概要
計算
監修医師

ACDスコアとは?

ACDスコアは、 2022年にLars Egil RobergらによってJAMA Neurol誌にて提案された、 てんかん重積状態後の生存率予測のためのスコアリングシステムである¹⁾。

ACD : Age at onset, level of Consciousness at admission, Duration of status epilepticus

スコアの計算方法

以下の3つの項目の合計点で計算される

❶年齢

40歳以下 +0  41~60歳 +2  61~80歳 +4  81歳以上 +6

❷てんかん重積状態の持続時間

1時間未満 +0  1~2時間 +1  3~6時間   +2
7~19時間 +3   20~54時間 +4  55~149時間 +5
150~399時間 +6 400時間以上 +7

❸入院時の意識レベル

覚醒/傾眠 +0   昏迷/昏睡 +2

スコアの解釈

ACDスコアと2年死亡率は下記のとおりである。 ACDスコアが10点以下の場合、 感度0.63、 特異度0.82で新たな神経学的欠損なしで生存することが示されている¹⁾。
  • 0-1点 : 13%以下 (本文中に言及なし)
  • 2点 : 13%
  • 3点 : 19%
  • 4点 : 25%
  • 5点 : 31%
  • 6点 : 37%
  • 7点 : 43%
  • 8点 : 49%
  • 9点 : 55%
  • 10点 : 61%
  • 11点 : 67%
  • 12点 : 73%
  • 13点 : 79%
  • 14点 : 86%
  • 15点 : 86%以上 (本文中に言及なし)

エビデンス¹⁾

ACDスコアは、 デンマーク・ドイツ・ノルウェーの3つの異なるコホート (計1306名の患者) で外部検証が行われ、 その有用性が確認された¹⁾。 スコアが高いほど2年後の死亡率が増加することが、 Kaplan-Meierの生存曲線およびロジスティック回帰モデルで示された (Pearson相関係数r² = 0.848)¹⁾。 また、 このスコアは、 脳に損傷をもたらさない原因によるてんかん重積状態の患者で特に高い予測精度を示した¹⁾。

使用上の注意点

ACDスコアは、 脳損傷のない、 または軽微な原因によるてんかん重積状態において特に有用であるが、 進行性脳疾患や脳に重大な損傷をもたらす原因がある患者においては、 予測精度が低下する可能性がある¹⁾。 NIHSS (National Institutes of Health Stroke Scale) による神経学的評価の併用が推奨される¹⁾。

出典

1) Prediction of Long-term Survival After Status Epilepticus Using the ACD Score. JAMA Neurol. 2022 Jun 1;79(6):604-613. PMID: 35404392

最終更新日 : 2025年2月4日
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ACDスコア

てんかん重積状態後の予後予測
2025年02月05日更新
概要
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ACDスコアとは?

ACDスコアは、 2022年にLars Egil RobergらによってJAMA Neurol誌にて提案された、 てんかん重積状態後の生存率予測のためのスコアリングシステムである¹⁾。

ACD : Age at onset, level of Consciousness at admission, Duration of status epilepticus

スコアの計算方法

以下の3つの項目の合計点で計算される

❶年齢

40歳以下 +0  41~60歳 +2  61~80歳 +4  81歳以上 +6

❷てんかん重積状態の持続時間

1時間未満 +0  1~2時間 +1  3~6時間   +2
7~19時間 +3   20~54時間 +4  55~149時間 +5
150~399時間 +6 400時間以上 +7

❸入院時の意識レベル

覚醒/傾眠 +0   昏迷/昏睡 +2

スコアの解釈

ACDスコアと2年死亡率は下記のとおりである。 ACDスコアが10点以下の場合、 感度0.63、 特異度0.82で新たな神経学的欠損なしで生存することが示されている¹⁾。
  • 0-1点 : 13%以下 (本文中に言及なし)
  • 2点 : 13%
  • 3点 : 19%
  • 4点 : 25%
  • 5点 : 31%
  • 6点 : 37%
  • 7点 : 43%
  • 8点 : 49%
  • 9点 : 55%
  • 10点 : 61%
  • 11点 : 67%
  • 12点 : 73%
  • 13点 : 79%
  • 14点 : 86%
  • 15点 : 86%以上 (本文中に言及なし)

エビデンス¹⁾

ACDスコアは、 デンマーク・ドイツ・ノルウェーの3つの異なるコホート (計1306名の患者) で外部検証が行われ、 その有用性が確認された¹⁾。 スコアが高いほど2年後の死亡率が増加することが、 Kaplan-Meierの生存曲線およびロジスティック回帰モデルで示された (Pearson相関係数r² = 0.848)¹⁾。 また、 このスコアは、 脳に損傷をもたらさない原因によるてんかん重積状態の患者で特に高い予測精度を示した¹⁾。

使用上の注意点

ACDスコアは、 脳損傷のない、 または軽微な原因によるてんかん重積状態において特に有用であるが、 進行性脳疾患や脳に重大な損傷をもたらす原因がある患者においては、 予測精度が低下する可能性がある¹⁾。 NIHSS (National Institutes of Health Stroke Scale) による神経学的評価の併用が推奨される¹⁾。

出典

1) Prediction of Long-term Survival After Status Epilepticus Using the ACD Score. JAMA Neurol. 2022 Jun 1;79(6):604-613. PMID: 35404392

最終更新日 : 2025年2月4日
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