概要
計算
監修医師

AIHの改訂型国際診断基準とは?

本邦を含む世界各国のAIHの基礎、 臨床研究者から構成される国際AIH グループ (IAIHG) により1999年に発表された改訂版国際診断基準である¹⁾。 

その他の診断基準

簡易型国際診断基準 (2008年)

改訂版国際診断基準は検討項目数が多く煩雑で利便性に欠けるとの批判から、 IAIHGが2008年に4項目からなる簡易型国際診断基準を作成した²⁾。

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厚労省の診断指針 (2021年)

厚生労働省「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班の診断指針にて2013年に改定され、 2021年版ガイドラインにも掲載されいてる診断基準. 日本人のAIHの診断には有用と考えられる³⁾。

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エビデンス

13項目の検討項目より総合的に診断するもので、 その診断感受性は97~100%と極めて高いことが国内外で検証されている³⁾。

使用上の注意

下記に示した脚注を十分理解することが重要である。 本スコアリングシステムは AIHを疑って診断を進める場合に有効であり、  本スコアリングシステムを先行して AIHの診断を行うことは避けるべきである。

原著論文の12の脚注

  1. ALP:AST(またはALT)比は、 これらの測定値をそれぞれの正常上限値で除した値とする.
  2. 抗体力価は齧歯目動物組織片を用いた間接蛍光抗体法 (ANAはあるいはHEp-2細胞)で測定する. 小児では低力価のことが多く(特にLKM-1)、 小児の低力価陽性は最低+1とする.
  3. A型、 B型およびC型肝炎ウイルスマーカーを意味する(例:IgMHA抗体、 HBS抗原、 IgMHBc抗体、 HCV抗体およびHCVRNA). これら肝炎ウイルスマーカーが陰性でも病因にウイルスが疑われれば、 サイトメガロウイルス、 EBウイルスなどの肝炎に関連したウイルスマーカーを測定する.
  4. 最近のあるいは経過中に服薬し、 肝障害性が知られているあるいは疑われる薬剤の服薬歴.
  5. 胆管病変は原発性肝汁性肝硬変や原発性硬化性胆管炎に典型的な胆管病変(すなわち、 十分な生検肝組織に認められる肉芽腫性胆管炎、 胆管減少を伴う高度胆管周囲線維化)および銅/銅結合蛋白の集合を伴う門脈周囲肝実質の胆管反応(いわゆる細胆管炎を伴う門脈周囲の胆管増生).
  6. ほかの病因を示唆する重要な所見およびその共存.
  7. 患者あるいは1親等でのほかの自己免疫疾患.
  8. ほかの限定された自己抗体およびHLA-DR3あるいはDR4(測定可能な場合のみ算定)の点数の加算は血清ANA、 SMAおよびLKM-1が陰性の患者にのみ割り当てられる.
  9. ほかの限定された自己抗体は測定方法および AIHとの関連に関する成績が報告されたものである. pANCA、 LC1抗体、 SLA抗体、 ASGPR抗体、 LP抗体、 スルファチド抗体などが含まれる.
  10. HLA-DR3とDR4はおもに北ヨーロッパ白色人種および日本人に関連する. ほかのHLAクラスⅡ抗原でもその人種においてAIHとの関連を示す証拠が報告されれば1点を割り当ててよい.
  11. 治療効果判定はどの時期に評価してもよい. 治療効果の点数は初診時の算定に加算する.
  12. 寛解と再燃の定義は原著論文の表に従う.

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自己免疫性肝炎 (AIH)

🔢AIHの改訂型国際診断基準 (1999年)

🔢AIHの簡易型国際診断基準 (2008年)

🔢AIHの診断指針 (2021年)

🔢AIHの重症度分類 (2021年)

参考文献

  1. International Autoimmune Hepatitis Group Report: review of criteria for diagnosis of autoimmune hepatitis. J Hepatol. 1999 Nov;31(5):929-38. PMID: 10580593
  2. Simplified criteria for the diagnosis of autoimmune hepatitis. Hepatology. 2008 Jul;48(1):169-76. PMID: 18537184
  3. 自己免疫性肝炎(AIH)診療ガイドライン(2021年). 厚生労働省難治性疾患克服研究事業「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班編. 2022.8閲覧

最終更新:2023年12月1日
解説:HOKUTO編集部医師

AIH 改訂型国際診断基準
AIH 改訂型国際診断基準
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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AIH 改訂型国際診断基準
AIH 改訂型国際診断基準

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自己免疫性肝炎の診断基準 (1999年改訂型)
2024年04月05日更新
概要
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AIHの改訂型国際診断基準とは?

本邦を含む世界各国のAIHの基礎、 臨床研究者から構成される国際AIH グループ (IAIHG) により1999年に発表された改訂版国際診断基準である¹⁾。 

その他の診断基準

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改訂版国際診断基準は検討項目数が多く煩雑で利便性に欠けるとの批判から、 IAIHGが2008年に4項目からなる簡易型国際診断基準を作成した²⁾。

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厚生労働省「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班の診断指針にて2013年に改定され、 2021年版ガイドラインにも掲載されいてる診断基準. 日本人のAIHの診断には有用と考えられる³⁾。

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エビデンス

13項目の検討項目より総合的に診断するもので、 その診断感受性は97~100%と極めて高いことが国内外で検証されている³⁾。

使用上の注意

下記に示した脚注を十分理解することが重要である。 本スコアリングシステムは AIHを疑って診断を進める場合に有効であり、  本スコアリングシステムを先行して AIHの診断を行うことは避けるべきである。

原著論文の12の脚注

  1. ALP:AST(またはALT)比は、 これらの測定値をそれぞれの正常上限値で除した値とする.
  2. 抗体力価は齧歯目動物組織片を用いた間接蛍光抗体法 (ANAはあるいはHEp-2細胞)で測定する. 小児では低力価のことが多く(特にLKM-1)、 小児の低力価陽性は最低+1とする.
  3. A型、 B型およびC型肝炎ウイルスマーカーを意味する(例:IgMHA抗体、 HBS抗原、 IgMHBc抗体、 HCV抗体およびHCVRNA). これら肝炎ウイルスマーカーが陰性でも病因にウイルスが疑われれば、 サイトメガロウイルス、 EBウイルスなどの肝炎に関連したウイルスマーカーを測定する.
  4. 最近のあるいは経過中に服薬し、 肝障害性が知られているあるいは疑われる薬剤の服薬歴.
  5. 胆管病変は原発性肝汁性肝硬変や原発性硬化性胆管炎に典型的な胆管病変(すなわち、 十分な生検肝組織に認められる肉芽腫性胆管炎、 胆管減少を伴う高度胆管周囲線維化)および銅/銅結合蛋白の集合を伴う門脈周囲肝実質の胆管反応(いわゆる細胆管炎を伴う門脈周囲の胆管増生).
  6. ほかの病因を示唆する重要な所見およびその共存.
  7. 患者あるいは1親等でのほかの自己免疫疾患.
  8. ほかの限定された自己抗体およびHLA-DR3あるいはDR4(測定可能な場合のみ算定)の点数の加算は血清ANA、 SMAおよびLKM-1が陰性の患者にのみ割り当てられる.
  9. ほかの限定された自己抗体は測定方法および AIHとの関連に関する成績が報告されたものである. pANCA、 LC1抗体、 SLA抗体、 ASGPR抗体、 LP抗体、 スルファチド抗体などが含まれる.
  10. HLA-DR3とDR4はおもに北ヨーロッパ白色人種および日本人に関連する. ほかのHLAクラスⅡ抗原でもその人種においてAIHとの関連を示す証拠が報告されれば1点を割り当ててよい.
  11. 治療効果判定はどの時期に評価してもよい. 治療効果の点数は初診時の算定に加算する.
  12. 寛解と再燃の定義は原著論文の表に従う.

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参考文献

  1. International Autoimmune Hepatitis Group Report: review of criteria for diagnosis of autoimmune hepatitis. J Hepatol. 1999 Nov;31(5):929-38. PMID: 10580593
  2. Simplified criteria for the diagnosis of autoimmune hepatitis. Hepatology. 2008 Jul;48(1):169-76. PMID: 18537184
  3. 自己免疫性肝炎(AIH)診療ガイドライン(2021年). 厚生労働省難治性疾患克服研究事業「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班編. 2022.8閲覧

最終更新:2023年12月1日
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