TIA発症患者の脳梗塞リスク評価のひとつであり、 Age、 Blood Pressure、 Clinical features、 Duration、 Diabetesの表す頭文字から命名されている¹⁾。 スコアが上昇すると、 その後の脳卒中リスクも上昇することが示されている¹⁾。
60歳以上 +1点
BP140/90mmHg以上 +1点
片側脱力 +2点、 脱力のない言語障害 +1点
60分以上 +2点、 10~59分 +1点、 10分未満 +0点
既往あり+1点
脳卒中リスクが低く(≦2%)、ABCD²スコアが低い患者(≦2点)は、7日以内に脳梗塞を発症するリスクが低い(0.4-0.8%) ことが示されている¹⁾。
脳卒中ガイドライン 2021 [改訂 2023] では、 ABCD²スコア 4点以上で、 急性期に限定した抗血小板薬2剤併用療法 (アスピリン+クロピドグレル) が推奨されている²⁾。
救急外来でABCD²スコアを使用した前向き研究では、 スコア性能は低いことが示されている³⁾。
2019年NICEガイドラインでは、 入院基準としてABCD²スコアが推奨されていない (以前は≧4点で入院が推奨されていた)。 4点未満の患者のうち、約20%に脳梗塞再発リスク (頭蓋内外優位狭窄、 心房細動など) がみつかり、 これらの患者はABCD²≧4点の患者と同等の3ヵ月脳梗塞リスクがあることが分かったためである。
本邦の多くの救急外来では、 TIAの診断後、 速やかに画像評価が行われ、スコアの意義は低い。
7日以内のTIA発作歴を加えたABCD³スコアや、 MRI/MRAの所見を加えたABCD³-Iスコアの方が、 予測精度が高いことが分かっている。
ABCD²スコア¹⁾
ABCD³スコア¹⁾
ABCD³-Iスコア¹⁾
心原性脳梗塞/TIAの二次予防に関しては、 抗凝固療法(ワルファリンorDOAC) > DAPT > アスピリンの順に有効性が報告されており、 心原性の可能性が高ければDAPTではなく、 最初から抗凝固療法を開始することもあるため早期の専門家コンサルトが推奨される。
🔢 ABCD²スコア
🔢 ABCD³スコア
最終更新 : 2024年8月8日
監修医師 : 聖路加国際病院救急部 清水真人
TIA発症患者の脳梗塞リスク評価のひとつであり、 Age、 Blood Pressure、 Clinical features、 Duration、 Diabetesの表す頭文字から命名されている¹⁾。 スコアが上昇すると、 その後の脳卒中リスクも上昇することが示されている¹⁾。
60歳以上 +1点
BP140/90mmHg以上 +1点
片側脱力 +2点、 脱力のない言語障害 +1点
60分以上 +2点、 10~59分 +1点、 10分未満 +0点
既往あり+1点
脳卒中リスクが低く(≦2%)、ABCD²スコアが低い患者(≦2点)は、7日以内に脳梗塞を発症するリスクが低い(0.4-0.8%) ことが示されている¹⁾。
脳卒中ガイドライン 2021 [改訂 2023] では、 ABCD²スコア 4点以上で、 急性期に限定した抗血小板薬2剤併用療法 (アスピリン+クロピドグレル) が推奨されている²⁾。
救急外来でABCD²スコアを使用した前向き研究では、 スコア性能は低いことが示されている³⁾。
2019年NICEガイドラインでは、 入院基準としてABCD²スコアが推奨されていない (以前は≧4点で入院が推奨されていた)。 4点未満の患者のうち、約20%に脳梗塞再発リスク (頭蓋内外優位狭窄、 心房細動など) がみつかり、 これらの患者はABCD²≧4点の患者と同等の3ヵ月脳梗塞リスクがあることが分かったためである。
本邦の多くの救急外来では、 TIAの診断後、 速やかに画像評価が行われ、スコアの意義は低い。
7日以内のTIA発作歴を加えたABCD³スコアや、 MRI/MRAの所見を加えたABCD³-Iスコアの方が、 予測精度が高いことが分かっている。
ABCD²スコア¹⁾
ABCD³スコア¹⁾
ABCD³-Iスコア¹⁾
心原性脳梗塞/TIAの二次予防に関しては、 抗凝固療法(ワルファリンorDOAC) > DAPT > アスピリンの順に有効性が報告されており、 心原性の可能性が高ければDAPTではなく、 最初から抗凝固療法を開始することもあるため早期の専門家コンサルトが推奨される。
🔢 ABCD²スコア
🔢 ABCD³スコア
最終更新 : 2024年8月8日
監修医師 : 聖路加国際病院救急部 清水真人
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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