概要
計算
監修医師

C-NORSEスコアとは?

C-NORSEスコアリングツールは、 2017年に北里大学の飯塚高浩らによって開発されたものであり、 初期臨床評価に基づいてC-NORSE (原因不明の新規発症難治性てんかん状態) と抗NMDA受容体脳炎を区別するために用いられる¹⁾。 このツールは、 C-NORSEを示唆する臨床的特徴をスコア化することによって診断精度の向上を目指している¹⁾。

C-NORSE : Cryptogenic New-Onset Refractory Status Epilepticus

スコアの計算方法

以下の6つの主要な臨床的特徴に基づいて計算される (各項目1点)。 ただし、 最初の2項目は必須であり、 いずれかが欠如している場合はスコアは0となる。
  1. 抗てんかん治療薬に高度に抵抗性を示す
  2. てんかん重積発作の発症以前は健康だった
  3. 原因不明の高熱が先行する
  4. 発症前に精神行動異常や記銘力障害は認められない
  5. 持続する口部顔面四肢ジスキネジアは認められない
  6. 対称性の拡散強調画像・T2/FLAIR高信号病変

なお、 スコアに含まれていない臨床的な特徴として、 血清・髄液に既知の抗神経抗体が認めないこと及びその他の原因が除外されていることが言及されている。

スコアの解釈

<5点 : C-NORSEを臨床的に疑わない

≧5点 : C-NORSEを臨床的に疑う

エビデンス¹⁾

136人の自己免疫性脳炎の疑いがある患者を調査し、 その中から11人がC-NORSEに該当することを示した¹⁾。 スコアが抗NMDA受容体脳炎患者と比較して有意に高いことから、 このスコアリングツールの診断的有用性が支持されている。

使用上の注意点

スコアが高い場合でも必ずしもC-NORSEであると確定するものではないため、 他の鑑別診断 (ウイルス性脳炎、 腫瘍関連脳炎など) を考慮する必要がある。

スコアリング後の治療方針として、 早期に免疫療法 (例 : メチルプレドニゾロン、 シクロホスファミド) を導入するかの判断材料として用いられるが、 患者ごとに治療効果のバリエーションがあるため慎重に検討すべきである¹⁾。

出典

1) Cryptogenic NORSE: Its distinctive clinical features and response to immunotherapy. Neurol Neuroimmunol Neuroinflamm. 2017 Sep 25;4(6):e396. PMID: 28959704

最終更新日 : 2025年2月4日
監修医師 : HOKUTO編集部監修医師

C-NORSEスコア
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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NORSEの診断補助ツール
2025年02月05日更新
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C-NORSEスコアとは?

C-NORSEスコアリングツールは、 2017年に北里大学の飯塚高浩らによって開発されたものであり、 初期臨床評価に基づいてC-NORSE (原因不明の新規発症難治性てんかん状態) と抗NMDA受容体脳炎を区別するために用いられる¹⁾。 このツールは、 C-NORSEを示唆する臨床的特徴をスコア化することによって診断精度の向上を目指している¹⁾。

C-NORSE : Cryptogenic New-Onset Refractory Status Epilepticus

スコアの計算方法

以下の6つの主要な臨床的特徴に基づいて計算される (各項目1点)。 ただし、 最初の2項目は必須であり、 いずれかが欠如している場合はスコアは0となる。
  1. 抗てんかん治療薬に高度に抵抗性を示す
  2. てんかん重積発作の発症以前は健康だった
  3. 原因不明の高熱が先行する
  4. 発症前に精神行動異常や記銘力障害は認められない
  5. 持続する口部顔面四肢ジスキネジアは認められない
  6. 対称性の拡散強調画像・T2/FLAIR高信号病変

なお、 スコアに含まれていない臨床的な特徴として、 血清・髄液に既知の抗神経抗体が認めないこと及びその他の原因が除外されていることが言及されている。

スコアの解釈

<5点 : C-NORSEを臨床的に疑わない

≧5点 : C-NORSEを臨床的に疑う

エビデンス¹⁾

136人の自己免疫性脳炎の疑いがある患者を調査し、 その中から11人がC-NORSEに該当することを示した¹⁾。 スコアが抗NMDA受容体脳炎患者と比較して有意に高いことから、 このスコアリングツールの診断的有用性が支持されている。

使用上の注意点

スコアが高い場合でも必ずしもC-NORSEであると確定するものではないため、 他の鑑別診断 (ウイルス性脳炎、 腫瘍関連脳炎など) を考慮する必要がある。

スコアリング後の治療方針として、 早期に免疫療法 (例 : メチルプレドニゾロン、 シクロホスファミド) を導入するかの判断材料として用いられるが、 患者ごとに治療効果のバリエーションがあるため慎重に検討すべきである¹⁾。

出典

1) Cryptogenic NORSE: Its distinctive clinical features and response to immunotherapy. Neurol Neuroimmunol Neuroinflamm. 2017 Sep 25;4(6):e396. PMID: 28959704

最終更新日 : 2025年2月4日
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