概要
計算
監修医師

DESIGN-R®︎2020とは?

DESIGN-R®︎2020とは、 褥瘡の重症度評価と治癒過程の数値化を目的とした評価スケールである¹⁾²⁾。 

2002年、 日本褥瘡学会が褥瘡を評価するための共通ツールDESIGN「重症度分類用」「経過評価用」を発表。 2008年、 2013年の改訂を経て「深部損傷褥瘡 (DTI) 疑い」と「臨界的定着疑い」を考慮した2020年版が発表された。

DESIGN-R®2020の表記法

例:DDTI-e0S15i1g0n0p0: 16点
  D3-E6s6I3CG6n0p0: 21点
  • 「深さ (d/D) 」の後にハイフン「-」を入れ、 ESIGNと続ける
  • 深さは合計点に加えない
  • ポケット(P)の後にコロン「:」をつけて合計点数を記載

DESIGN-R®︎2020評価項目¹⁾²⁾

Depth (深さ) ※合計点に加えない

  • d0:皮膚損傷・発赤なし
  • d1:発赤が持続する
  • d2:損傷が真皮まで及ぶ
  • D3:損傷が皮下組織まで及ぶ
  • D4:損傷が皮下組織を超える
  • D5:損傷が関節腔・体腔に至る
  • DDTI:深部損傷褥瘡 (DTI) の疑い
  • DU:壊死組織で覆われ深さの判定不能

Exudate (滲出液)

  • e0:なし +0点
  • e1:少量 (毎日のドレッシング交換不要) +1点
  • e3:中等量 (1日1回のドレッシング交換が必要) +3点
  • E6:多量 (1日2回~のドレッシング交換が必要) +6点

Size (大きさ) [長径cm × 短径cm]

  • s0:皮膚損傷なし +0点
  • s3:<4 +3点
  • s6:4~ <16 +6点
  • s8:16~ <36 +8点
  • s9:36~ <64 +9点
  • s12:64~ <100 +12点
  • S15:≧100 +15点

Inflammation/Infection (炎症/感染)

  • i0:局所の炎症徴候なし +0点
  • i1:局所の炎症徴候あり (創周囲の発赤・腫脹・熱感・疼痛) +1点
  • I3C:臨界的定着疑い [創面のぬめり(+)、 滲出液が多い。肉芽がある場合、 浮腫性で脆弱など] +3点
  • I3:局所の明かな感染徴候あり (炎症徴候、 膿、 悪臭など) +3点
  • I9:全身性影響あり (発熱など) +9点

Granulation (肉芽組織)

  • g0:創が治癒した、 創が浅い、 深部損傷褥瘡 (DTI) 疑い +0点
  • g1:良性肉芽が創面を占める割合: ≧90% +1点
  • g3:良性肉芽が創面を占める割合: 50%~ <90% +3点
  • G4:良性肉芽が創面を占める割合: 10%~ <50% +4点
  • G5:良性肉芽が創面を占める割合: <10% +5点
  • G6:良性肉芽の形成が全くない +6点

Necrotic tissue (壊死組織)

  • n0:壊死組織なし +0点
  • N3:柔らかい壊死組織あり +3点
  • N6:硬く厚い密着した壊死組織あり +6点

Pocket (ポケット)

  • p0:ポケットなし +0点
  • P6:<4 +6点
  • P9:4~ <16 +9点
  • P12:16~ <36 +12点
  • P24:≧36 +24点

評価

  • 0~66点で採点し、 点数が大きいほど重症度が高い
  • 各項目の重症度は小文字<大文字

使用上の注意点²⁾

Depth(深さ)

創の重症度を評価することはできるが重症度の改善の目安にはならないため、 評価の合計点には加えない。 

Exudate(滲出液)

ドレッシング材は種類によってかなり吸水力が異なるので、 ガーゼを貼付した時をイメージして重症度・点数の判定を行う。 

Size(大きさ)

褥瘡の大きさを測定する時には、 毎回同一体位で測定する必要がある。 また、 褥瘡にポケットがある場合は、 ポケット部位は測定せず、 肉眼的に外から見える部位だけを測定する。

Necrotic tissue (壊死組織)

壊死組織が混在している場合には、 全体的に多い病態をもって評価する。

Pocket (ポケット)

ポケットの大きさを測定する時には、 目視だけでは正確に測定することができないため、 ポケット部に鑷子や綿棒などを挿入し、 ポケットの大きさ・開口範囲を確認する必要がある。

参考文献

  1. 一般社団法人 日本褥瘡学会.  「改定DESIGN-R®︎2020」(参照2023-4-12)
  2. 一般社団法人 日本褥瘡学会. 「褥瘡状態評価スケール 改定DESIGN-R®︎2020 コンセンサス・ドキュメント」. 照林社, 2020, 30p
最終更新:2022年4月13日
監修医師:HOKUTO編集部医師

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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褥瘡状態評価スケール
2023年07月15日更新
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DESIGN-R®︎2020とは?

DESIGN-R®︎2020とは、 褥瘡の重症度評価と治癒過程の数値化を目的とした評価スケールである¹⁾²⁾。 

2002年、 日本褥瘡学会が褥瘡を評価するための共通ツールDESIGN「重症度分類用」「経過評価用」を発表。 2008年、 2013年の改訂を経て「深部損傷褥瘡 (DTI) 疑い」と「臨界的定着疑い」を考慮した2020年版が発表された。

DESIGN-R®2020の表記法

例:DDTI-e0S15i1g0n0p0: 16点
  D3-E6s6I3CG6n0p0: 21点
  • 「深さ (d/D) 」の後にハイフン「-」を入れ、 ESIGNと続ける
  • 深さは合計点に加えない
  • ポケット(P)の後にコロン「:」をつけて合計点数を記載

DESIGN-R®︎2020評価項目¹⁾²⁾

Depth (深さ) ※合計点に加えない

  • d0:皮膚損傷・発赤なし
  • d1:発赤が持続する
  • d2:損傷が真皮まで及ぶ
  • D3:損傷が皮下組織まで及ぶ
  • D4:損傷が皮下組織を超える
  • D5:損傷が関節腔・体腔に至る
  • DDTI:深部損傷褥瘡 (DTI) の疑い
  • DU:壊死組織で覆われ深さの判定不能

Exudate (滲出液)

  • e0:なし +0点
  • e1:少量 (毎日のドレッシング交換不要) +1点
  • e3:中等量 (1日1回のドレッシング交換が必要) +3点
  • E6:多量 (1日2回~のドレッシング交換が必要) +6点

Size (大きさ) [長径cm × 短径cm]

  • s0:皮膚損傷なし +0点
  • s3:<4 +3点
  • s6:4~ <16 +6点
  • s8:16~ <36 +8点
  • s9:36~ <64 +9点
  • s12:64~ <100 +12点
  • S15:≧100 +15点

Inflammation/Infection (炎症/感染)

  • i0:局所の炎症徴候なし +0点
  • i1:局所の炎症徴候あり (創周囲の発赤・腫脹・熱感・疼痛) +1点
  • I3C:臨界的定着疑い [創面のぬめり(+)、 滲出液が多い。肉芽がある場合、 浮腫性で脆弱など] +3点
  • I3:局所の明かな感染徴候あり (炎症徴候、 膿、 悪臭など) +3点
  • I9:全身性影響あり (発熱など) +9点

Granulation (肉芽組織)

  • g0:創が治癒した、 創が浅い、 深部損傷褥瘡 (DTI) 疑い +0点
  • g1:良性肉芽が創面を占める割合: ≧90% +1点
  • g3:良性肉芽が創面を占める割合: 50%~ <90% +3点
  • G4:良性肉芽が創面を占める割合: 10%~ <50% +4点
  • G5:良性肉芽が創面を占める割合: <10% +5点
  • G6:良性肉芽の形成が全くない +6点

Necrotic tissue (壊死組織)

  • n0:壊死組織なし +0点
  • N3:柔らかい壊死組織あり +3点
  • N6:硬く厚い密着した壊死組織あり +6点

Pocket (ポケット)

  • p0:ポケットなし +0点
  • P6:<4 +6点
  • P9:4~ <16 +9点
  • P12:16~ <36 +12点
  • P24:≧36 +24点

評価

  • 0~66点で採点し、 点数が大きいほど重症度が高い
  • 各項目の重症度は小文字<大文字

使用上の注意点²⁾

Depth(深さ)

創の重症度を評価することはできるが重症度の改善の目安にはならないため、 評価の合計点には加えない。 

Exudate(滲出液)

ドレッシング材は種類によってかなり吸水力が異なるので、 ガーゼを貼付した時をイメージして重症度・点数の判定を行う。 

Size(大きさ)

褥瘡の大きさを測定する時には、 毎回同一体位で測定する必要がある。 また、 褥瘡にポケットがある場合は、 ポケット部位は測定せず、 肉眼的に外から見える部位だけを測定する。

Necrotic tissue (壊死組織)

壊死組織が混在している場合には、 全体的に多い病態をもって評価する。

Pocket (ポケット)

ポケットの大きさを測定する時には、 目視だけでは正確に測定することができないため、 ポケット部に鑷子や綿棒などを挿入し、 ポケットの大きさ・開口範囲を確認する必要がある。

参考文献

  1. 一般社団法人 日本褥瘡学会.  「改定DESIGN-R®︎2020」(参照2023-4-12)
  2. 一般社団法人 日本褥瘡学会. 「褥瘡状態評価スケール 改定DESIGN-R®︎2020 コンセンサス・ドキュメント」. 照林社, 2020, 30p
最終更新:2022年4月13日
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