薬効分類 | 免疫抑制薬 > ヒト化抗ヒトα4β7インテグリンモノクローナル抗体 |
一般名 | ベドリズマブ (遺伝子組換え) キット (2) |
薬価 | 69888円 |
メーカー | 武田薬品 |
最終更新 | 2024年06月改訂(第4版) |
通常、成人にはベドリズマブ(遺伝子組換え)として1回108mgを2週間隔で皮下注射する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤は、ベドリズマブ(遺伝子組換え)の点滴静注製剤を2回以上投与し治療反応が認められた場合に、点滴静注製剤の次の投与予定日から切り替えて投与を開始すること(ベドリズマブ(遺伝子組換え)点滴静注製剤の電子添文の用法及び用量を参照すること)〔17.1.1、17.1.2参照〕。
7.2. 本剤と他の免疫抑制作用を有する生物製剤の併用について臨床試験は実施していないため、本剤との併用を避けること。
1). 中等症から重症の潰瘍性大腸炎の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)。
2). 中等症から重症の活動期クローン病の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈効能共通〉本剤は、ベドリズマブ(遺伝子組換え)の点滴静注製剤投与後に治療反応が認められた場合に投与すること〔17.1.1、17.1.2参照〕。
5.2. 〈潰瘍性大腸炎〉ベドリズマブ(遺伝子組換え)は、過去の治療において、他の薬物療法(ステロイド、アザチオプリン等)等の適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残り、投与が適切と判断した場合に投与すること〔1.2、17.1.1参照〕。
5.3. 〈クローン病〉ベドリズマブ(遺伝子組換え)は、過去の治療において、栄養療法、他の薬物療法(ステロイド、アザチオプリン等)等の適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残り、投与が適切と判断した場合に投与すること〔1.3、17.1.2参照〕。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 過敏症反応(3.5%):アナフィラキシー等の重度過敏症反応(呼吸困難、気管支痙攣、じん麻疹、潮紅、発疹、血圧変動、心拍数増加等)があらわれることがあるので、そのような場合には、投与を中止し、適切な処置(酸素吸入、昇圧剤、解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤の投与等)を行うとともに、症状が回復するまで患者を十分に観察すること〔2.1参照〕。
11.1.2. 重篤な感染症(0.5%):肺炎、敗血症、結核、リステリア症、サイトメガロウイルス感染、日和見感染等の重篤な感染症があらわれることがあるので、本剤投与中に重篤な感染症を発現した場合には、感染症がコントロールできるようになるまでは投与を中止すること〔1.1、8.1、8.2、9.1.1−9.1.3参照〕。
11.1.3. 進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明):PMLの発現が報告されているので、観察を十分に行い、片麻痺、四肢麻痺、認知機能障害、失語症、視覚障害等のPMLが疑われる症状が認められた場合には速やかに投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.3参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 精神神経系:(0.1〜5%)頭痛。
2). 消化器:(0.1〜5%)悪心。
3). 呼吸器:(0.1〜5%)咳嗽、口腔咽頭痛。
4). 皮膚:(0.1〜5%)発疹、皮膚そう痒症。
5). 筋・骨格系:(0.1〜5%)関節痛、背部痛、四肢痛。
6). その他:(0.1〜5%)注射部位反応(注射部位紅斑、注射部位腫脹、注射部位そう痒感等)、上咽頭炎、発熱、気管支炎、上気道感染、インフルエンザ、副鼻腔炎、疲労。
1.1. 〈効能共通〉肺炎、敗血症、結核等の重篤な感染症が報告されていること及び本剤は疾病を完治させる薬剤でないことを患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤の投与において、重篤な副作用があらわれることがあるので、緊急時の対応が十分可能な医療施設及び医師の管理指導のもとで使用し、本剤投与後に副作用が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること〔8.1、8.2、9.1.1−9.1.3、11.1.2参照〕。
1.2. 〈潰瘍性大腸炎〉本剤の治療を行う前に、ステロイド又は免疫調節剤等の使用を十分勘案すること(また、本剤についての十分な知識と潰瘍性大腸炎治療の経験をもつ医師が使用すること)〔5.2参照〕。
1.3. 〈クローン病〉本剤の治療を行う前に、栄養療法、ステロイド又は免疫調節剤等の使用を十分勘案すること(また、本剤についての十分な知識とクローン病治療の経験をもつ医師が使用すること)〔5.3参照〕。
2.1. 本剤の成分に対し重度過敏症の既往歴のある患者〔11.1.1参照〕。
8.1. 本剤はα4β7インテグリンに結合しリンパ球の遊走を阻害するため、感染症に対する免疫能に影響を及ぼす可能性があるので、本剤の投与に際しては十分な観察を行い、感染症の発現や感染症増悪に注意すること。また、患者に対し、発熱、倦怠感等があらわれた場合には、速やかに医師に相談するよう指導すること〔1.1、9.1.1−9.1.3、11.1.2参照〕。
8.2. 本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に加え、インターフェロン−γ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。また、本剤投与中も、胸部レントゲン検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核の発現には十分に注意し、患者に対し、結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳、発熱等)には速やかに医師に連絡するよう説明すること。なお、結核の活動性が確認された場合には本剤を投与しないこと〔1.1、9.1.3、11.1.2参照〕。
8.3. 他のインテグリン拮抗薬であるナタリズマブで進行性多巣性白質脳症<PML>の発現が報告されているため、ナタリズマブを過去に投与された患者に本剤を投与する際はPMLの発現に十分注意すること。また、ナタリズマブ投与中の患者では、本剤との併用を避けること〔11.1.3参照〕。
8.4. 本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、投与方法等について十分な教育訓練を実施したのち、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。また、自己投与適用後、感染症等本剤による副作用が疑われる場合や、自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。ペンの安全な廃棄方法に関する指導を行うと同時に、使用済みのペンを廃棄する容器を提供すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 感染症の患者又は感染症が疑われる患者:適切な処置と十分な観察が必要である(本剤は免疫反応を減弱する作用を有し、正常な免疫応答に影響を与える可能性がある)〔1.1、8.1、11.1.2参照〕。
9.1.2. 重度の感染症患者:結核、敗血症、サイトメガロウイルス感染、リステリア症及び日和見感染等の重度感染症患者については、感染症がコントロールされるまで本剤の投与を開始しないこと〔1.1、8.1、11.1.2参照〕。
9.1.3. 結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部レントゲン上結核治癒所見のある患者)又は結核感染が疑われる患者。
(1). 結核の既感染者では、結核を活動化させるおそれがある。
(2). 結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部レントゲン上結核治癒所見のある患者)又は結核感染が疑われる場合、結核の診療経験がある医師に相談すること。次のいずれかの患者には、原則として本剤の開始前に適切な抗結核薬を投与すること[1)胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者、2)結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者、3)インターフェロン−γ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、結核既感染が強く疑われる患者、4)結核患者との濃厚接触歴を有する患者]〔1.1、8.1、8.2、11.1.2参照〕。
10.2. 併用注意:
生ワクチン[接種した生ワクチンの病原に基づく症状が発現した場合には、適切な処置を行うこと(生ワクチンによる感染症発現の可能性が否定できない)]。
感染症等の副作用の発現に留意し、十分な観察を行うこと(一般に生理機能(免疫機能等)が低下していることが多い)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の妊婦に対する有益性が胎児への危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物試験(サル)で妊娠期間中にベドリズマブを静脈内投与した母動物の分娩後に乳仔の血清中からベドリズマブが検出された)。
(授乳婦)
授乳中の女性には、治療上の母親への有益性、母乳栄養の有益性及び哺乳中の児への潜在的な危険性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒトで乳汁中へのベドリズマブの移行が報告されているが、本剤の哺乳中の児への影響は不明である)。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした国内臨床試験は実施していない。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤交付時の注意
14.1.1. 患者が家庭で保存する場合は、本剤を外箱に入れた状態で、凍結を避け、冷蔵庫内で保存し、やむを得ず冷蔵保存できない場合は直射日光を避け、25℃以下の場合は7日以内に、25℃超30℃以下の場合は24時間以内に使用すること〔20.1−20.3参照〕。
14.2. 薬剤投与時の注意
14.2.1. 投与30分前に冷蔵庫から取り出し室温に戻しておくことが望ましい。
針刺し、異物混入、薬液の乾燥による針詰まり等が生じるおそれがあるため、投与直前までは、本剤(ペン)先端部のキャップを外さないこと。
14.2.2. 投与前に、内容物を目視により確認する(本剤は、無色から黄色の溶液であり、変色又は粒子が認められた場合には使用しない)。
14.2.3. 投与部位は、大腿部、腹部又は上腕部が望ましい。注射部位は、前回の注射部位から少なくとも3cm離すこと。
14.2.4. 皮膚が敏感な部位、皮膚に異常のある部位<傷・発疹・発赤・硬結等>には注射しないこと。
14.2.5. 本剤は1回使用の製剤であり、再使用しないこと。
(取扱い上の注意)
20.1. 本剤は遮光する必要があるため、外箱に入れて保存すること〔14.1.1参照〕。
20.2. 冷蔵庫内で保存し、凍結を避けること〔14.1.1参照〕。
20.3. やむを得ず冷蔵保存できない場合は直射日光を避け、25℃以下の場合は7日以内に、25℃超30℃以下の場合は24時間以内に使用すること〔14.1.1参照〕。
15.1. 臨床使用に基づく情報
15.1.1. 国内外臨床試験において、患者数は限られているが本剤に対する抗体産生が報告されている〔17.1.3参照〕。
15.1.2. 外国人健康成人を対象とした海外臨床試験において、ベドリズマブを投与した被験者では、経口不活化コレラ毒素ワクチンに対する適応免疫応答減弱が報告されている。
(保管上の注意)
2〜8℃で保存。
薬効分類 | 免疫抑制薬 > ヒト化抗ヒトα4β7インテグリンモノクローナル抗体 |
一般名 | ベドリズマブ (遺伝子組換え) キット (2) |
薬価 | 69888円 |
メーカー | 武田薬品 |
最終更新 | 2024年06月改訂(第4版) |
通常、成人にはベドリズマブ(遺伝子組換え)として1回108mgを2週間隔で皮下注射する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤は、ベドリズマブ(遺伝子組換え)の点滴静注製剤を2回以上投与し治療反応が認められた場合に、点滴静注製剤の次の投与予定日から切り替えて投与を開始すること(ベドリズマブ(遺伝子組換え)点滴静注製剤の電子添文の用法及び用量を参照すること)〔17.1.1、17.1.2参照〕。
7.2. 本剤と他の免疫抑制作用を有する生物製剤の併用について臨床試験は実施していないため、本剤との併用を避けること。
1). 中等症から重症の潰瘍性大腸炎の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)。
2). 中等症から重症の活動期クローン病の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈効能共通〉本剤は、ベドリズマブ(遺伝子組換え)の点滴静注製剤投与後に治療反応が認められた場合に投与すること〔17.1.1、17.1.2参照〕。
5.2. 〈潰瘍性大腸炎〉ベドリズマブ(遺伝子組換え)は、過去の治療において、他の薬物療法(ステロイド、アザチオプリン等)等の適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残り、投与が適切と判断した場合に投与すること〔1.2、17.1.1参照〕。
5.3. 〈クローン病〉ベドリズマブ(遺伝子組換え)は、過去の治療において、栄養療法、他の薬物療法(ステロイド、アザチオプリン等)等の適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残り、投与が適切と判断した場合に投与すること〔1.3、17.1.2参照〕。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 過敏症反応(3.5%):アナフィラキシー等の重度過敏症反応(呼吸困難、気管支痙攣、じん麻疹、潮紅、発疹、血圧変動、心拍数増加等)があらわれることがあるので、そのような場合には、投与を中止し、適切な処置(酸素吸入、昇圧剤、解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤の投与等)を行うとともに、症状が回復するまで患者を十分に観察すること〔2.1参照〕。
11.1.2. 重篤な感染症(0.5%):肺炎、敗血症、結核、リステリア症、サイトメガロウイルス感染、日和見感染等の重篤な感染症があらわれることがあるので、本剤投与中に重篤な感染症を発現した場合には、感染症がコントロールできるようになるまでは投与を中止すること〔1.1、8.1、8.2、9.1.1−9.1.3参照〕。
11.1.3. 進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明):PMLの発現が報告されているので、観察を十分に行い、片麻痺、四肢麻痺、認知機能障害、失語症、視覚障害等のPMLが疑われる症状が認められた場合には速やかに投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.3参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 精神神経系:(0.1〜5%)頭痛。
2). 消化器:(0.1〜5%)悪心。
3). 呼吸器:(0.1〜5%)咳嗽、口腔咽頭痛。
4). 皮膚:(0.1〜5%)発疹、皮膚そう痒症。
5). 筋・骨格系:(0.1〜5%)関節痛、背部痛、四肢痛。
6). その他:(0.1〜5%)注射部位反応(注射部位紅斑、注射部位腫脹、注射部位そう痒感等)、上咽頭炎、発熱、気管支炎、上気道感染、インフルエンザ、副鼻腔炎、疲労。
1.1. 〈効能共通〉肺炎、敗血症、結核等の重篤な感染症が報告されていること及び本剤は疾病を完治させる薬剤でないことを患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤の投与において、重篤な副作用があらわれることがあるので、緊急時の対応が十分可能な医療施設及び医師の管理指導のもとで使用し、本剤投与後に副作用が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること〔8.1、8.2、9.1.1−9.1.3、11.1.2参照〕。
1.2. 〈潰瘍性大腸炎〉本剤の治療を行う前に、ステロイド又は免疫調節剤等の使用を十分勘案すること(また、本剤についての十分な知識と潰瘍性大腸炎治療の経験をもつ医師が使用すること)〔5.2参照〕。
1.3. 〈クローン病〉本剤の治療を行う前に、栄養療法、ステロイド又は免疫調節剤等の使用を十分勘案すること(また、本剤についての十分な知識とクローン病治療の経験をもつ医師が使用すること)〔5.3参照〕。
2.1. 本剤の成分に対し重度過敏症の既往歴のある患者〔11.1.1参照〕。
8.1. 本剤はα4β7インテグリンに結合しリンパ球の遊走を阻害するため、感染症に対する免疫能に影響を及ぼす可能性があるので、本剤の投与に際しては十分な観察を行い、感染症の発現や感染症増悪に注意すること。また、患者に対し、発熱、倦怠感等があらわれた場合には、速やかに医師に相談するよう指導すること〔1.1、9.1.1−9.1.3、11.1.2参照〕。
8.2. 本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に加え、インターフェロン−γ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。また、本剤投与中も、胸部レントゲン検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核の発現には十分に注意し、患者に対し、結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳、発熱等)には速やかに医師に連絡するよう説明すること。なお、結核の活動性が確認された場合には本剤を投与しないこと〔1.1、9.1.3、11.1.2参照〕。
8.3. 他のインテグリン拮抗薬であるナタリズマブで進行性多巣性白質脳症<PML>の発現が報告されているため、ナタリズマブを過去に投与された患者に本剤を投与する際はPMLの発現に十分注意すること。また、ナタリズマブ投与中の患者では、本剤との併用を避けること〔11.1.3参照〕。
8.4. 本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、投与方法等について十分な教育訓練を実施したのち、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。また、自己投与適用後、感染症等本剤による副作用が疑われる場合や、自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。ペンの安全な廃棄方法に関する指導を行うと同時に、使用済みのペンを廃棄する容器を提供すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 感染症の患者又は感染症が疑われる患者:適切な処置と十分な観察が必要である(本剤は免疫反応を減弱する作用を有し、正常な免疫応答に影響を与える可能性がある)〔1.1、8.1、11.1.2参照〕。
9.1.2. 重度の感染症患者:結核、敗血症、サイトメガロウイルス感染、リステリア症及び日和見感染等の重度感染症患者については、感染症がコントロールされるまで本剤の投与を開始しないこと〔1.1、8.1、11.1.2参照〕。
9.1.3. 結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部レントゲン上結核治癒所見のある患者)又は結核感染が疑われる患者。
(1). 結核の既感染者では、結核を活動化させるおそれがある。
(2). 結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部レントゲン上結核治癒所見のある患者)又は結核感染が疑われる場合、結核の診療経験がある医師に相談すること。次のいずれかの患者には、原則として本剤の開始前に適切な抗結核薬を投与すること[1)胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者、2)結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者、3)インターフェロン−γ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、結核既感染が強く疑われる患者、4)結核患者との濃厚接触歴を有する患者]〔1.1、8.1、8.2、11.1.2参照〕。
10.2. 併用注意:
生ワクチン[接種した生ワクチンの病原に基づく症状が発現した場合には、適切な処置を行うこと(生ワクチンによる感染症発現の可能性が否定できない)]。
感染症等の副作用の発現に留意し、十分な観察を行うこと(一般に生理機能(免疫機能等)が低下していることが多い)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の妊婦に対する有益性が胎児への危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物試験(サル)で妊娠期間中にベドリズマブを静脈内投与した母動物の分娩後に乳仔の血清中からベドリズマブが検出された)。
(授乳婦)
授乳中の女性には、治療上の母親への有益性、母乳栄養の有益性及び哺乳中の児への潜在的な危険性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒトで乳汁中へのベドリズマブの移行が報告されているが、本剤の哺乳中の児への影響は不明である)。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした国内臨床試験は実施していない。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤交付時の注意
14.1.1. 患者が家庭で保存する場合は、本剤を外箱に入れた状態で、凍結を避け、冷蔵庫内で保存し、やむを得ず冷蔵保存できない場合は直射日光を避け、25℃以下の場合は7日以内に、25℃超30℃以下の場合は24時間以内に使用すること〔20.1−20.3参照〕。
14.2. 薬剤投与時の注意
14.2.1. 投与30分前に冷蔵庫から取り出し室温に戻しておくことが望ましい。
針刺し、異物混入、薬液の乾燥による針詰まり等が生じるおそれがあるため、投与直前までは、本剤(ペン)先端部のキャップを外さないこと。
14.2.2. 投与前に、内容物を目視により確認する(本剤は、無色から黄色の溶液であり、変色又は粒子が認められた場合には使用しない)。
14.2.3. 投与部位は、大腿部、腹部又は上腕部が望ましい。注射部位は、前回の注射部位から少なくとも3cm離すこと。
14.2.4. 皮膚が敏感な部位、皮膚に異常のある部位<傷・発疹・発赤・硬結等>には注射しないこと。
14.2.5. 本剤は1回使用の製剤であり、再使用しないこと。
(取扱い上の注意)
20.1. 本剤は遮光する必要があるため、外箱に入れて保存すること〔14.1.1参照〕。
20.2. 冷蔵庫内で保存し、凍結を避けること〔14.1.1参照〕。
20.3. やむを得ず冷蔵保存できない場合は直射日光を避け、25℃以下の場合は7日以内に、25℃超30℃以下の場合は24時間以内に使用すること〔14.1.1参照〕。
15.1. 臨床使用に基づく情報
15.1.1. 国内外臨床試験において、患者数は限られているが本剤に対する抗体産生が報告されている〔17.1.3参照〕。
15.1.2. 外国人健康成人を対象とした海外臨床試験において、ベドリズマブを投与した被験者では、経口不活化コレラ毒素ワクチンに対する適応免疫応答減弱が報告されている。
(保管上の注意)
2〜8℃で保存。
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