Lewis scoreとは?

Lewis scoreはカプセル内視鏡所見により小腸の炎症性変化をスコア化する目的で開発された｡

炎症性変化として観察者間で高い一致率を示した絨毛浮腫 (villous edema) ､ 潰瘍､ 狭窄の3つの所見が評価項目となっている｡ 各所見ごとに病変個数､ 分布様式 (びまん度) ､ 病変の縦方向への広がり (病変を有するセグメントの長さ) ､ 環周率､ 狭窄の程度などを評価･点数化し､ スコアを算出する｡

カプセル内視鏡所見の小腸通過時間を3等分し (1st ~3rd tertile) ､ 各tertileごとに絨毛スコアと潰瘍スコアを合計する｡ その中で最も高いスコア値と､ 小腸全体でみた狭窄スコアを足したものがLewis scoreとなる｡

項目¹⁾

❶絨毛スコア

• 数と性状
• 正常+0
• 浮腫状+1
• 長軸方向の病変範囲
• 短い+8
• 長い+12
• 全体+20
• 形態
• 単発+1
• 散発+14
• びまん性+17

❷潰瘍スコア

• 数と性状
• なし+0
• 単発+3
• 数個+5
• 多発+10
• 長軸方向の病変範囲
• 短い+5
• 長い+10
• 全体+15
• 形態
• <1/4 +9
• 1/4~1/2 +12
• > 1/2 +18

❸狭窄スコア

• 数と性状
• なし+0
• 単発+14
• 多発+20
• 長軸方向の病変範囲
• 潰瘍あり+24
• 潰瘍なし+2
• 形態
• 通過可能+7
• 通過不可能+10

算出方法¹⁾

• 絨毛･潰瘍･狭窄の各評価項目について､ 以下の式から①絨毛スコア､ ②潰瘍スコア､ ③狭窄スコアを求める｡
• 数と性状のスコア×長軸方向の病変範囲のスコア×形態のスコア
• ①と②は1st､ 2nd､ 3rd tertileの各部位について求める｡
• 1st tertileにおける①と②の合計
• 2nd tertileにおける①と②の合計
• 3rd tertileにおける①と②の合計
• ③狭窄スコアは小腸全体で求める｡

Lewis score＝ (1st ~ 3rd tertileの中で最も高い①と②の合計) ＋③狭窄スコア

使用上の注意点

Lewis scoreはクローン病に特化したものではないため､ カットオフ値やdefinitionsは他の疾患でも認められる非特異的炎症所見を評価するものである²⁾ ｡

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参考文献

1. Development of a capsule endoscopy scoring index for small bowel mucosal inflammatory change. Aliment Pharmacol Ther. 2008 Jan 15;27(2):146-54. PMID: 17956598
2. 潰瘍性大腸炎･クローン病 診断基準･治療指針 令和3年 改訂版

最終更新：2023年2月20日 

監修医師：HOKUTO編集部医師