概要
計算
監修医師

TS-1®︎の初回投与量 (A-F法)

癌腫ごとにA~F法のいずれかが適応となる。

胃癌         : A法、 B法、 C法
結腸・直腸癌       : A法、 C法、 D法
頭頸部癌       : A法
非小細胞肺癌     : A法、 B法、 C法
手術不能・再発乳癌 : A法
膵癌         : A法、 C法
胆道癌        : A法、 E法、 F法
ティーエスワン®︎配合OD錠添付文書2023年9月改訂を基に作表

A法 (胃癌、 結腸・直腸癌、 頭頸部癌、 非小細胞肺癌、 手術不能・再発乳癌、 膵癌、 胆道癌)

朝食後・夕食後の1日2回、 28日間連日経口投与、 その後14日間休薬を1クールとして繰り返す。

- 体表面積<1.25m² : 40mg/回
- 1.25m²≦  <1.5m² : 50mg/回
- 1.5m²≦体表面積  : 60mg/回
患者の状態により適宜増減する。 増量は本剤の投与によると判断される臨床検査値異常 (血液検査、 肝・腎機能検査) 及び消化器症状が発現せず、 安全性に問題がなく、 増量できると判断される場合に初回基準量から一段階までとし、 75mg/回を限度とする。

B法 (胃癌、 非小細胞肺癌)

朝食後・夕食後の1日2回、 21日間連日経口投与、 その後14日間休薬を1クールとして繰り返す。

- 体表面積<1.25m² : 40mg/回
- 1.25m²≦  <1.5m² : 50mg/回
- 1.5m²≦体表面積  : 60mg/回
患者の状態により適宜増減する。

C法 (胃癌、 結腸・直腸癌、 非小細胞肺癌、 膵癌)

朝食後・夕食後の1日2回、 14日間連日経口投与、 その後7日間休薬を1クールとして繰り返す。

- 体表面積<1.25m² : 40mg/回
- 1.25m²≦  <1.5m² : 50mg/回
- 1.5m²≦体表面積  : 60mg/回
患者の状態により適宜増減する。

D法 (結腸・直腸癌)

朝食後・夕食後の1日2回、 14日間連日経口投与、 その後14日間休薬を1クールとして繰り返す。

- 体表面積<1.25m² : 40mg/回
- 1.25m²≦  <1.5m² : 50mg/回
- 1.5m²≦体表面積  : 60mg/回
患者の状態により適宜増減する。

E法 (胆道癌)

朝食後・夕食後の1日2回、 7日間連日経口投与、 その後7日間休薬を1クールとして繰り返す。

- 体表面積<1.25m² : 40mg/回
- 1.25m²≦  <1.5m² : 50mg/回
- 1.5m²≦体表面積  : 60mg/回
患者の状態により適宜増減する。

F法 (胆道癌)

朝食後・夕食後の1日2回、 14日間連日経口投与、 その後7日間休薬を1クールとして繰り返す。

- 体表面積<1.25m² : 朝40mg/回、 夕20mg/回
- 1.25m²≦  <1.5m² : 40mg/回
- 1.5m²≦体表面積  : 50mg/回
患者の状態により適宜増減する。

 ⬇

腎機能に応じ初回基準量を調節

体表面積から初回基準量を設定し、 腎機能 (クレアチニンクリアランス [CrCl]) を考慮した上で初回基準量を調節する。 投与開始量は、 クレアチニンクリアランス (実測値あるいは推定値) だけで定まるものではなく、 患者の状態によっては80mL/min以上の症例であっても減量が必要な場合もある²⁾。

‐ CrCl ≧80 : 初回基準量
‐ 60≦  <80 : 必要に応じ1段階減量
‐ 30≦  <60 : 原則として1段階以上の減量
  *30≦ <40であれば2段階減量が望ましい
‐CrCl <30 : 投与不可
大鵬薬品 -医療関係者向け情報. 適正使用ガイド | TS-1 ティーエスワン®総合情報サイトからの引用

TS-1®︎の適応と初回投与量 (ホルモン受容体陽性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術後薬物療法)

内分泌療法剤との併用において、 通常、 成人には次の投与量を朝食後及び夕食後の1日2回、 14日間連日経口投与し、 その後7日間休薬する。 これを1クールとして最長1年間、 投与を繰り返す。 なお、 患者の状態により適宜増減する。 初回基準量を超える増量は行わないこと。

- 体表面積<1.25m² : 40mg/回
- 1.25m²≦  <1.5m² : 50mg/回
- 1.5m²≦体表面積  : 60mg/回

    ⬇

腎機能に応じ初回基準量を調節

体表面積から初回基準量を設定し、 腎機能 (クレアチニンクリアランス [CrCl]) を考慮した上で初回基準量を調節する。 クレアチニンクリアランスが50mL/min未満の有効性及び安全性は確立していない。

- 体表面積<1.25m² : 朝40mg/回、夕20mg/回
- 1.25m²≦  <1.5m² : 40mg/回
- 1.5m²≦体表面積  : 50mg/回
患者の状態により適宜増減する。

使用上の注意点

本ツールにおいて、 体表面積の算出には化学療法時の算出に望ましいとされるDu Bois式³⁾を用いている。

体表面積 (Du Bois式) = 体重^0.425 x 身長^0.725 x 0.007184

関連コンテンツ

💊 ティーエスワン配合OD錠 / カプセル /顆粒

🔢 BSA (体表面積)

🔢 クレアチニンクリアランスの推算式

参考文献

  1. ティーエスワン®︎配合OD錠 添付文書 2023年9月改訂(第3版) [最終確認 : 2023/11/16]
  2. 大鵬薬品 -医療関係者向け情報. 適正使用ガイド | TS-1 ティーエスワン®総合情報サイト [最終確認 : 2023/11/16]
  3. A formula to estimate the approximate surface area if height and weight be known. Arch Intern Med 1916;17:863-71.

最終更新 : 2023年11月16日
監修医師 : HOKUTO編集部医師

S-1の投与量計算
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
S-1の投与量計算
S-1の投与量計算

S-1の投与量計算

体表面積による初回基準量の計算
2024年02月09日更新
概要
計算

TS-1®︎の初回投与量 (A-F法)

癌腫ごとにA~F法のいずれかが適応となる。

胃癌         : A法、 B法、 C法
結腸・直腸癌       : A法、 C法、 D法
頭頸部癌       : A法
非小細胞肺癌     : A法、 B法、 C法
手術不能・再発乳癌 : A法
膵癌         : A法、 C法
胆道癌        : A法、 E法、 F法
ティーエスワン®︎配合OD錠添付文書2023年9月改訂を基に作表

A法 (胃癌、 結腸・直腸癌、 頭頸部癌、 非小細胞肺癌、 手術不能・再発乳癌、 膵癌、 胆道癌)

朝食後・夕食後の1日2回、 28日間連日経口投与、 その後14日間休薬を1クールとして繰り返す。

- 体表面積<1.25m² : 40mg/回
- 1.25m²≦  <1.5m² : 50mg/回
- 1.5m²≦体表面積  : 60mg/回
患者の状態により適宜増減する。 増量は本剤の投与によると判断される臨床検査値異常 (血液検査、 肝・腎機能検査) 及び消化器症状が発現せず、 安全性に問題がなく、 増量できると判断される場合に初回基準量から一段階までとし、 75mg/回を限度とする。

B法 (胃癌、 非小細胞肺癌)

朝食後・夕食後の1日2回、 21日間連日経口投与、 その後14日間休薬を1クールとして繰り返す。

- 体表面積<1.25m² : 40mg/回
- 1.25m²≦  <1.5m² : 50mg/回
- 1.5m²≦体表面積  : 60mg/回
患者の状態により適宜増減する。

C法 (胃癌、 結腸・直腸癌、 非小細胞肺癌、 膵癌)

朝食後・夕食後の1日2回、 14日間連日経口投与、 その後7日間休薬を1クールとして繰り返す。

- 体表面積<1.25m² : 40mg/回
- 1.25m²≦  <1.5m² : 50mg/回
- 1.5m²≦体表面積  : 60mg/回
患者の状態により適宜増減する。

D法 (結腸・直腸癌)

朝食後・夕食後の1日2回、 14日間連日経口投与、 その後14日間休薬を1クールとして繰り返す。

- 体表面積<1.25m² : 40mg/回
- 1.25m²≦  <1.5m² : 50mg/回
- 1.5m²≦体表面積  : 60mg/回
患者の状態により適宜増減する。

E法 (胆道癌)

朝食後・夕食後の1日2回、 7日間連日経口投与、 その後7日間休薬を1クールとして繰り返す。

- 体表面積<1.25m² : 40mg/回
- 1.25m²≦  <1.5m² : 50mg/回
- 1.5m²≦体表面積  : 60mg/回
患者の状態により適宜増減する。

F法 (胆道癌)

朝食後・夕食後の1日2回、 14日間連日経口投与、 その後7日間休薬を1クールとして繰り返す。

- 体表面積<1.25m² : 朝40mg/回、 夕20mg/回
- 1.25m²≦  <1.5m² : 40mg/回
- 1.5m²≦体表面積  : 50mg/回
患者の状態により適宜増減する。

 ⬇

腎機能に応じ初回基準量を調節

体表面積から初回基準量を設定し、 腎機能 (クレアチニンクリアランス [CrCl]) を考慮した上で初回基準量を調節する。 投与開始量は、 クレアチニンクリアランス (実測値あるいは推定値) だけで定まるものではなく、 患者の状態によっては80mL/min以上の症例であっても減量が必要な場合もある²⁾。

‐ CrCl ≧80 : 初回基準量
‐ 60≦  <80 : 必要に応じ1段階減量
‐ 30≦  <60 : 原則として1段階以上の減量
  *30≦ <40であれば2段階減量が望ましい
‐CrCl <30 : 投与不可
大鵬薬品 -医療関係者向け情報. 適正使用ガイド | TS-1 ティーエスワン®総合情報サイトからの引用

TS-1®︎の適応と初回投与量 (ホルモン受容体陽性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術後薬物療法)

内分泌療法剤との併用において、 通常、 成人には次の投与量を朝食後及び夕食後の1日2回、 14日間連日経口投与し、 その後7日間休薬する。 これを1クールとして最長1年間、 投与を繰り返す。 なお、 患者の状態により適宜増減する。 初回基準量を超える増量は行わないこと。

- 体表面積<1.25m² : 40mg/回
- 1.25m²≦  <1.5m² : 50mg/回
- 1.5m²≦体表面積  : 60mg/回

    ⬇

腎機能に応じ初回基準量を調節

体表面積から初回基準量を設定し、 腎機能 (クレアチニンクリアランス [CrCl]) を考慮した上で初回基準量を調節する。 クレアチニンクリアランスが50mL/min未満の有効性及び安全性は確立していない。

- 体表面積<1.25m² : 朝40mg/回、夕20mg/回
- 1.25m²≦  <1.5m² : 40mg/回
- 1.5m²≦体表面積  : 50mg/回
患者の状態により適宜増減する。

使用上の注意点

本ツールにおいて、 体表面積の算出には化学療法時の算出に望ましいとされるDu Bois式³⁾を用いている。

体表面積 (Du Bois式) = 体重^0.425 x 身長^0.725 x 0.007184

関連コンテンツ

💊 ティーエスワン配合OD錠 / カプセル /顆粒

🔢 BSA (体表面積)

🔢 クレアチニンクリアランスの推算式

参考文献

  1. ティーエスワン®︎配合OD錠 添付文書 2023年9月改訂(第3版) [最終確認 : 2023/11/16]
  2. 大鵬薬品 -医療関係者向け情報. 適正使用ガイド | TS-1 ティーエスワン®総合情報サイト [最終確認 : 2023/11/16]
  3. A formula to estimate the approximate surface area if height and weight be known. Arch Intern Med 1916;17:863-71.

最終更新 : 2023年11月16日
監修医師 : HOKUTO編集部医師

こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師

各領域の第一線の専門医が複数在籍

最新トピックに関する独自記事を配信中

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

表・計算

臨床支援アプリHOKUTOでご利用いただける医療計算ツールのご紹介