WHO-classification-based prognostic scoring systemの略で、 骨髄異形成症候群 (MDS) のWHO分類に基づく予後予測である¹⁾²⁾。 病型、 染色体異常、 輸血依存性をスコア化し、 その合計点で予後と相関する5つのリスク群に分類する。
2008年にはWPSSは移植後予後と関連することが報告され、very lowとlow / intermediate / high / very highの移植後5年生存率はそれぞれ、 80% / 63% / 40% / 16%とされている。
その後、 主観的要素のある輸血依存性の代わりに高度貧血の有無 (男性<9 g/dL、女性<8 g/dL) を用いて同等の予後予測可能とする改良型WPSSが報告された¹⁾。
しかし、 現在はWHO分類 (2017) が既に出ており、 WPSSは十分な利用がなされていない。
MDSは多様な疾患の総称であり、 単一の病型分類だけでは予後を十分に評価できないとされる。 そこで骨髄芽球割合、 血球減少の系統数、 染色体核型など複数の因子を組み合わせる予後予測スコアリングが用いられる。
代表的なものとしてIPSSがあり、 これは3因子を点数化し4群に層別化するシステムである。
その改訂版であるIPSS-Rはより大規模なデータ解析 (7,000例以上) を基盤に、 因子の取扱いを詳細化して5群に分類し、 外部検証においても優れた予後予測能を示すことが報告されている。
近年、 さらなる精度向上をめざして分子異常を加味したIPSS-Mが開発された。 IPSS-Mはゲノム解析で同定される複数の遺伝子変異情報を組み込み,既存のIPSS-Rを上回る予後予測精度が期待されていると報告されている。
「Q. MDSの予後予測法、 リスク分類として勧められるのは何か」 という問いに対して、 以下のような推奨となっている (カテゴリー2A)
予後予測スコアの使用が勧められる。 特に多くの外部検証においてIPSS-Rが優れていることが示されており、 IPSS-Rが最も広く用いられている。
ガイドラインでは多くの検証で精度が高いと確認されたIPSS-Rが最も広く推奨されている。 特にNCCNガイドラインではIPSS-Rのリスクスコア3.5を境に低リスクと高リスクを区分する方法が推奨され、 日本人においてもIPSS-Rをもとにした層別化が一般的である。 ただし患者背景や治療状況による差異もあるため、 実臨床では併存疾患や遺伝子変異などを含めた総合的な評価が重要となる。
🔢WPSS
最終更新:2025年4月1日
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔
WHO-classification-based prognostic scoring systemの略で、 骨髄異形成症候群 (MDS) のWHO分類に基づく予後予測である¹⁾²⁾。 病型、 染色体異常、 輸血依存性をスコア化し、 その合計点で予後と相関する5つのリスク群に分類する。
2008年にはWPSSは移植後予後と関連することが報告され、very lowとlow / intermediate / high / very highの移植後5年生存率はそれぞれ、 80% / 63% / 40% / 16%とされている。
その後、 主観的要素のある輸血依存性の代わりに高度貧血の有無 (男性<9 g/dL、女性<8 g/dL) を用いて同等の予後予測可能とする改良型WPSSが報告された¹⁾。
しかし、 現在はWHO分類 (2017) が既に出ており、 WPSSは十分な利用がなされていない。
MDSは多様な疾患の総称であり、 単一の病型分類だけでは予後を十分に評価できないとされる。 そこで骨髄芽球割合、 血球減少の系統数、 染色体核型など複数の因子を組み合わせる予後予測スコアリングが用いられる。
代表的なものとしてIPSSがあり、 これは3因子を点数化し4群に層別化するシステムである。
その改訂版であるIPSS-Rはより大規模なデータ解析 (7,000例以上) を基盤に、 因子の取扱いを詳細化して5群に分類し、 外部検証においても優れた予後予測能を示すことが報告されている。
近年、 さらなる精度向上をめざして分子異常を加味したIPSS-Mが開発された。 IPSS-Mはゲノム解析で同定される複数の遺伝子変異情報を組み込み,既存のIPSS-Rを上回る予後予測精度が期待されていると報告されている。
「Q. MDSの予後予測法、 リスク分類として勧められるのは何か」 という問いに対して、 以下のような推奨となっている (カテゴリー2A)
予後予測スコアの使用が勧められる。 特に多くの外部検証においてIPSS-Rが優れていることが示されており、 IPSS-Rが最も広く用いられている。
ガイドラインでは多くの検証で精度が高いと確認されたIPSS-Rが最も広く推奨されている。 特にNCCNガイドラインではIPSS-Rのリスクスコア3.5を境に低リスクと高リスクを区分する方法が推奨され、 日本人においてもIPSS-Rをもとにした層別化が一般的である。 ただし患者背景や治療状況による差異もあるため、 実臨床では併存疾患や遺伝子変異などを含めた総合的な評価が重要となる。
🔢WPSS
最終更新:2025年4月1日
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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