概要
計算
監修医師

旧厚生省DIC診断基準とは?

旧厚生省 DIC 診断基準は、 厚生省 「播種性血管内凝固症 (DIC) 」 研究班が 345 例を解析して 1979 年に原案を公表し¹⁾、 1988 年に現行の配点方式へ改訂された²⁾。

スコアの計算方法

以下の因子の合計点を計算する。 ただし、 基礎疾患が白血病及び類縁疾患に該当する場合は出血症状及び血小板数の項目を0点で計算する。 また、 基礎疾患が肝硬変及び肝硬変に近い病態の慢性肝炎 (組織上小葉改築傾向を認める慢性肝炎) の場合には、 総得点から3点減点する。 劇症肝炎やその他の肝疾患であれば通常通り計算する。
  • 基礎疾患あり +1
  • 出血症状あり +1
  • 臓器症状あり +1
  • 血清FDP値 (μg/mL)
<10 +0、 ≧10~<20 +1、 ≧20~<40 +2、 ≧40 +3
  • 血小板数 (/μL)
>12万 +0、 >8万~≦12万 +1、 >5万~≦8万 +2、 ≦5万 +3
  • 血症フィブリノゲン濃度 (mg/dL)
>150 +0、 >100~≦150 +1、 ≦100 +2
  • PT時間比
<1.25 +0、 ≧1.25~<1.67 +1、 ≧1.67 +2

スコアの解釈

  • ≦5点 : DICの可能性が低い
  • 6点   : DICの疑い
  • ≧7点 : DIC
DICの疑いがある場合は①可溶性フィブリンモノマー陽性、 ②D-dimerの高値、 ③トロンビン・アンチトロンビンⅢ複合体の高値、 ④プラスミン・α₂プラスミンインヒビター複合体の高値、 ⑤病態の進展に伴う得点の増加傾向の出現。 特に数日内での血小板数あるいはフィブリノゲンの急激な減少傾向ないしFDPの急激な増加傾向の出現、 ⑥抗凝固療法による改善のうち2項目以上を満たせばDICと判定する。

白血病及びそれに類する疾患に該当する場合

白血病及び類縁疾患、 再生不良性貧血、 抗腫瘍剤投与後など、 骨髄巨核球減少が顕著で、 高度の血小板減少を見る場合は血小板数および出血症状の項は0点とする。
  • ≦2点 : DICの可能性が低い
  • 3点   : DICの疑い
  • ≧4点 : DIC
DICの疑いがある場合は①可溶性フィブリンモノマー陽性、 ②D-dimerの高値、 ③トロンビン・アンチトロンビンⅢ複合体の高値、 ④プラスミン・α₂プラスミンインヒビター複合体の高値、 ⑤病態の進展に伴う得点の増加傾向の出現。 特に数日内での血小板数あるいはフィブリノゲンの急激な減少傾向ないしFDPの急激な増加傾向の出現、 ⑥抗凝固療法による改善のうち2項目以上を満たせばDICと判定する。

エビデンス²⁾

旧厚生省基準は、 345 例の臨床データを逐次変数解析して血小板減少・線溶亢進・凝固因子消費という DIC の三徴を最も良く反映する4検査を選定し、 ROC 曲線で最適カットオフを決定した経緯を持つ¹⁾。 1988 年改訂では肝疾患と新生児例を除外し、 フィブリノゲン低下が厳格化された²⁾。

使用上の注意点

早期のDIC を見逃す恐れがある。 FDP が軽度上昇・血小板が漸減する段階では 4–6 点でも再検が必要である。

本診断基準は新生児・産科領域のDIC診断及び劇症肝炎のDIC診断には適応しない。

出典

1) Criteria for diagnosis of DIC based on the analysis of clinical and laboratory findings in 345 DIC patients collected by the Research Committee on DIC in Japan. Bibl Haematol. 1983:(49):265-75. PMID: 6667250

2) 青木延雄他. DIC 診断基準 1988 年改正. 厚生省特定疾患血液凝固異常症調査研究班報告. 1988

最終更新日 : 2025年8月20日
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播種性血管内凝固症候群の診断基準 (1988年改正 厚生省血液凝固異常症調查研究班)
2025年08月20日更新
概要
計算

旧厚生省DIC診断基準とは?

旧厚生省 DIC 診断基準は、 厚生省 「播種性血管内凝固症 (DIC) 」 研究班が 345 例を解析して 1979 年に原案を公表し¹⁾、 1988 年に現行の配点方式へ改訂された²⁾。

スコアの計算方法

以下の因子の合計点を計算する。 ただし、 基礎疾患が白血病及び類縁疾患に該当する場合は出血症状及び血小板数の項目を0点で計算する。 また、 基礎疾患が肝硬変及び肝硬変に近い病態の慢性肝炎 (組織上小葉改築傾向を認める慢性肝炎) の場合には、 総得点から3点減点する。 劇症肝炎やその他の肝疾患であれば通常通り計算する。
  • 基礎疾患あり +1
  • 出血症状あり +1
  • 臓器症状あり +1
  • 血清FDP値 (μg/mL)
<10 +0、 ≧10~<20 +1、 ≧20~<40 +2、 ≧40 +3
  • 血小板数 (/μL)
>12万 +0、 >8万~≦12万 +1、 >5万~≦8万 +2、 ≦5万 +3
  • 血症フィブリノゲン濃度 (mg/dL)
>150 +0、 >100~≦150 +1、 ≦100 +2
  • PT時間比
<1.25 +0、 ≧1.25~<1.67 +1、 ≧1.67 +2

スコアの解釈

  • ≦5点 : DICの可能性が低い
  • 6点   : DICの疑い
  • ≧7点 : DIC
DICの疑いがある場合は①可溶性フィブリンモノマー陽性、 ②D-dimerの高値、 ③トロンビン・アンチトロンビンⅢ複合体の高値、 ④プラスミン・α₂プラスミンインヒビター複合体の高値、 ⑤病態の進展に伴う得点の増加傾向の出現。 特に数日内での血小板数あるいはフィブリノゲンの急激な減少傾向ないしFDPの急激な増加傾向の出現、 ⑥抗凝固療法による改善のうち2項目以上を満たせばDICと判定する。

白血病及びそれに類する疾患に該当する場合

白血病及び類縁疾患、 再生不良性貧血、 抗腫瘍剤投与後など、 骨髄巨核球減少が顕著で、 高度の血小板減少を見る場合は血小板数および出血症状の項は0点とする。
  • ≦2点 : DICの可能性が低い
  • 3点   : DICの疑い
  • ≧4点 : DIC
DICの疑いがある場合は①可溶性フィブリンモノマー陽性、 ②D-dimerの高値、 ③トロンビン・アンチトロンビンⅢ複合体の高値、 ④プラスミン・α₂プラスミンインヒビター複合体の高値、 ⑤病態の進展に伴う得点の増加傾向の出現。 特に数日内での血小板数あるいはフィブリノゲンの急激な減少傾向ないしFDPの急激な増加傾向の出現、 ⑥抗凝固療法による改善のうち2項目以上を満たせばDICと判定する。

エビデンス²⁾

旧厚生省基準は、 345 例の臨床データを逐次変数解析して血小板減少・線溶亢進・凝固因子消費という DIC の三徴を最も良く反映する4検査を選定し、 ROC 曲線で最適カットオフを決定した経緯を持つ¹⁾。 1988 年改訂では肝疾患と新生児例を除外し、 フィブリノゲン低下が厳格化された²⁾。

使用上の注意点

早期のDIC を見逃す恐れがある。 FDP が軽度上昇・血小板が漸減する段階では 4–6 点でも再検が必要である。

本診断基準は新生児・産科領域のDIC診断及び劇症肝炎のDIC診断には適応しない。

出典

1) Criteria for diagnosis of DIC based on the analysis of clinical and laboratory findings in 345 DIC patients collected by the Research Committee on DIC in Japan. Bibl Haematol. 1983:(49):265-75. PMID: 6667250

2) 青木延雄他. DIC 診断基準 1988 年改正. 厚生省特定疾患血液凝固異常症調査研究班報告. 1988

最終更新日 : 2025年8月20日
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