概要
計算
監修医師

IMDC分類とは?

IMDCは、 International Metastatic RCC Database Consortiumの略で、 Heng氏らにより2009年に報告された転移性腎細胞癌の予後予測分類のひとつである¹⁾。

IMDC分類の項目と解釈

以下の治療開始時の6つのリスク因子の該当数から予後を3群に層別化する¹⁾
  1. 初診時から治療開始まで1年未満
  2. KPSスコア*が80%未満 (🔢計算する)
  3. 貧血 (Hb < 正常下限値)
  4. 補正Ca値 > 正常上限値 (🔢計算する)
  5. 好中球数 > 正常上限値
  6. 血小板数 > 正常上限値
J Clin Oncol. 2009 Dec 1;27(34):5794-9. より引用

合計点と解釈

- 低 (Favorable risk) : リスク因子0個 

- 中 (Intermediate risk) : リスク因子1~2個

- 高 (Poor risk) : リスク因子3個以上 

J Clin Oncol. 2009 Dec 1;27(34):5794-9. より引用

*参考 : Karnofsky Performance Status

IMDC分類

エビデンス¹⁾²⁾

オリジナル¹⁾とvalidation²⁾の結果

  • 低リスク: (n=133, 2OS=75%)¹⁾、 (n=157, 全生存期間中央値=43.2ヵ月)²⁾
  • 中リスク: (n=301, 2OS=53%)¹⁾、 (n=440, 全生存期間中央値=22.5ヵ月)²⁾
  • 高リスク: (n=152, 2OS=7%, p<.0001)¹⁾、 (n=252, 全生存期間中央値=7.8ヵ月)²⁾

使用上の注意点

MSKCCリスク分類との違い

🔢MSKCCリスク分類の算出はこちら

MSKCCリスク分類は、 2000年代初頭にMotzerらによって主にインターフェロン治療を受けるmRCC患者集団を対象として確立された予後予測モデルである³⁾。 一方、 IMDC分類はHengらによって分子標的薬 (VEGF阻害剤) 治療を受けるmRCC患者を対象として開発されたもので、 分子標的薬・免疫療法が普及した現代での予後予測として広く用いられている¹⁾。 いずれもmRCC患者の予後層別化に用いられ、 治療選択や臨床研究の患者組み入れ基準に利用されているが、 構築された時代、 対象治療、 リスク因子の組み合わせが異なる。

これらの背景から近年の免疫チェックポイント阻害剤 (ICI) 併用療法下では、 IMDC分類が予後指標としてしばしば用いられる。

関連コンテンツ

レジメンとピボタル試験まとめ

監修 : 国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

🔢腎癌のTNM分類 (UICC-8版)

腎細胞癌の病期分類 (UICC-8版)

🔢IMDC分類

転移性腎細胞癌の予後予測分類

🔢MSKCCリスク分類

転移性腎細胞癌の予後予測分類

🔢R.E.N.A.L metryスコア

腎細胞癌の術前評価スケール

🔢PADUA スコア

腎細胞癌の術前評価スケール

🔢Bosniak分類

腎腫瘍 悪性度予測スコア

出典

1) Prognostic factors for overall survival in patients with metastatic renal cell carcinoma treated with vascular endothelial growth factor-targeted agents: results from a large, multicenter study. J Clin Oncol. 2009 Dec 1;27(34):5794-9. PMID: 19826129.

2) External validation and comparison with other models of the International Metastatic Renal-Cell Carcinoma Database Consortium prognostic model: a population-based study. Lancet Oncol. 2013 Feb;14(2):141-8. PMID: 23312463.

3) Interferon‐alfa as a comparative treatment for clinical trials of new therapies against advanced renal cell carcinoma. J Clin Oncol. 2002;20(2):289-296. PMID: 11773181

最終更新 : 2024年12月11日
監修医師 : HOKUTO編集部監修医師

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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IMDC分類

転移性腎細胞癌の予後予測分類
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IMDCは、 International Metastatic RCC Database Consortiumの略で、 Heng氏らにより2009年に報告された転移性腎細胞癌の予後予測分類のひとつである¹⁾。

IMDC分類の項目と解釈

以下の治療開始時の6つのリスク因子の該当数から予後を3群に層別化する¹⁾
  1. 初診時から治療開始まで1年未満
  2. KPSスコア*が80%未満 (🔢計算する)
  3. 貧血 (Hb < 正常下限値)
  4. 補正Ca値 > 正常上限値 (🔢計算する)
  5. 好中球数 > 正常上限値
  6. 血小板数 > 正常上限値
J Clin Oncol. 2009 Dec 1;27(34):5794-9. より引用

合計点と解釈

- 低 (Favorable risk) : リスク因子0個 

- 中 (Intermediate risk) : リスク因子1~2個

- 高 (Poor risk) : リスク因子3個以上 

J Clin Oncol. 2009 Dec 1;27(34):5794-9. より引用

*参考 : Karnofsky Performance Status

IMDC分類

エビデンス¹⁾²⁾

オリジナル¹⁾とvalidation²⁾の結果

  • 低リスク: (n=133, 2OS=75%)¹⁾、 (n=157, 全生存期間中央値=43.2ヵ月)²⁾
  • 中リスク: (n=301, 2OS=53%)¹⁾、 (n=440, 全生存期間中央値=22.5ヵ月)²⁾
  • 高リスク: (n=152, 2OS=7%, p<.0001)¹⁾、 (n=252, 全生存期間中央値=7.8ヵ月)²⁾

使用上の注意点

MSKCCリスク分類との違い

🔢MSKCCリスク分類の算出はこちら

MSKCCリスク分類は、 2000年代初頭にMotzerらによって主にインターフェロン治療を受けるmRCC患者集団を対象として確立された予後予測モデルである³⁾。 一方、 IMDC分類はHengらによって分子標的薬 (VEGF阻害剤) 治療を受けるmRCC患者を対象として開発されたもので、 分子標的薬・免疫療法が普及した現代での予後予測として広く用いられている¹⁾。 いずれもmRCC患者の予後層別化に用いられ、 治療選択や臨床研究の患者組み入れ基準に利用されているが、 構築された時代、 対象治療、 リスク因子の組み合わせが異なる。

これらの背景から近年の免疫チェックポイント阻害剤 (ICI) 併用療法下では、 IMDC分類が予後指標としてしばしば用いられる。

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監修 : 国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

🔢腎癌のTNM分類 (UICC-8版)

腎細胞癌の病期分類 (UICC-8版)

🔢IMDC分類

転移性腎細胞癌の予後予測分類

🔢MSKCCリスク分類

転移性腎細胞癌の予後予測分類

🔢R.E.N.A.L metryスコア

腎細胞癌の術前評価スケール

🔢PADUA スコア

腎細胞癌の術前評価スケール

🔢Bosniak分類

腎腫瘍 悪性度予測スコア

出典

1) Prognostic factors for overall survival in patients with metastatic renal cell carcinoma treated with vascular endothelial growth factor-targeted agents: results from a large, multicenter study. J Clin Oncol. 2009 Dec 1;27(34):5794-9. PMID: 19826129.

2) External validation and comparison with other models of the International Metastatic Renal-Cell Carcinoma Database Consortium prognostic model: a population-based study. Lancet Oncol. 2013 Feb;14(2):141-8. PMID: 23312463.

3) Interferon‐alfa as a comparative treatment for clinical trials of new therapies against advanced renal cell carcinoma. J Clin Oncol. 2002;20(2):289-296. PMID: 11773181

最終更新 : 2024年12月11日
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