FIGO病期分類と予後スコアとは？

2000年に国際産婦人科連合 (FIGO) によって提唱された､ 妊娠性絨毛性腫瘍､ GTNの病期分類と予後予測スコアである¹⁾｡ 国際的コンセンサスとして各種ガイドラインで利用が推奨されている｡

FIGO解剖学的病期分類

I期 腫瘍が子宮に限局している

II期 GTNが子宮外に拡がっているが､ 生殖器構造 (付属器､ 膣､ 子宮広間膜) に限局している

III期 生殖管への浸潤が判明しているかどうかにかかわらず､ GTNが肺に達している

IV期 肺以外への転移が認められる

予後予測スコア

年齢､ 先行妊娠､ 先行妊娠からの発症期間､ 治療前の血中hCG､ 腫瘍最大径､ 転移部位､ 転移個数､ 過去の化学療法抵抗性の8つの項目の合計点を計算し評価する｡

<7点 : 低リスクGTNと判断

≧7点 : 高リスクGTNと判断

Int J Gynecol Cancer. 2001 Jan-Feb;11(1):73-7. より引用

エビデンス¹⁾

FIGOスコアは､ 複数の研究と国際会議での合意に基づいて確立された｡ 1982年のFIGO GTNステージングから始まり､ 1992年には予後因子の見直しが行われ､ 2000年には現行のスコアリングシステムが確立された¹⁾｡

その他の基準について

本邦の🔢絨毛癌診断スコアが知られている｡

≦4点 : 臨床的侵入奇胎 または 転移性奇胎

≧5点 : 臨床的絨毛癌と判定する

絨毛癌取扱い規約 第3版より引用

本邦における臨床的侵入奇胎および奇胎後hCG存続症がFIGO分類の低リスクGTNに､ 臨床的絨毛癌は高リスクGTNに概ね相当する｡

使用上の注意点

類上皮性トロホブラスト腫瘍 (ETT)､ 胎盤部トロホブラスト腫瘍 (PSTT) を含む中間型トロホブラスト腫瘍 (ITT)には適応できない²⁾｡

出典

1) The new FIGO 2000 staging and risk factor scoring system for gestational trophoblastic disease: description and critical assessment. Int J Gynecol Cancer. 2001 Jan-Feb;11(1):73-7. PMID: 11285037

2) Placental site trophoblastic tumors and epithelioid trophoblastic tumors: Biology, natural history, and treatment modalities. Gynecol Oncol. 2017 Jan; 144(1):208-214. PMID: 27789086

最終更新日 : 2024年7月4日

監修医師 : HOKUTO編集部監修医師