Phoenix Sepsis scoreとは?

2024年に35名の専門家で構成されたSociety of Critical Care Medicine (SCCM) の小児敗血症定義タスクフォースで開発された､ 感染症を疑われる18歳未満の小児を対象としたスコアリングシステムである｡ 小児の｢敗血症｣と｢敗血症性ショック｣の診断と治療計画の策定に使用される｡

スコアの計算方法

以下の呼吸器系､ 循環器系､ 凝固系､ 神経系の機能障害の合計点で計算される｡

JAMA. 2024 Jan 21. PMID: 38245889より引用改変

小児の｢敗血症｣の定義

Phoenix Sepsis Scoreが2点以上で､感染症が疑われる小児患者

上記に該当する小児の院内死亡率は､ 医療資源の豊富な環境で7.1％､ 医療資源の少ない環境で28.5％であり､ これは上記基準を満たさない感染症疑い小児の8倍以上であった¹⁾｡

小児の｢敗血症性ショック｣の定義

Phoenix Sepsis Scoreが2点以上の敗血症小児患者でかつ､ 心血管系ポイントが1点以上*

*年齢別の重度血圧↓､ Lac>5mmol/L､ 血管作動薬使用のいずれか

上記に該当する小児の院内死亡率は､ 医療資源の豊富な環境で10.8％､ 医療資源の少ない環境では33.5％であった¹⁾｡

エビデンス

このスコアは､ 300万件以上の小児のデータ､ システマティックレビュー､ メタ分析などを用いて開発された｡ このスコアを使用すると､ 敗血症や敗血症性ショックによる生命を脅かす臓器不全がある小児を識別することが可能である¹⁾｡

使用上の注意点

この基準は18歳未満の小児に限定されている｡ また､ 臓器不全の指標として利用されるものであり､ 感染症の診断自体を行うものではない｡ 地域のリソースや医療体制の違いによって､ スコアの解釈や治療方針に影響を及ぼす可能性がある¹⁾｡ 

参考文献

1) International Consensus Criteria for Pediatric Sepsis and Septic Shock. JAMA, published online January 21, 2024. PMID: 38245889

最終更新日 : 2024年11月13日

監修医師 : HOKUTO編集部監修医師