川崎病の急性期では標準治療として免疫グロブリン療法(IVIG)が行われるが、 ときに不応例がみられる (IVIG療法後24時間以内に解熱しない例、 あるいは解熱しても再発熱する例)。 初回IVIG不応例は15~20%存在し、 冠動脈瘤(CAA)の合併の主な原因ともなる²⁾。 小林スコアはこのようなIVIG不応例を予測するリスクスコアである¹⁾。
小林スコア5点以上の重症例に対して、 IVIG+プレドニゾロン初期併用療法 (IVIG+PSL併用群) が、 標準的治療であるIVIG単独療法 (IVIG単独群) よりも優れているかどうかを検証した日本で初めての前方視的多施設共同ランダム化比較試験
結果、IVIG+PSL併用群でCAA発生率は有意に少なくなった。 以上の結果より、 5点以上の場合 初期治療からIVIG 2 g/kg単回投与およびASA中等量にPSLを併用する施設が多い。
▼CAA発生率 (経過中)
p<0.0001、 Fisher’s exact test
▼CAA発生率 (治療開始4週後)
p=0.014, Fisher’s exact test
不全型を含む全ての川崎病かつ小林スコア5点以上の症例に対し、 IVIG単独療法による従来の標準的治療を行うか、 RAISE Studyと同様の方法でIVIG+PSL併用療法を行うかいずれかを施設毎の選択とした前向きコホートのリアルワールドデータ解析。
約2,500例が登録され、 うち小林スコア5点以上のIVIG不応予測例に対し、IVIG+PSL併用療法を行った724例では、 不応例とCAAの割合は、 RAISE Studyとほぼ同等であった。 ただし、 IVIG単独群でも追加治療が積極的に行われた結果、 CAA合併率では両群に有意差はみられなかった。 IVIG+PSL併用例では、 不応例、 治療前の冠動脈拡大 (Zスコア≧2.5)、 1歳未満はCAAのリスクが高いことも明らかとなった。
IVIG不応例に対してプレドニゾロン(PSL)やシクロスポリン(CsA)療法などの選択肢がありガイドラインに従う必要がある²⁾。 また、 冠動脈瘤(CAA)以外にも心筋炎や心膜炎、 弁膜症、 不整脈などの循環器系合併症がある他、 抗利尿ホルモン不適切分泌症候群(SIADH)による低ナトリウム血症を呈する場合もある²⁾。 イレウス、 胆嚢炎、 膵炎、 脳炎、 血球貪食症候群など全身臓器の合併症に対する対症療法も重要である²⁾。
最終更新:2023年7月15日
監修医師:HOKUTO編集部医師
川崎病の急性期では標準治療として免疫グロブリン療法(IVIG)が行われるが、 ときに不応例がみられる (IVIG療法後24時間以内に解熱しない例、 あるいは解熱しても再発熱する例)。 初回IVIG不応例は15~20%存在し、 冠動脈瘤(CAA)の合併の主な原因ともなる²⁾。 小林スコアはこのようなIVIG不応例を予測するリスクスコアである¹⁾。
小林スコア5点以上の重症例に対して、 IVIG+プレドニゾロン初期併用療法 (IVIG+PSL併用群) が、 標準的治療であるIVIG単独療法 (IVIG単独群) よりも優れているかどうかを検証した日本で初めての前方視的多施設共同ランダム化比較試験
結果、IVIG+PSL併用群でCAA発生率は有意に少なくなった。 以上の結果より、 5点以上の場合 初期治療からIVIG 2 g/kg単回投与およびASA中等量にPSLを併用する施設が多い。
▼CAA発生率 (経過中)
p<0.0001、 Fisher’s exact test
▼CAA発生率 (治療開始4週後)
p=0.014, Fisher’s exact test
不全型を含む全ての川崎病かつ小林スコア5点以上の症例に対し、 IVIG単独療法による従来の標準的治療を行うか、 RAISE Studyと同様の方法でIVIG+PSL併用療法を行うかいずれかを施設毎の選択とした前向きコホートのリアルワールドデータ解析。
約2,500例が登録され、 うち小林スコア5点以上のIVIG不応予測例に対し、IVIG+PSL併用療法を行った724例では、 不応例とCAAの割合は、 RAISE Studyとほぼ同等であった。 ただし、 IVIG単独群でも追加治療が積極的に行われた結果、 CAA合併率では両群に有意差はみられなかった。 IVIG+PSL併用例では、 不応例、 治療前の冠動脈拡大 (Zスコア≧2.5)、 1歳未満はCAAのリスクが高いことも明らかとなった。
IVIG不応例に対してプレドニゾロン(PSL)やシクロスポリン(CsA)療法などの選択肢がありガイドラインに従う必要がある²⁾。 また、 冠動脈瘤(CAA)以外にも心筋炎や心膜炎、 弁膜症、 不整脈などの循環器系合併症がある他、 抗利尿ホルモン不適切分泌症候群(SIADH)による低ナトリウム血症を呈する場合もある²⁾。 イレウス、 胆嚢炎、 膵炎、 脳炎、 血球貪食症候群など全身臓器の合併症に対する対症療法も重要である²⁾。
最終更新:2023年7月15日
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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