概要
計算
監修医師

SES-CDとは?

Simple endoscopic score for Crohn’s disease (SES-CD) の略で、 CDEISと比べ、 簡便に算出でき、 妥当性が高いクローン病の内視鏡スコアとして提唱された。

(1) 評価部位

小腸−大腸をあらかじめ5部位に定義し、 それぞれの部位について内視鏡評価を実施する
  1. 回腸:回腸部は観察可能な範囲までをスコア化する。 回腸スコアには回盲弁あるいは回腸結腸吻合部を含まない。
  2. 右結腸:右結腸部には回盲弁、 盲腸、 肝彎曲までの上行結腸が含まれる。 回盲部に限局したクローン病の場合、 この部位においてスコア化する。
  3. 横行結腸:横行結腸部は肝彎曲と脾彎曲の間の部位と定義される。
  4. 左結腸:左側結腸部には下行結腸 (脾彎曲~) と直腸S状結腸接合部までのS状結腸までが含まれる。
  5. 直腸:直腸部は直腸S状結腸接合部から末端部までと定義される。

(2) 評価項目

潰瘍の大きさ

なし+0 アフタ様潰瘍 (直径0.1~0.5cm)+1

潰瘍 (0.5~2cm)+2 大潰瘍 (>2cm)+3 

潰瘍面積

なし+0 <10%+1 10~30%+2 >30%+3 

病変面積

なし+0 <50%+1 50~75%+2 >75%+3 

狭窄の有無

なし+0  1箇所、 通過可能+1

多発、 通過可能+2  通過不能+3

合計点と解釈²⁻⁴⁾

原著では定義されていないが、 各臨床試験では以下に分類されることが多い。

Mild   :3~6点
Moderate:7~16点 or 7~15点
Severe  : >16点 or ≧16点

使用上の注意点

CDEISやSES-CDを用いて粘膜治癒が定義され、 エンドポイントとして多数の臨床試験で検討されているが、 粘膜治癒の定義は各試験毎に異なり統一されていない。

関連コンテンツ

クローン病

🔢 Crohn病の診断基準

🔢 Crohn病の重症度分類

🔢 CDAI (クローン病)

🔢 IOIBDスコア

🔢 Harvey-Bradshaw index

炎症性腸疾患

🔢 潰瘍性大腸炎の診断基準

🔢 臨床的重症度による分類

🔢 活動期内視鏡所見による分類

🔢 Mayoスコア (重症度分類)

参考文献

1) Development and validation of a new, simplified endoscopic activity score for Crohn's disease: the SES-CD. Gastrointest Endosc. 2004 Oct;60(4):505-12. PMID: 15472670

2) Surrogate markers and clinical indices, alone or combined, as indicators for endoscopic remission in anti-TNF-treated luminal Crohn's disease. Scand J Gastroenterol. 2012 May;47(5):528-37. PMID: 22356594

3) A systematic review of measurement of endoscopic disease activity and mucosal healing in Crohn's disease: recommendations for clinical trial design. Inflamm Bowel Dis. 2014 Oct;20(10):1850-61. PMID: 25029615

4) Correlation and concordance measures between clinical, endoscopic and histological scores activity in Crohn's disease under treatment. Scand J Gastroenterol. 2019 Apr;54(4):441-445. PMID: 30939952

5) 厚生労働省研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業 難治性炎症性腸管障害に関する調査研究 (鈴木班). 炎症性腸疾患の疾患活動性評価指標集 第2版 (令和2年3月)

 
最終更新:2023年8月25日
監修医師:HOKUTO編集部医師

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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SES-CD

内視鏡検査によるクローン病活動性指標
2024年08月25日更新
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SES-CDとは?

Simple endoscopic score for Crohn’s disease (SES-CD) の略で、 CDEISと比べ、 簡便に算出でき、 妥当性が高いクローン病の内視鏡スコアとして提唱された。

(1) 評価部位

小腸−大腸をあらかじめ5部位に定義し、 それぞれの部位について内視鏡評価を実施する
  1. 回腸:回腸部は観察可能な範囲までをスコア化する。 回腸スコアには回盲弁あるいは回腸結腸吻合部を含まない。
  2. 右結腸:右結腸部には回盲弁、 盲腸、 肝彎曲までの上行結腸が含まれる。 回盲部に限局したクローン病の場合、 この部位においてスコア化する。
  3. 横行結腸:横行結腸部は肝彎曲と脾彎曲の間の部位と定義される。
  4. 左結腸:左側結腸部には下行結腸 (脾彎曲~) と直腸S状結腸接合部までのS状結腸までが含まれる。
  5. 直腸:直腸部は直腸S状結腸接合部から末端部までと定義される。

(2) 評価項目

潰瘍の大きさ

なし+0 アフタ様潰瘍 (直径0.1~0.5cm)+1

潰瘍 (0.5~2cm)+2 大潰瘍 (>2cm)+3 

潰瘍面積

なし+0 <10%+1 10~30%+2 >30%+3 

病変面積

なし+0 <50%+1 50~75%+2 >75%+3 

狭窄の有無

なし+0  1箇所、 通過可能+1

多発、 通過可能+2  通過不能+3

合計点と解釈²⁻⁴⁾

原著では定義されていないが、 各臨床試験では以下に分類されることが多い。

Mild   :3~6点
Moderate:7~16点 or 7~15点
Severe  : >16点 or ≧16点

使用上の注意点

CDEISやSES-CDを用いて粘膜治癒が定義され、 エンドポイントとして多数の臨床試験で検討されているが、 粘膜治癒の定義は各試験毎に異なり統一されていない。

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🔢 Crohn病の診断基準

🔢 Crohn病の重症度分類

🔢 CDAI (クローン病)

🔢 IOIBDスコア

🔢 Harvey-Bradshaw index

炎症性腸疾患

🔢 潰瘍性大腸炎の診断基準

🔢 臨床的重症度による分類

🔢 活動期内視鏡所見による分類

🔢 Mayoスコア (重症度分類)

参考文献

1) Development and validation of a new, simplified endoscopic activity score for Crohn's disease: the SES-CD. Gastrointest Endosc. 2004 Oct;60(4):505-12. PMID: 15472670

2) Surrogate markers and clinical indices, alone or combined, as indicators for endoscopic remission in anti-TNF-treated luminal Crohn's disease. Scand J Gastroenterol. 2012 May;47(5):528-37. PMID: 22356594

3) A systematic review of measurement of endoscopic disease activity and mucosal healing in Crohn's disease: recommendations for clinical trial design. Inflamm Bowel Dis. 2014 Oct;20(10):1850-61. PMID: 25029615

4) Correlation and concordance measures between clinical, endoscopic and histological scores activity in Crohn's disease under treatment. Scand J Gastroenterol. 2019 Apr;54(4):441-445. PMID: 30939952

5) 厚生労働省研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業 難治性炎症性腸管障害に関する調査研究 (鈴木班). 炎症性腸疾患の疾患活動性評価指標集 第2版 (令和2年3月)

 
最終更新:2023年8月25日
監修医師:HOKUTO編集部医師

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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