Naranjo評価スケールとは?

Naranjo評価スケールとは薬物の有害事象の可能性についての評価スケールである｡

評価項目

• 有害事象が既に報告されているもの
• 当該薬物の摂取した時の反応､ 増量や減量や中止した時の反応
• プラセボへの反応
• 類似薬物への反応
• 血中薬物濃度
• 客観的証拠

など全10項目に対して､ はい/いいえ/分からないの3答でスコア化する｡

エビデンス

薬物有害事象の可能性

≧9点：非常に確からしい

5~8点：確からしい

1~4点：可能性がある

≦0点：ほぼ関連なし

• 専門家と医師・薬剤師のスコア一致率：79~84%
• 重み付けκ係数(0.64-0.71) ¹⁾

κ係数：同じ対象に対して2つの評価間の一致度を表す。

名義尺度(疾患毎など)の一致度､ 順序尺度 (軽症､ 中等症､ 重症など) の診断の一致度を調べる場合に用いられる。

使用上の注意点

• 薬物の有害事象を評価するアルゴリズムは､ Naranjoスケール以外にもJonesの樹枝状アルゴリズム､ Kramerの調査票などがある｡
• Jonesの樹枝状アルゴリズムは簡便で因果関係を明確化してくれる²⁾｡
• Kramerの調査票は設問が57項目にわたり詳細であるが繁雑である³⁾｡

参考文献

1. A method for estimating the probability of adverse drug reactions. Clin Pharmacol Ther. 1981 Aug;30(2):239-45. PMID: 7249508.
2. Adverse drug reactions in the community health setting: approaches to recognizing, counseling, and reporting. Fam Community Health. 1982 Aug;5(2):58-67. PMID: 10278126.
3. An algorithm for the operational assessment of adverse drug reactions. I. Background, description, and instructions for use. JAMA. 1979 Aug 17;242(7):623-32. PMID: 449002.

最終更新：2023年4月5日

監修医師：HOKUTO編集部医師