概要
計算
監修医師

IWG-MRT予後スコアリングシステムとは?

IWG-MRTによる予後スコアリングシステムは、 2013年にTefferiらによって報告された、 真性多血症 (polycythemia vera: PV) における全生存期間 (OS) の予測を目的に開発された臨床予後モデルである。 このスコアリングは、 1545名のWHO診断基準に基づいたPV患者の国際共同研究に基づいて構築された¹⁾。

IWG-MRT:International Working Group for Myeloproliferative Neoplasms Research and Treatment

スコアの計算方法

以下の3つの因子の合計点を計算する。
  • 年齢
≦56歳 +0、 57~66歳 +2、 ≧67歳 +5
  • 白血球数
<15000/μL +0、 ≧15000 +1
  • 静脈血栓症
なし +0、 あり +1

スコアの解釈

  • 0点     : 低リスク (生存期間中央値27.8年)
  • 1~2点 : 中リスク (生存期間中央値18.9年)
  • ≧3点   : 高リスク (生存期間中央値10.9年)

エビデンス¹⁾

Tefferiらが行った大規模後ろ向き解析により確立された。 同研究では、 2008年WHO基準で診断された真性多血症 (PV) 患者1545例を対象に、 臨床情報と予後との関連が検討された¹⁾。 年齢・白血球数・静脈血栓の有無という3項目を中核としたリスク分類が開発され、 患者をLow、 Intermediate、 Highの3群に区分することで、 長期生存や治療反応性を予測しやすくなるという結論に至った。

使用上の注意点

診断時の評価に特化したモデルであるため、 治療中や進行後の評価には適さない。

核型異常がある場合は、 リスク上昇を考慮する必要がある。

出典

1) Survival and prognosis among 1545 patients with contemporary polycythemia vera: an international study. Leukemia. 2013 Sep;27(9):1874-81. PMID: 23739289

最終更新日 : 2025年4月9日
監修医師 : HOKUTO編集部監修医師

真性多血症のIWG-MRT予後スコアリングシステム
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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真性多血症のIWG-MRT予後スコアリングシステム

真性多血症の予後予測スコア
2025年04月09日更新
概要
計算

IWG-MRT予後スコアリングシステムとは?

IWG-MRTによる予後スコアリングシステムは、 2013年にTefferiらによって報告された、 真性多血症 (polycythemia vera: PV) における全生存期間 (OS) の予測を目的に開発された臨床予後モデルである。 このスコアリングは、 1545名のWHO診断基準に基づいたPV患者の国際共同研究に基づいて構築された¹⁾。

IWG-MRT:International Working Group for Myeloproliferative Neoplasms Research and Treatment

スコアの計算方法

以下の3つの因子の合計点を計算する。
  • 年齢
≦56歳 +0、 57~66歳 +2、 ≧67歳 +5
  • 白血球数
<15000/μL +0、 ≧15000 +1
  • 静脈血栓症
なし +0、 あり +1

スコアの解釈

  • 0点     : 低リスク (生存期間中央値27.8年)
  • 1~2点 : 中リスク (生存期間中央値18.9年)
  • ≧3点   : 高リスク (生存期間中央値10.9年)

エビデンス¹⁾

Tefferiらが行った大規模後ろ向き解析により確立された。 同研究では、 2008年WHO基準で診断された真性多血症 (PV) 患者1545例を対象に、 臨床情報と予後との関連が検討された¹⁾。 年齢・白血球数・静脈血栓の有無という3項目を中核としたリスク分類が開発され、 患者をLow、 Intermediate、 Highの3群に区分することで、 長期生存や治療反応性を予測しやすくなるという結論に至った。

使用上の注意点

診断時の評価に特化したモデルであるため、 治療中や進行後の評価には適さない。

核型異常がある場合は、 リスク上昇を考慮する必要がある。

出典

1) Survival and prognosis among 1545 patients with contemporary polycythemia vera: an international study. Leukemia. 2013 Sep;27(9):1874-81. PMID: 23739289

最終更新日 : 2025年4月9日
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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