内容
監修医師
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

ポイント

- 重篤な疾患を示唆するred flagを見逃さない

- 神経学的所見を系統的に評価する

- 画像検査はred flag所見に基づき適切に選択

- 鎮痛は診断を妨げず積極的に行う

- 帰宅時には、 症状増悪時の注意点を説明

診断アルゴリズム例

ERでの腰痛マネジメントは、 命や機能に関わる重篤な疾患 (感染症、 悪性腫瘍、 血管病変、 神経障害) の迅速な識別が重要である。 以下のRed flag signを認識し、 適切な検査を進める。

腰痛

腰痛のRed flag sign

- 発症年齢<20歳、 または>55歳*

- 時間や活動性に関係のない腰痛

- 胸部痛

- 癌、 ステロイド治療、 HIV感染の既往

- 栄養不良

- 体重減少

- 広範囲に及ぶ神経症状

- 構築性脊柱変形

- 発熱

*発症年齢<20歳では脊椎奇形、 >55歳では悪性腫瘍、椎体骨折、 大動脈解離などが危惧される.

危ない腰痛 「FACET」

- Fracture|骨折

- Aorta|大動脈解離・大動脈瘤破裂

- Compression|脊髄圧迫症候群

- Epidural abscess|膿瘍・感染

- Tumor|腫瘍

治療

疼痛が強ければ迅速に鎮痛を行い、 診察の妨げとならないよう留意する。 NSAIDs、 アセトアミノフェン、 必要に応じてオピオイド使用を検討。

根本治療は疾患ごとに異なり、 それぞれの専門的治療ガイドラインに準じる。

関連コンテンツ

🚑 ERマニュアル|尿路結石症

🚑 ERマニュアル|急性腎盂腎炎

🚑 ERマニュアル|急性大動脈解離

🔢 腰痛のRed flag sign

出典

1) 日本整形外科学会診療ガイドライン委員会、 腰痛診療ガイドライン策定委員会. 腰痛診療ガイドライン2019 (改訂第2版)

最終更新 : 2025年3月29日
監修医師 : 聖路加国際病院救急部 清水真人

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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腰痛

Low back pain
2021年09月30日更新
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ポイント

- 重篤な疾患を示唆するred flagを見逃さない

- 神経学的所見を系統的に評価する

- 画像検査はred flag所見に基づき適切に選択

- 鎮痛は診断を妨げず積極的に行う

- 帰宅時には、 症状増悪時の注意点を説明

診断アルゴリズム例

ERでの腰痛マネジメントは、 命や機能に関わる重篤な疾患 (感染症、 悪性腫瘍、 血管病変、 神経障害) の迅速な識別が重要である。 以下のRed flag signを認識し、 適切な検査を進める。

腰痛

腰痛のRed flag sign

- 発症年齢<20歳、 または>55歳*

- 時間や活動性に関係のない腰痛

- 胸部痛

- 癌、 ステロイド治療、 HIV感染の既往

- 栄養不良

- 体重減少

- 広範囲に及ぶ神経症状

- 構築性脊柱変形

- 発熱

*発症年齢<20歳では脊椎奇形、 >55歳では悪性腫瘍、椎体骨折、 大動脈解離などが危惧される.

危ない腰痛 「FACET」

- Fracture|骨折

- Aorta|大動脈解離・大動脈瘤破裂

- Compression|脊髄圧迫症候群

- Epidural abscess|膿瘍・感染

- Tumor|腫瘍

治療

疼痛が強ければ迅速に鎮痛を行い、 診察の妨げとならないよう留意する。 NSAIDs、 アセトアミノフェン、 必要に応じてオピオイド使用を検討。

根本治療は疾患ごとに異なり、 それぞれの専門的治療ガイドラインに準じる。

関連コンテンツ

🚑 ERマニュアル|尿路結石症

🚑 ERマニュアル|急性腎盂腎炎

🚑 ERマニュアル|急性大動脈解離

🔢 腰痛のRed flag sign

出典

1) 日本整形外科学会診療ガイドライン委員会、 腰痛診療ガイドライン策定委員会. 腰痛診療ガイドライン2019 (改訂第2版)

最終更新 : 2025年3月29日
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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