概要
計算
監修医師

CARG-BC スコアとは?

2021年にAlison MagnusonとMina S. Sedrakらによって開発された、 65歳以上の早期乳がん患者が化学療法によるNCI CTCAE v 4.0 Grade3-5の毒性の発症を予測するためのスコアである¹⁾。

CARG-BC:Cancer and Aging Research Group - Breast Cancer
NCI-CTCAE:National Cancer Institute Common Terminology Criteria for Adverse Events

スコアの計算方法

以下の項目の合計点で計算される。
  • 乳がんのStage IIまたはIII(3点)
Stageはアジュバンド療法を受けた患者の病理学的病期分類もしくはネオアジュバント療法を受けた患者の臨床病期分類を反映する
  • アントラサイクリンの使用が予定されている(1点)
  • 治療期間が3ヶ月より長く予定されている(4点)
  • 肝機能障害 (3点)
肝機能障害の定義は施設ごとの正常値の範囲内かどうか
  • Hb低下(3点)
女性はHb<12g/dl、 男性はHb<13g/dL
  • 6ヶ月以内の1回以上の転倒歴 (4点)
  • 1 mile以上の歩行に制限あり (3点)
  • 危機に対する助言を提供する人が全くもしくは僅かにしか提供されない (3点)

リスク分類 (有害事象の発生率)

  • ≦5点:低リスク (27%)
  • 6-11点:中リスク (45%)
  • ≧12点:高リスク (76%)

エビデンス¹⁾

CARG-BCスコアは、 米国で実施された前向き研究に基づいて開発および検証された。 開発コホートには283人、 検証コホートには190人が含まれた。 研究結果によれば、 全体の46%がCTCAE Grade3-5の化学療法の有害事象を経験した。 開発コホートのAUCは0.75 (95%CI, 0.70-0.81) 、 検証コホートのAUCは0.69 (95%CI, 0.62-0.77) であった。 リスクグループ別のCTCAE Grade3-5の有害事象発生率は、 開発コホートでは低リスク19%、 中リスク54%、 高リスク87%、 検証コホートでは低リスク27%、 中リスク45%、 高リスク76%であった¹⁾。

使用上の注意点

  • このツールは65歳以上の早期乳がん患者を対象としているため、 他の年齢層やがん種には適用できない¹⁾。

参考文献

1) Development and Validation of a Risk Tool for Predicting Severe Toxicity in Older Adults Receiving Chemotherapy for Early-Stage Breast Cancer. J Clin Oncol. 2021 Feb 20;39 (6):608-618. PMID: 33444080

最終更新日 : 2024年6月2日
監修医師 : HOKUTO編集部監修医師

CARG-BCスコア
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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CARG-BCスコア
CARG-BCスコア

CARG-BCスコア

65歳以上の早期乳がん患者における化学療法の有害事象予測
2024年06月13日更新
概要
計算

CARG-BC スコアとは?

2021年にAlison MagnusonとMina S. Sedrakらによって開発された、 65歳以上の早期乳がん患者が化学療法によるNCI CTCAE v 4.0 Grade3-5の毒性の発症を予測するためのスコアである¹⁾。

CARG-BC:Cancer and Aging Research Group - Breast Cancer
NCI-CTCAE:National Cancer Institute Common Terminology Criteria for Adverse Events

スコアの計算方法

以下の項目の合計点で計算される。
  • 乳がんのStage IIまたはIII(3点)
Stageはアジュバンド療法を受けた患者の病理学的病期分類もしくはネオアジュバント療法を受けた患者の臨床病期分類を反映する
  • アントラサイクリンの使用が予定されている(1点)
  • 治療期間が3ヶ月より長く予定されている(4点)
  • 肝機能障害 (3点)
肝機能障害の定義は施設ごとの正常値の範囲内かどうか
  • Hb低下(3点)
女性はHb<12g/dl、 男性はHb<13g/dL
  • 6ヶ月以内の1回以上の転倒歴 (4点)
  • 1 mile以上の歩行に制限あり (3点)
  • 危機に対する助言を提供する人が全くもしくは僅かにしか提供されない (3点)

リスク分類 (有害事象の発生率)

  • ≦5点:低リスク (27%)
  • 6-11点:中リスク (45%)
  • ≧12点:高リスク (76%)

エビデンス¹⁾

CARG-BCスコアは、 米国で実施された前向き研究に基づいて開発および検証された。 開発コホートには283人、 検証コホートには190人が含まれた。 研究結果によれば、 全体の46%がCTCAE Grade3-5の化学療法の有害事象を経験した。 開発コホートのAUCは0.75 (95%CI, 0.70-0.81) 、 検証コホートのAUCは0.69 (95%CI, 0.62-0.77) であった。 リスクグループ別のCTCAE Grade3-5の有害事象発生率は、 開発コホートでは低リスク19%、 中リスク54%、 高リスク87%、 検証コホートでは低リスク27%、 中リスク45%、 高リスク76%であった¹⁾。

使用上の注意点

  • このツールは65歳以上の早期乳がん患者を対象としているため、 他の年齢層やがん種には適用できない¹⁾。

参考文献

1) Development and Validation of a Risk Tool for Predicting Severe Toxicity in Older Adults Receiving Chemotherapy for Early-Stage Breast Cancer. J Clin Oncol. 2021 Feb 20;39 (6):608-618. PMID: 33444080

最終更新日 : 2024年6月2日
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