Child-Pugh分類とは？

世界で最も広く使用されてきた肝予備能力評価法のひとつで､5つの因子を用いてスコア化して､ 3段階評価を行う¹⁾²⁾｡

エビデンス

肝硬変患者とChild-Pugh分類

• Child-Pugh分類C患者の3年目の累積生存率は30.7%と低く､ 報告によれば約7割が3年以内に死亡していた³⁾｡
• Child-Pugh分類Bの患者の51.3%は､ 3年後に死亡またはChild-Pugh分類Cに移行するなどして､ 悪化していた³⁾｡
• Child-Pugh分類BとCの病態は､ 基本的に不可逆的で､ その中からChild-Pugh分類Aにまで改善する例は少ないと考えられる³⁾｡

使用上の注意点

• アルブミンや腹水といった影響を及ぼしあう因子が両者含まれている点､ 腹水･肝性脳症といった画像や主観が入る項目が因子として使用されている点、統計的に成立したものでない点といった欠点が指摘されている³⁾｡
• また､これらの変数の解釈が文献毎に異なるため､様々なパターンのChild-Pugh分類が世界に存在する. 本ツールは日本肝癌研究会の｢臨床･病理原発性肝癌取扱い規約第6版｣の解釈､翻訳を参考とした⁴⁾｡
• オリジナルのChild分類では､プロトロンビン活性値の代わりに栄養状態(優､良､不良)が用いられている¹⁾｡
• Child-Pugh分類はもともと食道静脈瘤手術の予後予測として作成された²⁾｡

関連コンテンツ

肝予備能評価スコア 他

🔢Child-Pugh分類 / 肝障害度分類

🔢MELDスコア / MELD-Naスコア

🔢ALBIスコア / modified ALBIグレード

🔢NAFLD Fibrosis Score (NFS)

🔢ADOPT-LC スコア

🔢FIB-4 index

出典

1. Surgery and portal hypertension. In Child CG (ed) : The Liver and Portal Hypertension. WB Saunders, Philadelphia, p50-62, 1964
2. Transection of the oesophagus for bleeding oesophageal varices. Br J Surg. 1973 Aug;60(8):646-9. PMID: 4541913
3. 平成26年度厚生労働科学研究費補助金「障害認定の在り方に関する研究」分担研究「肝硬変患者の生命予後の検討」
4. 日本肝癌研究会 (編). 臨床･病理原発性肝癌取扱い規約第6版. 金原出版, 2015. p15

最終更新：2025年4月1日

監修医師：聖路加国際病院救急部 清水真人