薬剤情報
後発品
薬効分類網膜疾患治療薬 > VEGF阻害薬
一般名アフリベルセプト (遺伝子組換え) 注射液
薬価138986
メーカーバイエル薬品
最終更新2022年09月改訂(第2版)

用法・用量

〈中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性〉

アフリベルセプト(遺伝子組換え)として2mg(0.05mL)を1ヵ月ごとに1回、連続3回(導入期)硝子体内投与する。その後の維持期においては、通常、2ヵ月ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、1ヵ月以上あけること。

〈網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、病的近視における脈絡膜新生血管〉

アフリベルセプト(遺伝子組換え)として1回あたり2mg(0.05mL)を硝子体内投与する。投与間隔は、1ヵ月以上あけること。

〈糖尿病黄斑浮腫〉

アフリベルセプト(遺伝子組換え)として2mg(0.05mL)を1ヵ月ごとに1回、連続5回硝子体内投与する。その後は、通常、2ヵ月ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、1ヵ月以上あけること。

〈血管新生緑内障〉

アフリベルセプト(遺伝子組換え)として1回、2mg(0.05mL)を硝子体内投与する。なお、必要な場合は再投与できるが、1ヵ月以上の間隔をあけること。

〈未熟児網膜症〉

アフリベルセプト(遺伝子組換え)として1回、0.4mg(0.01mL)を硝子体内投与する。なお、必要な場合は再投与できるが、1ヵ月以上の間隔をあけること。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

7.1. 〈中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、病的近視における脈絡膜新生血管、糖尿病黄斑浮腫、血管新生緑内障〉加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、病的近視における脈絡膜新生血管、糖尿病黄斑浮腫、血管新生緑内障で両眼に治療対象の病変がある場合は、両眼同時治療の有益性と危険性を慎重に評価した上で本剤を投与すること。なお、加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、病的近視における脈絡膜新生血管、糖尿病黄斑浮腫、血管新生緑内障の場合、初回治療における両眼同日投与は避け片眼での安全性を十分に評価した上で対側眼の治療を行うこと。

7.2. 〈網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫〉1ヵ月に1回を目安に視力等の測定を行い、その結果及び患者の状態を継続的に観察し、本剤投与の要否について慎重に判断すること。

7.3. 〈網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫〉投与開始後、視力が安定するまでは、1ヵ月に1回投与することが望ましい。

7.4. 〈病的近視における脈絡膜新生血管〉定期的に視力等を測定し、その結果及び患者の状態を考慮し、本剤投与の要否を判断すること。

7.5. 〈病的近視における脈絡膜新生血管〉疾患の活動性を示唆する所見(視力、形態学的所見等)が認められた場合には投与することが望ましい。

7.6. 〈血管新生緑内障〉本剤による治療は前眼部新生血管による眼圧上昇に対する対症療法であることに留意すること(また、長期的な眼圧管理にあたっては標準的な治療法との併用を考慮すること)。

7.7. 〈血管新生緑内障〉本剤投与後は定期的に眼圧等を評価し、疾患の活動性を示唆する所見(前眼部新生血管による眼圧上昇等)が認められた場合は、本剤の再投与を検討すること。

7.8. 〈未熟児網膜症〉本剤投与により治療反応が得られた後に、疾患活動性の増加を示唆する所見が認められた場合は、本剤の再投与を検討すること〔17.1.13参照〕。

7.9. 〈未熟児網膜症〉本剤投与後早期に治療反応が得られない場合は、他の治療への切替えを考慮すること〔17.1.13参照〕。

効能・効果

1). 中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性。

2). 網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫。

3). 病的近視における脈絡膜新生血管。

4). 糖尿病黄斑浮腫。

5). 血管新生緑内障。

6). 未熟児網膜症。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

5.1. 〈中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、病的近視における脈絡膜新生血管、糖尿病黄斑浮腫、血管新生緑内障〉本剤による治療を開始するに際し、疾患・病態による視力、視野等の予後を考慮し、本剤投与の要否を判断すること。

5.2. 〈網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫〉不可逆的な虚血性視機能喪失の臨床的徴候が認められる網膜中心静脈閉塞症患者への投与は、避けることが望ましい。

5.3. 〈血管新生緑内障〉前緑内障期の患者における有効性及び安全性は確立していない。

5.4. 〈未熟児網膜症〉自然治癒が期待できる軽症例及び外科的手術の適応となる重症例における本剤の投与意義が明確ではないことから、本剤による治療を開始するに際し、患者の状態や病変の位置、病期、病型による重症度等を考慮し、本剤投与の要否を判断すること〔17.1.13参照〕。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 眼障害:眼内炎(0.2%)、眼圧上昇(4.3%)、硝子体はく離(1.2%)、外傷性白内障(0.7%)、網膜出血(0.7%)、網膜色素上皮裂孔(0.4%)、硝子体出血(0.4%)、網膜はく離(0.06%)、網膜裂孔(0.09%)、網膜色素上皮はく離(0.03%)があらわれることがある〔8.3、8.4、9.1.1参照〕。

11.1.2. 脳卒中(0.2%)〔9.1.2、15.1.1参照〕。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). *眼(前眼部):(5%以上)結膜出血(22.8%)、(1〜5%未満)眼充血、点状角膜炎、(1%未満)白内障、角膜擦過傷、角膜浮腫、角膜びらん、角膜上皮欠損、角膜障害、角膜炎、前房内細胞、前房フレア、結膜充血、結膜刺激、結膜浮腫、結膜炎、アレルギー性結膜炎、後のう部混濁、虹彩毛様体炎、ブドウ膜炎、前房蓄膿、虹彩炎、前房出血。

2). *眼(後眼部):(1〜5%未満)硝子体浮遊物、(1%未満)硝子体細胞、硝子体混濁、黄斑線維症、黄斑浮腫、黄斑円孔、黄斑部瘢痕、網膜変性、網膜浮腫、網膜下線維症、網膜色素脱失、網膜色素上皮症、網膜分離症、硝子体炎。

3). *眼(注射部位):(1〜5%未満)注射部位疼痛、注射部位出血、(1%未満)注射部位刺激感、注射部位紅斑、注射部位不快感、注射部位乾燥、注射部位炎症、注射部位浮腫、注射部位腫脹、注射部位血腫。

4). *眼(その他):(5%以上)眼痛、(1〜5%未満)眼異物感、眼刺激、流涙増加、霧視、眼部不快感、(1%未満)眼脂、眼乾燥、眼そう痒症、眼異常感、眼瞼浮腫、眼瞼縁痂皮、眼瞼痛、眼瞼炎、眼窩周囲血腫、眼部腫脹、高眼圧症、羞明、視力障害、変視症、光視症、処置による眼疼痛、視力低下。

5). 皮膚:(1%未満)皮膚そう痒症、紅斑。

6). 循環器:(1%未満)高血圧、収縮期血圧上昇。

7). 精神神経系:(1%未満)会話障害、頭痛。

8). 消化器:(1%未満)悪心。

9). 泌尿器:(1%未満)タンパク尿、尿中タンパク/クレアチニン比増加。

10). その他:(1%未満)不快感、鼻出血、薬物過敏症、針恐怖。

*)〔8.3参照〕。

禁忌

2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.2. 眼に感染又は眼周囲に感染のある患者、あるいは感染の疑いのある患者[眼内炎等の重篤な副作用が発現するおそれがある]。

2.3. 眼内に重度炎症のある患者[炎症が悪化するおそれがある]。

2.4. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。

重要な基本的注意

8.1. 〈効能共通〉網膜疾患に関する専門知識を有し、硝子体内注射の投与手技に関する十分な知識・経験のある眼科医のみが本剤を投与すること。

8.2. 〈効能共通〉硝子体内注射に際し使用される薬剤(消毒薬、麻酔薬、抗菌点眼薬及び散瞳薬等)への過敏症の既往歴について事前に十分な問診を行うこと。

8.3. 〈効能共通〉本剤の硝子体内注射の際には、次記の点に注意しながら行うとともに、投与手技に起因する有害事象として結膜出血、眼痛、硝子体浮遊物等の有害事象が多く報告されているので注意すること〔11.1.1、11.2参照〕。

・ 〈効能共通〉硝子体内注射は、無菌条件下で行うこと(手術用手指消毒を行い、滅菌手袋、ヨウ素系洗眼殺菌剤、滅菌ドレープ及び滅菌開瞼器等を使用すること)。

・ 〈効能共通〉本剤投与前に、十分な麻酔と広域抗菌点眼剤の投与を行うこと(未熟児網膜症以外の患者に対しては広域抗菌点眼剤は本剤投与3日前から投与後3日まで投与すること)。

・ 〈効能共通〉添付の専用フィルター付き採液針は、硝子体内注射には絶対に使用しないこと。

・ 〈効能共通〉過量投与を防ぐため、投与量が未熟児網膜症に対しては0.01mL、その他の効能に対しては0.05mLであることを投与前に確認すること。

・ 〈効能共通〉患者に対し、眼内炎を示唆する症状(眼痛、充血、羞明、霧視等)があらわれた場合には直ちに連絡するように指導すること。

8.4. 〈効能共通〉硝子体内注射により眼圧を一過性に上昇させるおそれがあるので、本剤投与後、視神経乳頭血流の確認と眼圧上昇の管理を適切に行うこと〔9.1.1、11.1.1参照〕。

8.5. 〈効能共通〉本剤の硝子体内注射後、一時的に霧視等があらわれることがあるため、その症状が回復するまで機械類の操作や自動車等の運転には従事させないよう注意すること。

8.6. 〈中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、病的近視における脈絡膜新生血管、糖尿病黄斑浮腫〉中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、病的近視における脈絡膜新生血管、糖尿病黄斑浮腫の場合、定期的に視力等に基づき有効性を評価し、有効性が認められない場合には漫然と投与しないこと。

8.7. 〈血管新生緑内障〉血管新生緑内障の場合、定期的に眼圧等に基づき有効性を評価し、有効性が認められない場合には漫然と投与しないこと。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 緑内障、高眼圧症の患者〔8.4、11.1.1参照〕。

9.1.2. 脳卒中又は一過性脳虚血発作の既往歴等の脳卒中の危険因子のある患者〔11.1.2、15.1.1参照〕。

(生殖能を有する者)

妊娠可能な女性:妊娠可能な女性には、本剤投与中(最終投与後3ヵ月以上)、適切な避妊法を用いるよう指導すること(なお、ウサギの胚・胎仔毒性試験で、胎仔奇形がみられた最低用量における最高血漿中濃度は259ng/mLであり、安全域は明確になっていないため、本剤投与中止後の適切な避妊期間は明らかでない)〔9.5妊婦の項、16.1.2参照〕。

高齢者

一般に生理機能が低下している。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ウサギの胚・胎仔毒性試験(3〜60mg/kgを器官形成期に静脈内投与)において、母動物体重減少、流産、着床後胚死亡及び胎仔奇形(外表奇形、内臓奇形及び骨格奇形)の増加が報告されている。

別のウサギ胚・胎仔毒性試験(0.1〜1mg/kgを妊娠1日〜器官形成期に皮下投与)において、胎仔奇形(外表奇形、内臓奇形及び骨格奇形)の増加が報告されている(妊娠ウサギにおいて、本剤の胎盤通過性が認められた)〔2.4、9.4生殖能を有する者の項参照〕。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト母乳中への移行は不明である)。

小児等

未熟児網膜症以外の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

過量投与

13.1. 症状

過量投与時、臨床試験において、一過性眼圧上昇が報告されており、投与容量の増加に伴い眼圧が上昇することがある。

13.2. 処置

過量投与時、眼圧を測定し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤投与前の注意

14.1.1. 本剤は、注射前に室温に戻し、室温に放置した時間が24時間を超えないように使用すること(未開封で室温に放置した時間が24時間を超えない限り、再度冷蔵保存することができるが、必要最小限に留めること)。

14.1.2. 目視による確認を行い、注射液に微粒子、混濁又は変色が認められる場合、容器に破損が認められる場合等、異常が認められる場合には使用しないこと。

14.2. 薬剤投与時の注意

14.2.1. 本剤は硝子体内にのみ投与すること。

14.2.2. 30ゲージの眼科用針を使用すること。

14.2.3. 1バイアルは1回(片眼)のみの使用とすること。

(取扱い上の注意)

遮光を保つため、本剤は外箱に入れた状態で保存すること。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

15.1.1. 本剤投与により、全身のVEGF阻害に起因する動脈血栓塞栓に関連する有害事象(心筋梗塞、脳卒中、血管死等)が発現する可能性がある。滲出型加齢黄斑変性患者を対象に国内外で実施された第3相試験[2試験の併合解析(2年間)]における動脈血栓塞栓関連事象の発現率は、本剤投与群全体で3.3%(1824例中60例)であった。網膜中心静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫を有する患者を対象に国内外で実施された第3相試験[2試験(76週間と100週間)の併合解析]における動脈血栓塞栓関連事象の発現率は、本剤投与群全体で0.6%(317例中2例)であった。網膜静脈分枝閉塞症に伴う黄斑浮腫を有する患者を対象に国内外で実施された第3相試験[1試験(52週間)]における動脈血栓塞栓関連事象の発現率は、本剤投与群全体で0.6%(158例中1例)であった。病的近視における脈絡膜新生血管患者を対象に国内外で実施された第3相試験[1試験(48週間)]における動脈血栓塞栓関連事象の発現率は、本剤投与群全体で0.9%(116例中1例)であった。糖尿病黄斑浮腫を有する患者を対象に国内外で実施された第3相試験[3試験(1年間)の併合解析]における動脈血栓塞栓関連事象の発現率は、本剤投与群全体で2.9%(730例中21例)であった。血管新生緑内障患者を対象に国内で実施された第3相試験[2試験(13週間と5週間)]における動脈血栓塞栓関連事象の発現率は、本剤投与群全体で1.5%(66例中1例)であった。

未熟児網膜症患者を対象に国内外で実施された第3相試験[1試験(24週間)]では動脈血栓塞栓関連事象(非重篤の脳出血、脳症)の発現率は、本剤投与群全体で5.1%(79例中4例)であった〔9.1.2、11.1.2参照〕。

15.1.2. 本剤投与により、抗アフリベルセプト抗体発現することがある。

15.1.3. 本剤単独とベルテポルフィンによる光線力学的療法の併用を比較した試験は実施されておらず、本剤とベルテポルフィンを併用した場合の有効性及び安全性が本剤単独時に比べて優れているとの結果は得られていない。

15.2. 非臨床試験に基づく情報

サルに4週間間隔で8ヵ月間硝子体内反復投与後の病理組織学的検査において、2及び4mg/眼投与群に軽度な鼻粘膜びらん(鼻甲介呼吸上皮びらん)又は鼻粘膜潰瘍(鼻甲介呼吸上皮潰瘍)を示す動物が観察されたが、休薬により回復する可逆性変化であった。0.5mg/眼投与群に当該所見は認められず、当該用量(無毒性量)における血漿中遊離型アフリベルセプトの曝露量は、臨床で加齢黄斑変性患者に2mgを硝子体内反復投与したときの定常状態におけるCmax及びAUCのそれぞれ42倍及び56倍に相当し、未熟児網膜症患者に0.4mgを硝子体内単回投与したときのCmaxの2倍に相当した。

貯法

(保管上の注意)

凍結を避け、2〜8℃で保存。

アイリーア硝子体内注射液40mg/mL
アイリーア硝子体内注射液40mg/mL

アイリーア硝子体内注射液40mg/mL

網膜疾患治療薬 > VEGF阻害薬
2022年09月改訂(第2版)
薬剤情報
後発品
薬効分類網膜疾患治療薬 > VEGF阻害薬
一般名アフリベルセプト (遺伝子組換え) 注射液
薬価138986
メーカーバイエル薬品
最終更新2022年09月改訂(第2版)

用法・用量

〈中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性〉

アフリベルセプト(遺伝子組換え)として2mg(0.05mL)を1ヵ月ごとに1回、連続3回(導入期)硝子体内投与する。その後の維持期においては、通常、2ヵ月ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、1ヵ月以上あけること。

〈網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、病的近視における脈絡膜新生血管〉

アフリベルセプト(遺伝子組換え)として1回あたり2mg(0.05mL)を硝子体内投与する。投与間隔は、1ヵ月以上あけること。

〈糖尿病黄斑浮腫〉

アフリベルセプト(遺伝子組換え)として2mg(0.05mL)を1ヵ月ごとに1回、連続5回硝子体内投与する。その後は、通常、2ヵ月ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、1ヵ月以上あけること。

〈血管新生緑内障〉

アフリベルセプト(遺伝子組換え)として1回、2mg(0.05mL)を硝子体内投与する。なお、必要な場合は再投与できるが、1ヵ月以上の間隔をあけること。

〈未熟児網膜症〉

アフリベルセプト(遺伝子組換え)として1回、0.4mg(0.01mL)を硝子体内投与する。なお、必要な場合は再投与できるが、1ヵ月以上の間隔をあけること。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

7.1. 〈中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、病的近視における脈絡膜新生血管、糖尿病黄斑浮腫、血管新生緑内障〉加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、病的近視における脈絡膜新生血管、糖尿病黄斑浮腫、血管新生緑内障で両眼に治療対象の病変がある場合は、両眼同時治療の有益性と危険性を慎重に評価した上で本剤を投与すること。なお、加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、病的近視における脈絡膜新生血管、糖尿病黄斑浮腫、血管新生緑内障の場合、初回治療における両眼同日投与は避け片眼での安全性を十分に評価した上で対側眼の治療を行うこと。

7.2. 〈網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫〉1ヵ月に1回を目安に視力等の測定を行い、その結果及び患者の状態を継続的に観察し、本剤投与の要否について慎重に判断すること。

7.3. 〈網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫〉投与開始後、視力が安定するまでは、1ヵ月に1回投与することが望ましい。

7.4. 〈病的近視における脈絡膜新生血管〉定期的に視力等を測定し、その結果及び患者の状態を考慮し、本剤投与の要否を判断すること。

7.5. 〈病的近視における脈絡膜新生血管〉疾患の活動性を示唆する所見(視力、形態学的所見等)が認められた場合には投与することが望ましい。

7.6. 〈血管新生緑内障〉本剤による治療は前眼部新生血管による眼圧上昇に対する対症療法であることに留意すること(また、長期的な眼圧管理にあたっては標準的な治療法との併用を考慮すること)。

7.7. 〈血管新生緑内障〉本剤投与後は定期的に眼圧等を評価し、疾患の活動性を示唆する所見(前眼部新生血管による眼圧上昇等)が認められた場合は、本剤の再投与を検討すること。

7.8. 〈未熟児網膜症〉本剤投与により治療反応が得られた後に、疾患活動性の増加を示唆する所見が認められた場合は、本剤の再投与を検討すること〔17.1.13参照〕。

7.9. 〈未熟児網膜症〉本剤投与後早期に治療反応が得られない場合は、他の治療への切替えを考慮すること〔17.1.13参照〕。

効能・効果

1). 中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性。

2). 網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫。

3). 病的近視における脈絡膜新生血管。

4). 糖尿病黄斑浮腫。

5). 血管新生緑内障。

6). 未熟児網膜症。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

5.1. 〈中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、病的近視における脈絡膜新生血管、糖尿病黄斑浮腫、血管新生緑内障〉本剤による治療を開始するに際し、疾患・病態による視力、視野等の予後を考慮し、本剤投与の要否を判断すること。

5.2. 〈網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫〉不可逆的な虚血性視機能喪失の臨床的徴候が認められる網膜中心静脈閉塞症患者への投与は、避けることが望ましい。

5.3. 〈血管新生緑内障〉前緑内障期の患者における有効性及び安全性は確立していない。

5.4. 〈未熟児網膜症〉自然治癒が期待できる軽症例及び外科的手術の適応となる重症例における本剤の投与意義が明確ではないことから、本剤による治療を開始するに際し、患者の状態や病変の位置、病期、病型による重症度等を考慮し、本剤投与の要否を判断すること〔17.1.13参照〕。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 眼障害:眼内炎(0.2%)、眼圧上昇(4.3%)、硝子体はく離(1.2%)、外傷性白内障(0.7%)、網膜出血(0.7%)、網膜色素上皮裂孔(0.4%)、硝子体出血(0.4%)、網膜はく離(0.06%)、網膜裂孔(0.09%)、網膜色素上皮はく離(0.03%)があらわれることがある〔8.3、8.4、9.1.1参照〕。

11.1.2. 脳卒中(0.2%)〔9.1.2、15.1.1参照〕。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). *眼(前眼部):(5%以上)結膜出血(22.8%)、(1〜5%未満)眼充血、点状角膜炎、(1%未満)白内障、角膜擦過傷、角膜浮腫、角膜びらん、角膜上皮欠損、角膜障害、角膜炎、前房内細胞、前房フレア、結膜充血、結膜刺激、結膜浮腫、結膜炎、アレルギー性結膜炎、後のう部混濁、虹彩毛様体炎、ブドウ膜炎、前房蓄膿、虹彩炎、前房出血。

2). *眼(後眼部):(1〜5%未満)硝子体浮遊物、(1%未満)硝子体細胞、硝子体混濁、黄斑線維症、黄斑浮腫、黄斑円孔、黄斑部瘢痕、網膜変性、網膜浮腫、網膜下線維症、網膜色素脱失、網膜色素上皮症、網膜分離症、硝子体炎。

3). *眼(注射部位):(1〜5%未満)注射部位疼痛、注射部位出血、(1%未満)注射部位刺激感、注射部位紅斑、注射部位不快感、注射部位乾燥、注射部位炎症、注射部位浮腫、注射部位腫脹、注射部位血腫。

4). *眼(その他):(5%以上)眼痛、(1〜5%未満)眼異物感、眼刺激、流涙増加、霧視、眼部不快感、(1%未満)眼脂、眼乾燥、眼そう痒症、眼異常感、眼瞼浮腫、眼瞼縁痂皮、眼瞼痛、眼瞼炎、眼窩周囲血腫、眼部腫脹、高眼圧症、羞明、視力障害、変視症、光視症、処置による眼疼痛、視力低下。

5). 皮膚:(1%未満)皮膚そう痒症、紅斑。

6). 循環器:(1%未満)高血圧、収縮期血圧上昇。

7). 精神神経系:(1%未満)会話障害、頭痛。

8). 消化器:(1%未満)悪心。

9). 泌尿器:(1%未満)タンパク尿、尿中タンパク/クレアチニン比増加。

10). その他:(1%未満)不快感、鼻出血、薬物過敏症、針恐怖。

*)〔8.3参照〕。

禁忌

2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.2. 眼に感染又は眼周囲に感染のある患者、あるいは感染の疑いのある患者[眼内炎等の重篤な副作用が発現するおそれがある]。

2.3. 眼内に重度炎症のある患者[炎症が悪化するおそれがある]。

2.4. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。

重要な基本的注意

8.1. 〈効能共通〉網膜疾患に関する専門知識を有し、硝子体内注射の投与手技に関する十分な知識・経験のある眼科医のみが本剤を投与すること。

8.2. 〈効能共通〉硝子体内注射に際し使用される薬剤(消毒薬、麻酔薬、抗菌点眼薬及び散瞳薬等)への過敏症の既往歴について事前に十分な問診を行うこと。

8.3. 〈効能共通〉本剤の硝子体内注射の際には、次記の点に注意しながら行うとともに、投与手技に起因する有害事象として結膜出血、眼痛、硝子体浮遊物等の有害事象が多く報告されているので注意すること〔11.1.1、11.2参照〕。

・ 〈効能共通〉硝子体内注射は、無菌条件下で行うこと(手術用手指消毒を行い、滅菌手袋、ヨウ素系洗眼殺菌剤、滅菌ドレープ及び滅菌開瞼器等を使用すること)。

・ 〈効能共通〉本剤投与前に、十分な麻酔と広域抗菌点眼剤の投与を行うこと(未熟児網膜症以外の患者に対しては広域抗菌点眼剤は本剤投与3日前から投与後3日まで投与すること)。

・ 〈効能共通〉添付の専用フィルター付き採液針は、硝子体内注射には絶対に使用しないこと。

・ 〈効能共通〉過量投与を防ぐため、投与量が未熟児網膜症に対しては0.01mL、その他の効能に対しては0.05mLであることを投与前に確認すること。

・ 〈効能共通〉患者に対し、眼内炎を示唆する症状(眼痛、充血、羞明、霧視等)があらわれた場合には直ちに連絡するように指導すること。

8.4. 〈効能共通〉硝子体内注射により眼圧を一過性に上昇させるおそれがあるので、本剤投与後、視神経乳頭血流の確認と眼圧上昇の管理を適切に行うこと〔9.1.1、11.1.1参照〕。

8.5. 〈効能共通〉本剤の硝子体内注射後、一時的に霧視等があらわれることがあるため、その症状が回復するまで機械類の操作や自動車等の運転には従事させないよう注意すること。

8.6. 〈中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、病的近視における脈絡膜新生血管、糖尿病黄斑浮腫〉中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、病的近視における脈絡膜新生血管、糖尿病黄斑浮腫の場合、定期的に視力等に基づき有効性を評価し、有効性が認められない場合には漫然と投与しないこと。

8.7. 〈血管新生緑内障〉血管新生緑内障の場合、定期的に眼圧等に基づき有効性を評価し、有効性が認められない場合には漫然と投与しないこと。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 緑内障、高眼圧症の患者〔8.4、11.1.1参照〕。

9.1.2. 脳卒中又は一過性脳虚血発作の既往歴等の脳卒中の危険因子のある患者〔11.1.2、15.1.1参照〕。

(生殖能を有する者)

妊娠可能な女性:妊娠可能な女性には、本剤投与中(最終投与後3ヵ月以上)、適切な避妊法を用いるよう指導すること(なお、ウサギの胚・胎仔毒性試験で、胎仔奇形がみられた最低用量における最高血漿中濃度は259ng/mLであり、安全域は明確になっていないため、本剤投与中止後の適切な避妊期間は明らかでない)〔9.5妊婦の項、16.1.2参照〕。

高齢者

一般に生理機能が低下している。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ウサギの胚・胎仔毒性試験(3〜60mg/kgを器官形成期に静脈内投与)において、母動物体重減少、流産、着床後胚死亡及び胎仔奇形(外表奇形、内臓奇形及び骨格奇形)の増加が報告されている。

別のウサギ胚・胎仔毒性試験(0.1〜1mg/kgを妊娠1日〜器官形成期に皮下投与)において、胎仔奇形(外表奇形、内臓奇形及び骨格奇形)の増加が報告されている(妊娠ウサギにおいて、本剤の胎盤通過性が認められた)〔2.4、9.4生殖能を有する者の項参照〕。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト母乳中への移行は不明である)。

小児等

未熟児網膜症以外の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

過量投与

13.1. 症状

過量投与時、臨床試験において、一過性眼圧上昇が報告されており、投与容量の増加に伴い眼圧が上昇することがある。

13.2. 処置

過量投与時、眼圧を測定し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤投与前の注意

14.1.1. 本剤は、注射前に室温に戻し、室温に放置した時間が24時間を超えないように使用すること(未開封で室温に放置した時間が24時間を超えない限り、再度冷蔵保存することができるが、必要最小限に留めること)。

14.1.2. 目視による確認を行い、注射液に微粒子、混濁又は変色が認められる場合、容器に破損が認められる場合等、異常が認められる場合には使用しないこと。

14.2. 薬剤投与時の注意

14.2.1. 本剤は硝子体内にのみ投与すること。

14.2.2. 30ゲージの眼科用針を使用すること。

14.2.3. 1バイアルは1回(片眼)のみの使用とすること。

(取扱い上の注意)

遮光を保つため、本剤は外箱に入れた状態で保存すること。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

15.1.1. 本剤投与により、全身のVEGF阻害に起因する動脈血栓塞栓に関連する有害事象(心筋梗塞、脳卒中、血管死等)が発現する可能性がある。滲出型加齢黄斑変性患者を対象に国内外で実施された第3相試験[2試験の併合解析(2年間)]における動脈血栓塞栓関連事象の発現率は、本剤投与群全体で3.3%(1824例中60例)であった。網膜中心静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫を有する患者を対象に国内外で実施された第3相試験[2試験(76週間と100週間)の併合解析]における動脈血栓塞栓関連事象の発現率は、本剤投与群全体で0.6%(317例中2例)であった。網膜静脈分枝閉塞症に伴う黄斑浮腫を有する患者を対象に国内外で実施された第3相試験[1試験(52週間)]における動脈血栓塞栓関連事象の発現率は、本剤投与群全体で0.6%(158例中1例)であった。病的近視における脈絡膜新生血管患者を対象に国内外で実施された第3相試験[1試験(48週間)]における動脈血栓塞栓関連事象の発現率は、本剤投与群全体で0.9%(116例中1例)であった。糖尿病黄斑浮腫を有する患者を対象に国内外で実施された第3相試験[3試験(1年間)の併合解析]における動脈血栓塞栓関連事象の発現率は、本剤投与群全体で2.9%(730例中21例)であった。血管新生緑内障患者を対象に国内で実施された第3相試験[2試験(13週間と5週間)]における動脈血栓塞栓関連事象の発現率は、本剤投与群全体で1.5%(66例中1例)であった。

未熟児網膜症患者を対象に国内外で実施された第3相試験[1試験(24週間)]では動脈血栓塞栓関連事象(非重篤の脳出血、脳症)の発現率は、本剤投与群全体で5.1%(79例中4例)であった〔9.1.2、11.1.2参照〕。

15.1.2. 本剤投与により、抗アフリベルセプト抗体発現することがある。

15.1.3. 本剤単独とベルテポルフィンによる光線力学的療法の併用を比較した試験は実施されておらず、本剤とベルテポルフィンを併用した場合の有効性及び安全性が本剤単独時に比べて優れているとの結果は得られていない。

15.2. 非臨床試験に基づく情報

サルに4週間間隔で8ヵ月間硝子体内反復投与後の病理組織学的検査において、2及び4mg/眼投与群に軽度な鼻粘膜びらん(鼻甲介呼吸上皮びらん)又は鼻粘膜潰瘍(鼻甲介呼吸上皮潰瘍)を示す動物が観察されたが、休薬により回復する可逆性変化であった。0.5mg/眼投与群に当該所見は認められず、当該用量(無毒性量)における血漿中遊離型アフリベルセプトの曝露量は、臨床で加齢黄斑変性患者に2mgを硝子体内反復投与したときの定常状態におけるCmax及びAUCのそれぞれ42倍及び56倍に相当し、未熟児網膜症患者に0.4mgを硝子体内単回投与したときのCmaxの2倍に相当した。

貯法

(保管上の注意)

凍結を避け、2〜8℃で保存。

薬剤情報

薬剤写真、用法用量、効能効果や後発品の情報が一度に参照でき、関連情報へ簡単にアクセスができます。

一般名、製品名どちらでも検索可能!

※ ご使用いただく際に、必ず最新の添付文書および安全性情報も併せてご確認下さい。