抗HIV薬 > 核酸 (ヌクレオシド) 系HIV逆転写酵素阻害薬 (NRTI)
薬効分類 | 抗HIV薬 > 核酸 (ヌクレオシド) 系HIV逆転写酵素阻害薬 (NRTI) |
一般名 | テノホビルジソプロキシルフマル酸塩 (1) 錠 |
薬価 | 1481.3円 |
メーカー | ギリアド・サイエンシズ |
最終更新 | 2021年06月改訂(第2版) |
通常、成人にはテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩として1回300mg(テノホビル ジソプロキシルとして245mg)を1日1回経口投与する。なお、投与に際しては必ず他の抗HIV薬と併用すること。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 腎機能障害のある患者では本剤の血中濃度が上昇するので、腎機能の低下に応じて、次の投与方法を目安とする〔8.3、9.2.1、10.2、11.1.1、16.6.1参照〕[1)クレアチニンクリアランス(CLcr)50mL/min以上:本剤1錠を1日1回投与、2)クレアチニンクリアランス(CLcr)30〜49mL/min:本剤1錠を2日間に1回投与、3)クレアチニンクリアランス(CLcr)10〜29mL/min:本剤1錠を1週間に2回投与、4)血液透析患者:本剤1錠を1週間に1回投与(血液透析実施後)又は累積約12時間の透析終了後に本剤1錠を投与]。
7.2. 本剤の有効成分であるテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含む製剤と併用しないこと。また、テノホビル アラフェナミドフマル酸塩を含む製剤についても併用しないこと。
7.3. 核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)3成分のみを用いる一部の治療は、NRTI2成分に非核酸系逆転写酵素阻害薬又はHIV−1プロテアーゼ阻害薬を併用する3成分併用療法と比べて、概して効果が低いことが報告されており、また、抗ウイルス薬の使用経験がない患者に対し、本剤とジダノシン、ラミブジン又は本剤とラミブジン、アバカビルの3剤併用1日1回投与により、初期ウイルス学的応答欠如が高頻度に認められたとの報告があるので、抗ウイルス薬の使用経験がない患者及び抗ウイルス薬の既治療患者に対して本剤を使用する場合には、本剤とジダノシン、ラミブジンの3剤の組み合わせのみによる治療又は本剤とラミブジン、アバカビルの3剤の組み合わせのみによる治療は避けること。
HIV−1感染症。
次の副作用が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 腎不全又は重度の腎機能障害(1.2%):腎機能不全、腎不全、急性腎障害、近位腎尿細管機能障害、ファンコニー症候群、急性腎尿細管壊死、腎性尿崩症又は腎炎等の重度腎機能障害が現れることがあるので、臨床検査値に異常が認められた場合には、投与を中止する等、適切な処置を行うこと(特に腎機能障害の既往がある患者や腎毒性のある薬剤投与中の患者では注意すること)〔7.1、8.3、9.2.1、10.2、16.6.1参照〕。
11.1.2. 膵炎(0.2%):血中アミラーゼ上昇、リパーゼ上昇、血中トリグリセリド上昇等の検査値の上昇がみられた場合には、投与を中止する等、適切な処置を行うこと。
11.1.3. 乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度肝腫大(脂肪肝)(頻度不明):乳酸アシドーシス又は肝細胞毒性が疑われる臨床症状又は肝細胞毒性が疑われる検査値異常(アミノトランスフェラーゼの急激な上昇等)が認められた場合には、本剤の投与を一時中止すること(特に肝疾患の危険因子を有する患者においては注意すること)。類薬(ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬)の単独投与又はこれらの併用療法により、重篤な乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度肝腫大(脂肪肝)が、女性に多く報告されている。
11.2. その他の副作用
1). 代謝及び栄養障害:(2%以上)食欲減退(3.2%)、体重減少(2.1%)、体脂肪再分布/体脂肪蓄積(2.1%)、(2%未満)高コレステロール血症、高脂血症、(頻度不明*)低リン酸血症、低カリウム血症、糖尿病、高尿酸血症。
2). 精神障害:(2%未満)うつ病、睡眠障害、リビドー減退、神経過敏、不安。
3). 神経系障害:(2%以上)頭痛(5.6%)、錯感覚(3.7%)、浮動性めまい(3.4%)、(2%未満)不眠症、末梢性ニューロパチー、味覚異常、異常な夢、傾眠、ニューロパチー、思考異常、振戦、(頻度不明*)感覚鈍麻。
4). 呼吸器、胸郭及び縦隔障害:(2%未満)気管支炎、鼻炎、咽頭炎、(頻度不明*)呼吸困難。
5). 胃腸障害:(2%以上)悪心(10.5%)、下痢(9.1%)、腹痛(5.2%)、嘔吐(4.4%)、鼓腸(3.0%)、消化不良(2.3%)、(2%未満)口内乾燥、胃腸障害、便秘、アフタ性潰瘍、胃炎、おくび、腹部膨満。
6). 肝胆道系障害:(2%未満)肝炎、(頻度不明*)脂肪肝、肝機能異常。
7). 皮膚及び皮下組織障害:(2%以上)発疹(3.3%)、(2%未満)皮膚そう痒症、多汗症、脱毛症、湿疹、ざ瘡、皮膚乾燥、単純ヘルペス、皮膚良性新生物。
8). 筋骨格系及び結合組織障害:(2%以上)骨障害(2.1%)、(2%未満)筋肉痛、関節痛、背部痛、側腹部痛、筋痙攣、(頻度不明*)骨軟化症、ミオパチー。
9). 一般・全身障害及び投与部位の状態:(2%以上)無力症(6.3%)、疼痛(2.4%)、(2%未満)倦怠感、胸痛、発熱、悪寒、末梢性浮腫。
10). ※臨床検査:(2%以上)CK増加(12.3%)、血中トリグリセリド増加(7.8%)、血中アミラーゼ増加(7.5%)、AST増加(5.1%)、ALT増加(4.3%)、好中球数減少(2.4%)、尿糖(2.1%)、血中ブドウ糖増加(2.0%)、(2%未満)血中ビリルビン増加、血中リン減少、Al−P増加、血小板数減少、(頻度不明*)リパーゼ増加、血尿、蛋白尿、血中クレアチニン増加、γ−GTP増加。
11). その他:(2%未満)頻尿、視覚異常、多尿、(頻度不明*)アレルギー反応、高血圧。
*)市販後の調査、自発報告等にて報告された副作用。
※)臨床検査についてはグレード3及び4(NIAID分類)の臨床検査値異常。
B型慢性肝炎を合併している患者では、本剤の投与中止により、B型慢性肝炎が再燃するおそれがあるので、本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。特に非代償性B型慢性肝炎の場合、本剤の投与中止により、重症化するおそれがあるので注意すること〔9.1.1参照〕。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
8.1. 本剤の使用に際しては、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、患者又はそれに代わる適切な者に次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。
8.1.1. 本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化についてはすべて担当医に報告すること。
8.1.2. 本剤の長期投与による影響については現在のところ不明であること。
8.1.3. 抗HIV療法による効果的なウイルス抑制は、性的接触による他者へのHIV感染の危険性を低下させることが示されているが、その危険性を完全に排除することはできないこと。
8.1.4. 抗HIV療法が、血液等による他者へのHIV感染の危険性を低下させるかどうかは証明されていないこと。
8.2. 本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築炎症反応症候群が報告されている(投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染に対する炎症反応(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等が発現することがあり、また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること)。
8.3. 本剤投与前にクレアチニンクリアランス、尿糖及び尿蛋白の検査を実施すること。また、本剤投与後も定期的な検査等により患者の状態を注意深く観察すること〔7.1、9.2.1、10.2、11.1.1、16.6.1参照〕。
8.4. テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含む多剤併用療法を長期間行った患者において、骨粗鬆症が現れ、大腿骨頚部骨折等の骨折を起こした症例が報告されている。長期投与時には定期的に骨密度検査を行う等骨密度減少に注意し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。なお、本剤の試験において、144週間の投与により腰椎骨密度減少と大腿骨頚部骨密度減少が見られている。骨密度減少した患者の大部分は、投与開始後24〜48週目にかけて発現し、以降は144週目まで持続していた。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. B型肝炎ウイルス感染を合併している患者:本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。B型慢性肝炎を合併している患者では、本剤の投与中止により、B型慢性肝炎が再燃するおそれがある。特に非代償性B型慢性肝炎の場合、本剤の投与中止により、重症化するおそれがある〔1.警告の項参照〕。
9.1.2. 腎機能障害のリスクを有する患者:血清リンの検査を実施すること。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 中等度腎機能障害及び重度腎機能障害のある患者:本剤の血中濃度が上昇する〔7.1、8.3、10.2、11.1.1、16.6.1参照〕。
10.2. 併用注意:
1). 逆転写酵素阻害剤(ジダノシン)〔16.7参照〕[ジダノシンによる有害事象を増強するおそれがあるので、ジダノシンの減量を考慮すること(ジダノシンのAUC及びCmaxが上昇する)]。
2). HIVプロテアーゼ阻害剤(アタザナビル硫酸塩)〔16.7参照〕[アタザナビルの治療効果が減弱するおそれがあるので、本剤とアタザナビル硫酸塩を併用する場合には、本剤とアタザナビル300mgをリトナビル100mgとともに投与することが望ましく、また、本剤による有害事象を増強するおそれがある(アタザナビルのAUCが25%、Cmaxが21%、Cminが40%低下し、テノホビルのAUCが24%、Cmaxが14%、Cminが22%上昇する)]。
3). HIVプロテアーゼ阻害剤(ロピナビル・リトナビル)〔16.7参照〕[本剤による有害事象を増強するおそれがある(テノホビルのAUCが32%、Cminが51%上昇する)]。
4). HIVプロテアーゼ阻害剤(ダルナビル+リトナビル)〔16.7参照〕、抗HCV剤(レジパスビル・ソホスブビル)〔16.7参照〕[本剤による有害事象を増強するおそれがある(テノホビルのAUC、Cmax及びCminが上昇する)]。
5). 抗ウイルス化学療法剤(アシクロビル、バラシクロビル塩酸塩)、抗サイトメガロウイルス化学療法剤(ガンシクロビル、バルガンシクロビル塩酸塩等)[これらの薬剤又は本剤による有害事象を増強するおそれがある(尿細管への能動輸送により排泄される薬剤と併用する場合、排泄経路の競合により、排泄が遅延し、これらの薬剤又は本剤の血中濃度が上昇するおそれがある)]。
6). 腎毒性を有する薬剤〔7.1、8.3、9.2.1、11.1.1、16.6.1参照〕[併用は避けることが望ましい(腎毒性を有する薬剤は腎機能障害の危険因子となる)]。
患者の肝、腎及び心機能の低下、合併症、併用薬等を十分に考慮すること。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物試験(サル)においてテノホビルの胎仔への移行が報告されている)。
(授乳婦)
授乳を避けさせること(テノホビルのヒト乳汁への移行が報告されており、動物実験(ラット)において、乳汁中への移行が報告されている、また、女性のHIV感染症患者は、乳児のHIV感染を避けるため、乳児に母乳を与えないことが望ましい)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
13.1. 処置
過量投与時、本剤は血液透析により一部除去される〔16.6.1参照〕。
(取扱い上の注意)
開栓後は、湿気を避けて保存すること。
15.2. 非臨床試験に基づく情報
マウスを用いたがん原性試験(2年間)において、臨床用量におけるヒトの全身曝露量の16倍で雌に肝細胞腺腫が高頻度に発現したとの報告がある。
(保管上の注意)
室温保存。
薬効分類 | 抗HIV薬 > 核酸 (ヌクレオシド) 系HIV逆転写酵素阻害薬 (NRTI) |
一般名 | テノホビルジソプロキシルフマル酸塩 (1) 錠 |
薬価 | 1481.3円 |
メーカー | ギリアド・サイエンシズ |
最終更新 | 2021年06月改訂(第2版) |
通常、成人にはテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩として1回300mg(テノホビル ジソプロキシルとして245mg)を1日1回経口投与する。なお、投与に際しては必ず他の抗HIV薬と併用すること。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 腎機能障害のある患者では本剤の血中濃度が上昇するので、腎機能の低下に応じて、次の投与方法を目安とする〔8.3、9.2.1、10.2、11.1.1、16.6.1参照〕[1)クレアチニンクリアランス(CLcr)50mL/min以上:本剤1錠を1日1回投与、2)クレアチニンクリアランス(CLcr)30〜49mL/min:本剤1錠を2日間に1回投与、3)クレアチニンクリアランス(CLcr)10〜29mL/min:本剤1錠を1週間に2回投与、4)血液透析患者:本剤1錠を1週間に1回投与(血液透析実施後)又は累積約12時間の透析終了後に本剤1錠を投与]。
7.2. 本剤の有効成分であるテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含む製剤と併用しないこと。また、テノホビル アラフェナミドフマル酸塩を含む製剤についても併用しないこと。
7.3. 核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)3成分のみを用いる一部の治療は、NRTI2成分に非核酸系逆転写酵素阻害薬又はHIV−1プロテアーゼ阻害薬を併用する3成分併用療法と比べて、概して効果が低いことが報告されており、また、抗ウイルス薬の使用経験がない患者に対し、本剤とジダノシン、ラミブジン又は本剤とラミブジン、アバカビルの3剤併用1日1回投与により、初期ウイルス学的応答欠如が高頻度に認められたとの報告があるので、抗ウイルス薬の使用経験がない患者及び抗ウイルス薬の既治療患者に対して本剤を使用する場合には、本剤とジダノシン、ラミブジンの3剤の組み合わせのみによる治療又は本剤とラミブジン、アバカビルの3剤の組み合わせのみによる治療は避けること。
HIV−1感染症。
次の副作用が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 腎不全又は重度の腎機能障害(1.2%):腎機能不全、腎不全、急性腎障害、近位腎尿細管機能障害、ファンコニー症候群、急性腎尿細管壊死、腎性尿崩症又は腎炎等の重度腎機能障害が現れることがあるので、臨床検査値に異常が認められた場合には、投与を中止する等、適切な処置を行うこと(特に腎機能障害の既往がある患者や腎毒性のある薬剤投与中の患者では注意すること)〔7.1、8.3、9.2.1、10.2、16.6.1参照〕。
11.1.2. 膵炎(0.2%):血中アミラーゼ上昇、リパーゼ上昇、血中トリグリセリド上昇等の検査値の上昇がみられた場合には、投与を中止する等、適切な処置を行うこと。
11.1.3. 乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度肝腫大(脂肪肝)(頻度不明):乳酸アシドーシス又は肝細胞毒性が疑われる臨床症状又は肝細胞毒性が疑われる検査値異常(アミノトランスフェラーゼの急激な上昇等)が認められた場合には、本剤の投与を一時中止すること(特に肝疾患の危険因子を有する患者においては注意すること)。類薬(ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬)の単独投与又はこれらの併用療法により、重篤な乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度肝腫大(脂肪肝)が、女性に多く報告されている。
11.2. その他の副作用
1). 代謝及び栄養障害:(2%以上)食欲減退(3.2%)、体重減少(2.1%)、体脂肪再分布/体脂肪蓄積(2.1%)、(2%未満)高コレステロール血症、高脂血症、(頻度不明*)低リン酸血症、低カリウム血症、糖尿病、高尿酸血症。
2). 精神障害:(2%未満)うつ病、睡眠障害、リビドー減退、神経過敏、不安。
3). 神経系障害:(2%以上)頭痛(5.6%)、錯感覚(3.7%)、浮動性めまい(3.4%)、(2%未満)不眠症、末梢性ニューロパチー、味覚異常、異常な夢、傾眠、ニューロパチー、思考異常、振戦、(頻度不明*)感覚鈍麻。
4). 呼吸器、胸郭及び縦隔障害:(2%未満)気管支炎、鼻炎、咽頭炎、(頻度不明*)呼吸困難。
5). 胃腸障害:(2%以上)悪心(10.5%)、下痢(9.1%)、腹痛(5.2%)、嘔吐(4.4%)、鼓腸(3.0%)、消化不良(2.3%)、(2%未満)口内乾燥、胃腸障害、便秘、アフタ性潰瘍、胃炎、おくび、腹部膨満。
6). 肝胆道系障害:(2%未満)肝炎、(頻度不明*)脂肪肝、肝機能異常。
7). 皮膚及び皮下組織障害:(2%以上)発疹(3.3%)、(2%未満)皮膚そう痒症、多汗症、脱毛症、湿疹、ざ瘡、皮膚乾燥、単純ヘルペス、皮膚良性新生物。
8). 筋骨格系及び結合組織障害:(2%以上)骨障害(2.1%)、(2%未満)筋肉痛、関節痛、背部痛、側腹部痛、筋痙攣、(頻度不明*)骨軟化症、ミオパチー。
9). 一般・全身障害及び投与部位の状態:(2%以上)無力症(6.3%)、疼痛(2.4%)、(2%未満)倦怠感、胸痛、発熱、悪寒、末梢性浮腫。
10). ※臨床検査:(2%以上)CK増加(12.3%)、血中トリグリセリド増加(7.8%)、血中アミラーゼ増加(7.5%)、AST増加(5.1%)、ALT増加(4.3%)、好中球数減少(2.4%)、尿糖(2.1%)、血中ブドウ糖増加(2.0%)、(2%未満)血中ビリルビン増加、血中リン減少、Al−P増加、血小板数減少、(頻度不明*)リパーゼ増加、血尿、蛋白尿、血中クレアチニン増加、γ−GTP増加。
11). その他:(2%未満)頻尿、視覚異常、多尿、(頻度不明*)アレルギー反応、高血圧。
*)市販後の調査、自発報告等にて報告された副作用。
※)臨床検査についてはグレード3及び4(NIAID分類)の臨床検査値異常。
B型慢性肝炎を合併している患者では、本剤の投与中止により、B型慢性肝炎が再燃するおそれがあるので、本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。特に非代償性B型慢性肝炎の場合、本剤の投与中止により、重症化するおそれがあるので注意すること〔9.1.1参照〕。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
8.1. 本剤の使用に際しては、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、患者又はそれに代わる適切な者に次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。
8.1.1. 本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化についてはすべて担当医に報告すること。
8.1.2. 本剤の長期投与による影響については現在のところ不明であること。
8.1.3. 抗HIV療法による効果的なウイルス抑制は、性的接触による他者へのHIV感染の危険性を低下させることが示されているが、その危険性を完全に排除することはできないこと。
8.1.4. 抗HIV療法が、血液等による他者へのHIV感染の危険性を低下させるかどうかは証明されていないこと。
8.2. 本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築炎症反応症候群が報告されている(投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染に対する炎症反応(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等が発現することがあり、また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること)。
8.3. 本剤投与前にクレアチニンクリアランス、尿糖及び尿蛋白の検査を実施すること。また、本剤投与後も定期的な検査等により患者の状態を注意深く観察すること〔7.1、9.2.1、10.2、11.1.1、16.6.1参照〕。
8.4. テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含む多剤併用療法を長期間行った患者において、骨粗鬆症が現れ、大腿骨頚部骨折等の骨折を起こした症例が報告されている。長期投与時には定期的に骨密度検査を行う等骨密度減少に注意し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。なお、本剤の試験において、144週間の投与により腰椎骨密度減少と大腿骨頚部骨密度減少が見られている。骨密度減少した患者の大部分は、投与開始後24〜48週目にかけて発現し、以降は144週目まで持続していた。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. B型肝炎ウイルス感染を合併している患者:本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。B型慢性肝炎を合併している患者では、本剤の投与中止により、B型慢性肝炎が再燃するおそれがある。特に非代償性B型慢性肝炎の場合、本剤の投与中止により、重症化するおそれがある〔1.警告の項参照〕。
9.1.2. 腎機能障害のリスクを有する患者:血清リンの検査を実施すること。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 中等度腎機能障害及び重度腎機能障害のある患者:本剤の血中濃度が上昇する〔7.1、8.3、10.2、11.1.1、16.6.1参照〕。
10.2. 併用注意:
1). 逆転写酵素阻害剤(ジダノシン)〔16.7参照〕[ジダノシンによる有害事象を増強するおそれがあるので、ジダノシンの減量を考慮すること(ジダノシンのAUC及びCmaxが上昇する)]。
2). HIVプロテアーゼ阻害剤(アタザナビル硫酸塩)〔16.7参照〕[アタザナビルの治療効果が減弱するおそれがあるので、本剤とアタザナビル硫酸塩を併用する場合には、本剤とアタザナビル300mgをリトナビル100mgとともに投与することが望ましく、また、本剤による有害事象を増強するおそれがある(アタザナビルのAUCが25%、Cmaxが21%、Cminが40%低下し、テノホビルのAUCが24%、Cmaxが14%、Cminが22%上昇する)]。
3). HIVプロテアーゼ阻害剤(ロピナビル・リトナビル)〔16.7参照〕[本剤による有害事象を増強するおそれがある(テノホビルのAUCが32%、Cminが51%上昇する)]。
4). HIVプロテアーゼ阻害剤(ダルナビル+リトナビル)〔16.7参照〕、抗HCV剤(レジパスビル・ソホスブビル)〔16.7参照〕[本剤による有害事象を増強するおそれがある(テノホビルのAUC、Cmax及びCminが上昇する)]。
5). 抗ウイルス化学療法剤(アシクロビル、バラシクロビル塩酸塩)、抗サイトメガロウイルス化学療法剤(ガンシクロビル、バルガンシクロビル塩酸塩等)[これらの薬剤又は本剤による有害事象を増強するおそれがある(尿細管への能動輸送により排泄される薬剤と併用する場合、排泄経路の競合により、排泄が遅延し、これらの薬剤又は本剤の血中濃度が上昇するおそれがある)]。
6). 腎毒性を有する薬剤〔7.1、8.3、9.2.1、11.1.1、16.6.1参照〕[併用は避けることが望ましい(腎毒性を有する薬剤は腎機能障害の危険因子となる)]。
患者の肝、腎及び心機能の低下、合併症、併用薬等を十分に考慮すること。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物試験(サル)においてテノホビルの胎仔への移行が報告されている)。
(授乳婦)
授乳を避けさせること(テノホビルのヒト乳汁への移行が報告されており、動物実験(ラット)において、乳汁中への移行が報告されている、また、女性のHIV感染症患者は、乳児のHIV感染を避けるため、乳児に母乳を与えないことが望ましい)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
13.1. 処置
過量投与時、本剤は血液透析により一部除去される〔16.6.1参照〕。
(取扱い上の注意)
開栓後は、湿気を避けて保存すること。
15.2. 非臨床試験に基づく情報
マウスを用いたがん原性試験(2年間)において、臨床用量におけるヒトの全身曝露量の16倍で雌に肝細胞腺腫が高頻度に発現したとの報告がある。
(保管上の注意)
室温保存。
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