TIMIリスクスコアは、 2000年にAntmanらにより開発された非ST上昇型急性冠症候群 (NSTE-ACS) の患者の予後、特に2週間以内の急性心筋梗塞発症リスクや死亡リスクを予測するためのスケールである¹⁾。
2000年に提唱後、 NSTE-ACSのリスク評価として最も多く検証されてきたリスクスコアのひとつである。 シンプルな項目であり、 救急外来において使いやすいのが特徴である。
以下の7つの項目、各1点で構成される
該当する項目ごとに1点が加算され、 合計得点がリスクを表す。 スコアが高いほど14日後の有害イベント (全死亡、心筋梗塞、緊急血行再建を要する重度虚血) の発生率が高くなるとされる¹⁾²⁾。
TIMI 11B試験とESSENCE試験という2つの大規模な多国間ランダム化試験に基づいて開発され、 それらの試験のデータをもとに検証された。
結果的に、TIMIリスクスコアが増加するにつれてイベント率が有意に増加することが確認された。 TIMI 11B試験では、 TIMIリスクスコアとイベント発生率の関係は以下の通りであった。
TIMIリスクスコアとイベント発生率
0~1点:4.7%
2点 :8.3%
3点 :13.2%
4点 :19.9%
5点 :26.2%
6~7点:40.9%
長期予後評価として、 GRACEリスクスコア、 PURSUITリスクスコアなどが知られている。 いずれもTIMIリスクスコアよりも煩雑であるが、 過去の報告では、 TIMIリスクスコアと比較して、 PURSUITリスクスコアとGRACEリスクスコアは、 広範なACSを呈する患者における入院死亡率と1年死亡率についてより高い精度を持つとされた²⁾。
TIMIリスクスコアは、 あくまでも予後の予測ツールであり、 具体的な治療戦略を示すものではない。 このツールは各項目に等しく1点を割り当てているが、 すべてのリスク要因が等しく重要であるわけではない。 また、 ある患者が低リスクであると判断された場合でも、 それは必ずしもその患者が有害な結果を経験しないことを保証するものではない。 TIMIリスクスコアはあくまで補助的なツールであり、 医師の臨床的判断を補完するものであるべきである。
最終更新:2023年7月19日
監修医師:HOKUTO編集部監修医師
TIMIリスクスコアは、 2000年にAntmanらにより開発された非ST上昇型急性冠症候群 (NSTE-ACS) の患者の予後、特に2週間以内の急性心筋梗塞発症リスクや死亡リスクを予測するためのスケールである¹⁾。
2000年に提唱後、 NSTE-ACSのリスク評価として最も多く検証されてきたリスクスコアのひとつである。 シンプルな項目であり、 救急外来において使いやすいのが特徴である。
以下の7つの項目、各1点で構成される
該当する項目ごとに1点が加算され、 合計得点がリスクを表す。 スコアが高いほど14日後の有害イベント (全死亡、心筋梗塞、緊急血行再建を要する重度虚血) の発生率が高くなるとされる¹⁾²⁾。
TIMI 11B試験とESSENCE試験という2つの大規模な多国間ランダム化試験に基づいて開発され、 それらの試験のデータをもとに検証された。
結果的に、TIMIリスクスコアが増加するにつれてイベント率が有意に増加することが確認された。 TIMI 11B試験では、 TIMIリスクスコアとイベント発生率の関係は以下の通りであった。
TIMIリスクスコアとイベント発生率
0~1点:4.7%
2点 :8.3%
3点 :13.2%
4点 :19.9%
5点 :26.2%
6~7点:40.9%
長期予後評価として、 GRACEリスクスコア、 PURSUITリスクスコアなどが知られている。 いずれもTIMIリスクスコアよりも煩雑であるが、 過去の報告では、 TIMIリスクスコアと比較して、 PURSUITリスクスコアとGRACEリスクスコアは、 広範なACSを呈する患者における入院死亡率と1年死亡率についてより高い精度を持つとされた²⁾。
TIMIリスクスコアは、 あくまでも予後の予測ツールであり、 具体的な治療戦略を示すものではない。 このツールは各項目に等しく1点を割り当てているが、 すべてのリスク要因が等しく重要であるわけではない。 また、 ある患者が低リスクであると判断された場合でも、 それは必ずしもその患者が有害な結果を経験しないことを保証するものではない。 TIMIリスクスコアはあくまで補助的なツールであり、 医師の臨床的判断を補完するものであるべきである。
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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