概要
計算
監修医師

Crohn病の診断基準とは?

厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」(久松班)による潰瘍性大腸炎・クローン病診断基準・治療指針 令和3年改訂版に記載されている診断基準 (2022年3月改訂)は以下の通りである。

診断基準 (2022年3月改訂) より

Crohn病の診断基準
確診例は以下のいずれかを満たすもの
  1. 主要所見のAまたはBを有する*⁶
  2. 主要所見のCと副所見のaまたはbを有する
  3. 副所見のa、b、cすべてを有する
疑診例は以下のいずれかを満たすもの
  1. 主要所見のCと副所見のcを有する
  2. 主要所見のAまたはBを有するが潰瘍性大腸炎や腸管型ベーチェット病、 単純性潰瘍、 虚血性腸病変と鑑別ができないもの
  3. 主要所見のCのみを有する
  4. 副所見のいずれか2つまたは1つのみ有する
 

*所見および診断基準における注意事項

  1. 腸管の長軸方向に沿った潰瘍で、 小腸の場合は、 腸間膜付着側に好発する。 典型的には4~5cm以上の長さを有するが、 長さは必須ではない。
  2. 連続切片作成により診断率が向上する。 消化管に精通した病理医の判定が望ましい。
  3. 消化管の広範囲とは病変の分布が解剖学的に複数の臓器すなわち上部消化管 (食道、 胃、 十二指腸)、 小腸および大腸のうち2臓器以上にわたる場合を意味する。 典型的には縦列するが、 縦列しない場合もある。 また、 3ヶ月以上恒存することが必要である。 なお、 カプセル内視鏡所見では、 十二指腸・小腸においてKerckring襞上に輪状に多発する場合もある。 腸結核、 腸管型ベーチェット病、 単純性潰瘍、 NSAIDs潰瘍、 感染性腸炎の除外が必要である。
  4. 裂肛、 cavitating ulcer、 痔瘻、 肛門周囲膿瘍、 浮腫状皮垂など。 「クローン病肛門病変のすべて」 を参考にし、 クローン病に精通した肛門病専門医による診断が望ましい。
  5. 竹の節状外観、 ノッチ様陥凹など。 クローン病に精通した専門医の診断が望ましい。
  6. 縦走潰瘍のみの場合、 虚血性腸病変や潰瘍性大腸炎を除外することが必要である。 敷石像のみの場合、 虚血性腸病変や4型大腸癌を除外することが必要である。

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クローン病

🔢Crohn病の診断基準

🔢Crohn病の重症度分類

🔢CDAI (クローン病)

🔢IOIBDスコア

炎症性腸疾患

🔢潰瘍性大腸炎の診断基準

🔢臨床的重症度による分類

🔢活動期内視鏡所見による分類

🔢Mayoスコア (重症度分類)

参考文献

難治性炎症性腸管障害に関する調査研究(久松班). 令和3年度分担研究報告書. 潰瘍性大腸炎・クローン病 診断基準・治療指針 令和3年度 改訂版

  
最終更新:2023年1月21日
監修医師:HOKUTO編集部監修医師

Crohn病の診断基準
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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診断基準・治療指針 令和3年度改訂版より
2023年11月07日更新
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厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」(久松班)による潰瘍性大腸炎・クローン病診断基準・治療指針 令和3年改訂版に記載されている診断基準 (2022年3月改訂)は以下の通りである。

診断基準 (2022年3月改訂) より

Crohn病の診断基準
確診例は以下のいずれかを満たすもの
  1. 主要所見のAまたはBを有する*⁶
  2. 主要所見のCと副所見のaまたはbを有する
  3. 副所見のa、b、cすべてを有する
疑診例は以下のいずれかを満たすもの
  1. 主要所見のCと副所見のcを有する
  2. 主要所見のAまたはBを有するが潰瘍性大腸炎や腸管型ベーチェット病、 単純性潰瘍、 虚血性腸病変と鑑別ができないもの
  3. 主要所見のCのみを有する
  4. 副所見のいずれか2つまたは1つのみ有する
 

*所見および診断基準における注意事項

  1. 腸管の長軸方向に沿った潰瘍で、 小腸の場合は、 腸間膜付着側に好発する。 典型的には4~5cm以上の長さを有するが、 長さは必須ではない。
  2. 連続切片作成により診断率が向上する。 消化管に精通した病理医の判定が望ましい。
  3. 消化管の広範囲とは病変の分布が解剖学的に複数の臓器すなわち上部消化管 (食道、 胃、 十二指腸)、 小腸および大腸のうち2臓器以上にわたる場合を意味する。 典型的には縦列するが、 縦列しない場合もある。 また、 3ヶ月以上恒存することが必要である。 なお、 カプセル内視鏡所見では、 十二指腸・小腸においてKerckring襞上に輪状に多発する場合もある。 腸結核、 腸管型ベーチェット病、 単純性潰瘍、 NSAIDs潰瘍、 感染性腸炎の除外が必要である。
  4. 裂肛、 cavitating ulcer、 痔瘻、 肛門周囲膿瘍、 浮腫状皮垂など。 「クローン病肛門病変のすべて」 を参考にし、 クローン病に精通した肛門病専門医による診断が望ましい。
  5. 竹の節状外観、 ノッチ様陥凹など。 クローン病に精通した専門医の診断が望ましい。
  6. 縦走潰瘍のみの場合、 虚血性腸病変や潰瘍性大腸炎を除外することが必要である。 敷石像のみの場合、 虚血性腸病変や4型大腸癌を除外することが必要である。

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🔢臨床的重症度による分類

🔢活動期内視鏡所見による分類

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参考文献

難治性炎症性腸管障害に関する調査研究(久松班). 令和3年度分担研究報告書. 潰瘍性大腸炎・クローン病 診断基準・治療指針 令和3年度 改訂版

  
最終更新:2023年1月21日
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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