概要
計算
監修医師

血中NH₃濃度の換算とは?

換算係数 (血漿、酵素法血漿)

従来単位のμg/dLから、 SI単位であるμmol/Lへの換算係数は【0.5872】である¹⁾。

参考基準値 

酵素法での成人参考基準値は以下の通り²⁾。

 血漿アンモニア濃度:15~80μg/dL
(血漿アンモニア濃度:9~47μmol/L)

なお、 男女間で差は見られず、 新生児や小児ではやや高値になる³⁾。

使用上の注意点

基準値について

基準値は検査対象の母集団によって変わるため、 各施設、 各検査室での設定が望ましく、 あくまで参考所見とすること。

アンモニア窒素の場合

アンモニア窒素(μg/dL)の場合、 アンモニア(μmol/L)への換算係数は【0.714¹⁾】、 成人参考基準値は【12~66μg/dL²⁾】となる。 試薬によっては、 アンモニア窒素濃度で表示される場合があるため施設ごとで確認を要する。

参考:高アンモニア血症の鑑別

成人の場合

検体取り扱い不良が原因としては多いが、 その他の疾患や薬剤として以下が挙げられる。

・肝機能異常
・肝機能異常を伴わないシャント
 (非肝硬変性門脈-大静脈シャント)
・てんかん発作後
 (尿素回路が回らなくなるためとされる)
・成人シトルリン血症 (シトリン欠損症)
・薬剤:バルプロ酸、αGI、5-FUなど
・ウレアーゼ産生菌による尿路閉塞
・消化管出血
・多発性骨髄腫
・尿素サイクル異常症 など

小児、新生児の場合

新生児ではアンモニア値が200μg/dL以上、 乳児期以降では100μg/dL以上の場合、 先天代謝異常症を考慮する。

アンモニア値(NH3)の換算ツール
OTC:オルニチントランスカルバミラーゼ
CPS1:カルバミルリン酸合成酵素1
NAGS:N-アセチルグルタミン酸合成酵素
監修医提供

先天性代謝異常症のフローチャート

アンモニア値(NH3)の換算ツール
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尿素サイクル異常症は代謝性アシドーシスを伴わないとされるが、 実際にはアシドーシスを伴う症例もよく経験される。 また、 有機酸代謝異常症でも二次的に高アンモニア血症をきたす。 アンモニア値で尿素サイクル異常症との鑑別は不可能であり、 尿中有機酸が有用である。

参考文献

1) 大場 康寛 他. 計量単位の統一化―SI単位の理解と利用. 臨床検査 38巻 10号 pp. 1236-1238 (1994)

2) 金井 正光 (監). 臨床検査法提要 改訂第35版, 金原出版 (2020)

3) 大西 宏明 (編). 臨床検査ガイド 2020年改訂版, 文光堂 (2021)

最終更新:2023年4月17日
監修医師:千葉県こども病院
遺伝診療センター センター長 村山圭先生

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換算係数 (血漿、酵素法血漿)

従来単位のμg/dLから、 SI単位であるμmol/Lへの換算係数は【0.5872】である¹⁾。

参考基準値 

酵素法での成人参考基準値は以下の通り²⁾。

 血漿アンモニア濃度:15~80μg/dL
(血漿アンモニア濃度:9~47μmol/L)

なお、 男女間で差は見られず、 新生児や小児ではやや高値になる³⁾。

使用上の注意点

基準値について

基準値は検査対象の母集団によって変わるため、 各施設、 各検査室での設定が望ましく、 あくまで参考所見とすること。

アンモニア窒素の場合

アンモニア窒素(μg/dL)の場合、 アンモニア(μmol/L)への換算係数は【0.714¹⁾】、 成人参考基準値は【12~66μg/dL²⁾】となる。 試薬によっては、 アンモニア窒素濃度で表示される場合があるため施設ごとで確認を要する。

参考:高アンモニア血症の鑑別

成人の場合

検体取り扱い不良が原因としては多いが、 その他の疾患や薬剤として以下が挙げられる。

・肝機能異常
・肝機能異常を伴わないシャント
 (非肝硬変性門脈-大静脈シャント)
・てんかん発作後
 (尿素回路が回らなくなるためとされる)
・成人シトルリン血症 (シトリン欠損症)
・薬剤:バルプロ酸、αGI、5-FUなど
・ウレアーゼ産生菌による尿路閉塞
・消化管出血
・多発性骨髄腫
・尿素サイクル異常症 など

小児、新生児の場合

新生児ではアンモニア値が200μg/dL以上、 乳児期以降では100μg/dL以上の場合、 先天代謝異常症を考慮する。

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尿素サイクル異常症は代謝性アシドーシスを伴わないとされるが、 実際にはアシドーシスを伴う症例もよく経験される。 また、 有機酸代謝異常症でも二次的に高アンモニア血症をきたす。 アンモニア値で尿素サイクル異常症との鑑別は不可能であり、 尿中有機酸が有用である。

参考文献

1) 大場 康寛 他. 計量単位の統一化―SI単位の理解と利用. 臨床検査 38巻 10号 pp. 1236-1238 (1994)

2) 金井 正光 (監). 臨床検査法提要 改訂第35版, 金原出版 (2020)

3) 大西 宏明 (編). 臨床検査ガイド 2020年改訂版, 文光堂 (2021)

最終更新:2023年4月17日
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遺伝診療センター センター長 村山圭先生

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