血圧降下薬・血圧降下薬 > アンジオテンシン2 (A2) 受容体拮抗薬 (ARB) ・チアジド系利尿薬
薬効分類 | 血圧降下薬・血圧降下薬 > アンジオテンシン2 (A2) 受容体拮抗薬 (ARB) ・チアジド系利尿薬 |
一般名 | カンデサルタンシレキセチル・ヒドロクロロチアジド配合剤 (2) 錠 |
薬価 | 29.3円 |
メーカー | あすか製薬 |
最終更新 | 2023年05月改訂(第7版) |
1日1回1錠(カンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジドとして8mg/6.25mg)を経口投与する。本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
原則として、カンデサルタン シレキセチル4mgで効果不十分な場合にカンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジド4mg/6.25mgの投与を検討、カンデサルタン シレキセチル8mg、又はカンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジド4mg/6.25mgで効果不十分な場合にカンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジド8mg/6.25mgの投与を検討する。
高血圧症。
<効能・効果に関連する使用上の注意>
過度な血圧低下の恐れ等があり、本剤を高血圧治療の第一選択薬としない。
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
1.重大な副作用(頻度不明)
1).血管浮腫:顔面腫脹、口唇腫脹、舌腫脹、咽頭腫脹・喉頭腫脹等の腫脹を症状とする血管浮腫が現れることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2).ショック、失神、意識消失:ショック、血圧低下に伴う失神、意識消失が現れることがあるので、観察を十分に行い、冷感、嘔吐、意識消失等が現れた場合には、直ちに適切な処置を行い、特に厳重な減塩療法中、利尿剤投与中あるいは心不全を合併する患者では、本剤の成分であるカンデサルタン シレキセチルの用量を少量から投与を開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら行う。
3).急性腎障害:急性腎障害が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
4).高カリウム血症:重篤な高カリウム血症が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行う。
5).低ナトリウム血症:倦怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、意識障害等を伴う低ナトリウム血症が現れることがある(高齢者で現れやすい)ので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、直ちに適切な処置を行う。
6).肝機能障害、黄疸:AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、γ−GTP上昇等の肝機能障害、黄疸が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
7).無顆粒球症:無顆粒球症が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
8).横紋筋融解症:筋肉痛、脱力感、CK上昇(CPK上昇)、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行う。
9).間質性肺炎:発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎が現れることがあるので、このような場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う。
10).低血糖:低血糖が現れることがある(糖尿病治療中の患者で現れやすい)ので、観察を十分に行い、脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
11).再生不良性貧血、溶血性貧血:重篤な血液障害が現れることがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行う。
12).壊死性血管炎:壊死性血管炎が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、直ちに適切な処置を行う。
13).肺水腫、急性呼吸窮迫症候群:肺水腫が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、直ちに適切な処置を行う。また、ヒドロクロロチアジド服用後、数分から数時間以内に急性呼吸窮迫症候群が発現したとの報告がある。
14).全身性エリテマトーデスの悪化:全身性エリテマトーデス悪化させることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
15).アナフィラキシー:アナフィラキシーが現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
16).中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN):中毒性表皮壊死融解症が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
17).間質性腎炎:間質性腎炎が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
18).急性近視、閉塞隅角緑内障:急性近視(霧視、視力低下等を含む)、閉塞隅角緑内障が現れることがあるので、急激な視力の低下や眼痛等の異常が認められた場合には投与を中止し、速やかに眼科医の診察を受けるよう、患者に指導する。
2.その他の副作用(頻度不明)
1).過敏症:発疹、光線過敏症、湿疹、蕁麻疹、そう痒、呼吸困難、顔面紅潮[このような場合には投与を中止する]。
2).循環器:眩暈[このような場合には減量、休薬するなど適切な処置を行う]、動悸、ほてり、期外収縮、*ふらつき、*立ちくらみ[*:このような場合には減量、休薬するなど適切な処置を行う]、心房細動、起立性低血圧。
3).精神神経系:頭痛、頭重感、不眠、眠気、舌のしびれ感、四肢のしびれ感、知覚異常。
4).代謝異常:血中尿酸上昇、血中カリウム上昇、血清脂質上昇、総コレステロール上昇、高血糖症、低カリウム血症、低マグネシウム血症、低クロル性アルカローシス、血清カルシウム上昇等の電解質失調、血清総蛋白減少。
5).消化器:悪心、口内炎、味覚異常、便秘、口渇、嘔吐、食欲不振、胃部不快感、心窩部痛、下痢、腹部疝痛、膵炎、唾液腺炎、腹部不快感。
6).肝臓:ALT上昇(GPT上昇)、LDH上昇、Al−P上昇、γ−GTP上昇、AST上昇(GOT上昇)。
7).皮膚:皮膚エリテマトーデス。
8).血液:白血球増多、貧血、白血球減少、好酸球増多、血小板減少、紫斑。
9).腎臓:BUN上昇、クレアチニン上昇、蛋白尿。
10).その他:倦怠感、頻尿、浮腫、咳、血中CK上昇(血中CPK上昇)、CRP上昇、勃起不全、視力異常(霧視等)、脱力感、鼻出血、腰背部痛、筋肉痛、筋痙攣、高カルシウム血症を伴う副甲状腺障害、鼻閉、黄視症、耳鳴。
1.本剤の成分あるいは他のチアジド系薬剤又はその類似化合物(例えばクロルタリドン等のスルホンアミド誘導体)に対する過敏症の既往歴のある患者。
2.無尿の患者又は血液透析中の患者[ヒドロクロロチアジドの効果が期待できない]。
3.急性腎不全の患者[ヒドロクロロチアジドは腎機能を更に悪化させる恐れがある]。
4.体液中のナトリウム減少・体液中のカリウム減少が明らかな患者[ヒドロクロロチアジドは低ナトリウム血症、低カリウム血症等の電解質失調を悪化させる恐れがある]。
5.妊婦又は妊娠している可能性のある女性。
6.アリスキレンフマル酸塩投与中の糖尿病患者(但し、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)[非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている]。
7.デスモプレシン酢酸塩水和物投与中<男性における夜間多尿による夜間頻尿>の患者。
1.両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者。
2.腎障害のある患者[ヒドロクロロチアジド又はカンデサルタン シレキセチルによる腎血流量の低下あるいは過度の降圧により腎機能が悪化する恐れがある]。
3.高カリウム血症の患者[カンデサルタン シレキセチルは高カリウム血症を増悪させる恐れがある]。
4.本人又は両親、兄弟に痛風、糖尿病のある患者[ヒドロクロロチアジドにより高尿酸血症、高血糖症を来し、痛風、糖尿病の悪化や顕性化の恐れがある]。
5.肝障害のある患者[1)カンデサルタン シレキセチルは肝機能を悪化させる恐れがあり、また、活性代謝物カンデサルタンのクリアランスが低下することが推定されているため、少量から投与を開始するなど慎重に投与する、2)ヒドロクロロチアジドは肝性昏睡を起こす恐れがある]。
6.重篤な冠硬化症又は重篤な脳動脈硬化症のある患者[ヒドロクロロチアジドによる急激な利尿が現れた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発する恐れがある]。
7.下痢、嘔吐のある患者[ヒドロクロロチアジドにより電解質失調を起こす恐れがある]。
8.高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症のある患者[ヒドロクロロチアジドは血清カルシウムを上昇させる恐れがある]。
9.減塩療法中の患者[ヒドロクロロチアジドにより低ナトリウム血症を起こす恐れがある]。
10.ジギタリス剤投与中、糖質副腎皮質ホルモン剤投与中又はACTH投与中の患者。
11.交感神経切除後の患者[ヒドロクロロチアジドの降圧作用が増強される]。
12.薬剤過敏症の既往歴のある患者。
13.高齢者。
(重要な基本的注意)
1.本剤は、カンデサルタン シレキセチル8mgとヒドロクロロチアジド6.25mgとの配合剤であり、カンデサルタン シレキセチルとヒドロクロロチアジド双方の副作用が発現する恐れがあるため、適切に本剤の使用を検討する。
2.カンデサルタン シレキセチルは、両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者においては、腎血流量の減少や糸球体濾過圧の低下により急速に腎機能悪化させる恐れがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避ける。
3.血清クレアチニン値が2.0mg/dLを超える腎機能障害患者においては、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避ける。
4.腎機能障害患者では、血清クレアチニン値上昇及び血清尿酸値上昇の恐れがあるので、定期的に血清クレアチニン値及び血清尿酸値のモニタリングを実施し、観察を十分に行う。
5.ヒドロクロロチアジドは低カリウム血症あるいは高尿酸血症を発現させる恐れがあるので、定期的に血清カリウム値及び血清尿酸値のモニタリングを実施し、観察を十分に行う。
6.カンデサルタン シレキセチルは、高カリウム血症の患者においては、高カリウム血症を増悪させる恐れがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避ける。また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、高カリウム血症が発現する恐れがあるので、血清カリウム値に注意する。
7.ヒドロクロロチアジドの利尿効果は急激に現れることがあるので、電解質失調、脱水に十分注意する。
8.アリスキレンフマル酸塩を併用する場合、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こす恐れがあるため、患者の状態を観察しながら慎重に投与する。なお、eGFR<60mL/分/1.73㎡の腎障害でアリスキレンフマル酸塩併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避ける。
9.カンデサルタン シレキセチルの投与により、まれに血圧が急激に低下し、ショック、失神、一過性意識消失や腎機能低下を起こす恐れがあるので、特に次の患者に投与する場合は、本剤の成分であるカンデサルタン シレキセチルの用量を少量より開始し、増量する場合は血圧、腎機能及び患者の状態を十分に観察しながら行う:1)厳重な減塩療法中の患者、2)利尿剤投与中の患者(特に最近利尿剤投与を開始した患者)、3)低ナトリウム血症の患者、4)腎障害のある患者、5)心不全を合併する患者。
10.降圧作用に基づく眩暈、ふらつきが現れることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させる。
11.手術前24時間は投与しないことが望ましい(アンジオテンシン2受容体拮抗剤投与中の患者は、麻酔及び手術中にレニン−アンジオテンシン系の抑制作用による高度な血圧低下を起こす可能性がある)。
12.夜間の休息が特に必要な患者には、夜間の排尿を避けるため、午前中に投与することが望ましい。
1.併用禁忌:デスモプレシン酢酸塩水和物<男性における夜間多尿による夜間頻尿><ミニリンメルト>[低ナトリウム血症が発現する恐れがある(いずれも低ナトリウム血症が発現する恐れがある)]。
2.併用注意:
1).カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン、トリアムテレン等)、エプレレノン、カリウム補給剤[血清カリウム値が上昇することがあるので注意する(カンデサルタン シレキセチルのアルドステロン分泌抑制作用によりカリウム貯留作用が増強することによる<危険因子>特に腎機能障害のある患者)]。
2).利尿剤(フロセミド、トリクロルメチアジド等)[利尿剤で治療を受けている患者に本剤を初めて投与する場合、降圧作用が増強する恐れがあるので、少量から開始するなど慎重に投与する(利尿剤で治療を受けている患者にはレニン活性が亢進している患者が多く、カンデサルタン シレキセチルが奏効しやすい)]。
3).バルビツール酸誘導体[起立性低血圧が増強することがある(併用薬剤の中枢抑制作用と本剤の降圧作用による)]。
4).アヘンアルカロイド系麻薬[起立性低血圧が増強することがある(アヘンアルカロイドの大量投与で血圧下降が現れることが報告されている)]。
5).アルコール[起立性低血圧が増強することがある(血管拡張作用を有するアルコールとの併用により降圧作用が増強する可能性がある)]。
6).昇圧アミン(ノルアドレナリン、アドレナリン)[昇圧アミンの作用が減弱することがあるので、手術前の患者に使用する場合、本剤の一時休薬等の処置を講ずる(チアジド系薬剤は昇圧アミンに対する血管壁の反応性を低下させることが報告されている)]。
7).ツボクラリン及びその類似作用物質(ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物、パンクロニウム臭化物)[ツボクラリン及びその類似作用物質の麻痺作用が増強することがあるので、手術前の患者に使用する場合、本剤の一時休薬等の処置を講ずる(ヒドロクロロチアジドによる血清カリウム値の低下により、併用薬剤の神経・筋遮断作用が増強すると考えられている)]。
8).降圧作用を有する他の薬剤(β−遮断剤、ニトログリセリン等)[降圧作用が増強する恐れがあるので、降圧剤の用量調節等に注意する(作用機序の異なる降圧作用により互いに協力的に作用する)]。
9).アリスキレンフマル酸塩[腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こす恐れがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察する(併用によりレニン−アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)、なお、eGFRが60mL/min/1.73㎡未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避ける(併用によりレニン−アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)]。
10).アンジオテンシン変換酵素阻害剤[腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こす恐れがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察する(併用によりレニン−アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)]。
11).ジギタリス剤(ジゴキシン、ジギトキシン)[ジギタリスの心臓に対する作用が増強し不整脈等が起こることがあるので、血清カリウム値に十分注意する(ヒドロクロロチアジドによる血清カリウム値の低下により、多量のジギタリスが心筋Na・K−ATPaseに結合し、心収縮力増強と不整脈が起こる(マグネシウム低下も同様の作用を示す))]。
12).乳酸ナトリウム[チアジド系薬剤による代謝性アルカローシス・低カリウム血症が増強することがある(ヒドロクロロチアジドによるカリウム排泄作用により低カリウム血症や代謝性アルカローシスが引き起こされることがあり、アルカリ化剤である乳酸ナトリウムの併用はこの状態を更に増強させる)]。
13).炭酸リチウム[リチウム中毒が報告されているので、リチウムと併用する場合には、血中のリチウム濃度に注意する(腎尿細管におけるリチウムの再吸収が促進される)]。
14).糖質副腎皮質ホルモン剤、ACTH[低カリウム血症が発現することがある(ヒドロクロロチアジド及び併用薬剤ともカリウム排泄作用を持つ)]。
15).グリチルリチン製剤[血清カリウム値の低下が現れやすくなる(併用薬剤は低カリウム血症を主徴とした偽アルドステロン症を引き起こすことがあり、ヒドロクロロチアジドとの併用により、低カリウム血症を増強させる可能性がある)]。
16).糖尿病用剤(SU剤、インスリン)[糖尿病用剤の作用が著しく減弱することがある(機序は明確ではないが、ヒドロクロロチアジドによるカリウム喪失により、膵臓のβ細胞のインスリン放出が低下すると考えられている)]。
17).コレスチラミン<経口>[チアジド系薬剤の作用が減弱することがある(併用薬剤の吸着作用によりチアジド系薬剤の吸収が阻害されることがある)]。
18).非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)・COX−2選択的阻害剤:
(1).非ステロイド性消炎鎮痛剤<NSAIDs>・COX−2選択的阻害剤(インドメタシン等)[降圧作用が減弱することがある(非ステロイド性消炎鎮痛剤・COX−2選択的阻害剤はプロスタグランジンの合成を阻害することから、血管拡張抑制等を来し、降圧作用を減弱させる可能性があると考えられている)]。
(2).非ステロイド性消炎鎮痛剤<NSAIDs>・COX−2選択的阻害剤(インドメタシン等)[腎障害のある患者では、更に腎機能が悪化する恐れがある(非ステロイド性消炎鎮痛剤・COX−2選択的阻害剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられている)]。
(高齢者への投与)
高齢者には、次の点に注意し、患者の状態を観察しながら慎重に投与する。
1.高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こる恐れがある)。
2.高齢者では、ヒドロクロロチアジドによる急激な利尿は血漿量の減少を来し、脱水、低血圧等による立ちくらみ、眩暈、失神等を起こすことがある。
3.特に心疾患等で浮腫のある高齢者では、ヒドロクロロチアジドによる急激な利尿は急速な血漿量の減少と血液濃縮を来し、脳梗塞等の血栓塞栓症を誘発する恐れがある。
4.高齢者ではヒドロクロロチアジドによる低ナトリウム血症、低カリウム血症が現れやすい。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しない。また、投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止する[1)妊娠中期及び末期にアンジオテンシン2受容体拮抗剤又はアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢拘縮、頭蓋顔面変形、肺低形成等が現れたとの報告がある。2)チアジド系薬剤では新生児又は乳児に高ビリルビン血症、血小板減少症等を起こすことがあり、また、利尿効果に基づく血漿量減少、血液濃縮、子宮血流量減少・胎盤血流量減少が現れることがある]。
2.妊娠する可能性のある女性に投与する場合には、本剤の投与に先立ち、代替薬の有無等も考慮して本剤投与の必要性を慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する。また、投与が必要な場合には次の注意事項に留意する。
1).本剤投与開始前に妊娠していないことを確認し、本剤投与中も、妊娠していないことを定期的に確認する。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止する。
2).次の事項について、本剤投与開始時に患者に説明する。また、投与中も必要に応じ説明する。
(1).妊娠中に本剤を使用した場合、胎児・新生児に影響を及ぼすリスクがある。
(2).妊娠が判明した又は疑われる場合は、速やかに担当医に相談する。
(3).妊娠を計画する場合は、担当医に相談する。
[妊娠していることが把握されずアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシン2受容体拮抗剤を使用し、胎児への影響・新生児への影響(腎不全、頭蓋形成不全・肺形成不全・腎形成不全、死亡等)が認められた例が報告されている]。
3.授乳中の女性に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させる。[1)ラットの周産期及び授乳期にカンデサルタン シレキセチルを強制経口投与すると、10mg/kg/日以上の群で出生仔に水腎症の発生増加が認められており、なお、ラットの妊娠末期のみ、あるいは授乳期のみにカンデサルタン シレキセチルを投与した場合、いずれも300mg/kg/日で出生仔に水腎症の増加が認められている。2)ヒドロクロロチアジドは母乳中に移行することが報告されている]。
(小児等への投与)
小児等に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
ヒドロクロロチアジドは甲状腺障害のない患者の血清PBIを低下させることがあるので注意する。
(適用上の注意)
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
安定性試験:最終包装製品を用いた加速試験(40℃、相対湿度75%、6カ月)の結果、カデチア配合錠HD「あすか」は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。
1.ヒドロクロロチアジドの含有量が本剤の承認用量の倍量である12.5mgを用いたカンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジド配合剤の国内臨床試験において、血中尿酸上昇が146例中16例(11%)に認められている。
2.海外で実施された疫学研究において、ヒドロクロロチアジドを投与された患者で、基底細胞癌及び有棘細胞癌のリスクが増加することが報告されている。
気密容器。
薬効分類 | 血圧降下薬・血圧降下薬 > アンジオテンシン2 (A2) 受容体拮抗薬 (ARB) ・チアジド系利尿薬 |
一般名 | カンデサルタンシレキセチル・ヒドロクロロチアジド配合剤 (2) 錠 |
薬価 | 29.3円 |
メーカー | あすか製薬 |
最終更新 | 2023年05月改訂(第7版) |
1日1回1錠(カンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジドとして8mg/6.25mg)を経口投与する。本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
原則として、カンデサルタン シレキセチル4mgで効果不十分な場合にカンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジド4mg/6.25mgの投与を検討、カンデサルタン シレキセチル8mg、又はカンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジド4mg/6.25mgで効果不十分な場合にカンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジド8mg/6.25mgの投与を検討する。
高血圧症。
<効能・効果に関連する使用上の注意>
過度な血圧低下の恐れ等があり、本剤を高血圧治療の第一選択薬としない。
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
1.重大な副作用(頻度不明)
1).血管浮腫:顔面腫脹、口唇腫脹、舌腫脹、咽頭腫脹・喉頭腫脹等の腫脹を症状とする血管浮腫が現れることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2).ショック、失神、意識消失:ショック、血圧低下に伴う失神、意識消失が現れることがあるので、観察を十分に行い、冷感、嘔吐、意識消失等が現れた場合には、直ちに適切な処置を行い、特に厳重な減塩療法中、利尿剤投与中あるいは心不全を合併する患者では、本剤の成分であるカンデサルタン シレキセチルの用量を少量から投与を開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら行う。
3).急性腎障害:急性腎障害が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
4).高カリウム血症:重篤な高カリウム血症が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行う。
5).低ナトリウム血症:倦怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、意識障害等を伴う低ナトリウム血症が現れることがある(高齢者で現れやすい)ので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、直ちに適切な処置を行う。
6).肝機能障害、黄疸:AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、γ−GTP上昇等の肝機能障害、黄疸が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
7).無顆粒球症:無顆粒球症が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
8).横紋筋融解症:筋肉痛、脱力感、CK上昇(CPK上昇)、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行う。
9).間質性肺炎:発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎が現れることがあるので、このような場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う。
10).低血糖:低血糖が現れることがある(糖尿病治療中の患者で現れやすい)ので、観察を十分に行い、脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
11).再生不良性貧血、溶血性貧血:重篤な血液障害が現れることがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行う。
12).壊死性血管炎:壊死性血管炎が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、直ちに適切な処置を行う。
13).肺水腫、急性呼吸窮迫症候群:肺水腫が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、直ちに適切な処置を行う。また、ヒドロクロロチアジド服用後、数分から数時間以内に急性呼吸窮迫症候群が発現したとの報告がある。
14).全身性エリテマトーデスの悪化:全身性エリテマトーデス悪化させることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
15).アナフィラキシー:アナフィラキシーが現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
16).中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN):中毒性表皮壊死融解症が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
17).間質性腎炎:間質性腎炎が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
18).急性近視、閉塞隅角緑内障:急性近視(霧視、視力低下等を含む)、閉塞隅角緑内障が現れることがあるので、急激な視力の低下や眼痛等の異常が認められた場合には投与を中止し、速やかに眼科医の診察を受けるよう、患者に指導する。
2.その他の副作用(頻度不明)
1).過敏症:発疹、光線過敏症、湿疹、蕁麻疹、そう痒、呼吸困難、顔面紅潮[このような場合には投与を中止する]。
2).循環器:眩暈[このような場合には減量、休薬するなど適切な処置を行う]、動悸、ほてり、期外収縮、*ふらつき、*立ちくらみ[*:このような場合には減量、休薬するなど適切な処置を行う]、心房細動、起立性低血圧。
3).精神神経系:頭痛、頭重感、不眠、眠気、舌のしびれ感、四肢のしびれ感、知覚異常。
4).代謝異常:血中尿酸上昇、血中カリウム上昇、血清脂質上昇、総コレステロール上昇、高血糖症、低カリウム血症、低マグネシウム血症、低クロル性アルカローシス、血清カルシウム上昇等の電解質失調、血清総蛋白減少。
5).消化器:悪心、口内炎、味覚異常、便秘、口渇、嘔吐、食欲不振、胃部不快感、心窩部痛、下痢、腹部疝痛、膵炎、唾液腺炎、腹部不快感。
6).肝臓:ALT上昇(GPT上昇)、LDH上昇、Al−P上昇、γ−GTP上昇、AST上昇(GOT上昇)。
7).皮膚:皮膚エリテマトーデス。
8).血液:白血球増多、貧血、白血球減少、好酸球増多、血小板減少、紫斑。
9).腎臓:BUN上昇、クレアチニン上昇、蛋白尿。
10).その他:倦怠感、頻尿、浮腫、咳、血中CK上昇(血中CPK上昇)、CRP上昇、勃起不全、視力異常(霧視等)、脱力感、鼻出血、腰背部痛、筋肉痛、筋痙攣、高カルシウム血症を伴う副甲状腺障害、鼻閉、黄視症、耳鳴。
1.本剤の成分あるいは他のチアジド系薬剤又はその類似化合物(例えばクロルタリドン等のスルホンアミド誘導体)に対する過敏症の既往歴のある患者。
2.無尿の患者又は血液透析中の患者[ヒドロクロロチアジドの効果が期待できない]。
3.急性腎不全の患者[ヒドロクロロチアジドは腎機能を更に悪化させる恐れがある]。
4.体液中のナトリウム減少・体液中のカリウム減少が明らかな患者[ヒドロクロロチアジドは低ナトリウム血症、低カリウム血症等の電解質失調を悪化させる恐れがある]。
5.妊婦又は妊娠している可能性のある女性。
6.アリスキレンフマル酸塩投与中の糖尿病患者(但し、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)[非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている]。
7.デスモプレシン酢酸塩水和物投与中<男性における夜間多尿による夜間頻尿>の患者。
1.両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者。
2.腎障害のある患者[ヒドロクロロチアジド又はカンデサルタン シレキセチルによる腎血流量の低下あるいは過度の降圧により腎機能が悪化する恐れがある]。
3.高カリウム血症の患者[カンデサルタン シレキセチルは高カリウム血症を増悪させる恐れがある]。
4.本人又は両親、兄弟に痛風、糖尿病のある患者[ヒドロクロロチアジドにより高尿酸血症、高血糖症を来し、痛風、糖尿病の悪化や顕性化の恐れがある]。
5.肝障害のある患者[1)カンデサルタン シレキセチルは肝機能を悪化させる恐れがあり、また、活性代謝物カンデサルタンのクリアランスが低下することが推定されているため、少量から投与を開始するなど慎重に投与する、2)ヒドロクロロチアジドは肝性昏睡を起こす恐れがある]。
6.重篤な冠硬化症又は重篤な脳動脈硬化症のある患者[ヒドロクロロチアジドによる急激な利尿が現れた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発する恐れがある]。
7.下痢、嘔吐のある患者[ヒドロクロロチアジドにより電解質失調を起こす恐れがある]。
8.高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症のある患者[ヒドロクロロチアジドは血清カルシウムを上昇させる恐れがある]。
9.減塩療法中の患者[ヒドロクロロチアジドにより低ナトリウム血症を起こす恐れがある]。
10.ジギタリス剤投与中、糖質副腎皮質ホルモン剤投与中又はACTH投与中の患者。
11.交感神経切除後の患者[ヒドロクロロチアジドの降圧作用が増強される]。
12.薬剤過敏症の既往歴のある患者。
13.高齢者。
(重要な基本的注意)
1.本剤は、カンデサルタン シレキセチル8mgとヒドロクロロチアジド6.25mgとの配合剤であり、カンデサルタン シレキセチルとヒドロクロロチアジド双方の副作用が発現する恐れがあるため、適切に本剤の使用を検討する。
2.カンデサルタン シレキセチルは、両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者においては、腎血流量の減少や糸球体濾過圧の低下により急速に腎機能悪化させる恐れがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避ける。
3.血清クレアチニン値が2.0mg/dLを超える腎機能障害患者においては、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避ける。
4.腎機能障害患者では、血清クレアチニン値上昇及び血清尿酸値上昇の恐れがあるので、定期的に血清クレアチニン値及び血清尿酸値のモニタリングを実施し、観察を十分に行う。
5.ヒドロクロロチアジドは低カリウム血症あるいは高尿酸血症を発現させる恐れがあるので、定期的に血清カリウム値及び血清尿酸値のモニタリングを実施し、観察を十分に行う。
6.カンデサルタン シレキセチルは、高カリウム血症の患者においては、高カリウム血症を増悪させる恐れがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避ける。また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、高カリウム血症が発現する恐れがあるので、血清カリウム値に注意する。
7.ヒドロクロロチアジドの利尿効果は急激に現れることがあるので、電解質失調、脱水に十分注意する。
8.アリスキレンフマル酸塩を併用する場合、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こす恐れがあるため、患者の状態を観察しながら慎重に投与する。なお、eGFR<60mL/分/1.73㎡の腎障害でアリスキレンフマル酸塩併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避ける。
9.カンデサルタン シレキセチルの投与により、まれに血圧が急激に低下し、ショック、失神、一過性意識消失や腎機能低下を起こす恐れがあるので、特に次の患者に投与する場合は、本剤の成分であるカンデサルタン シレキセチルの用量を少量より開始し、増量する場合は血圧、腎機能及び患者の状態を十分に観察しながら行う:1)厳重な減塩療法中の患者、2)利尿剤投与中の患者(特に最近利尿剤投与を開始した患者)、3)低ナトリウム血症の患者、4)腎障害のある患者、5)心不全を合併する患者。
10.降圧作用に基づく眩暈、ふらつきが現れることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させる。
11.手術前24時間は投与しないことが望ましい(アンジオテンシン2受容体拮抗剤投与中の患者は、麻酔及び手術中にレニン−アンジオテンシン系の抑制作用による高度な血圧低下を起こす可能性がある)。
12.夜間の休息が特に必要な患者には、夜間の排尿を避けるため、午前中に投与することが望ましい。
1.併用禁忌:デスモプレシン酢酸塩水和物<男性における夜間多尿による夜間頻尿><ミニリンメルト>[低ナトリウム血症が発現する恐れがある(いずれも低ナトリウム血症が発現する恐れがある)]。
2.併用注意:
1).カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン、トリアムテレン等)、エプレレノン、カリウム補給剤[血清カリウム値が上昇することがあるので注意する(カンデサルタン シレキセチルのアルドステロン分泌抑制作用によりカリウム貯留作用が増強することによる<危険因子>特に腎機能障害のある患者)]。
2).利尿剤(フロセミド、トリクロルメチアジド等)[利尿剤で治療を受けている患者に本剤を初めて投与する場合、降圧作用が増強する恐れがあるので、少量から開始するなど慎重に投与する(利尿剤で治療を受けている患者にはレニン活性が亢進している患者が多く、カンデサルタン シレキセチルが奏効しやすい)]。
3).バルビツール酸誘導体[起立性低血圧が増強することがある(併用薬剤の中枢抑制作用と本剤の降圧作用による)]。
4).アヘンアルカロイド系麻薬[起立性低血圧が増強することがある(アヘンアルカロイドの大量投与で血圧下降が現れることが報告されている)]。
5).アルコール[起立性低血圧が増強することがある(血管拡張作用を有するアルコールとの併用により降圧作用が増強する可能性がある)]。
6).昇圧アミン(ノルアドレナリン、アドレナリン)[昇圧アミンの作用が減弱することがあるので、手術前の患者に使用する場合、本剤の一時休薬等の処置を講ずる(チアジド系薬剤は昇圧アミンに対する血管壁の反応性を低下させることが報告されている)]。
7).ツボクラリン及びその類似作用物質(ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物、パンクロニウム臭化物)[ツボクラリン及びその類似作用物質の麻痺作用が増強することがあるので、手術前の患者に使用する場合、本剤の一時休薬等の処置を講ずる(ヒドロクロロチアジドによる血清カリウム値の低下により、併用薬剤の神経・筋遮断作用が増強すると考えられている)]。
8).降圧作用を有する他の薬剤(β−遮断剤、ニトログリセリン等)[降圧作用が増強する恐れがあるので、降圧剤の用量調節等に注意する(作用機序の異なる降圧作用により互いに協力的に作用する)]。
9).アリスキレンフマル酸塩[腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こす恐れがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察する(併用によりレニン−アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)、なお、eGFRが60mL/min/1.73㎡未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避ける(併用によりレニン−アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)]。
10).アンジオテンシン変換酵素阻害剤[腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こす恐れがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察する(併用によりレニン−アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)]。
11).ジギタリス剤(ジゴキシン、ジギトキシン)[ジギタリスの心臓に対する作用が増強し不整脈等が起こることがあるので、血清カリウム値に十分注意する(ヒドロクロロチアジドによる血清カリウム値の低下により、多量のジギタリスが心筋Na・K−ATPaseに結合し、心収縮力増強と不整脈が起こる(マグネシウム低下も同様の作用を示す))]。
12).乳酸ナトリウム[チアジド系薬剤による代謝性アルカローシス・低カリウム血症が増強することがある(ヒドロクロロチアジドによるカリウム排泄作用により低カリウム血症や代謝性アルカローシスが引き起こされることがあり、アルカリ化剤である乳酸ナトリウムの併用はこの状態を更に増強させる)]。
13).炭酸リチウム[リチウム中毒が報告されているので、リチウムと併用する場合には、血中のリチウム濃度に注意する(腎尿細管におけるリチウムの再吸収が促進される)]。
14).糖質副腎皮質ホルモン剤、ACTH[低カリウム血症が発現することがある(ヒドロクロロチアジド及び併用薬剤ともカリウム排泄作用を持つ)]。
15).グリチルリチン製剤[血清カリウム値の低下が現れやすくなる(併用薬剤は低カリウム血症を主徴とした偽アルドステロン症を引き起こすことがあり、ヒドロクロロチアジドとの併用により、低カリウム血症を増強させる可能性がある)]。
16).糖尿病用剤(SU剤、インスリン)[糖尿病用剤の作用が著しく減弱することがある(機序は明確ではないが、ヒドロクロロチアジドによるカリウム喪失により、膵臓のβ細胞のインスリン放出が低下すると考えられている)]。
17).コレスチラミン<経口>[チアジド系薬剤の作用が減弱することがある(併用薬剤の吸着作用によりチアジド系薬剤の吸収が阻害されることがある)]。
18).非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)・COX−2選択的阻害剤:
(1).非ステロイド性消炎鎮痛剤<NSAIDs>・COX−2選択的阻害剤(インドメタシン等)[降圧作用が減弱することがある(非ステロイド性消炎鎮痛剤・COX−2選択的阻害剤はプロスタグランジンの合成を阻害することから、血管拡張抑制等を来し、降圧作用を減弱させる可能性があると考えられている)]。
(2).非ステロイド性消炎鎮痛剤<NSAIDs>・COX−2選択的阻害剤(インドメタシン等)[腎障害のある患者では、更に腎機能が悪化する恐れがある(非ステロイド性消炎鎮痛剤・COX−2選択的阻害剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられている)]。
(高齢者への投与)
高齢者には、次の点に注意し、患者の状態を観察しながら慎重に投与する。
1.高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こる恐れがある)。
2.高齢者では、ヒドロクロロチアジドによる急激な利尿は血漿量の減少を来し、脱水、低血圧等による立ちくらみ、眩暈、失神等を起こすことがある。
3.特に心疾患等で浮腫のある高齢者では、ヒドロクロロチアジドによる急激な利尿は急速な血漿量の減少と血液濃縮を来し、脳梗塞等の血栓塞栓症を誘発する恐れがある。
4.高齢者ではヒドロクロロチアジドによる低ナトリウム血症、低カリウム血症が現れやすい。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しない。また、投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止する[1)妊娠中期及び末期にアンジオテンシン2受容体拮抗剤又はアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢拘縮、頭蓋顔面変形、肺低形成等が現れたとの報告がある。2)チアジド系薬剤では新生児又は乳児に高ビリルビン血症、血小板減少症等を起こすことがあり、また、利尿効果に基づく血漿量減少、血液濃縮、子宮血流量減少・胎盤血流量減少が現れることがある]。
2.妊娠する可能性のある女性に投与する場合には、本剤の投与に先立ち、代替薬の有無等も考慮して本剤投与の必要性を慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する。また、投与が必要な場合には次の注意事項に留意する。
1).本剤投与開始前に妊娠していないことを確認し、本剤投与中も、妊娠していないことを定期的に確認する。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止する。
2).次の事項について、本剤投与開始時に患者に説明する。また、投与中も必要に応じ説明する。
(1).妊娠中に本剤を使用した場合、胎児・新生児に影響を及ぼすリスクがある。
(2).妊娠が判明した又は疑われる場合は、速やかに担当医に相談する。
(3).妊娠を計画する場合は、担当医に相談する。
[妊娠していることが把握されずアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシン2受容体拮抗剤を使用し、胎児への影響・新生児への影響(腎不全、頭蓋形成不全・肺形成不全・腎形成不全、死亡等)が認められた例が報告されている]。
3.授乳中の女性に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させる。[1)ラットの周産期及び授乳期にカンデサルタン シレキセチルを強制経口投与すると、10mg/kg/日以上の群で出生仔に水腎症の発生増加が認められており、なお、ラットの妊娠末期のみ、あるいは授乳期のみにカンデサルタン シレキセチルを投与した場合、いずれも300mg/kg/日で出生仔に水腎症の増加が認められている。2)ヒドロクロロチアジドは母乳中に移行することが報告されている]。
(小児等への投与)
小児等に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
ヒドロクロロチアジドは甲状腺障害のない患者の血清PBIを低下させることがあるので注意する。
(適用上の注意)
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
安定性試験:最終包装製品を用いた加速試験(40℃、相対湿度75%、6カ月)の結果、カデチア配合錠HD「あすか」は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。
1.ヒドロクロロチアジドの含有量が本剤の承認用量の倍量である12.5mgを用いたカンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジド配合剤の国内臨床試験において、血中尿酸上昇が146例中16例(11%)に認められている。
2.海外で実施された疫学研究において、ヒドロクロロチアジドを投与された患者で、基底細胞癌及び有棘細胞癌のリスクが増加することが報告されている。
気密容器。
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