CHADS₂スコアとは

非弁膜症性心房細動患者の脳梗塞発症リスク評価法のひとつである¹⁾｡ 脳梗塞の発症にかかわる以下の5つの危険因子の頭文字から構成される｡

≧1点  DOAC推奨､ワルファリン考慮可²⁾

ワルファリンは年齢によらず目標INR1.6~2.6

0点：以下のリスク*を確認する²⁾

心筋症､ 65~74歳､ 血管疾患 (心筋梗塞既往､ 大動脈プラーク､ 末梢動脈疾患など)､ 持続性･永続性心房細動､ 腎障害､ 低体重≦50kg､ 左房径>45mmのリスクがあれば､ DOACまたはワルファリンを考慮可

エビデンス

• 心房細動患者において､ 血栓塞栓症のリスク評価を行うことは､ 実臨床でのマネージメント､ 特に抗凝固療法を実施するうえで重要である²⁾.
• 非弁膜症性心房細動では､ 血栓塞栓症の危険因子が集積すると心原性脳梗塞の発症率が上昇するため､ 血栓塞栓症に対するリスク評価を行ったうえで適切な抗凝固療法を選択することが奨励される²⁾.
• 日本循環器学会ガイドラインでは､ CHADS₂スコアが推奨されている²⁾.

理由としては､追加された3つの項目が有意な危険因子ではなかったこと､ CHADS2スコアより優れたリスクスコアが開発されていないことなどが指摘されている²⁾｡

• 一方､ 欧州の多くのガイドラインでは､新たに血管疾患､ 年齢 (65～74歳)､ 女性の3つの因子を加えた CHA₂DS₂-VAScスコアが推奨されている²⁾.

関連コンテンツ

🔢CHADS₂スコア

🔢CHA₂DS₂-VAScスコア

🔢HAS-BLED スコア

参考文献

1. Validation of clinical classification schemes for predicting stroke: results from the National Registry of Atrial Fibrillation. JAMA. 2001 Jun 13;285(22):2864-70. PMID: 11401607
2. 不整脈薬物治療ガイドライン2020

最終更新：2023年8月19日

監修医師：HOKUTO編集部医師