ICHD-3 (The International Classification of Headache Disorders 3rd:国際頭痛分類委員会 第3版)で公開された診断基準が最もよく利用される。 なお、 2013年ICHD-3β、 2018年にICHD-3βに修正を加えたICHD-3が公開された¹⁾。
*¹ 1回あるいは数回の片頭痛発作を症候性の片頭痛様頭痛発作と鑑別することは時に困難であると考えられる。 また、 1回あるいは数回の頭痛発作では特徴を把握することが難しい場合もある。 したがって、 発作を5回以上経験していることを診断の要件とした。 発作回数が5回未満の例は、 それ以外の「前兆のない片頭痛」の診断基準を満たしていても、 「前兆のない片頭痛の疑い」にコード化すべきである。
*² 片頭痛発作中に入眠してしまい、 目覚めたときには頭痛を認めない患者では、 発作の持続時間を目覚めた時刻までとみなす。
*³ 小児および思春期 (18歳未満) では、 片頭痛発作の持続時間は、 2~72時間としてよいかもしれない (小児においては未治療時の発作持続時間が2時間未満でありうることのエビデンスは未だ立証されていない)。
*¹ 例えば、 1回の前兆の間に3つの症状が出現する場合には、 前兆の許容最長持続時間は3×60分間である。 運動症状は最長72時間持続する場合もある。
*² 失語は常に片側性症状とみなされるが、 構音障害は片側性の場合もそうでない場合もありうる。
*³ 閃輝暗点 (fortification spectrum) やチクチク感は前兆の陽性症状である。
*¹ 頭痛が頻発する、 あるいは持続する患者においては個々の頭痛発作を鑑別することが困難であるため、 反復性片頭痛から「慢性片頭痛」を独立させた。 実際、 頭痛の性状は日によって変わるだけでなく、 同じ日の中でさえも変化することがありうる。 そのような患者では、 頭痛の自然経過を観察するために休薬を続けることは非常に困難である。 このような状況においては、 前兆のある発作も前兆のない発作も、 緊張型頭痛様の頭痛も同様に数える (ただし、 二次性頭痛は含まない)。
*² 頻回再発性頭痛の特徴を明らかにするためには、 少なくとも1ヵ月間、 痛みおよび関連症状について記録した頭痛ダイアリーを毎日つけることが通常求められる。
*³ 「慢性片頭痛」の診断基準には緊張型頭痛様の頭痛が含まれているため、 その診断において「緊張型頭痛」およびそのタイプは除外される。
*⁴ 「新規発症持続性連日性頭痛 (NDPH) 」は「慢性片頭痛」を示唆する特徴をもつこともありうる。 慢性片頭痛は「前兆のない片頭 痛」または「前兆のある片頭痛」 (あるいはその両方) から時間経過とともに進展する。 したがって、 これらの診断基準A~Cを満たす頭痛発作が明らかに連日性であり初発から24時間未満で非寛解性となる場合には「新規発症持続性連日性頭痛 (NDPH) 」にコード化する。 患者が発症の仕方を覚えていない、 あるいは不明確である場合には、 「慢性片頭痛」にコードする。
*⁵ 慢性片頭痛を示唆する症状の最も一般的な原因は、 「薬剤の使用過多による頭痛 (MOH)」において定義されている、 治療薬の過剰使用である。 「慢性片頭痛」とみなされる患者の約半数は、 薬物離脱後に反復性片頭痛に戻る。 これらの患者は、 ある意味では「慢性片頭痛」と誤診されていることになる。 同様に、 治療薬過剰使用とみなされる患者の多くは薬物離脱後にも症状が改善しない。 (薬物の過剰使用によって引き起こされる慢性化は常に可逆性であると仮定すると) この場合、 「薬剤の使用過多による頭痛 (MOH) 」の診断はある意味で不適切であるかもしれない。 これらの理由から、 またすべてに関連した診断名をつけるという規則に従って、 「慢性片頭痛」と「薬剤の使用過多による頭痛 (MOH) 」の診断基準を満たす患者は、 両方の診断名を与えられるべきである。 薬物離脱後、 片頭痛は反復性のタイプに戻る、 もしくは慢性のまま持続し、 それぞれに従って再診断される。 後者の場合は、 「薬剤の使用過多による頭痛 (MOH) 」は取り消される可能性がある。
🔢 HIT-6 (Headache Impact Test-6)
最終更新:2022年11月17日
監修医師:HOKUTO編集部監修医師
ICHD-3 (The International Classification of Headache Disorders 3rd:国際頭痛分類委員会 第3版)で公開された診断基準が最もよく利用される。 なお、 2013年ICHD-3β、 2018年にICHD-3βに修正を加えたICHD-3が公開された¹⁾。
*¹ 1回あるいは数回の片頭痛発作を症候性の片頭痛様頭痛発作と鑑別することは時に困難であると考えられる。 また、 1回あるいは数回の頭痛発作では特徴を把握することが難しい場合もある。 したがって、 発作を5回以上経験していることを診断の要件とした。 発作回数が5回未満の例は、 それ以外の「前兆のない片頭痛」の診断基準を満たしていても、 「前兆のない片頭痛の疑い」にコード化すべきである。
*² 片頭痛発作中に入眠してしまい、 目覚めたときには頭痛を認めない患者では、 発作の持続時間を目覚めた時刻までとみなす。
*³ 小児および思春期 (18歳未満) では、 片頭痛発作の持続時間は、 2~72時間としてよいかもしれない (小児においては未治療時の発作持続時間が2時間未満でありうることのエビデンスは未だ立証されていない)。
*¹ 例えば、 1回の前兆の間に3つの症状が出現する場合には、 前兆の許容最長持続時間は3×60分間である。 運動症状は最長72時間持続する場合もある。
*² 失語は常に片側性症状とみなされるが、 構音障害は片側性の場合もそうでない場合もありうる。
*³ 閃輝暗点 (fortification spectrum) やチクチク感は前兆の陽性症状である。
*¹ 頭痛が頻発する、 あるいは持続する患者においては個々の頭痛発作を鑑別することが困難であるため、 反復性片頭痛から「慢性片頭痛」を独立させた。 実際、 頭痛の性状は日によって変わるだけでなく、 同じ日の中でさえも変化することがありうる。 そのような患者では、 頭痛の自然経過を観察するために休薬を続けることは非常に困難である。 このような状況においては、 前兆のある発作も前兆のない発作も、 緊張型頭痛様の頭痛も同様に数える (ただし、 二次性頭痛は含まない)。
*² 頻回再発性頭痛の特徴を明らかにするためには、 少なくとも1ヵ月間、 痛みおよび関連症状について記録した頭痛ダイアリーを毎日つけることが通常求められる。
*³ 「慢性片頭痛」の診断基準には緊張型頭痛様の頭痛が含まれているため、 その診断において「緊張型頭痛」およびそのタイプは除外される。
*⁴ 「新規発症持続性連日性頭痛 (NDPH) 」は「慢性片頭痛」を示唆する特徴をもつこともありうる。 慢性片頭痛は「前兆のない片頭 痛」または「前兆のある片頭痛」 (あるいはその両方) から時間経過とともに進展する。 したがって、 これらの診断基準A~Cを満たす頭痛発作が明らかに連日性であり初発から24時間未満で非寛解性となる場合には「新規発症持続性連日性頭痛 (NDPH) 」にコード化する。 患者が発症の仕方を覚えていない、 あるいは不明確である場合には、 「慢性片頭痛」にコードする。
*⁵ 慢性片頭痛を示唆する症状の最も一般的な原因は、 「薬剤の使用過多による頭痛 (MOH)」において定義されている、 治療薬の過剰使用である。 「慢性片頭痛」とみなされる患者の約半数は、 薬物離脱後に反復性片頭痛に戻る。 これらの患者は、 ある意味では「慢性片頭痛」と誤診されていることになる。 同様に、 治療薬過剰使用とみなされる患者の多くは薬物離脱後にも症状が改善しない。 (薬物の過剰使用によって引き起こされる慢性化は常に可逆性であると仮定すると) この場合、 「薬剤の使用過多による頭痛 (MOH) 」の診断はある意味で不適切であるかもしれない。 これらの理由から、 またすべてに関連した診断名をつけるという規則に従って、 「慢性片頭痛」と「薬剤の使用過多による頭痛 (MOH) 」の診断基準を満たす患者は、 両方の診断名を与えられるべきである。 薬物離脱後、 片頭痛は反復性のタイプに戻る、 もしくは慢性のまま持続し、 それぞれに従って再診断される。 後者の場合は、 「薬剤の使用過多による頭痛 (MOH) 」は取り消される可能性がある。
🔢 HIT-6 (Headache Impact Test-6)
最終更新:2022年11月17日
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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