BODE指数とは？

BODE指数とは､ 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の生存期間予測に用いられる指数であり､ 数値が大きいほど予後が悪い¹⁾｡ Body mass index(BMI)､ airflow Obstruction(気道閉塞度)､ Dyspnea(呼吸困難)､ Exercise capacity(運動能力)の略¹⁾｡ 

従前COPDの評価に用いられてきたFEV₁と比較し､ 増悪や予後の予測といった点で精度が高いことが示されている²⁾｡

BODE指数のスコア¹⁾

1秒率(FEV₁)

• 65%以上　 +0点
• 50~64%　 +1点
• 36~49%　 +2点
• 35%以下　 +3点

6分間の歩行距離(6MWD)

• 350m以上　 +0点
• 250~349m　+1点
• 150~249m　+2点
• 149m以下　 +3点

mMRC呼吸困難スケール

• mMRC0: 激しい運動で呼吸困難 +0点
• mMRC1: 緩やかな坂を歩いて呼吸困難 +0点
• mMRC2: 呼吸困難により同年齢と比較して歩くペースが遅れる､ あるいは息切れにより立ち止まる +1点
• mMRC3: 数分､ あるいは約90m(100ヤード)歩くと息切れにより立ち止まる +2点
• mMRC4: 呼吸困難により外出困難､ あるいは衣服の着脱で呼吸困難 +3点

Body Mass Index(BMI)

• BMI>21　+0点
• BMI≦21　+1点

エビデンス

BODE指数は､207人の安定したCOPD患者の1年死亡率に関連する変数を評価することにより､ Celliらによって2004年に報告された¹⁾.

• 0~2点：4年生存率: 80%
• 3~4点：4年生存率: 67%
• 5~6点：4年生存率: 57%
• 7~10点：4年生存率: 18%

使用上の注意¹⁾

• 適切な治療により6ヶ月間安定した状態にあるCOPD患者を対象とした指標であり､急性増悪患者にはBODE指数の評価は行うべきではない｡
• COPD以外の疾患で3年以内に死亡が予期される患者にはBODE指数の評価は行うべきではない｡
• 喘息と診断された患者､ 不安定狭心症やNYHA分類でクラスIII､ クラスIVに該当する慢性心不全患者にはBODE指数の評価は行うべきではない｡

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日赤医療センター呼吸器内科 久世眞之先生

参考文献

1. The body-mass index, airflow obstruction, dyspnea, and exercise capacity index in chronic obstructive pulmonary disease. N Engl J Med. 2004 Mar 4;350(10):1005-12. PMID: 14999112. ※オリジナル論文
2. Prediction of risk of COPD exacerbations by the BODE index. Respir Med. 2009 Mar;103(3):373-8. PMID: 19013781. ※validation

最終更新：2024年8月12日

監修医師：HOKUTO監修医師