慢性心不全〉血液およびリンパ系障害:(0.5%未満)貧血、(頻度不明)好酸球増加症。
B. 〈慢性心不全〉内分泌障害:(頻度不明)甲状腺機能低下症。
C. 〈慢性心不全〉代謝および栄養障害:(0.5%未満)脱水、痛風、高尿酸血症、食欲減退、高カルシウム血症、糖尿病、高トリグリセリド血症、低ナトリウム血症、(頻度不明)高コレステロール血症。
D. 〈慢性心不全〉精神障害:(0.5%未満)不眠症、うつ病。
E. 〈慢性心不全〉神経系障害:(1%以上)めまい、(0.5〜1%未満)頭痛、(0.5%未満)失神、感覚鈍麻、末梢性ニューロパチー、記憶障害。
F. 〈慢性心不全〉心臓障害:(0.5〜1%未満)心不全増悪、(0.5%未満)動悸、徐脈、心室細動、心房細動、頻脈、(頻度不明)左室不全。
G. 〈慢性心不全〉血管障害:(1%以上)低血圧、(0.5%未満)起立性低血圧、静脈障害。
H. 〈慢性心不全〉呼吸器、胸郭および縦隔障害:(0.5%未満)呼吸困難、咳嗽。
I. 〈慢性心不全〉胃腸障害:(0.5〜1%未満)腹痛、嘔気、(0.5%未満)下痢、腹部不快感、嘔吐、胃炎、口内炎、便秘、口内乾燥、放屁。
J. 〈慢性心不全〉肝胆道系障害:(0.5%未満)肝機能異常、(頻度不明)胆嚢炎。
K. 〈慢性心不全〉皮膚および皮下組織障害:(0.5〜1%未満)皮膚そう痒症、(0.5%未満)多汗症、発疹、(頻度不明)血管浮腫。
L. 〈慢性心不全〉筋骨格系および結合組織障害:(0.5〜1%未満)筋骨格痛、筋痙縮、(0.5%未満)背部痛。
M. 〈慢性心不全〉腎および尿路障害:(1%以上)腎機能障害、(0.5〜1%未満)腎不全、(0.5%未満)頻尿、慢性腎臓病。
N. 〈慢性心不全〉一般・全身障害および投与部位の状態:(0.5〜1%未満)疲労、(0.5%未満)疼痛、倦怠感、胸痛、発熱、(頻度不明)無力症。
O. 〈慢性心不全〉臨床検査:(0.5〜1%未満)血中クレアチニン増加、BUN上昇、(0.5%未満)上皮成長因子受容体減少、糸球体濾過率減少、体重増加、(頻度不明)血中ブドウ糖増加。
P. 〈慢性心不全〉耳および迷路障害:(0.5%未満)耳鳴。
Q. 〈慢性心不全〉生殖系および乳房障害:(0.5%未満)女性化乳房。
R. 〈慢性心不全〉良性、悪性および詳細不明の新生物(嚢胞およびポリープを含む):(0.5%未満)膀胱新生物。
2.1. 〈効能共通〉本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 〈効能共通〉高カリウム血症の患者もしくは本剤投与開始時に血清カリウム値が5.0mEq/Lを超えている患者[高カリウム血症を増悪させるおそれがある]。
2.3. 〈効能共通〉重度腎機能障害(クレアチニンクリアランス30mL/分未満)のある患者〔9.2.1参照〕。
2.4. 〈効能共通〉重度肝機能障害<Child−Pugh分類クラスCの肝硬変に相当>のある患者〔9.3.1参照〕。
2.5. 〈効能共通〉カリウム保持性利尿薬投与中及びミネラルコルチコイド受容体拮抗薬投与中の患者〔10.1参照〕。
2.6. 〈効能共通〉イトラコナゾール投与中、リトナビル含有製剤投与中及びエンシトレルビル フマル酸投与中の患者〔10.1参照〕。
2.7. 〈高血圧症〉高血圧症で微量アルブミン尿を伴う糖尿病又は高血圧症で蛋白尿を伴う糖尿病患者[高カリウム血症を誘発させるおそれがある]。
2.8. 〈高血圧症〉高血圧症で中等度以上の腎機能障害(高血圧症でクレアチニンクリアランス50mL/分未満)のある患者〔9.2.3参照〕。
2.9. 〈高血圧症〉高血圧症でカリウム製剤投与中の患者〔10.1参照〕。
8.1. 高カリウム血症があらわれることがあるので、血清カリウム値を原則として投与開始前、投与開始後(又は用量調節後)の1週間以内及び1ヵ月後に観察し、その後も定期的に観察すること〔7.4、11.1.1参照〕。
8.2. 肝機能異常がみられることがあるので、投与開始後1ヵ月を目処に肝機能検査値を観察し、その後も定期的に観察すること。
8.3. 低ナトリウム血症があらわれることがあるので、血清ナトリウム値を定期的に観察すること。
8.4. 降圧作用に基づくめまい等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 〈慢性心不全〉慢性心不全で微量アルブミン尿を伴う糖尿病又は慢性心不全で蛋白尿を伴う糖尿病患者:より頻回に血清カリウム値を測定すること(高カリウム血症のリスクが高まるおそれがある)。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 〈効能共通〉重度腎機能障害(クレアチニンクリアランス30mL/分未満)のある患者:投与しないこと(高カリウム血症を誘発させるおそれがある)〔2.3参照〕。
9.2.2. 〈効能共通〉軽度腎機能障害のある患者:より頻回に血清カリウム値を測定すること(高カリウム血症のリスクが高まるおそれがある)。
9.2.3. 〈高血圧症〉高血圧症で中等度以上の腎機能障害(高血圧症でクレアチニンクリアランス50mL/分未満)のある患者:投与しないこと(高カリウム血症を誘発させるおそれがある)〔2.8参照〕。
9.2.4. 〈慢性心不全〉慢性心不全で中等度腎機能障害のある患者:より頻回に血清カリウム値を測定すること(高カリウム血症のリスクが高まるおそれがある)。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 〈効能共通〉重度肝機能障害<Child−Pugh分類クラスCの肝硬変に相当>のある患者:投与しないこと(高カリウム血症等の電解質異常が発現するおそれがある)〔2.4参照〕。
9.3.2. 〈効能共通〉軽度〜中等度肝機能障害のある患者:高カリウム血症等の電解質異常の発現頻度が高まるおそれがある。
本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4で代謝される。
10.1. 併用禁忌:
1). 〈効能共通〉
@. 〈効能共通〉カリウム保持性利尿薬(スピロノラクトン<アルダクトンA>、トリアムテレン<トリテレン>、カンレノ酸カリウム<ソルダクトン>)、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬<フィネレノン以外>(エサキセレノン<ミネブロ>)〔2.5参照〕[血清カリウム値が上昇するおそれがある(カリウム貯留作用が増強するおそれがある)]。
A. 〈効能共通〉イトラコナゾール<イトリゾール>、リトナビル含有製剤<ノービア、パキロビッド>、エンシトレルビル フマル酸<ゾコーバ>〔2.6、16.7.1参照〕[本剤の血漿中濃度が上昇し血清カリウム値の上昇を誘発するおそれがある(強力なCYP3A4阻害薬は本剤の代謝を阻害する)]。
2). 〈高血圧症〉カリウム製剤(塩化カリウム<製剤>、グルコン酸カリウム<製剤><グルコンサンK>、アスパラギン酸カリウム<製剤><アスパラカリウム、アスパラ>、ヨウ化カリウム<製剤>、酢酸カリウム<製剤>)〔2.9参照〕[血清カリウム値が上昇するおそれがある(カリウム貯留作用が増強するおそれがある)]。
10.2. 併用注意:
1). 〈効能共通〉
@. 〈効能共通〉ACE阻害薬(カプトプリル、エナラプリルマレイン酸塩、リシノプリル水和物等)、アンジオテンシン2受容体拮抗薬(ロサルタンカリウム、カンデサルタンシレキセチル、バルサルタン等)、アリスキレンフマル酸塩、シクロスポリン、タクロリムス水和物、ドロスピレノン[血清カリウム値が上昇する可能性があるので、より頻回に血清カリウム値を測定するなど十分に注意すること(カリウム貯留作用が増強するおそれがある)]。
A. 〈効能共通〉フィネレノン[血清カリウム値上昇及び高カリウム血症が発現する危険性が増大するおそれがあるので、治療上必要と判断される場合にのみ併用し、併用する場合には、より頻回に血清カリウム値を測定するなど患者の状態を慎重に観察すること(カリウム貯留作用が増強するおそれがある)]。
B. 〈効能共通〉CYP3A4阻害薬(クラリスロマイシン、エリスロマイシン、フルコナゾール、サキナビルメシル酸塩、ベラパミル塩酸塩等)〔7.1、16.7.2参照〕[本剤の血漿中濃度が上昇し血清カリウム値の上昇を誘発するおそれがあるので、より頻回に血清カリウム値を測定するなど十分に注意すること(CYP3A4阻害薬は本剤の代謝を阻害する)]。
C. 〈効能共通〉CYP3A4誘導薬(デキサメタゾン、フェニトイン、リファンピシン、カルバマゼピン、フェノバルビタール等)、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)〔16.7.4参照〕[本剤の血漿中濃度が減少するおそれがあるので、本剤投与時は、これらの薬剤及びセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないことが望ましい(これらの薬剤及びセイヨウオトギリソウにより誘導された代謝酵素により、本剤の代謝が促進されるおそれがある)]。
D. 〈効能共通〉リチウム製剤(炭酸リチウム)[利尿薬又はACE阻害薬との併用によりリチウム中毒を起こすことが報告されているので、血中リチウム濃度に注意すること(明確な機序は不明であるが、ナトリウムイオン不足はリチウムイオンの貯留を促進するといわれているため、ナトリウム排泄を促進することにより起こると考えられる)]。
E. 〈効能共通〉非ステロイド性消炎鎮痛薬(インドメタシン等)[カリウム保持性利尿薬との併用によりその降圧作用の減弱、腎機能障害患者における重度の高カリウム血症の発現が報告されている(明確な機序は不明であるが、プロスタグランジン産生が抑制されることによって、ナトリウム貯留作用による降圧作用の減弱、カリウム貯留作用による血清カリウム値の上昇が起こると考えられる<危険因子>腎機能障害)]。
F. 〈効能共通〉ミトタン[ミトタンの作用を阻害するおそれがある(ミトタンの薬効を類薬(スピロノラクトン)が阻害するとの報告がある)]。
2). 〈慢性心不全〉カリウム製剤(塩化カリウム<製剤>、グルコン酸カリウム<製剤>、アスパラギン酸カリウム<製剤>、ヨウ化カリウム<製剤>、酢酸カリウム<製剤>等)[血清カリウム値が上昇する可能性があるので、血清カリウム値を定期的に観察するなど十分に注意すること(カリウム貯留作用が増強するおそれがある)]。
9.8.1. 一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こるおそれがある)。
9.8.2. より頻回に血清カリウム値を測定すること(一般的に腎機能が低下していることが多く、高カリウム血症のリスクが高まるおそれがある)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(妊娠ラット及びウサギにエプレレノンを経口投与した試験において、胎仔に移行することが確認され、この時、催奇形性はみられなかったが、ウサギでは早期吸収胚数増加が認められた)。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒトにおける本剤の乳汁中移行性については不明であるが、分娩後の哺育中ラットに14C−エプレレノンを経口投与した後の放射能は乳汁に移行することが報告されている)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
(保管上の注意)
室温保存。
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