Sgarbossa基準は1996年、 SgarbossaらによりGUSTO-1試験の解析から提案された、 左脚ブロック (LBBB) を伴う急性心筋梗塞の診断指標である¹⁾。 修正Sgarbossa基準 (modified Sgarbossa criteria、 別名Smith基準)は2012年にStephen W. Smithらにより提唱され、 従来の絶対値基準 (ST上昇≧5mm) を、 QRSのS波との比 (ST/S比 ≦-0.25) に置換することで診断能を大きく改善した²⁾。
以下の3つの心電図所見を評価し、 一つでも当てはまれば陽性と判断する
2012年にSmithらはdiscordant ST上昇を定量的に評価する修正基準を提案した。 彼らは、 Minnesota州内の3施設におけるLBBBと急性冠動脈閉塞 (STEMI) を伴う33例と、 非閉塞を証明された129例のコントロール群を対象に研究を行った。
discordantなST上昇が 「S波の深さに比して相対的に過剰」 であることに注目し、 ST/S比 (ST上昇÷S波の深さ) ≦-0.25を異常と定義した。 この基準を用いた診断では、 感度91%、 特異度90%、 陽性尤度比9.0、 陰性尤度比0.1と従来の絶対5mm基準よりも大幅に診断性能が向上した。 特に、 前壁梗塞においてはV₁₋₃でのdiscordant ST上昇が主要な所見となるため、 ST/S比による評価の方が病態生理に即しているとされる²⁾。
その後、 NestelbergerらはSmithの修正基準のvalidation studyを行い、 その有効性を再確認した。 この研究では、 急性冠症候群患者を対象にmodified Sgarbossa criteriaを適用し、 急性冠動脈閉塞に対して高い診断精度を示した。 特に、 ST/S比のcut-offを-0.25に設定することで、 特異度を維持しつつ感度を改善できることが確認された³⁾。
ECG機器による自動判定は未対応のことが多く、 手動での計測が必要である場合が多い。
最終更新日 : 2025年4月20日
監修医師 : HOKUTO編集部監修医師
Sgarbossa基準は1996年、 SgarbossaらによりGUSTO-1試験の解析から提案された、 左脚ブロック (LBBB) を伴う急性心筋梗塞の診断指標である¹⁾。 修正Sgarbossa基準 (modified Sgarbossa criteria、 別名Smith基準)は2012年にStephen W. Smithらにより提唱され、 従来の絶対値基準 (ST上昇≧5mm) を、 QRSのS波との比 (ST/S比 ≦-0.25) に置換することで診断能を大きく改善した²⁾。
以下の3つの心電図所見を評価し、 一つでも当てはまれば陽性と判断する
2012年にSmithらはdiscordant ST上昇を定量的に評価する修正基準を提案した。 彼らは、 Minnesota州内の3施設におけるLBBBと急性冠動脈閉塞 (STEMI) を伴う33例と、 非閉塞を証明された129例のコントロール群を対象に研究を行った。
discordantなST上昇が 「S波の深さに比して相対的に過剰」 であることに注目し、 ST/S比 (ST上昇÷S波の深さ) ≦-0.25を異常と定義した。 この基準を用いた診断では、 感度91%、 特異度90%、 陽性尤度比9.0、 陰性尤度比0.1と従来の絶対5mm基準よりも大幅に診断性能が向上した。 特に、 前壁梗塞においてはV₁₋₃でのdiscordant ST上昇が主要な所見となるため、 ST/S比による評価の方が病態生理に即しているとされる²⁾。
その後、 NestelbergerらはSmithの修正基準のvalidation studyを行い、 その有効性を再確認した。 この研究では、 急性冠症候群患者を対象にmodified Sgarbossa criteriaを適用し、 急性冠動脈閉塞に対して高い診断精度を示した。 特に、 ST/S比のcut-offを-0.25に設定することで、 特異度を維持しつつ感度を改善できることが確認された³⁾。
ECG機器による自動判定は未対応のことが多く、 手動での計測が必要である場合が多い。
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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