概要
計算
監修医師

エドルミズ®︎の投与条件とは?

エドルミズ®︎錠 添付文書 2023年2月改訂 (第2版)より引用¹⁾。 がん悪液質の定義や診断基準については次項を参照ください。

エドルミズ®︎の効能又は効果

下記の悪性腫瘍におけるがん悪液質

 ー 非小細胞肺癌、 胃癌、 膵癌、 大腸癌

エドルミズ®︎錠 添付文書 2023年2月改訂 (第2版)より引用

効能又は効果に関連する注意

  • 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、 胃癌、 膵癌、 大腸癌のがん悪液質患者に使用すること。
  • 栄養療法等で効果不十分ながん悪液質の患者に使用すること。
  • 6ヵ月以内に5%以上の体重減少と食欲不振があり、 かつ以下のうち 2つ以上を認める患者に使用すること。 
  • 疲労又は倦怠感 
  • 全身の筋力低下 
  • CRP 値> 0.5mg/dL、ヘモグロビン値 <12g/dL又はアルブミン値 <3.2g/dLのいずれか1つ以上
  • 食事の経口摂取が困難又は食事の消化吸収不良の患者には使用しないこと。 
エドルミズ®︎錠 添付文書 2023年2月改訂 (第2版)より引用

投与禁忌

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • うっ血性心不全のある患者 [心機能を抑制し、 症状が悪化するおそれがある。 ]
  • 心筋梗塞又は狭心症のある患者 [心機能を抑制し、 症状が悪化するおそれがある。 ]
  • 高度の刺激伝導系障害 (完全房室ブロック等) のある患者 [本剤はナトリウムチャネル阻害作用を有するため、刺激伝導系に対し抑制的に作用し、悪化させるおそれがある。]
  • 次の薬剤を投与中の患者
  • クラリスロマイシン 
  • イトラコナゾール 
  • ボリコナゾール
  • リトナビル含有製剤
  • コビシスタット含有製剤
  • エンシトレルビル フマル酸
  • 中等度以上の肝機能障害 (🔢Child-Pugh分類B及びC) のある患者 [本剤の体内からの消失には主に肝臓が寄与しているため、 血中濃度が上昇し、 刺激伝導系抑制があらわれるおそれがある。 ]
  • 消化管閉塞等、 消化管の器質的異常による食事の経口摂取が困難な患者
エドルミズ®︎錠 添付文書 2023年2月改訂 (第2版)より引用

参考:悪液質の定義と診断基準

EPCRCで提唱されたFearonによる定義 (がん患者特異的)や、 Evansらによる定義 (非がん患者も含む) が知られている²⁾³⁾。

🔢 Fearonによる定義 (EPCRC)

2011年、 EPCRC*でFearonらにより提唱された がん患者に特異的な"がん悪液質”の定義であり 「通常の栄養サポートでは完全に回復することができず、 進行性の機能障害に至り、 骨格筋量の持続的な減少**を特徴とする多因子性の症候群」とされた²⁾。

*EPCRC:European Palliative Care Research Collaborative:欧州緩和ケア共同研究 **脂肪量減少の有無によらない

<診断基準>

下記3つのいずれかを満たすもの

  1. 過去6ヶ月間の体重減少 >5%
  2. BMI <20、 体重減少 >2%
  3. サルコペニア、 体重減少 >2%
Lancet Oncol. 2011 May;12(5):489-95.より引用

🔢 Evansらによる定義

2006年、 Evansらにより 「一般的な悪液質は基礎疾患に伴う複合的代謝異常の症候群であり、 筋肉減少を特徴とし、 脂肪量減少の有無は問わない状態」 と定義された³⁾。

<診断基準>

過去12ヵ月間 (がんの場合は3~6ヶ月) で、 浮腫を伴わない体重減少 >5% (体重の記録がない場合は BMI<20.0) +下記のうち3つ以上を満たす

  1. 筋力減少
  2. 疲労
  3. 食欲不振
  4. 除脂肪体重低値
  5. 検査値異常 (いずれか)

− CRP >0.5mg/dL、 IL-6 >4.0pg/mL

− Hb <12g/dL

− Alb <3.2g/dL

Clin Nutr. 2008 Dec;27(6):793-9. より引用

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📝がん悪液質のマネジメント

💊エドルミズ錠50mg

🔢悪液質の診断基準 (Evans)

🔢悪液質の診断基準 (EPCRC)

参考文献

  1. エドルミズ®︎錠 添付文書 2023年 2月改訂 (第2版)
  2. Definition and classification of cancer cachexia: an international consensus. Lancet Oncol. 2011 May;12(5):489-95. PMID: 21296615
  3. Cachexia: a new definition, Clin Nutr. 2008 Dec;27(6):793-9. PMID: 18718696
 
最終更新:2023年9月12日
監修医師:HOKUTO編集部医師

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悪性腫瘍におけるがん悪液質治療薬
2024年02月23日更新
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エドルミズ®︎錠 添付文書 2023年2月改訂 (第2版)より引用¹⁾。 がん悪液質の定義や診断基準については次項を参照ください。

エドルミズ®︎の効能又は効果

下記の悪性腫瘍におけるがん悪液質

 ー 非小細胞肺癌、 胃癌、 膵癌、 大腸癌

エドルミズ®︎錠 添付文書 2023年2月改訂 (第2版)より引用

効能又は効果に関連する注意

  • 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、 胃癌、 膵癌、 大腸癌のがん悪液質患者に使用すること。
  • 栄養療法等で効果不十分ながん悪液質の患者に使用すること。
  • 6ヵ月以内に5%以上の体重減少と食欲不振があり、 かつ以下のうち 2つ以上を認める患者に使用すること。 
  • 疲労又は倦怠感 
  • 全身の筋力低下 
  • CRP 値> 0.5mg/dL、ヘモグロビン値 <12g/dL又はアルブミン値 <3.2g/dLのいずれか1つ以上
  • 食事の経口摂取が困難又は食事の消化吸収不良の患者には使用しないこと。 
エドルミズ®︎錠 添付文書 2023年2月改訂 (第2版)より引用

投与禁忌

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • うっ血性心不全のある患者 [心機能を抑制し、 症状が悪化するおそれがある。 ]
  • 心筋梗塞又は狭心症のある患者 [心機能を抑制し、 症状が悪化するおそれがある。 ]
  • 高度の刺激伝導系障害 (完全房室ブロック等) のある患者 [本剤はナトリウムチャネル阻害作用を有するため、刺激伝導系に対し抑制的に作用し、悪化させるおそれがある。]
  • 次の薬剤を投与中の患者
  • クラリスロマイシン 
  • イトラコナゾール 
  • ボリコナゾール
  • リトナビル含有製剤
  • コビシスタット含有製剤
  • エンシトレルビル フマル酸
  • 中等度以上の肝機能障害 (🔢Child-Pugh分類B及びC) のある患者 [本剤の体内からの消失には主に肝臓が寄与しているため、 血中濃度が上昇し、 刺激伝導系抑制があらわれるおそれがある。 ]
  • 消化管閉塞等、 消化管の器質的異常による食事の経口摂取が困難な患者
エドルミズ®︎錠 添付文書 2023年2月改訂 (第2版)より引用

参考:悪液質の定義と診断基準

EPCRCで提唱されたFearonによる定義 (がん患者特異的)や、 Evansらによる定義 (非がん患者も含む) が知られている²⁾³⁾。

🔢 Fearonによる定義 (EPCRC)

2011年、 EPCRC*でFearonらにより提唱された がん患者に特異的な"がん悪液質”の定義であり 「通常の栄養サポートでは完全に回復することができず、 進行性の機能障害に至り、 骨格筋量の持続的な減少**を特徴とする多因子性の症候群」とされた²⁾。

*EPCRC:European Palliative Care Research Collaborative:欧州緩和ケア共同研究 **脂肪量減少の有無によらない

<診断基準>

下記3つのいずれかを満たすもの

  1. 過去6ヶ月間の体重減少 >5%
  2. BMI <20、 体重減少 >2%
  3. サルコペニア、 体重減少 >2%
Lancet Oncol. 2011 May;12(5):489-95.より引用

🔢 Evansらによる定義

2006年、 Evansらにより 「一般的な悪液質は基礎疾患に伴う複合的代謝異常の症候群であり、 筋肉減少を特徴とし、 脂肪量減少の有無は問わない状態」 と定義された³⁾。

<診断基準>

過去12ヵ月間 (がんの場合は3~6ヶ月) で、 浮腫を伴わない体重減少 >5% (体重の記録がない場合は BMI<20.0) +下記のうち3つ以上を満たす

  1. 筋力減少
  2. 疲労
  3. 食欲不振
  4. 除脂肪体重低値
  5. 検査値異常 (いずれか)

− CRP >0.5mg/dL、 IL-6 >4.0pg/mL

− Hb <12g/dL

− Alb <3.2g/dL

Clin Nutr. 2008 Dec;27(6):793-9. より引用

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🔢悪液質の診断基準 (Evans)

🔢悪液質の診断基準 (EPCRC)

参考文献

  1. エドルミズ®︎錠 添付文書 2023年 2月改訂 (第2版)
  2. Definition and classification of cancer cachexia: an international consensus. Lancet Oncol. 2011 May;12(5):489-95. PMID: 21296615
  3. Cachexia: a new definition, Clin Nutr. 2008 Dec;27(6):793-9. PMID: 18718696
 
最終更新:2023年9月12日
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