ROMAとは、 2009年にMoore RGらにより開発された骨盤内腫瘤を有する女性における上皮性卵巣癌のリスクを評価するための予測モデルである。 従来のCA125単独では感度や特異度が不十分であったため、 HE4とCA125の2つのバイオマーカーを組み合わせることで、 診断精度を向上させることを目的としたものである¹⁾²⁾。
18歳以上の女性で、 付属器腫瘤を有し手術が予定されている患者を対象とする。 術前のリスク評価のために使用され、 スクリーニング目的には適さない。
閉経状態別に predictive index (PI) を計算し、 その後 logistic変換してROMA値を計算する
閉経前のPI
PI = -12.0 + 2.38 × ln(HE4) + 0.0626 × ln(CA125)
閉経後のPI
PI = -8.09 + 1.04 × ln(HE4) + 0.732 × ln(CA125)
ROMA値
ROMA = exp(PI)/{1+exp(PI)}×100
カットオフ値は測定系により異なる。
Abbott Architect
閉経前≧7.4%、 閉経後≧25.3%で高リスク
Roche Elecsys
閉経前≧11.4%、 閉経後≧29.9%で高リスク
初回報告となった2009年の報告では、 12施設531名を対象とした前向き多施設試験が実施された。 卵巣癌患者の93.8%が高リスク群に正しく分類され、 感度と特異度の両面で優れた性能が示された¹⁾。
2010年の報告では、 ROMAとRMIの比較が行われた。 特異度75%の条件下で、 ROMAの感度は94.3%であり、 RMIの84.6%を上回った²⁾。
2019年のDochez らによるレビューでは、 ROMA、 HE4、 CA125、 RMIの診断精度が比較検討された³⁾。 複数の研究データを統合したメタアナリシスでは、 ROMAのAUC は0.91で、 HE4の0.89及びCA125の0.87より優れていた⁴⁾。 さらに2016年の別のメタアナリシスではROMAのAUCは0.921と高い値が示され、 特に早期卵巣癌の検出においてCA125やHE4を上回る優位性が認められた⁵⁾。
日本人319名を対象とした2015年の検討では、 ROMAはType I/II上皮性卵巣癌の両方で最良の診断能を示した⁶⁾。 さらに2023年の463名の日本人患者を対象とした研究では、 ROMAのAUCは0.89であり、 CA125 (0.82) より有意に高いことが確認された⁷⁾。
ROMAは18歳以上の付属器腫瘤を有する女性の術前リスク評価のみに適用される。 スクリーニング目的や無症状女性の検査には使用できない。
HE4とCA125の測定系により、 同じROMA値でも臨床的な意味が異なる可能性がある。 Abbott Architectとヨーロッパで一般的なRoche Elecsysでカットオフ値が異なることに注意が必要である。
境界悪性腫瘍では感度が低下することが知られている。 ROMA値が低リスクでも、 臨床的判断により追加精査が必要となることがある。
ACOGおよびSGOは、 付属器腫瘤の術前リスク評価にROMAの使用を推奨している。 しかし、 ROMAはあくまで補助的な判断ツールであり、 最終的な治療方針は画像検査、 臨床症状、 患者背景を総合的に判断して決定すべきである。
最終更新日 : 2026年4月8日
監修医師 : HOKUTO編集部監修医師
ROMAとは、 2009年にMoore RGらにより開発された骨盤内腫瘤を有する女性における上皮性卵巣癌のリスクを評価するための予測モデルである。 従来のCA125単独では感度や特異度が不十分であったため、 HE4とCA125の2つのバイオマーカーを組み合わせることで、 診断精度を向上させることを目的としたものである¹⁾²⁾。
18歳以上の女性で、 付属器腫瘤を有し手術が予定されている患者を対象とする。 術前のリスク評価のために使用され、 スクリーニング目的には適さない。
閉経状態別に predictive index (PI) を計算し、 その後 logistic変換してROMA値を計算する
閉経前のPI
PI = -12.0 + 2.38 × ln(HE4) + 0.0626 × ln(CA125)
閉経後のPI
PI = -8.09 + 1.04 × ln(HE4) + 0.732 × ln(CA125)
ROMA値
ROMA = exp(PI)/{1+exp(PI)}×100
カットオフ値は測定系により異なる。
Abbott Architect
閉経前≧7.4%、 閉経後≧25.3%で高リスク
Roche Elecsys
閉経前≧11.4%、 閉経後≧29.9%で高リスク
初回報告となった2009年の報告では、 12施設531名を対象とした前向き多施設試験が実施された。 卵巣癌患者の93.8%が高リスク群に正しく分類され、 感度と特異度の両面で優れた性能が示された¹⁾。
2010年の報告では、 ROMAとRMIの比較が行われた。 特異度75%の条件下で、 ROMAの感度は94.3%であり、 RMIの84.6%を上回った²⁾。
2019年のDochez らによるレビューでは、 ROMA、 HE4、 CA125、 RMIの診断精度が比較検討された³⁾。 複数の研究データを統合したメタアナリシスでは、 ROMAのAUC は0.91で、 HE4の0.89及びCA125の0.87より優れていた⁴⁾。 さらに2016年の別のメタアナリシスではROMAのAUCは0.921と高い値が示され、 特に早期卵巣癌の検出においてCA125やHE4を上回る優位性が認められた⁵⁾。
日本人319名を対象とした2015年の検討では、 ROMAはType I/II上皮性卵巣癌の両方で最良の診断能を示した⁶⁾。 さらに2023年の463名の日本人患者を対象とした研究では、 ROMAのAUCは0.89であり、 CA125 (0.82) より有意に高いことが確認された⁷⁾。
ROMAは18歳以上の付属器腫瘤を有する女性の術前リスク評価のみに適用される。 スクリーニング目的や無症状女性の検査には使用できない。
HE4とCA125の測定系により、 同じROMA値でも臨床的な意味が異なる可能性がある。 Abbott Architectとヨーロッパで一般的なRoche Elecsysでカットオフ値が異なることに注意が必要である。
境界悪性腫瘍では感度が低下することが知られている。 ROMA値が低リスクでも、 臨床的判断により追加精査が必要となることがある。
ACOGおよびSGOは、 付属器腫瘤の術前リスク評価にROMAの使用を推奨している。 しかし、 ROMAはあくまで補助的な判断ツールであり、 最終的な治療方針は画像検査、 臨床症状、 患者背景を総合的に判断して決定すべきである。
最終更新日 : 2026年4月8日
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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