CLLの病期分類とは？

CLLについて

慢性リンパ性白血病 (chronic lymphocytic leukemia : CLL) は､ 単一な小型円形から軽度の異型を持つBリンパ球の腫瘍である｡ CLLの多くは緩徐な経過を示すが､ 一部に進行が速く予後不良なものがみられるため､ 病期分類にて病期を決定し､ 治療開始規準に準じて治療を実施する必要がある¹⁾｡

CLLの病期分類

治療方針の決定に｢病期分類｣が必須で､ 米国では主に1975年に報告された改訂Rai分類²⁾が､ 欧州では1985年に報告されたBinet分類³⁾が使用される｡ 改訂Rai分類で高リスク､ Binet分類でC期となれば治療を考慮する¹⁾｡

▼改訂Rai分類²⁾

▼Binet分類³⁾

使用上の注意

• 診察所見と貧血､ 血小板減少だけで診断し､ CTなどの画像所見は用いない.
• リンパ節領域は①頭頸部､ ②腋窩､ ③鼠径部､ ④脾臓､ ⑤肝臓の5領域で評価する (両側でも1領域と評価する).
• SLLの病期分類は悪性リンパ腫の病期分類に準ずる.

エビデンス

50%生存期間⁴⁾

• 改訂Rai分類 低リスク：10年以上
• 改訂Rai分類 中リスク：8年以上
• 改訂Rai分類 高リスク：6.5年

関連コンテンツ

慢性リンパ性白血病

🔢 CLLの治療開始基準

🔢 CLLの病期分類 (Binet分類)

🔢 CLLの病期分類 (改訂Rai分類)

参考文献

1. 日本血液学会. 造血器腫瘍診療ガイドライン2023年版. 金原出版. 2023
2. Clinical staging of chronic lymphocytic leukemia. Blood. 1975 Aug;46(2):219-34. PMID: 1139039
3. A new prognostic classification of chronic lymphocytic leukemia derived from a multivariate survival analysis. Cancer. 1981 Jul 1;48(1):198-206. PMID: 7237385
4. Chronic lymphocytic leukaemia: ESMO Clinical Practice Guidelines for diagnosis, treatment and follow-up .Ann Oncol 2015 ; 26 Suppl 5 : v78-84. PMID : 26314781

最終更新：2023年11月28日

監修医師：東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔