概要
計算
監修医師

ALSFRS-Rとは?

ALS Functional Rating Scale (筋萎縮性側索硬化症機能評価スケール) の改訂版で、 ALS患者の代表的な日常活動機能評価尺度である。

当初設計されたALSFRSでは、 呼吸機能障害と比較し、 四肢障害と延髄評価に過剰な重みづけが行われていた¹⁾。 改訂版のALSFRS-Rでは、 呼吸機能評価項目に、 呼吸困難、 起坐呼吸、 換気補助の項目が追加され¹⁾、 多くの治験や臨床研究における評価指標として使用されている。

ALSFRS-R評価項目¹⁾

以下の12項目を0~4点の5段階評価で行う (最小0点~最大48点).
  1. 言語 (会話障害程度)
  2. 唾液分泌 (よだれの状態)
  3. 嚥下 (摂食状態)
  4. 書字
  5. 摂食動作 (胃瘻の有無で評価が分かれる)
  6. 着衣 (着衣の介助の依存度)
  7. 寝床 (寝返りができるかどうか)
  8. 歩行
  9. 階段 (階段の介助の依存度)
  10. 呼吸困難
  11. 起坐呼吸
  12. 呼吸不全

エビデンス

9か月生存確率¹⁾

  • ≦15点:≦25%
  • 16-20点:~25-40%
  • 21-25点:~40-60%
  • 26-30点:~60-70%
  • 31-35点:~70-80%
  • 36-40点:~80-90%
  • ≧41点:>90%
*文献1からの概算数値である.

使用上の注意点

オリジナル文献は1999年の報告であり、 栄養補助療法や非侵襲的換気補助などの治療の進歩や、 患者ケアの改善により、 現在ではALS患者の生存期間が延長してきている可能性がある。

参考文献

  1. The ALSFRS-R: a revised ALS functional rating scale that incorporates assessments of respiratory function. BDNF ALS Study Group (Phase III). J Neurol Sci. 1999 Oct 31;169(1-2):13-21. PMID: 10540002.
  2. 筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の日常活動における機能評価尺度日本版改訂 ALS Functional Rating Scale の検討. 脳と神経. 2001; 53: 346‒355.より改変

最終更新:2022年11月7日
監修医師:HOKUTO編集部監修医師
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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ALSFRS-R

筋萎縮性側索硬化症機能評価スケール改訂版
2022年11月13日更新
概要
計算

ALSFRS-Rとは?

ALS Functional Rating Scale (筋萎縮性側索硬化症機能評価スケール) の改訂版で、 ALS患者の代表的な日常活動機能評価尺度である。

当初設計されたALSFRSでは、 呼吸機能障害と比較し、 四肢障害と延髄評価に過剰な重みづけが行われていた¹⁾。 改訂版のALSFRS-Rでは、 呼吸機能評価項目に、 呼吸困難、 起坐呼吸、 換気補助の項目が追加され¹⁾、 多くの治験や臨床研究における評価指標として使用されている。

ALSFRS-R評価項目¹⁾

以下の12項目を0~4点の5段階評価で行う (最小0点~最大48点).
  1. 言語 (会話障害程度)
  2. 唾液分泌 (よだれの状態)
  3. 嚥下 (摂食状態)
  4. 書字
  5. 摂食動作 (胃瘻の有無で評価が分かれる)
  6. 着衣 (着衣の介助の依存度)
  7. 寝床 (寝返りができるかどうか)
  8. 歩行
  9. 階段 (階段の介助の依存度)
  10. 呼吸困難
  11. 起坐呼吸
  12. 呼吸不全

エビデンス

9か月生存確率¹⁾

  • ≦15点:≦25%
  • 16-20点:~25-40%
  • 21-25点:~40-60%
  • 26-30点:~60-70%
  • 31-35点:~70-80%
  • 36-40点:~80-90%
  • ≧41点:>90%
*文献1からの概算数値である.

使用上の注意点

オリジナル文献は1999年の報告であり、 栄養補助療法や非侵襲的換気補助などの治療の進歩や、 患者ケアの改善により、 現在ではALS患者の生存期間が延長してきている可能性がある。

参考文献

  1. The ALSFRS-R: a revised ALS functional rating scale that incorporates assessments of respiratory function. BDNF ALS Study Group (Phase III). J Neurol Sci. 1999 Oct 31;169(1-2):13-21. PMID: 10540002.
  2. 筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の日常活動における機能評価尺度日本版改訂 ALS Functional Rating Scale の検討. 脳と神経. 2001; 53: 346‒355.より改変

最終更新:2022年11月7日
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