肺体血管抵抗比 (Rp/Rs) とは?

• 肺体血管抵抗比 (Rp/Rs) は､ pulmonary artery resistance/systemic artery resistance ratioの略｡ 
• 術前に心機能を評価することは重要であり､ 特に器質的な心疾患手術において肺体血流比や血管抵抗比は手術適格性の重要なパラメータである¹⁾｡

肺体血管抵抗比 (Rp/Rs) ＝ 肺体動脈平均圧比 / 肺体血流比

肺体血流量比 (Qp/Qs)

• 肺体血流比はFickの原理を用いた酸素量から算出可能であるが､ 酸素飽和度からも計算できる｡

肺体血流比  (Qp/Qs)  = 肺血流量 / 体血流量

=  (SaO₂－SvO₂) / (SpvO₂－SpaO₂) 

• 正常値は1.0
• 心室中隔欠損の場合などは左右シャント量が多くなるため肺血流量が多くなり､ Qp/Qsは大きくなる｡

肺体動脈平均圧比 (%)

• 肺体動脈平均圧比は右房左房の平均圧と動脈平均圧から計算できる｡

 (肺動脈平均圧ー左房平均圧) / (体動脈平均圧ー右房平均圧) ×100 (%) 

• 正常値は20%未満

エビデンス

Qp/Qs<1.5の場合は経過観察とすることが多いが､ 1.5を超える心室中隔欠損症などは手術を考慮する¹⁾｡

参考文献

1. 2018 AHA/ACC Guideline for the Management of Adults With Congenital Heart Disease: A Report of the American College of Cardiology/American Heart Association Task Force on Clinical Practice Guidelines. J Am Coll Cardiol. 2019 Apr 2;73 (12) :e81-e192.  PMID: 30121239.
2. トーアエイヨー循環器用語ハンドブックWeb版 4. 検査診断, 肺体血流比/肺体血管抵抗比

最終更新：2023年4月6日

監修医師：HOKUTO編集部医師