薬効分類 | 免疫抑制薬 > ヒト化抗ヒトインターロイキン−31受容体A (IL−31受容体A) モノクローナル抗体 |
一般名 | ネモリズマブ (遺伝子組換え) キット |
薬価 | 116426円 |
メーカー | マルホ |
最終更新 | 2024年03月改訂(第4版) |
通常、成人及び13歳以上の小児にはネモリズマブ(遺伝子組換え)として1回60mgを4週間の間隔で皮下投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤投与後に浮腫性紅斑、湿疹等の発現を含む、皮膚症状の悪化が認められているので、皮膚症状が悪化した場合には、本剤の継続の可否について慎重に検討すること。
7.2. 本剤とミチーガ皮下注用30mgバイアルの生物学的同等性は示されていないことから、互換使用を行わないこと。
アトピー性皮膚炎に伴うそう痒(既存治療で効果不十分な場合に限る)。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. ステロイド外用剤やタクロリムス外用剤等の抗炎症外用剤及び抗ヒスタミン剤等の抗アレルギー剤による適切な治療を一定期間施行しても、そう痒を十分にコントロールできない患者に投与すること〔17.1.1参照〕。
5.2. 本剤はそう痒を治療する薬剤であり、そう痒が改善した場合も含め、本剤投与中はアトピー性皮膚炎に対して必要な治療を継続すること〔8.1参照〕。
5.3. 原則として、本剤投与時にはアトピー性皮膚炎の病変部位の状態に応じて抗炎症外用剤を併用すること〔8.1参照〕。
5.4. 本剤投与時も保湿外用剤を継続使用すること〔8.1参照〕。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 重篤な感染症(3.4%):ウイルス、細菌、真菌等による重篤な感染症があらわれることがある。
11.1.2. 重篤な過敏症(0.3%):アナフィラキシー(血圧低下、呼吸困難、蕁麻疹等)などの重篤な過敏症があらわれることがある。
11.2. その他の副作用
1). 皮膚:(5%以上)アトピー性皮膚炎(18.5%)、(5%未満)脱毛症、紅斑、蕁麻疹、中毒疹、ざ瘡、湿疹、尋常性疣贅、自家感作性皮膚炎、落屑、(頻度不明)貨幣状湿疹、丘疹、皮膚炎。
2). 感染症:(5%以上)皮膚感染症(ヘルペス感染、蜂巣炎、膿痂疹、皮膚二次感染等)(18.8%)、上気道炎、(5%未満)胃腸炎、結膜炎。
3). 注射部位:(5%未満)注射部位反応(内出血、紅斑、腫脹等)。
4). その他:(5%未満)血清TARC上昇、好酸球増加、頭痛、末梢性浮腫、アレルギー性結膜炎、咳嗽、腹痛、倦怠感、回転性めまい、血中CPK増加、高尿酸血症、発熱、(頻度不明)下痢、肝機能検査値異常。
本剤についての十分な知識と適応疾患の治療の知識・経験をもつ医師が使用すること。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
8.1. 次の点について患者に説明し、理解したことを確認したうえで投与すること〔5.2−5.4参照〕。
・ 本剤はそう痒を治療する薬剤であることから、アトピー性皮膚炎に対する治療を継続すること。
・ そう痒が改善した場合もアトピー性皮膚炎に対する治療を怠らないこと。
8.2. 本剤投与中の患者に生ワクチンを接種する場合は、患者の状態を慎重に確認し、十分な注意を払うこと。
8.3. 本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督の下投与を行うこと。
自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下実施すること。
自己投与の適用後、本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理の下慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。また、自己投与の適用後、本剤投与後に副作用の発現が疑われる場合は、医療施設へ連絡するよう患者に指導を行うこと。
使用済みの注射器を再使用しないように患者に注意を促し、すべての器具の安全な廃棄方法に関する指導を行うと同時に、使用済みの注射器を廃棄する容器を提供すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 長期ステロイド内服療法を受けている患者:本剤投与開始後に経口ステロイド剤を急に中止しないこと(経口ステロイド剤の減量が必要な場合には、医師の管理の下徐々に行うこと)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(カニクイザル)において本剤の胎盤通過性を示唆する報告がある)。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(カニクイザル)において本剤の乳汁移行がわずかに認められている)。
13歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
本剤の投与により、アトピー性皮膚炎の炎症症状とは一致しない一過性の血清TARC値の上昇が認められている(本剤投与開始から一定期間は血清TARC値をアトピー性皮膚炎の短期病勢マーカーとして使用できないことに留意すること)。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤調製時の注意
14.1.1. デュアルチャンバーシリンジ(同梱の注射針を含む)の使用にあたっては、【デュアルチャンバーシリンジ(DCS)操作方法】を熟読すること。シリンジに損傷がみられた場合には使用しないこと。
14.1.2. 溶解後の薬液が均質になるように、注射針側を上に向けて60秒以上左右に振とうし、溶解させる(薬剤の溶け残りがある場合は、再度左右に振とうし、溶解させる)。
14.1.3. 溶解後、直ちに投与する(直ちに投与できない場合は、室温で保存し、4時間以内に投与する)。
14.2. 薬剤投与時の注意
14.2.1. 溶解液で調製後の薬液は無色〜微黄色の液となる(変色や不溶物を認めた場合には使用しない)。
14.2.2. 注射針同梱製品の場合、同梱の注射針以外は使用しないこと。注射針同梱製品でない場合、注射針は22〜27ゲージを使用すること。
14.2.3. 投与部位は腹部、大腿部又は上腕部とすること。同一箇所へ繰り返し注射することは避けること。
14.2.4. 正常な皮膚の部位に注射すること。皮膚が敏感な部位、皮膚に損傷・打撲や傷のある部位、強い炎症のある部位には注射しないこと。
14.2.5. 本剤の使用は1回限りとし、使用後は廃棄すること。
14.3. 薬剤交付時の注意
患者が家庭で保管する場合は、光曝露を避けるため外箱に入れたまま保存するよう指導すること〔20.取扱い上の注意の項参照〕。
(取扱い上の注意)
外箱開封後は遮光して保存すること〔14.3参照〕。
(保管上の注意)
室温保存。
(デュアルチャンバーシリンジ(DCS)操作方法)
1. 清潔な手で容器からデュアルチャンバーシリンジ(DCS)を取り出し、DCS及び注射針に異常がないか確認する。
DCSについて、次記の項目を確認し、異常が認められた場合は使用せず、新しい製品を使用する。
1). 使用期限内である。
2). 薬剤が白色である。
3). 溶解液が透明で異物が混入していない。
4). 損傷がない。
5). 液漏れがない。
6). 白色の保護キャップがついている。
※ シリンジバレル内壁に無色〜白色の薬剤のスポットを認めることがあるが、異常ではない。
注射針について、次記の項目を確認し、異常が認められた場合は使用せず、新しい製品を使用する。
袋及び注射針に損傷がない。
2. DCSの2つのキャップを取り外す。
@. シリンジ先端を上に向けて持ち、片方の手で保護キャップ(白色)を、もう片方の手でテクスチャリング部分を持って、保護キャップ(白色)をひねって外す。
A. ゴムキャップ(灰色)を外す。
3. 先端部を上向きに持ち、注射針を取り付ける。
シリンジ先端部を上にして持ち、注射針末端部をシリンジ先端部に、添付文書の図の矢印の方向にねじ込みながら、回らなくなるまでしっかりと装着する。
・ 以降の操作は、必ずゴムキャップを外し、注射針をつけた状態で行う。シリンジ内の圧力が高まり、液漏れが発生することがある。
・ 注射針のキャップは、投与直前に外す。
・ 薬剤がこぼれる可能性があるのでDCSは上向きに持つ。
4. 薬剤を溶かす。
@. 注射針側を上に向けてDCSを持つ。
A. プランジャーをプランジャー・ロックAで止まるまで押し込み、溶解液を薬剤の部分へ流し込む。
・ プランジャーは押し込んだままにして、引かない。薬液が逆流する場合がある。
・ 針先から薬液が漏れたり、溶けていない薬剤が先端に詰まる可能性があるので、必ず注射針側を上向きに持つ。
・ プランジャー側に残った溶解液が手元に流れる場合があるが、問題ない。
B. そのまま注射針側を上に向けた状態で、DCSを60秒以上左右に振とうして、薬剤を溶かす。薬液が泡立っても問題ない。
・ 針先から薬液が漏れる可能性があるので、水平よりも下向きにして振らない。
5. DCSを平らな場所に水平に置き、薬剤が完全に溶けるのを待つ。
溶かした直後:泡で全体が白っぽく見える。
5分ほど経った後:泡がおさまり、薬液が透きとおる(5分ほど置いた後に、添付文書の図に示す程度の一定量の泡が残っていても問題ない)。
・ 5分ほど待っても、薬剤が完全に溶けていない場合は、DCSを60秒以上左右に振とうしてから、さらに5分ほど時間をおく。それでも溶けていない場合は、もう1度振とうし、5分ほど置くことを繰り返す。
・ 次のような場合、使用しない。
1). 薬剤を溶かした際に、薬液が変色している(正常な色は無色〜微黄色である)。
2). 振とうと5分ほど置くことを、3回以上繰り返しても、薬液に不溶物が認められる。
※ ゴム栓部へ巻き込まれた薬剤の溶け残りは問題ない。
・ 薬剤を溶かした後は直ちに使用する。直ちに使用できない場合は30℃以下の室温で保存し、4時間以内に投与する。
6. 空気(気泡)を先端部に移動させる。
@. 注射針のキャップを外し、注射針を上に向けた状態で、シリンジバレルを指先で軽くたたき、気泡をシリンジバレルの先端に移動させる。
針先から薬液が漏れる可能性があるので、DCSは上向きに持つ。
A. 片手でシリンジバレルを持ったまま、プランジャーを添付文書の図の矢印の方向に90度回転させる。
B. プランジャーをプランジャー・ロックBで止まるまで押し込む。
・ プランジャーを引かない。
・ 押し込んだ後にシリンジバレル内に少量の空気が残るが、問題ない。
・ プランジャーを押し込んだときに、針先から薬液が漏れたり、プランジャー側に残った溶解液が手元に流れることがあるが、問題ない。
7. 投与の前に、ロックを解除する。
注射針を上に向けた状態で、プランジャーを添付文書の図の矢印の方向に90度回転させる。
こうすることでプランジャーのロックが解除される。
ロックを解除した後、薬液を投与するとき(注射するとき)にプランジャーを押す。
8. 注射する部位を選ぶ。
・ 腹部(へそから5cm以上離れた部位)。
・ 大腿部。
・ 上腕部外側。
1). 正常な皮膚の部位に注射する。
2). 次のような部位への注射は避ける。
@. 皮膚が敏感な部位。
A. 皮膚に損傷、打撲や傷のある部位。
B. 強い炎症のある部位。
3). 毎回、部位を変えて注射する。
9. 注射針を皮膚に刺す。
@. 注射する部位を、アルコール綿でふいて消毒する。
A. 注射の直前に、シリンジバレル内の空気を抜く。このとき、小さな気泡が残っていても問題ない。
B. 片方の手でシリンジの指かけの近くを持ち、もう片方の手で注射する部位の皮膚を優しくつまみ、そこに注射針を刺す。
DCSの指かけの近くを持つ(プランジャーは持たない)。
皮膚に対して約45度の角度で刺し込む。
注射針の近くを持つと、次の手順が実施しにくくなる。
注射針を刺した後は、同じ角度で刺したままにしておく。
10. 薬液を注入する。
@. 注射針を刺した後、添付文書の図のように、DCSを人差し指と中指で挟むような形で指かけに両指をかけ、プランジャーを親指でゆっくり押し下げる。
A. 薬液がすべて注入されるまでプランジャーをゆっくりと押し下げる。
注射針を刺した後は、同じ角度で刺したままにしておく。
B. 注射後は、注射針を挿入時と同じ角度を保ちながら、人差し指と中指で指かけを引っ張るようにして抜いていく。
・ 投与部位はもまない。
・ 出血した場合は、脱脂綿で軽く押さえる。
11. 使用済みの注射針つきDCSとキャップは各市区町村の廃棄ルールなどに従い廃棄する。
DCSや注射針の使用は1回限りとし、再使用しない。
薬効分類 | 免疫抑制薬 > ヒト化抗ヒトインターロイキン−31受容体A (IL−31受容体A) モノクローナル抗体 |
一般名 | ネモリズマブ (遺伝子組換え) キット |
薬価 | 116426円 |
メーカー | マルホ |
最終更新 | 2024年03月改訂(第4版) |
通常、成人及び13歳以上の小児にはネモリズマブ(遺伝子組換え)として1回60mgを4週間の間隔で皮下投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤投与後に浮腫性紅斑、湿疹等の発現を含む、皮膚症状の悪化が認められているので、皮膚症状が悪化した場合には、本剤の継続の可否について慎重に検討すること。
7.2. 本剤とミチーガ皮下注用30mgバイアルの生物学的同等性は示されていないことから、互換使用を行わないこと。
アトピー性皮膚炎に伴うそう痒(既存治療で効果不十分な場合に限る)。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. ステロイド外用剤やタクロリムス外用剤等の抗炎症外用剤及び抗ヒスタミン剤等の抗アレルギー剤による適切な治療を一定期間施行しても、そう痒を十分にコントロールできない患者に投与すること〔17.1.1参照〕。
5.2. 本剤はそう痒を治療する薬剤であり、そう痒が改善した場合も含め、本剤投与中はアトピー性皮膚炎に対して必要な治療を継続すること〔8.1参照〕。
5.3. 原則として、本剤投与時にはアトピー性皮膚炎の病変部位の状態に応じて抗炎症外用剤を併用すること〔8.1参照〕。
5.4. 本剤投与時も保湿外用剤を継続使用すること〔8.1参照〕。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 重篤な感染症(3.4%):ウイルス、細菌、真菌等による重篤な感染症があらわれることがある。
11.1.2. 重篤な過敏症(0.3%):アナフィラキシー(血圧低下、呼吸困難、蕁麻疹等)などの重篤な過敏症があらわれることがある。
11.2. その他の副作用
1). 皮膚:(5%以上)アトピー性皮膚炎(18.5%)、(5%未満)脱毛症、紅斑、蕁麻疹、中毒疹、ざ瘡、湿疹、尋常性疣贅、自家感作性皮膚炎、落屑、(頻度不明)貨幣状湿疹、丘疹、皮膚炎。
2). 感染症:(5%以上)皮膚感染症(ヘルペス感染、蜂巣炎、膿痂疹、皮膚二次感染等)(18.8%)、上気道炎、(5%未満)胃腸炎、結膜炎。
3). 注射部位:(5%未満)注射部位反応(内出血、紅斑、腫脹等)。
4). その他:(5%未満)血清TARC上昇、好酸球増加、頭痛、末梢性浮腫、アレルギー性結膜炎、咳嗽、腹痛、倦怠感、回転性めまい、血中CPK増加、高尿酸血症、発熱、(頻度不明)下痢、肝機能検査値異常。
本剤についての十分な知識と適応疾患の治療の知識・経験をもつ医師が使用すること。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
8.1. 次の点について患者に説明し、理解したことを確認したうえで投与すること〔5.2−5.4参照〕。
・ 本剤はそう痒を治療する薬剤であることから、アトピー性皮膚炎に対する治療を継続すること。
・ そう痒が改善した場合もアトピー性皮膚炎に対する治療を怠らないこと。
8.2. 本剤投与中の患者に生ワクチンを接種する場合は、患者の状態を慎重に確認し、十分な注意を払うこと。
8.3. 本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督の下投与を行うこと。
自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下実施すること。
自己投与の適用後、本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理の下慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。また、自己投与の適用後、本剤投与後に副作用の発現が疑われる場合は、医療施設へ連絡するよう患者に指導を行うこと。
使用済みの注射器を再使用しないように患者に注意を促し、すべての器具の安全な廃棄方法に関する指導を行うと同時に、使用済みの注射器を廃棄する容器を提供すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 長期ステロイド内服療法を受けている患者:本剤投与開始後に経口ステロイド剤を急に中止しないこと(経口ステロイド剤の減量が必要な場合には、医師の管理の下徐々に行うこと)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(カニクイザル)において本剤の胎盤通過性を示唆する報告がある)。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(カニクイザル)において本剤の乳汁移行がわずかに認められている)。
13歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
本剤の投与により、アトピー性皮膚炎の炎症症状とは一致しない一過性の血清TARC値の上昇が認められている(本剤投与開始から一定期間は血清TARC値をアトピー性皮膚炎の短期病勢マーカーとして使用できないことに留意すること)。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤調製時の注意
14.1.1. デュアルチャンバーシリンジ(同梱の注射針を含む)の使用にあたっては、【デュアルチャンバーシリンジ(DCS)操作方法】を熟読すること。シリンジに損傷がみられた場合には使用しないこと。
14.1.2. 溶解後の薬液が均質になるように、注射針側を上に向けて60秒以上左右に振とうし、溶解させる(薬剤の溶け残りがある場合は、再度左右に振とうし、溶解させる)。
14.1.3. 溶解後、直ちに投与する(直ちに投与できない場合は、室温で保存し、4時間以内に投与する)。
14.2. 薬剤投与時の注意
14.2.1. 溶解液で調製後の薬液は無色〜微黄色の液となる(変色や不溶物を認めた場合には使用しない)。
14.2.2. 注射針同梱製品の場合、同梱の注射針以外は使用しないこと。注射針同梱製品でない場合、注射針は22〜27ゲージを使用すること。
14.2.3. 投与部位は腹部、大腿部又は上腕部とすること。同一箇所へ繰り返し注射することは避けること。
14.2.4. 正常な皮膚の部位に注射すること。皮膚が敏感な部位、皮膚に損傷・打撲や傷のある部位、強い炎症のある部位には注射しないこと。
14.2.5. 本剤の使用は1回限りとし、使用後は廃棄すること。
14.3. 薬剤交付時の注意
患者が家庭で保管する場合は、光曝露を避けるため外箱に入れたまま保存するよう指導すること〔20.取扱い上の注意の項参照〕。
(取扱い上の注意)
外箱開封後は遮光して保存すること〔14.3参照〕。
(保管上の注意)
室温保存。
(デュアルチャンバーシリンジ(DCS)操作方法)
1. 清潔な手で容器からデュアルチャンバーシリンジ(DCS)を取り出し、DCS及び注射針に異常がないか確認する。
DCSについて、次記の項目を確認し、異常が認められた場合は使用せず、新しい製品を使用する。
1). 使用期限内である。
2). 薬剤が白色である。
3). 溶解液が透明で異物が混入していない。
4). 損傷がない。
5). 液漏れがない。
6). 白色の保護キャップがついている。
※ シリンジバレル内壁に無色〜白色の薬剤のスポットを認めることがあるが、異常ではない。
注射針について、次記の項目を確認し、異常が認められた場合は使用せず、新しい製品を使用する。
袋及び注射針に損傷がない。
2. DCSの2つのキャップを取り外す。
@. シリンジ先端を上に向けて持ち、片方の手で保護キャップ(白色)を、もう片方の手でテクスチャリング部分を持って、保護キャップ(白色)をひねって外す。
A. ゴムキャップ(灰色)を外す。
3. 先端部を上向きに持ち、注射針を取り付ける。
シリンジ先端部を上にして持ち、注射針末端部をシリンジ先端部に、添付文書の図の矢印の方向にねじ込みながら、回らなくなるまでしっかりと装着する。
・ 以降の操作は、必ずゴムキャップを外し、注射針をつけた状態で行う。シリンジ内の圧力が高まり、液漏れが発生することがある。
・ 注射針のキャップは、投与直前に外す。
・ 薬剤がこぼれる可能性があるのでDCSは上向きに持つ。
4. 薬剤を溶かす。
@. 注射針側を上に向けてDCSを持つ。
A. プランジャーをプランジャー・ロックAで止まるまで押し込み、溶解液を薬剤の部分へ流し込む。
・ プランジャーは押し込んだままにして、引かない。薬液が逆流する場合がある。
・ 針先から薬液が漏れたり、溶けていない薬剤が先端に詰まる可能性があるので、必ず注射針側を上向きに持つ。
・ プランジャー側に残った溶解液が手元に流れる場合があるが、問題ない。
B. そのまま注射針側を上に向けた状態で、DCSを60秒以上左右に振とうして、薬剤を溶かす。薬液が泡立っても問題ない。
・ 針先から薬液が漏れる可能性があるので、水平よりも下向きにして振らない。
5. DCSを平らな場所に水平に置き、薬剤が完全に溶けるのを待つ。
溶かした直後:泡で全体が白っぽく見える。
5分ほど経った後:泡がおさまり、薬液が透きとおる(5分ほど置いた後に、添付文書の図に示す程度の一定量の泡が残っていても問題ない)。
・ 5分ほど待っても、薬剤が完全に溶けていない場合は、DCSを60秒以上左右に振とうしてから、さらに5分ほど時間をおく。それでも溶けていない場合は、もう1度振とうし、5分ほど置くことを繰り返す。
・ 次のような場合、使用しない。
1). 薬剤を溶かした際に、薬液が変色している(正常な色は無色〜微黄色である)。
2). 振とうと5分ほど置くことを、3回以上繰り返しても、薬液に不溶物が認められる。
※ ゴム栓部へ巻き込まれた薬剤の溶け残りは問題ない。
・ 薬剤を溶かした後は直ちに使用する。直ちに使用できない場合は30℃以下の室温で保存し、4時間以内に投与する。
6. 空気(気泡)を先端部に移動させる。
@. 注射針のキャップを外し、注射針を上に向けた状態で、シリンジバレルを指先で軽くたたき、気泡をシリンジバレルの先端に移動させる。
針先から薬液が漏れる可能性があるので、DCSは上向きに持つ。
A. 片手でシリンジバレルを持ったまま、プランジャーを添付文書の図の矢印の方向に90度回転させる。
B. プランジャーをプランジャー・ロックBで止まるまで押し込む。
・ プランジャーを引かない。
・ 押し込んだ後にシリンジバレル内に少量の空気が残るが、問題ない。
・ プランジャーを押し込んだときに、針先から薬液が漏れたり、プランジャー側に残った溶解液が手元に流れることがあるが、問題ない。
7. 投与の前に、ロックを解除する。
注射針を上に向けた状態で、プランジャーを添付文書の図の矢印の方向に90度回転させる。
こうすることでプランジャーのロックが解除される。
ロックを解除した後、薬液を投与するとき(注射するとき)にプランジャーを押す。
8. 注射する部位を選ぶ。
・ 腹部(へそから5cm以上離れた部位)。
・ 大腿部。
・ 上腕部外側。
1). 正常な皮膚の部位に注射する。
2). 次のような部位への注射は避ける。
@. 皮膚が敏感な部位。
A. 皮膚に損傷、打撲や傷のある部位。
B. 強い炎症のある部位。
3). 毎回、部位を変えて注射する。
9. 注射針を皮膚に刺す。
@. 注射する部位を、アルコール綿でふいて消毒する。
A. 注射の直前に、シリンジバレル内の空気を抜く。このとき、小さな気泡が残っていても問題ない。
B. 片方の手でシリンジの指かけの近くを持ち、もう片方の手で注射する部位の皮膚を優しくつまみ、そこに注射針を刺す。
DCSの指かけの近くを持つ(プランジャーは持たない)。
皮膚に対して約45度の角度で刺し込む。
注射針の近くを持つと、次の手順が実施しにくくなる。
注射針を刺した後は、同じ角度で刺したままにしておく。
10. 薬液を注入する。
@. 注射針を刺した後、添付文書の図のように、DCSを人差し指と中指で挟むような形で指かけに両指をかけ、プランジャーを親指でゆっくり押し下げる。
A. 薬液がすべて注入されるまでプランジャーをゆっくりと押し下げる。
注射針を刺した後は、同じ角度で刺したままにしておく。
B. 注射後は、注射針を挿入時と同じ角度を保ちながら、人差し指と中指で指かけを引っ張るようにして抜いていく。
・ 投与部位はもまない。
・ 出血した場合は、脱脂綿で軽く押さえる。
11. 使用済みの注射針つきDCSとキャップは各市区町村の廃棄ルールなどに従い廃棄する。
DCSや注射針の使用は1回限りとし、再使用しない。
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