CFS 臨床虚弱尺度とは？

CLINICAL FRAILTY SCALEの略で､ 2005年にカナダの臨床研究で開発された｡ 全体的な健康状態のスクリーニング､ ｢虚弱｣ の程度を評価するためのスケールである｡

日本語訳について

本邦においては､ 日本老年学会が公開している日本語版が主に利用される｡ なお､ CFSにおける ｢Frailty｣は､ 現在日本で周知されている ｢フレイル｣ とは意味合いが異なることから、日本語版では ｢虚弱｣ と表現したとされている｡

評価尺度

評価は症状の重症度や日常生活への影響によって行われる｡

文献1,3をもとに監修医作図

エビデンス

CFSは元々Kenneth Rockwood氏らによるCanadian Study of Health and Aging (CSHA) で使用され､ その中でCFSの高い予測性が確認されている｡ CFSはFrailty Indexと高い相関 (r=0.80) を示し､ CFSの各カテゴリーが死亡リスクと施設入所リスクを増加させた¹⁾。

さらに､ 2013年､ 6つの主要な国際学会の代表者で構成されるコンセンサスグループにより､ ｢フレイルティ (虚弱) は重要な医学的症候群である｣ とされ､ フレイルティの対象となる個々の患者を特定するためのスクリーニングとしてCFSが推奨されている²⁾。

使用上の注意点

CFSは､ あくまで｢虚弱｣の程度を評価する補助的ツールとして使用されるべきであり､ それ自体が疾患の診断基準として使われるべきではない｡ また、CFSは患者の現状を正確に反映するためには､ 定期的に評価を更新する必要がある｡ 特に､ 高齢者や慢性疾患のある患者では､ 病状や身体状態が容易に変化するため､ 定期的な再評価が必要となる｡

参考文献

1. A global clinical measure of fitness and frailty in elderly people. CMAJ. 2005 Aug 30;173(5):489-95. PMID: 16129869
2. Frailty consensus: A call to action. J Am Med Dir Assoc. 2013 Jun;14(6):392-7. PMID: 23764209
3. 一般社団法人 日本老年医学会. 臨床虚弱尺度 (Clinical Frailty Scale). [最終閲覧：2023/07/21]

最終更新：2023年12月4日

監修医師：HOKUTO編集部監修医師