概要
計算
監修医師

ACR/EULARの診断基準とは?

2010年、 米国および欧州リウマチ学会 (ACR/EULAR) が合同で発表した関節リウマチ (RA) の新しい診断基準である¹⁾.

この基準では、 少なくとも1つ以上の関節で腫れを伴う滑膜炎*¹がみられ、 その原因としてRA以外の疾患が認められない場合に、 以下の4項目についてのそれぞれの点数を合計し【6点以上】であればRAと診断する¹⁾.

関節リウマチ分類基準 (2010)

参考:悪性関節リウマチ(MRA)

本邦診断基準²⁾

上記のACR/EULAR分類基準を満たし、以下のいずれかに該当する患者.
(1) 臨床症状3項目以上を満たす
(2) 臨床症状1項目以上と組織所見がある

臨床症状

  1. 多発性神経炎:知覚障害、 運動障害いずれを伴ってもよい.
  2. 皮膚潰瘍又は梗塞又は指趾壊疽:感染や外傷によるものは含まない.
  3. 皮下結節:骨突起部、 伸側表面又は関節近傍にみられる皮下結節.
  4. 上強膜炎又は虹彩炎:眼科的に確認され、 他の原因によるものは含まない.
  5. 滲出性胸膜炎又は心嚢炎:感染症など、 他の原因によるものは含まない. 癒着のみの所見は陽性にとらない.
  6. 心筋炎:臨床所見、 炎症反応、 筋原性酵素、 心電図、 心エコーなどにより診断されたものを陽性とする.
  7. 間質性肺炎又は肺線維症:理学的所見、 胸部X線、 肺機能検査により確認されたものとし、 病変の広がりは問わない.
  8. 臓器梗塞:血管炎による虚血、 壊死に起因した腸管、 心筋、 肺などの臓器梗塞.
  9. リウマトイド因子高値:2回以上の検査で、 RAHAないしRAPAテスト2560倍以上(RF960IU/m以上)の高値を示すこと.
  10. 血清低補体価又は血中免疫複合体陽性:2回以上の検査で、 C3、 C4などの血清補体成分の低下若しくはCH50による補体活性化の低下をみること、 又は2回以上の検査で血中免疫複合体陽性(C1q結合能を基準とする. )をみること.

組織所見

皮膚、 筋、 神経、 その他の臓器の生検により小ないし中動脈壊死性血管炎、 肉芽腫性血管炎ないしは閉塞性内膜炎を認めること.

関連コンテンツ

関節リウマチ

🔢ACR/EULARの分類基準 (2010年)

🔢DAS28-CRP 🔢DAS28-ESR

🔢CDAI 🔢SDAI

参考文献

  1. 2010 Rheumatoid arthritis classification criteria: an American College of Rheumatology/European League Against Rheumatism collaborative initiative, Arthritis Rheum . 2010 Sep;62(9):2569-81. PMID: 20872595
  2. 厚生労働省「難治性血管炎に関する調査研究班」. 悪性関節リウマチ. 概要・診断基準等.平成27年1月1日施行の指定難病 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000062437.html [2022年10月14日 最終確認]

最終更新:2023年10月1日
監修医師:HOKUTO編集部医師

関節リウマチ分類基準 (2010)
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2023年10月15日更新
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ACR/EULARの診断基準とは?

2010年、 米国および欧州リウマチ学会 (ACR/EULAR) が合同で発表した関節リウマチ (RA) の新しい診断基準である¹⁾.

この基準では、 少なくとも1つ以上の関節で腫れを伴う滑膜炎*¹がみられ、 その原因としてRA以外の疾患が認められない場合に、 以下の4項目についてのそれぞれの点数を合計し【6点以上】であればRAと診断する¹⁾.

関節リウマチ分類基準 (2010)

参考:悪性関節リウマチ(MRA)

本邦診断基準²⁾

上記のACR/EULAR分類基準を満たし、以下のいずれかに該当する患者.
(1) 臨床症状3項目以上を満たす
(2) 臨床症状1項目以上と組織所見がある

臨床症状

  1. 多発性神経炎:知覚障害、 運動障害いずれを伴ってもよい.
  2. 皮膚潰瘍又は梗塞又は指趾壊疽:感染や外傷によるものは含まない.
  3. 皮下結節:骨突起部、 伸側表面又は関節近傍にみられる皮下結節.
  4. 上強膜炎又は虹彩炎:眼科的に確認され、 他の原因によるものは含まない.
  5. 滲出性胸膜炎又は心嚢炎:感染症など、 他の原因によるものは含まない. 癒着のみの所見は陽性にとらない.
  6. 心筋炎:臨床所見、 炎症反応、 筋原性酵素、 心電図、 心エコーなどにより診断されたものを陽性とする.
  7. 間質性肺炎又は肺線維症:理学的所見、 胸部X線、 肺機能検査により確認されたものとし、 病変の広がりは問わない.
  8. 臓器梗塞:血管炎による虚血、 壊死に起因した腸管、 心筋、 肺などの臓器梗塞.
  9. リウマトイド因子高値:2回以上の検査で、 RAHAないしRAPAテスト2560倍以上(RF960IU/m以上)の高値を示すこと.
  10. 血清低補体価又は血中免疫複合体陽性:2回以上の検査で、 C3、 C4などの血清補体成分の低下若しくはCH50による補体活性化の低下をみること、 又は2回以上の検査で血中免疫複合体陽性(C1q結合能を基準とする. )をみること.

組織所見

皮膚、 筋、 神経、 その他の臓器の生検により小ないし中動脈壊死性血管炎、 肉芽腫性血管炎ないしは閉塞性内膜炎を認めること.

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🔢ACR/EULARの分類基準 (2010年)

🔢DAS28-CRP 🔢DAS28-ESR

🔢CDAI 🔢SDAI

参考文献

  1. 2010 Rheumatoid arthritis classification criteria: an American College of Rheumatology/European League Against Rheumatism collaborative initiative, Arthritis Rheum . 2010 Sep;62(9):2569-81. PMID: 20872595
  2. 厚生労働省「難治性血管炎に関する調査研究班」. 悪性関節リウマチ. 概要・診断基準等.平成27年1月1日施行の指定難病 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000062437.html [2022年10月14日 最終確認]

最終更新:2023年10月1日
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