概要
計算
監修医師

リンパ節生検のZスコアとは?

リンパ節生検のZスコアは、 VassilakopoulosとPangalisによって2000年に開発された臨床予測スコアである¹⁾。 外来診療等でリンパ節腫脹を呈する患者の中から、 リンパ節生検を必要とする患者を識別することを目的としている。

Zスコアの項目

リンパ節生検のZスコアは、 以下のa〜fまでの6つの変数を用いて計算される¹⁾

a:年齢

 ≦40歳 +0 >40歳 +1 

b:圧痛

 なし +0 あり +1 

c:リンパ節の最大径

 <1cm² +0 1 ~ 3.99cm² +1

 4 ~ 8.99cm² +2 ≧9cm² +3 

d:全身掻痒感

 なし +0 あり +1 

e:鎖骨上リンパ節腫脹

 なし +0 あり +1

f:リンパ節の硬さ

 硬くない +0 硬い +1

Zスコアの算出式

各変数を、 以下に当てはめスコアを算出する¹⁾。

Z score = 5a – 5b + 4c + 4d + 3e + 2f – 6

Zスコアの評価と解釈

≧1点:リンパ節生検が必要¹⁾

<1点:リンパ節生検の必要なし¹⁾

エビデンス

オリジナル論文¹⁾

315例の患者で開発し、 その後160例の患者で検証され、 感度95.2%、 特異度81.0%であった。

また、 別の検証群では 感度 96.9%、 特異度 91.4%と報告されている。

日本での検証²⁾

151例の患者を対象に行われ、 感度 97%、特異度 56%と結果が報告されている²⁾。 日本での検証研究では特異度が低く、予測モデルの特異度を改善する必要性が指摘されている。

使用上の注意点

このツールはリンパ節生検の必要性を予測する目安であり、 臨床判断を補完するためのものである。 最終的な診断は患者の臨床経過や検査結果を総合的に考慮した上で行われるべきである。 また、 日本での検証研究では特異度が低いため、 判断にあたっては注意が必要である²⁾。

出典

  1. Application of a prediction rule to select which patients presenting with lymphadenopathy should undergo a lymph node biopsy. Medicine (Baltimore). 2000 Sep;79(5):338-47. PMID: 11039082
  2. Assessing the validity of a model to identify patients for lymph node biopsy. Medicine (Baltimore). 2003 Nov;82(6):414-8. PMID: 14663291
最終更新:2024年3月23日 
修医師:HOKUTO編集部医師

リンパ節生検のZスコア
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リンパ節生検のZスコア

リンパ節生検実施の指標
2024年03月23日更新
概要
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リンパ節生検のZスコアとは?

リンパ節生検のZスコアは、 VassilakopoulosとPangalisによって2000年に開発された臨床予測スコアである¹⁾。 外来診療等でリンパ節腫脹を呈する患者の中から、 リンパ節生検を必要とする患者を識別することを目的としている。

Zスコアの項目

リンパ節生検のZスコアは、 以下のa〜fまでの6つの変数を用いて計算される¹⁾

a:年齢

 ≦40歳 +0 >40歳 +1 

b:圧痛

 なし +0 あり +1 

c:リンパ節の最大径

 <1cm² +0 1 ~ 3.99cm² +1

 4 ~ 8.99cm² +2 ≧9cm² +3 

d:全身掻痒感

 なし +0 あり +1 

e:鎖骨上リンパ節腫脹

 なし +0 あり +1

f:リンパ節の硬さ

 硬くない +0 硬い +1

Zスコアの算出式

各変数を、 以下に当てはめスコアを算出する¹⁾。

Z score = 5a – 5b + 4c + 4d + 3e + 2f – 6

Zスコアの評価と解釈

≧1点:リンパ節生検が必要¹⁾

<1点:リンパ節生検の必要なし¹⁾

エビデンス

オリジナル論文¹⁾

315例の患者で開発し、 その後160例の患者で検証され、 感度95.2%、 特異度81.0%であった。

また、 別の検証群では 感度 96.9%、 特異度 91.4%と報告されている。

日本での検証²⁾

151例の患者を対象に行われ、 感度 97%、特異度 56%と結果が報告されている²⁾。 日本での検証研究では特異度が低く、予測モデルの特異度を改善する必要性が指摘されている。

使用上の注意点

このツールはリンパ節生検の必要性を予測する目安であり、 臨床判断を補完するためのものである。 最終的な診断は患者の臨床経過や検査結果を総合的に考慮した上で行われるべきである。 また、 日本での検証研究では特異度が低いため、 判断にあたっては注意が必要である²⁾。

出典

  1. Application of a prediction rule to select which patients presenting with lymphadenopathy should undergo a lymph node biopsy. Medicine (Baltimore). 2000 Sep;79(5):338-47. PMID: 11039082
  2. Assessing the validity of a model to identify patients for lymph node biopsy. Medicine (Baltimore). 2003 Nov;82(6):414-8. PMID: 14663291
最終更新:2024年3月23日 
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