概要
計算
監修医師

SELENA SLEDAIとは

2005年にジョンズ・ホプキンス大学のグループにより提唱された全身性エリテマトーデスの疾患活動性指標¹⁾.

Safety of Estrogens in Lupus Erythematosus National Assessment SLE Disease Activity Indexの略

オリジナルのSLEDAI (SLEの重症度分類)と比較し、 持続する皮疹、 脱毛、 粘膜病変も評価されるよう改変された. 8つの臓器系に関する臨床所見24項目がそれぞれ点数化され、 10日以内に認められた所見項目により、 合計0~105のスコアが算出される.

スコアと詳細

1. 痙攣 +8

10日以内に発症. 代謝性、 感染性、 薬剤性又は不可逆的な中枢神経系の障害による痙攣は除外.

2. 精神症状 +8

現実認識の重度の障害による正常な機能の変化. 幻覚、 思考錯乱、 連合弛緩、 貧困な思想内容、 著明な非論理的思考、 奇異な、 混乱した、 緊張病性の行動を含む. 尿毒症、 薬剤性は除外.

3. 器質的脳障害 +8

見当識、 記憶、 その他の知能機能障害による認知機能の変化、 変動する急性発症の臨床所見を伴う. 注意力の低下を伴う意識混濁、 周囲の環境に対する継続した注意の欠如を含み、 かつ以下のうち少なくとも2つを認める:知覚障害、 支離滅裂な発言、 不眠症あるいは日中の眠気、 精神運動興奮. 代謝性、 感染性、 薬剤性は除外.

4. 視力障害 +8

SLEによる網膜及び眼球の変化. 細胞様小体、 網膜出血、 脈絡膜における漿液性の滲出あるいは出血、 視神経炎、 強膜炎あるいは上強膜炎を含む. 高血圧性、 感染又は薬剤性は除外.

5. 脳神経障害 +8

脳神経領域における感覚あるいは運動神経障害の新出. SLEによるめまいも含む.

6. ループス頭痛 +8

高度の持続性頭痛:片頭痛様だが、 麻薬性鎮痛薬に反応しない.

7. 脳血管障害 +8

脳血管障害の新出. 動脈硬化又は高血圧によるものは除外.

8. 血管炎 +8

潰瘍、 壊疽、 手指の圧痛を伴う結節、 爪周囲の梗塞、 線状出血、 生検または血管造影による血管炎の証明.

9. 関節炎 +4

2関節以上の関節痛あるいは炎症所見 (例:圧痛、 腫脹、 関節液貯留) .

10. 筋炎 +4

CK・アルドラーゼの上昇を伴う近位筋の疼痛/筋力低下、 あるいは筋電図変化、 筋生検における筋炎所見.

11. 尿円柱 +4

顆粒円柱あるいは赤血球円柱.

12. 血尿 +4

>5赤血球/HPF. 結石、 感染性、 その他の原因は除外.

13. 蛋白尿 +4

新規発症あるいは最近の>0.5g/24時間の増加.

14. 膿尿 +4

>5白血球/HPF. 感染性は除外.

15. 発疹 +2

持続している炎症性皮疹の発症.

16. 脱毛 +2

持続している限局性あるいはびまん性の異常な脱毛.

17. 粘膜潰瘍 +2

持続している口腔あるいは鼻腔潰瘍.

18. 胸膜炎 +2

高度の胸膜痛、 胸膜摩擦音、 胸水、 あるいは新規発症の胸膜肥厚.

19. 心膜炎 +2

高度の前胸部痛、 心膜摩擦音、 心嚢液貯留、 あるいは心膜炎の心電図所見.

20. 低補体血症 +2

CH50、 C3、 C4の正常下限以下の低下.

21. 抗dsDNA抗体上昇 +2

Farr assayで >25%の結合、 あるいは正常上限以上.

22. 発熱 +1

>38℃、 感染性は除外.

23. 血小板減少 +1

<100000血小板/㎣.

24. 白血球減少 +1

<3000白血球/㎣、 薬剤性は除外.

再燃について¹⁾

低~中等度の再燃:SELENA-SLEDAIが3点以上増加 (ただし合計12点以下)、他

重症疾患活動性:SELENA-SLEDAIが合計12点以上、他

※その他にも原著論文では再燃が細かく定義されている(Severe, mild ore moderate)

参考文献

  1. Combined oral contraceptives in women with systemic lupus erythematosus. N Engl J Med . 2005 Dec 15;353(24):2550-8. PMID: 16354891
  2. GSK医療関係者向け情報 全身性エリテマトーデス(SLE)

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最終更新日:2022年7月4日
監修:HOKUTO編集部医師

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全身性エリテマトーデスの疾患活動性指標
2023年11月23日更新
概要
計算

SELENA SLEDAIとは

2005年にジョンズ・ホプキンス大学のグループにより提唱された全身性エリテマトーデスの疾患活動性指標¹⁾.

Safety of Estrogens in Lupus Erythematosus National Assessment SLE Disease Activity Indexの略

オリジナルのSLEDAI (SLEの重症度分類)と比較し、 持続する皮疹、 脱毛、 粘膜病変も評価されるよう改変された. 8つの臓器系に関する臨床所見24項目がそれぞれ点数化され、 10日以内に認められた所見項目により、 合計0~105のスコアが算出される.

スコアと詳細

1. 痙攣 +8

10日以内に発症. 代謝性、 感染性、 薬剤性又は不可逆的な中枢神経系の障害による痙攣は除外.

2. 精神症状 +8

現実認識の重度の障害による正常な機能の変化. 幻覚、 思考錯乱、 連合弛緩、 貧困な思想内容、 著明な非論理的思考、 奇異な、 混乱した、 緊張病性の行動を含む. 尿毒症、 薬剤性は除外.

3. 器質的脳障害 +8

見当識、 記憶、 その他の知能機能障害による認知機能の変化、 変動する急性発症の臨床所見を伴う. 注意力の低下を伴う意識混濁、 周囲の環境に対する継続した注意の欠如を含み、 かつ以下のうち少なくとも2つを認める:知覚障害、 支離滅裂な発言、 不眠症あるいは日中の眠気、 精神運動興奮. 代謝性、 感染性、 薬剤性は除外.

4. 視力障害 +8

SLEによる網膜及び眼球の変化. 細胞様小体、 網膜出血、 脈絡膜における漿液性の滲出あるいは出血、 視神経炎、 強膜炎あるいは上強膜炎を含む. 高血圧性、 感染又は薬剤性は除外.

5. 脳神経障害 +8

脳神経領域における感覚あるいは運動神経障害の新出. SLEによるめまいも含む.

6. ループス頭痛 +8

高度の持続性頭痛:片頭痛様だが、 麻薬性鎮痛薬に反応しない.

7. 脳血管障害 +8

脳血管障害の新出. 動脈硬化又は高血圧によるものは除外.

8. 血管炎 +8

潰瘍、 壊疽、 手指の圧痛を伴う結節、 爪周囲の梗塞、 線状出血、 生検または血管造影による血管炎の証明.

9. 関節炎 +4

2関節以上の関節痛あるいは炎症所見 (例:圧痛、 腫脹、 関節液貯留) .

10. 筋炎 +4

CK・アルドラーゼの上昇を伴う近位筋の疼痛/筋力低下、 あるいは筋電図変化、 筋生検における筋炎所見.

11. 尿円柱 +4

顆粒円柱あるいは赤血球円柱.

12. 血尿 +4

>5赤血球/HPF. 結石、 感染性、 その他の原因は除外.

13. 蛋白尿 +4

新規発症あるいは最近の>0.5g/24時間の増加.

14. 膿尿 +4

>5白血球/HPF. 感染性は除外.

15. 発疹 +2

持続している炎症性皮疹の発症.

16. 脱毛 +2

持続している限局性あるいはびまん性の異常な脱毛.

17. 粘膜潰瘍 +2

持続している口腔あるいは鼻腔潰瘍.

18. 胸膜炎 +2

高度の胸膜痛、 胸膜摩擦音、 胸水、 あるいは新規発症の胸膜肥厚.

19. 心膜炎 +2

高度の前胸部痛、 心膜摩擦音、 心嚢液貯留、 あるいは心膜炎の心電図所見.

20. 低補体血症 +2

CH50、 C3、 C4の正常下限以下の低下.

21. 抗dsDNA抗体上昇 +2

Farr assayで >25%の結合、 あるいは正常上限以上.

22. 発熱 +1

>38℃、 感染性は除外.

23. 血小板減少 +1

<100000血小板/㎣.

24. 白血球減少 +1

<3000白血球/㎣、 薬剤性は除外.

再燃について¹⁾

低~中等度の再燃:SELENA-SLEDAIが3点以上増加 (ただし合計12点以下)、他

重症疾患活動性:SELENA-SLEDAIが合計12点以上、他

※その他にも原著論文では再燃が細かく定義されている(Severe, mild ore moderate)

参考文献

  1. Combined oral contraceptives in women with systemic lupus erythematosus. N Engl J Med . 2005 Dec 15;353(24):2550-8. PMID: 16354891
  2. GSK医療関係者向け情報 全身性エリテマトーデス(SLE)

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最終更新日:2022年7月4日
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