❶ 重篤な疾患を示唆するred flagを見逃さない
❷ 神経学的所見を系統的に評価する
❸ 画像検査はred flag所見に基づき適切に選択
❹ 鎮痛は診断を妨げず積極的に行う
❺ 帰宅時には、 症状増悪時の注意点を説明
問診と身体所見で危険な腰痛 (red flag) を除外し、 神経学的所見を系統的に評価 (筋力・感覚・反射・SLR・膀胱直腸機能)、
画像はred flag所見に基づき選択 (全例の早期撮影は不要)¹⁾。 鎮痛は診断を妨げないよう積極的に行う。 帰宅時は症状増悪時 (麻痺・排尿障害・発熱) の再受診を説明。
ERでの腰痛マネジメントは、 命や機能に関わる重篤な疾患 (感染症、 悪性腫瘍、 血管病変、 神経障害) の迅速な識別が重要である。 以下のRed flag signを認識し、 適切な検査を進める。

- 発症年齢<20歳、 または>55歳*
- 時間や活動性に関係のない腰痛
- 胸部痛
- 癌、 ステロイド治療、 HIV感染の既往
- 栄養不良
- 体重減少
- 広範囲に及ぶ神経症状
- 構築性脊柱変形
- 発熱
※単一のred flagより複数所見の組合せを重視。 悪性腫瘍既往で悪性の検査後確率は約33%¹⁾²⁾
命・機能に関わる疾患を最初に除外する。 危ない腰痛は 「FACET」 で想起する。
- Fracture|骨折
- Aorta|大動脈解離・大動脈瘤破裂
- Compression|脊髄圧迫症候群
- Epidural abscess|膿瘍・感染
- Tumor|腫瘍
- 膀胱直腸障害 (尿閉・失禁)
- サドル麻痺
- 両側下肢麻痺
疑えば緊急MRI+脊椎外科コンサル (緊急手術)
所見 | 感度 | 特異度 |
SLR | 0.92 | 0.28 |
交差性SLR | 0.28 | 0.90 |
※ SLRは陰性なら神経根症を除外しやすい (感度高)。 交差性SLR陽性は特異度が高く確定寄り (手術対象集団のデータ)⁴⁾
red flag・神経症状がなければ受診後早期のルーチン画像は不要 (予後を変えず被曝・費用増)
単純X線 : red flag除外の初期補助に有用
MRI/CT : 重篤脊椎疾患・進行する神経障害が疑われる場合に積極使用
薬剤 | 推奨度 | エビデンス |
NSIADs | 1 | A |
筋弛緩薬 | 2 | C |
アセトアミノフェン | 2 | D |
弱オピオイド | 2 | C |
ノイロトロピン | 2 | C |
疼痛が強ければ迅速に鎮痛を行い、 診察の妨げとならないよう留意する。 NSAIDs、 アセトアミノフェン、 必要に応じてオピオイド使用を検討。
根本治療は疾患ごとに異なり、 それぞれの専門的治療ガイドラインに準じる。
- 過度の安静は避け、 活動性を維持し早期に日常生活へ復帰
- 患者教育 (自然経過は概ね良好であること)
- 運動療法は慢性腰痛に有用 (推奨度1・エビデンスB)。 急性期はエビデンス不十分
多くは改善するが、 救急受診例は遷延しやすい (3ヵ月後も機能障害48%・中~強い痛み42%)⁶⁾。 慢性化リスク (yellow flags) に早期に着目する。
- 恐怖回避思考・破局的思考・うつ・回復への否定的期待
- 低い仕事満足度・補償問題。 発症3週頃から慢性化の予兆に注意
1) 日本整形外科学会・日本腰痛学会 監修. 腰痛診療ガイドライン2019 (改訂第2版) . 南江堂.
3) NICE Guideline NG59. Low back pain and sciatica in over 16s. 2016
最終更新 : 2026年7月9日
監修医師 : 聖路加国際病院救急部 清水真人
❶ 重篤な疾患を示唆するred flagを見逃さない
❷ 神経学的所見を系統的に評価する
❸ 画像検査はred flag所見に基づき適切に選択
❹ 鎮痛は診断を妨げず積極的に行う
❺ 帰宅時には、 症状増悪時の注意点を説明
問診と身体所見で危険な腰痛 (red flag) を除外し、 神経学的所見を系統的に評価 (筋力・感覚・反射・SLR・膀胱直腸機能)、
画像はred flag所見に基づき選択 (全例の早期撮影は不要)¹⁾。 鎮痛は診断を妨げないよう積極的に行う。 帰宅時は症状増悪時 (麻痺・排尿障害・発熱) の再受診を説明。
ERでの腰痛マネジメントは、 命や機能に関わる重篤な疾患 (感染症、 悪性腫瘍、 血管病変、 神経障害) の迅速な識別が重要である。 以下のRed flag signを認識し、 適切な検査を進める。

- 発症年齢<20歳、 または>55歳*
- 時間や活動性に関係のない腰痛
- 胸部痛
- 癌、 ステロイド治療、 HIV感染の既往
- 栄養不良
- 体重減少
- 広範囲に及ぶ神経症状
- 構築性脊柱変形
- 発熱
※単一のred flagより複数所見の組合せを重視。 悪性腫瘍既往で悪性の検査後確率は約33%¹⁾²⁾
命・機能に関わる疾患を最初に除外する。 危ない腰痛は 「FACET」 で想起する。
- Fracture|骨折
- Aorta|大動脈解離・大動脈瘤破裂
- Compression|脊髄圧迫症候群
- Epidural abscess|膿瘍・感染
- Tumor|腫瘍
- 膀胱直腸障害 (尿閉・失禁)
- サドル麻痺
- 両側下肢麻痺
疑えば緊急MRI+脊椎外科コンサル (緊急手術)
所見 | 感度 | 特異度 |
SLR | 0.92 | 0.28 |
交差性SLR | 0.28 | 0.90 |
※ SLRは陰性なら神経根症を除外しやすい (感度高)。 交差性SLR陽性は特異度が高く確定寄り (手術対象集団のデータ)⁴⁾
red flag・神経症状がなければ受診後早期のルーチン画像は不要 (予後を変えず被曝・費用増)
単純X線 : red flag除外の初期補助に有用
MRI/CT : 重篤脊椎疾患・進行する神経障害が疑われる場合に積極使用
薬剤 | 推奨度 | エビデンス |
NSIADs | 1 | A |
筋弛緩薬 | 2 | C |
アセトアミノフェン | 2 | D |
弱オピオイド | 2 | C |
ノイロトロピン | 2 | C |
疼痛が強ければ迅速に鎮痛を行い、 診察の妨げとならないよう留意する。 NSAIDs、 アセトアミノフェン、 必要に応じてオピオイド使用を検討。
根本治療は疾患ごとに異なり、 それぞれの専門的治療ガイドラインに準じる。
- 過度の安静は避け、 活動性を維持し早期に日常生活へ復帰
- 患者教育 (自然経過は概ね良好であること)
- 運動療法は慢性腰痛に有用 (推奨度1・エビデンスB)。 急性期はエビデンス不十分
多くは改善するが、 救急受診例は遷延しやすい (3ヵ月後も機能障害48%・中~強い痛み42%)⁶⁾。 慢性化リスク (yellow flags) に早期に着目する。
- 恐怖回避思考・破局的思考・うつ・回復への否定的期待
- 低い仕事満足度・補償問題。 発症3週頃から慢性化の予兆に注意
1) 日本整形外科学会・日本腰痛学会 監修. 腰痛診療ガイドライン2019 (改訂第2版) . 南江堂.
3) NICE Guideline NG59. Low back pain and sciatica in over 16s. 2016
最終更新 : 2026年7月9日
監修医師 : 聖路加国際病院救急部 清水真人
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
・編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師
・各領域の第一線の専門医が複数在籍
・最新トピックに関する独自記事を配信中
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
当直や救急外来ですぐに役立つコンテンツを無料掲載!
監修は、SNSを用いた医学情報共有や医学教育を専門とする、聖路加国際病院救急部の清水真人先生。デジタルデバイスで読みやすいHOKUTOオリジナルの図表をご用意いたしました!