IPSSWMとは？

IPSSWM (International Prognostic Scoring System for Waldenström Macroglobulinemia) は､ リンパ形質細胞リンパ腫 (LPL) の9割を占める原発性マクログロブリン血症 (WM) 患者の予後を評価するための国際的なスコアリングシステムである¹⁾｡ 2009年にPierrette Morelらにより報告された¹⁾｡

IPSSWMの計算方法

次の5つの危険因子に基づき評価する

1. 年齢 > 65歳

2. ヘモグロビン ≦ 11.5 g/dL

3. 血小板数 ≦ 10万/μL

4. β2ミクログロブリン > 3mg/L

5. 血清IgM濃度 > 7.0 g/dL

Blood. 2009;113(18):4163-70. より引用

リスク分類

これらの因子の有無に基づいて患者を3つのリスクグループに分ける

- 低リスク: 高齢を除く1つ以下の危険因子

　 5年生存率 87%

- 中間リスク: 高齢のみ又は2つの危険因子

　 5年生存率 68%

- 高リスク: 3つ以上の危険因子

　 5年生存率 36%

エビデンス

オリジナル文献

IPSSWMは､ 多くの論文で評価･引用されている｡ オリジナルの文献としては､ Pierrette Morelらの2009年の研究がある¹⁾｡ 以降､ いくつかの大規模なvalidation研究が行われている｡

造血器腫瘍診療ガイドライン2023年版

症候性WMの予後予測の指標として､IPSSWM と 🔢revised IPSSWMが取り上げられている｡

出典

1) International prognostic scoring system for Waldenström macroglobulinemia. Blood. 2009;113(18):4163-70. PMID: 19196866

2) 日本血液学会編. 造血器腫瘍診療ガイドライン2023年版. 金原出版, 2023.

最終更新 : 2024年7月28日

監修医師 : HOKUTO編集部監修医師