概要
計算
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副腎静脈評価 (LR)とは?

副腎静脈評価 (Lateralized Ratio; LR) は、 原発性アルドステロン症 (Primary Aldosteronism; PA) の局在診断に用いられる指標である。 PAの診断において、 副腎静脈サンプリング (Adrenal Venous Sampling; AVS) がゴールドスタンダードとされており、 LRはその中核をなす評価方法の一つである。

AVSを用いたLR評価は、 副腎静脈中のアルドステロンとコルチゾールの比を算出し、 片側性病変 (アルドステロン産生腺腫; APA) と両側性病変 (特発性アルドステロン症; IHA) を識別するために行われる。 一般に、 片側性病変であれば手術が適応となり、 両側性病変であれば薬物治療が選択される。 この手法は、 CTやMRIのみでは判断が困難な微小腺腫や両側過形成の評価において特に有用である。

計算方法

副腎静脈から採取したアルドステロン (A) とコルチゾール (C) を用いて以下の式で算出される。

高値側のA/C比  ÷  低値側のA/C比

判定基準 (ACTH負荷後のカットオフ値)

LR ≥ 4 : 片側性病変 (APA) の可能性が高い

     手術適応となる

LR < 4 : 両側性病変 (IHA) の可能性が高い

     薬物治療が推奨される

LRが2~4の境界値:追加の評価が必要

また、 Contralateral Ratio (CR; 対側比) も考慮される。 CRは低値側の副腎静脈でのPAC/PC比を下大静脈 (IVC) または末梢血でのPAC/PC比で割った値であり、 CR < 1であれば片側性病変と判断される。

最終更新日:2025年2月14日
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副腎静脈評価 (LR)
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副腎静脈評価 (LR)

原発性アルドステロン症の局在判定指標
2025年02月14日更新
概要
計算

副腎静脈評価 (LR)とは?

副腎静脈評価 (Lateralized Ratio; LR) は、 原発性アルドステロン症 (Primary Aldosteronism; PA) の局在診断に用いられる指標である。 PAの診断において、 副腎静脈サンプリング (Adrenal Venous Sampling; AVS) がゴールドスタンダードとされており、 LRはその中核をなす評価方法の一つである。

AVSを用いたLR評価は、 副腎静脈中のアルドステロンとコルチゾールの比を算出し、 片側性病変 (アルドステロン産生腺腫; APA) と両側性病変 (特発性アルドステロン症; IHA) を識別するために行われる。 一般に、 片側性病変であれば手術が適応となり、 両側性病変であれば薬物治療が選択される。 この手法は、 CTやMRIのみでは判断が困難な微小腺腫や両側過形成の評価において特に有用である。

計算方法

副腎静脈から採取したアルドステロン (A) とコルチゾール (C) を用いて以下の式で算出される。

高値側のA/C比  ÷  低値側のA/C比

判定基準 (ACTH負荷後のカットオフ値)

LR ≥ 4 : 片側性病変 (APA) の可能性が高い

     手術適応となる

LR < 4 : 両側性病変 (IHA) の可能性が高い

     薬物治療が推奨される

LRが2~4の境界値:追加の評価が必要

また、 Contralateral Ratio (CR; 対側比) も考慮される。 CRは低値側の副腎静脈でのPAC/PC比を下大静脈 (IVC) または末梢血でのPAC/PC比で割った値であり、 CR < 1であれば片側性病変と判断される。

最終更新日:2025年2月14日
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