カルボプラチンAUC投与量とは?
カルボプラチン投与量 (mg) = 目標AUC (mg/mL・分) × ( GFR [mL/分] + 25 )
- GFRに基づいてカルボプラチン投与量を決定する計算式で、 Calvert式と呼ばれる²⁾.
- 本ツールはCockcroft Gault式でGFR算出.
使用上の注意点
- 式内の「GFR+25」はカルボプラチンの総クリアランス、「GFR」は腎クリアランス、「定数25」は非腎クリアランスに相当²⁾.
- 非腎クリアランスは主に体格に依存²⁾.
- 日本人に対してCalvert式を用いる場合 (特に重度腎障害例) 、 GFRと比較し相対的に非腎クリアランスの割合が高くなるため、 カルボプラチン過量投与の可能性がある²⁾.
- 血清Cre値に0.2を加える方法や体表面積補正を外したeGFRの使用を推奨.
カルボプラチン投与量
がん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン2016よりカルボプラチン投与量を抜粋
- GFR >60:1回300~400mg/m²投与し、少なくとも4週間休薬. これを1クールとする.
- GFR ≦60:Calvertの式によって投与量を算出. 単独投与の場合、初回はAUC 7mg/ml・分を、繰り返し投与のときはAUC 4~5mg/ml・分目標に投与する. 透析患者のGFRは5~10を代入する.
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📘 がん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン2016
参考文献
- Calvert AH, Newell DR, Gumbrell LA, O'Reilly S, Burnell M, Boxall FE, Siddik ZH, Judson IR, Gore ME, Wiltshaw E. Carboplatin dosage: prospective evaluation of a simple formula based on renal function. J Clin Oncol. 1989 Nov;7(11):1748-56. doi: 10.1200/JCO.1989.7.11.1748. PMID: 2681557.
- 日本腎臓学会, 日本癌治療学会, 日本臨床腫瘍学会, 日本腎臓病薬物療法学会 編. 「がん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン2016」. ライフサイエンス出版, 2016, 46p
最終更新:2022年12月20日
監修医師:HOKUTO編集部医師