概要
計算
監修医師

NUTRIC/mNUTRICスコアとは?

2011年にDarenらにより開発された。 重症患者における栄養療法の恩恵を予測するために使用され、スコアが高くなるほど死亡率や人工呼吸器の使用期間が増加する¹⁾。

NUTrition Risk in the Critically illの略

計算方法

NUTRICスコアは下記6項目の合計点により算出される。 ただし、 IL-6値は測定可能な施設が限られているため、 それを除いた5項目で計算するmNUTRICスコアも使用される²⁾。

- 年齢

- APACHE Ⅱ  >>計算はこちら

- SOFA スコア >>計算はこちら

- 併存疾患の数

- 入院からICU入室までの日数

- IL-6値*

 *mNUTRICスコアでは項目から除外

スコアの解釈

NUTRICスコア

≦5点:低リスク

栄養不良のリスクは低い

≧6点:高リスク

死亡率や人工呼吸器管理期間の延長に繋がる。 栄養療法の恩恵を受けやすい
Crit Care. 2011;15(6):R268. PMID: 22085763より引用

mNUTIRCスコア

≦4点:低リスク

栄養不良のリスクは低い

≧5点:高リスク

死亡率や人工呼吸器管理期間の延長に繋がる。 栄養療法の恩恵を受けやすい
Clin Nutr. 2016;35(1):158-62. PMID: 25698099より引用

エビデンス

このスコアは、 597人の患者を対象にした前向き観察研究に基づいている。 このスコアと28日死亡率が相関関係にあることが示された¹⁾ 。 また、 他の研究では、 総計1199人の患者が分析され、 NUTRICスコアは28日死亡率と6ヶ月死亡率の両方と有意に関連していた。 NUTRICスコアの各ポイント増加につき、 28日の死亡のオッズが1.4倍 (95% CI:1.3 - 1.5) 増加した。 特に、 高いNUTRICスコアを持つ患者では栄養療法を適切に行うことと28日生存率及び6ヵ月生存率との間に強い正の関連があり、 この関連はNUTRICスコアが低いと減少することが示された²⁾。

使用上の注意点 

原著に併存疾患の定義はなされていない。 また、 経腸栄養を開始するタイミングを判断するためのものではない。

出典

1) Identifying critically ill patients who benefit the most from nutrition therapy: the development and initial validation of a novel risk assessment tool. Crit Care. 2011;15(6):R268. PMID: 22085763

2) Identifying critically-ill patients who will benefit most from nutritional therapy: Further validation of the "modified NUTRIC" nutritional risk assessment tool. Clin Nutr. 2016;35(1):158-62. PMID: 25698099

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🔢MUST 

 Malnutrition Universal Screening Tool

🔢NRS-2002 

 Nutritional Risk Screening 2002

🔢MST

 Malnutrition Screening Tool

🔢SNAQ

 Short Nutritional Assessment Questionnaire

栄養の予後予測指標

🔢CONUTスコア

 CONtrolling NUTritional status

🔢PNI

 Prognostic Nutritional Index

🔢GNRI

 Geriatric Nutritional Risk Index

🔢NUTRIC / mNUTRICスコア

 NUTrition Risk in the Critically ill

栄養関連指標

🔢Harris-Benedictの式 (BEE) / (TEE)

 基礎エネルギー消費量BEE、 総エネルギー消費量TEE

🔢NPC/N (非タンパクカロリー/窒素比)

 タンパク質合成効率の指標

🔢Maroniの式

 1日タンパク質摂取量の推算式

🔢窒素バランス

 窒素出納野計算式

🔢BMI

 肥満度を表す体格指数

最終更新:2024年7月21日
監修医師:HOKUTO編集部監修医師

NUTRIC / mNUTRICスコア
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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NUTRIC / mNUTRICスコア
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NUTrition Risk in the Critically illの略

計算方法

NUTRICスコアは下記6項目の合計点により算出される。 ただし、 IL-6値は測定可能な施設が限られているため、 それを除いた5項目で計算するmNUTRICスコアも使用される²⁾。

- 年齢

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- 併存疾患の数

- 入院からICU入室までの日数

- IL-6値*

 *mNUTRICスコアでは項目から除外

スコアの解釈

NUTRICスコア

≦5点:低リスク

栄養不良のリスクは低い

≧6点:高リスク

死亡率や人工呼吸器管理期間の延長に繋がる。 栄養療法の恩恵を受けやすい
Crit Care. 2011;15(6):R268. PMID: 22085763より引用

mNUTIRCスコア

≦4点:低リスク

栄養不良のリスクは低い

≧5点:高リスク

死亡率や人工呼吸器管理期間の延長に繋がる。 栄養療法の恩恵を受けやすい
Clin Nutr. 2016;35(1):158-62. PMID: 25698099より引用

エビデンス

このスコアは、 597人の患者を対象にした前向き観察研究に基づいている。 このスコアと28日死亡率が相関関係にあることが示された¹⁾ 。 また、 他の研究では、 総計1199人の患者が分析され、 NUTRICスコアは28日死亡率と6ヶ月死亡率の両方と有意に関連していた。 NUTRICスコアの各ポイント増加につき、 28日の死亡のオッズが1.4倍 (95% CI:1.3 - 1.5) 増加した。 特に、 高いNUTRICスコアを持つ患者では栄養療法を適切に行うことと28日生存率及び6ヵ月生存率との間に強い正の関連があり、 この関連はNUTRICスコアが低いと減少することが示された²⁾。

使用上の注意点 

原著に併存疾患の定義はなされていない。 また、 経腸栄養を開始するタイミングを判断するためのものではない。

出典

1) Identifying critically ill patients who benefit the most from nutrition therapy: the development and initial validation of a novel risk assessment tool. Crit Care. 2011;15(6):R268. PMID: 22085763

2) Identifying critically-ill patients who will benefit most from nutritional therapy: Further validation of the "modified NUTRIC" nutritional risk assessment tool. Clin Nutr. 2016;35(1):158-62. PMID: 25698099

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