内容
監修医師
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません.  個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

定義

  • Transit Ischemic Attackの略称
  • 日本脳卒中学会での定義は以下の通りで、画像による急性脳梗塞の否定が必要¹⁾
局所脳または網膜の虚血に起因する神経機能障害の一過性のエピソードであり、 急性梗塞の所見がないもの. 神経機能障害のエピソードは、 長くとも24時間以内に消失すること.

診断

TIAが確定的な症状²⁾

  1. 数秒~数分間持続する脳もしくは網膜の局所症状(典型的な持続時間は1時間未満).
  2. 二肢もしくは一肢+顔面の運動障害(例:片側の上下肢麻痺もしくは顔面と片手の麻痺)
  3. 視野欠損もしくは片目の視力障害
  4. 失語もしくは構音障害

TIAの可能性がある症状²⁾

以下2つ以上の症状が組み合わさると確定的
  1. 不安定な歩行
  2. 複視
  3. めまい (回転性vertigo、 浮動性dizzinss)
  4. 嚥下障害

一般的にTIAではない症状²⁾

  1. 健忘
  2. 昏睡
  3. 四肢の協調運動障害
  4. 部分的感覚欠損
  5. 稀な皮質視覚症状
  6. 一過性意識消失
  7. 頭痛
  8. フォスフェン、光視症、複雑な幻覚、視覚保持

治療

脳梗塞発症リスクと治療

  • 脳卒中診療ガイドライン2019では、 ABCD²スコアを用いたリスク評価が推奨される.
  • 7点満点で、 点数が高いほど脳梗塞の発症リスクが高いが分かっている.
  • TIA急性期(発症48時間以内)の再発防止に、アスピリン 160~300mg/日の投与を行う
  • ABCD²スコア ≧4点では、 急性期に限定した抗血小板薬2剤併用療法(アスピリン+クロピドグレルが推奨される.

ABCD²スコアの注意点

  • 2019年NICEガイドラインでは、 入院基準としてABCD²スコアが推奨されていない(以前は≧4点で入院が推奨されていた).
  • ABCD²スコア<4点の患者のうち、約20%に脳梗塞再発リスク (頭蓋内外優位狭窄、 心房細動など) がみつかり、これらの患者はABCD²≧4点の患者と同等の3ヶ月脳梗塞リスクがあることが分かったため.
  • 7日以内のTIA発作歴を加えたABCD³スコア、 MRIの所見を加えたABCD³-Iスコアの方が、 予測精度が高いことが分かっている.
  • 心原性脳梗塞/TIAの二次予防に関しては、 抗凝固療法(ワルファリンorDOAC) > DAPT > アスピリンの順に有効性が報告されており、 心原性の可能性が高ければDAPTではなく、 最初から抗凝固療法を開始することもあるため早期の専門家コンサルトが推奨される.

入院か外来か

  • TIA後の脳梗塞の約半数は発症後24時間以内に発症する.
  • そのため、 TIAと診断した場合は、 基本的には入院での経過観察が推奨される (心房細動のモニタリングを兼ねる).
  • 外来フォローを行う場合、 リスクを十分に説明する必要がある. (適切な環境での見守り、 有事の速やかな受診が可能かを確認).

関連コンテンツ

🚑 ERマニュアル|脳梗塞

🔢 ABCD²スコア

🔢 ABCD³スコア

🔢 ABCD³-Iスコア

参考文献

  1. TIA定義について|日本脳卒中学会
  2. N Engl J Med. 2020 14;382(20):1933-41. 

最終更新:2022年3月3日
監修医師:聖路加国際病院救急部 清水真人
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  • 日本脳卒中学会での定義は以下の通りで、画像による急性脳梗塞の否定が必要¹⁾
局所脳または網膜の虚血に起因する神経機能障害の一過性のエピソードであり、 急性梗塞の所見がないもの. 神経機能障害のエピソードは、 長くとも24時間以内に消失すること.

診断

TIAが確定的な症状²⁾

  1. 数秒~数分間持続する脳もしくは網膜の局所症状(典型的な持続時間は1時間未満).
  2. 二肢もしくは一肢+顔面の運動障害(例:片側の上下肢麻痺もしくは顔面と片手の麻痺)
  3. 視野欠損もしくは片目の視力障害
  4. 失語もしくは構音障害

TIAの可能性がある症状²⁾

以下2つ以上の症状が組み合わさると確定的
  1. 不安定な歩行
  2. 複視
  3. めまい (回転性vertigo、 浮動性dizzinss)
  4. 嚥下障害

一般的にTIAではない症状²⁾

  1. 健忘
  2. 昏睡
  3. 四肢の協調運動障害
  4. 部分的感覚欠損
  5. 稀な皮質視覚症状
  6. 一過性意識消失
  7. 頭痛
  8. フォスフェン、光視症、複雑な幻覚、視覚保持

治療

脳梗塞発症リスクと治療

  • 脳卒中診療ガイドライン2019では、 ABCD²スコアを用いたリスク評価が推奨される.
  • 7点満点で、 点数が高いほど脳梗塞の発症リスクが高いが分かっている.
  • TIA急性期(発症48時間以内)の再発防止に、アスピリン 160~300mg/日の投与を行う
  • ABCD²スコア ≧4点では、 急性期に限定した抗血小板薬2剤併用療法(アスピリン+クロピドグレルが推奨される.

ABCD²スコアの注意点

  • 2019年NICEガイドラインでは、 入院基準としてABCD²スコアが推奨されていない(以前は≧4点で入院が推奨されていた).
  • ABCD²スコア<4点の患者のうち、約20%に脳梗塞再発リスク (頭蓋内外優位狭窄、 心房細動など) がみつかり、これらの患者はABCD²≧4点の患者と同等の3ヶ月脳梗塞リスクがあることが分かったため.
  • 7日以内のTIA発作歴を加えたABCD³スコア、 MRIの所見を加えたABCD³-Iスコアの方が、 予測精度が高いことが分かっている.
  • 心原性脳梗塞/TIAの二次予防に関しては、 抗凝固療法(ワルファリンorDOAC) > DAPT > アスピリンの順に有効性が報告されており、 心原性の可能性が高ければDAPTではなく、 最初から抗凝固療法を開始することもあるため早期の専門家コンサルトが推奨される.

入院か外来か

  • TIA後の脳梗塞の約半数は発症後24時間以内に発症する.
  • そのため、 TIAと診断した場合は、 基本的には入院での経過観察が推奨される (心房細動のモニタリングを兼ねる).
  • 外来フォローを行う場合、 リスクを十分に説明する必要がある. (適切な環境での見守り、 有事の速やかな受診が可能かを確認).

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🔢 ABCD³-Iスコア

参考文献

  1. TIA定義について|日本脳卒中学会
  2. N Engl J Med. 2020 14;382(20):1933-41. 

最終更新:2022年3月3日
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