概要
計算
監修医師

PRE-DELIRICとは?

  • 集中治療室患者のためのせん妄リスク評価のひとつである¹⁾.
  • ICU入室24時間以内に利用可能で、入室24時間後のせん妄発症の早期予測と予防処置の開始の指標となる.
  • 2012年にオリジナル版¹⁾が報告された後、 2014年に多施設データに基づく修正版²⁾が作成された.

PRE-DELIRIC¹⁾²⁾

RASS -4/-5が8時間以上
  • 患者の治療科
  • 感染症の有無
抗生物質が開始されている
  • 代謝性アシドーシスの有無
pH <7,35 HCO₃ <24mmol/L
  • モルヒネの使用
  • 鎮静剤の使用
プロポフォール、 ミダゾラムまたはロラゼパムの使用
  • 尿素濃度
24時間以内の最高値 *オリジナル文献では、 urea (mmol/L)の記載であるが、 本ツールではBUN (mg/dl)に変換している
  • 緊急入院の有無
以上の項目にそれぞれ重みづけを行いせん妄リスクを算出.
PRE-DELIRIC (2014年修正版)

リスク分類¹⁾

  • 低リスク ≦20% 感度80.7 特異度74.7
  • 中リスク >20~40% 感度62.0 特異度88.8
  • 高リスク >40~60% 感度46.3 特異度94.6
  • 超高リスク >60% 感度30.0 特異度97.7

エビデンス¹⁾

  • PRE-DELIRICのROC曲線より、 AUC 0.87(95%CI:0.85-0.89)が得られた. またブートストラップ後では AUC 0.86であった.
  • 時間的検証 AUC 0.89(95%CI:0.86-0.92)
  • 外部検証 AUC 0.84(95%CI:0.82-0.87)

使用上の注意点¹⁾

  • 18歳以上の成人の集中治療室患者が対象.
  • ICU患者のせん妄発症は、 少なくとも1回のCAM-ICU陽性と定義しているが、 検者による評価のばらつきが指摘されている.
  • 本ツールにおける10因子は系統的レビューに基づいていない. 低Na血症アルコール認知症など、過去の研究からせん妄発症との関連性が高い危険因子は、多変量ロジスティック回帰分析から除外されている (有病率が低いため).

関連コンテンツ

🔢 CAM-ICU

🔢 PRE-DELIRIC (2012年オリジナル版)

🔢 PRE-DELIRIC (2014年修正版)

参考文献

  1. Development and validation of PRE-DELIRIC (PREdiction of DELIRium in ICu patients) delirium prediction model for intensive care patients: observational multicentre study. BMJ. 2012 Feb 9;344:e420. PMID: 22323509.
  2. Recalibration of the delirium prediction model for ICU patients (PRE-DELIRIC): a multinational observational study. Intensive Care Med. 2014 Mar;40(3):361-9. PMID: 24441670

最終更新:2022年12月22日
監修医師:聖路加国際病院救急部 清水真人

PRE-DELIRIC (2014年修正版)
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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監修・協力医一覧
PRE-DELIRIC (2014年修正版)
PRE-DELIRIC (2014年修正版)

PRE-DELIRIC (2014年修正版)

ICU患者のせん妄発症リスク
2023年11月06日更新
概要
計算

PRE-DELIRICとは?

  • 集中治療室患者のためのせん妄リスク評価のひとつである¹⁾.
  • ICU入室24時間以内に利用可能で、入室24時間後のせん妄発症の早期予測と予防処置の開始の指標となる.
  • 2012年にオリジナル版¹⁾が報告された後、 2014年に多施設データに基づく修正版²⁾が作成された.

PRE-DELIRIC¹⁾²⁾

RASS -4/-5が8時間以上
  • 患者の治療科
  • 感染症の有無
抗生物質が開始されている
  • 代謝性アシドーシスの有無
pH <7,35 HCO₃ <24mmol/L
  • モルヒネの使用
  • 鎮静剤の使用
プロポフォール、 ミダゾラムまたはロラゼパムの使用
  • 尿素濃度
24時間以内の最高値 *オリジナル文献では、 urea (mmol/L)の記載であるが、 本ツールではBUN (mg/dl)に変換している
  • 緊急入院の有無
以上の項目にそれぞれ重みづけを行いせん妄リスクを算出.
PRE-DELIRIC (2014年修正版)

リスク分類¹⁾

  • 低リスク ≦20% 感度80.7 特異度74.7
  • 中リスク >20~40% 感度62.0 特異度88.8
  • 高リスク >40~60% 感度46.3 特異度94.6
  • 超高リスク >60% 感度30.0 特異度97.7

エビデンス¹⁾

  • PRE-DELIRICのROC曲線より、 AUC 0.87(95%CI:0.85-0.89)が得られた. またブートストラップ後では AUC 0.86であった.
  • 時間的検証 AUC 0.89(95%CI:0.86-0.92)
  • 外部検証 AUC 0.84(95%CI:0.82-0.87)

使用上の注意点¹⁾

  • 18歳以上の成人の集中治療室患者が対象.
  • ICU患者のせん妄発症は、 少なくとも1回のCAM-ICU陽性と定義しているが、 検者による評価のばらつきが指摘されている.
  • 本ツールにおける10因子は系統的レビューに基づいていない. 低Na血症アルコール認知症など、過去の研究からせん妄発症との関連性が高い危険因子は、多変量ロジスティック回帰分析から除外されている (有病率が低いため).

関連コンテンツ

🔢 CAM-ICU

🔢 PRE-DELIRIC (2012年オリジナル版)

🔢 PRE-DELIRIC (2014年修正版)

参考文献

  1. Development and validation of PRE-DELIRIC (PREdiction of DELIRium in ICu patients) delirium prediction model for intensive care patients: observational multicentre study. BMJ. 2012 Feb 9;344:e420. PMID: 22323509.
  2. Recalibration of the delirium prediction model for ICU patients (PRE-DELIRIC): a multinational observational study. Intensive Care Med. 2014 Mar;40(3):361-9. PMID: 24441670

最終更新:2022年12月22日
監修医師:聖路加国際病院救急部 清水真人

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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